Speak emo

2018.12.25
NaNoMoRaL

普段は本音を言えない私の代わりに、パセリさんが作った曲が言ってくれているように思います

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コール&レスポンスとかして、みんなのストレスが減ったらいいなと思ってやってます(未來)

――では、そろそろミニアルバム『nisan ka tanso』についてお聞きいたします。リリースは2018年7月でしたよね?

パセリちゃん:7月4日かな。6月に先行発売したんですよね(編注:ライブ会場や一部の店舗で先行発売された)。正式なのは7月でした。

――デビュー・ライブ「ナノモラルハジマル」の時には、「ハジマル」「人間やるのやめた」「サーチライト」を披露されました。その他の曲はその後に作ったものですか?

パセリちゃん:そうですね。「もんすた」って曲は、ちょっとテンポが遅い曲なんですけど…

――ラヴァーズ・ロック系の曲ですよね。

パセリちゃん:そう。これは前のバンドでやろうとしてた曲です。未來さんが「いい」って言ったんで、やりました。

――タイトルが「nisan ka tanso」。「吐き出す」というのがテーマとのこと。では、「二酸化炭素」ってどういうものの象徴なんですか?

パセリちゃん:“鬱憤”だと思ってます。「悪い部分を吐き出す」といったイメージですね。だから「とにかくしっかり吐き出すんだ」と。歌詞を書く上でも、結構よく出てくる言葉ですね。もう「タイトルは絶対これにするよ」って言いました。

未來:言われました(笑)。

――それを聞いてどう思いました?

未來:センスいいな、センスの塊だな、って。二酸化炭素をローマ字にするという発想が私にはなかったから、私より長く生きてきたんだな、って思いました(笑)。オシャレだなって。

――ジャケットはすごいシンプルですね。

パセリちゃん:曲以外にあまり情報を入れたくなかったんで。そういう意志の表れだと。

――ここに歌われてることは、自分の中の毒のようなものを二酸化炭素のように吐き出す、といったところでしょうか。

パセリちゃん:はい。

――でも、過呼吸になった時は二酸化炭素を吸った方がいいんですよね。

未來:え~、そうなんですね。

パセリちゃん:あぁ、そう言いますよね。

――酸素を吸いすぎるから過呼吸になるので、手で口を覆ったり、紙袋を口に当てたりして、自分が吐いた二酸化炭素を吸うと治る、と言われています。そういう意味では、悪いことばかりではないんじゃないか、と。

未來:良いこと?

パセリちゃん:そもそも悪いものかどうかもわかんない。

――ですよね。悪いことばかりではない――ということを「呼吸のすすめ」という曲の中でも歌ってますよね?

パセリちゃん:はい。そういうことなんです。その曲の一節「僕の悪が君の悪とは 限らないものね」は帯にも記載してるんですが、そういうことなんですよ。

――でも「吐き出す」ということをテーマにするってことは、ご自身もそうかもしれないですし、もしかしたら多くの人もそうなのかもしれないですけど、やっぱり溜まってるんでしょうか?

パセリちゃん:いや、溜まってるでしょ。

未來:はい。皆さん溜まってると思います。

パセリちゃん:良いことばっかりな人はいないでしょう。

――例えば、どんなことが溜まってますか?

未來:溜まってる…? 最近あるかなぁ。ライブでいろいろ出せちゃってるから。むしろ今は、お客さんに吐き出してもらいたいなって思ってます。

――あぁ、なるほど。

未來:なので、最近コール&レスポンスとかして、みんなのストレスが減ったらいいなと思ってやってます。声を出すことで。

パセリちゃん:そう。そうなんですよ。その鬱憤みたいなのが原動力になると思ってたんですけど、5月ぐらいかなぁ、もう結構楽になっちゃったみたいな。そこからですかね。ハッピーなものになってきたな、と感じるようになったのは。

未來:うんうん。確かに。

パセリちゃん:もちろんテーマは「吐き出す」なんですけど、一気に出せちゃったのかもしれませんね。「やべぇ、これハッピーな感じになっちゃう」とは思いました、その時は。

――それは「やべぇ」って感覚ですか?

パセリちゃん:そうですね。「やべぇ」と思っちゃいましたね。僕は曲書くのにマイナスなものを原動力にしてやってるので「どうしよう」って…。なので、例えば「モノクロマジック」という曲は、アルバム用に作ったんですけど、すごいハッピーになってるんですよね、歌詞が。

未來:確かに!

――それこそお披露目ライブ「ナノモラルハジマル」の時っていうのは、ほんとにリアルに吐き出すっていう行為だったのかもしれないですけど、今や、お客さんのを吐き出す媒介になるというか、きっかけになるというか、そうした役割を担っているわけですね。でも、ライブを観るとまさにそれは感じるところで。未來さんの笑顔があるからこそ、その裏にある“狂気”や“毒”に臨場感が生じ、それゆえに聴き手の中の“吐き出すべきもの”に共鳴するというか…。自分もそれで「吐き出せるかな」って思いました。

未來:嬉しいですね。

パセリちゃん:ありがたい。

――でも、ハッピーになってきて「やべぇ」っていうふうにおっしゃいました。じゃあ、吐き出すための原動力として、何か他にありますか? 例えば世の中のことでいろいろあるといえばあるじゃないですか。

パセリちゃん:腹立つことはいっぱいありますよ。僕あんまり性格は良くないんで(笑)。

――ハハハ。

パセリちゃん:まあ、ちょいちょいイライラはしてるんで、その点では大丈夫なんですけどね。

取材・文
石川真男

NaNoMoRaL ライブ情報

NaNoMoRaL

NaNoMoRaL presents
『 siranai party vol.01 』

■日程:2019年01月13日(日)
■時間:OPEN17:30 / START18:00(予定)
■会場:渋谷DESEO mini with VILLAGE VANGUARD
※東京都渋谷区道玄坂2-13-5 ハーベストビルディング2F
■料金:前売り 2500円 / 当日 3000円 ※別途1D
■出演:NaNoMoRaL / ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい) / MELLOW GREEN WONDER / SAKA-SAMA / 電影と少年CQ

NaNoMoRaL 商品情報

ミニアルバム『nisan ka tanso』発売中!

nisan ka tanso

1800円(税込)

<収録曲>
呼吸のすすめ
ハジマル
人間やるのやめた
モノクロマジック
シンダフリズム
もんすた
サーチライト

 

PROFILE

PROFILE
NaNoMoRaL

2018年03月に雨宮未來のソロユニットとして結成、ライブデビュー。ソロなのにユニットという特殊な編成で雨宮と梶原の男女Vocalがアイドル業界内で異彩を放っており、活動当初はアイドルイベントへの出演がほとんどであったが、現在ではバンドライブへの出演も多く、ライブデビューから2年で約300本のライブを行った。2019年10月には京都の音楽フェス『ボロフェスタ2019』に出演。その勢いのまま同年11月に渋谷WWWにてワンマンライブを開催。
2020年08月には浅草花やしき花劇場、12月には恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンライブを開催予定。

 

雨宮未來
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梶原パセリちゃん
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