Speak emo
普段は本音を言えない私の代わりに、パセリさんが作った曲が言ってくれているように思います
笑顔こそが彼女の持ってる一番の才能だと思います(パセリちゃん)
――ライブを拝見すると、曲の良さはもちろん、未來さんのヴォーカルや歌による“演じ方”が素晴らしいんですが、とにかく未來さんの笑顔が印象的ですよね。
未來:えぇ!?ホントですか?
パセリちゃん:そう。歌詞はめちゃくちゃ暗いことが歌われてると思うんですけど、あの笑顔によって全部それが救いになるんですよね。僕はマイナスなものがマイナスで終わってしまうものあまり好きじゃなくて、最終的にはどんでん返しして、ハッピーに終わるものが好きなんですけど、その役割を担ってくれてるので。
未來:えぇ~良かった。
パセリちゃん:よく言われるのが「NaNoMoRaLの現場ってみんなニコニコして観てる」っていうことなんですよね。
――確かにそうですね。
パセリちゃん:笑顔こそが彼女の持ってる一番の才能だと思います。
未來:え~嬉しい。
――今のアイドル界って病んでることを“売り”にしてる人って多いじゃないですか。
パセリちゃん:多いですね。
――ある意味、“演技”してる人もいると思いますよ。あるいは“盛って”たりとか。でも、未來さんの場合は、あの笑顔があるからこそ、そこに見え隠れする“狂気”や“苦悩”に真実味があって、観ている人も共感するんじゃないかな、と。
パセリちゃん:真逆なことをやってるからこそですね。
――押し付けがましくないからこそ説得力を帯びるというか…。
未來:あぁ、そうですね。さっきも言ったように、普段からそういう部分は出さないようにしてるんです。私、病んでる子がいると本気で心配しちゃうんですよ。たとえそれが演技だとしても本気で心配しちゃうんです。なので、私自身は「それはしたくないな」って…。
――出さないようにしてるということは…全然そういう風には見えないんですけど、やはり結構病んでるんですか?
未來:えぇ~!どうなんだろう。波があるのかもしれない…。
パセリちゃん:いやいやいや(笑)。“営業妨害”になるかもしれないですけど、未來さん、まあまあ暗いですよ。
――そうですか(笑)。
パセリちゃん:まあまあ暗い、ホントに。
未來:やばいやばい(笑)。
――人懐っこそうな印象なんですけど。
パセリちゃん:めちゃくちゃ人見知りです。
――人見知りですか。
未來:はい。構ってくれる人がいると、もうずっと一緒にいちゃうんですね。だから最近、仲良い運営さんとか増えてきて、ずっと一緒にお喋りの相手してもらったりしてます(笑)。
――でも、よく他のアイドルさんとツーショットを撮ったりして、上手く懐に入ってる感があるんですが…。
未來:あぁ、確かに写真は撮ってもらってます。
パセリちゃん:それは努力。これこそ一番の営業妨害になるかもしれないですけど、それは努力だと思います、この子の。
未來:「行こう」って思って、頑張って声掛けに行ってます。「もし自分がそういうふうに声掛けられたら」って思ったら、嬉しいじゃないですか。「きっと嬉しいはず」と思って、勇気出して行ってます。同じ時間に一緒にライブしてるのに、もったいないじゃないですか。せっかく出会ったから「仲良くなりたいな」と思って。
――努力されてるんですね。コミュニケーション能力がすごく高いのかなと思ってたんですが…。
未來:すごい言われます、それ。
――でも、それなりの“闇”も抱えてるわけですよね。きっと、それは“誰も抱えるもの”でもあると思うんですよ。それをそのステージ上で表現出来るから、説得力があるし信頼出来るんじゃないかと思います。
未來:嬉しいです。
――で、NaNoMoRaLはあくまで“雨宮未來ソロユニット”だとおっしゃってましたが、ヴォーカルをお二人で分け合ってるじゃないですか。それは最初から決めていたんですか?
パセリちゃん:いや、ホントはこの人に全部歌わせたいんですけど、逆に「歌ってください」と言われるし…。「え、何で?歌わないんですか?」みたいな感じだったので、割合的には3:1ぐらいで入れるようにしました。
――「私だけ歌わせて」っていう気持ちではなかったんですか?
未來:ソロって歌詞めちゃくちゃ覚えるじゃないですか。なので、負担が大きくて「こんなになくて大丈夫です」って思っちゃって(笑)。「歌詞割りこんなにいらないです」って。なので「歌ってください」って言ったんですけど、「人間やるのやめた」は、まさか私があっちのパートを歌うとは思ってなかったんです。
パセリちゃん:逆だと思ってたらしいんですよ。
未來:そう。
パセリちゃん:そんなわけないじゃないですか!
未來:私はびっくりして「何で私がこっち歌うんですか?」ってなっちゃって。
――なるほど。逆バージョンも聴いてみたい気もしますけど。
パセリちゃん:ライブではやったことがあるんですよ。
――やってるんですね。
未來:昔、ホントたまに。
パセリちゃん:持ち曲がちょっと少なかった時期とかに。
――そうだったんですね。それはちょっと観たいな…。では、そういう意味では、曲を作る際も、あくまで未來さんが全部歌うことを想定しているわけですか?
パセリちゃん:はい。まあでも、デビュー以来僕が歌う部分もすごく増えてきて、「このメロは自分が歌おう」とかっていうのは考えてます。
――全体を聴くと、形式としては、いわば“デュエット”になってるわけじゃないですか。でも…この例えわかるかなぁ……例えば「三年目の浮気」みたいな…わかります?
未來:題名は聞いたことあります。
パセリちゃん:デュエットの定番ですよね。
――そうそう。あの曲は“対話”じゃないですか。でも、みなさんの曲は“対話”になってなくて、ある種「一つの人格を二人で表現してる」みたいな。それは「自分の中の二つの人格」なのか、あるいは「自分を戒める天の声なのか」「自分を助けてくれる、自分の中の別人格」なのか…いろんな想像が出来ると思うんですが、そんな意識はありますか?
パセリちゃん:歌い分けてますけど、歌詞の内容的には一本ですね。それで感情が変わるってことはないです。一曲の中には一つの人格にしてますね。そもそも二人の考えていることはかなり近いと思います。
――なるほど。未來さんはそれを聞いてどうですか?
未來:でも、めちゃくちゃ細かいこと考えてそうですよね?
パセリちゃん:そうでもない。
未來:私より考えてそうなイメージ。
パセリちゃん:でも種類は一緒だと思う。
未來:ホントですか?
パセリちゃん:うん。たとえば、僕ら二人が真逆の性格だったら、未來さんに書いた歌詞を僕が歌うと嘘になるけど、それはないから嘘にならないんですよね。
――なるほどね。そういう意味では、“嘘”ではなく“本音”を歌う。決して示し合せたわけではないですけど、偶然というか、そういった共鳴してる部分がある、と。
パセリちゃん:そうですね。だって、ラブソングとか嫌いだよね。
未來:ラブソング…。
パセリちゃん:アイドルには多いですよね。
――はい。基本そんな感じです。
パセリちゃん:「うるせー」と思うんですよね。「恋愛禁止だ」っつってんのに「好きだよ」みたいな歌詞入れてくるのって。
――それは、お客さんと疑似恋愛しないといけないですから。
未來:そういうことか。
パセリちゃん:それもあれじゃないですか。中学生ぐらいの子がそれを歌ってても刺さらないと思うんですよね。
NaNoMoRaL ライブ情報
NaNoMoRaL presents
『 siranai party vol.01 』
■日程:2019年01月13日(日)
■時間:OPEN17:30 / START18:00(予定)
■会場:渋谷DESEO mini with VILLAGE VANGUARD
※東京都渋谷区道玄坂2-13-5 ハーベストビルディング2F
■料金:前売り 2500円 / 当日 3000円 ※別途1D
■出演:NaNoMoRaL / ジョニー大蔵大臣(水中、それは苦しい) / MELLOW GREEN WONDER / SAKA-SAMA / 電影と少年CQ
NaNoMoRaL 商品情報
ミニアルバム『nisan ka tanso』発売中!
1800円(税込)
<収録曲>
呼吸のすすめ
ハジマル
人間やるのやめた
モノクロマジック
シンダフリズム
もんすた
サーチライト