Speak emo

2020.06.21
まちだガールズ・クワイア

まちだガールズ・クワイア|ハモった時のこの気持ち良さは絶対誰しもが抱いたことのある感覚だと思うので、町ガの音楽は皆さんに寄り添えるものだと思います

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「Moon base」って町ガの曲では珍しく二部編成なんです(ひより)

 

ーー今年4月19日にリリースされたニューシングルについてお伺いいたします。まずは「Moon base」ですが、マウントレーニアでのコンサートで1曲目にやられました。マウントレーニアでやってからシングルにするってことになったんですか? それともそもそもシングルで出そうと計画されてたんですか?

 

もえか: いえ、まずはライブでやることを目的としていました。

 

 

ーーあの時が初披露だったと思うんですが、ファンの方もびっくりしたんじゃないですか? 町ガのファンの方の中には“ショーキチファン”も結構いると思うんですが、その方々の反響はもちろん、あの曲を知らない人も「え?町ガがこんな曲やるんだ」って驚いたんじゃないかと思います。あれを1曲目に持ってくるっていうのは皆さんが考えたんですか?

 

もえか: 構成を考えている中で、ここは1曲目にバンッとやってみようか、っていうアイディアが出てきましたね。

 

 

ーー石田ショーキチさんのかつてのユニット、Scudelia Electroのオリジナルver.はもちろん聴いていると思うんですが、実際歌ってみてどうですか?

 

えりか: そもそも「Moon base」って私たちが「この曲やらせてください」って言った曲なんです。

 

 

ーーそうなんですね。石田さんが提案されたのではなく?

 

えりか: いえ、違います。

 

 

もえか: ずっと石田ショーキチのバンドのライブで聴き続けてきてた曲で、もともとすごい聴き馴染みがあった曲だったんですよ。

 

 

えりか: 「まちだガールズクワイアが宇宙を目指す」っていう世界観にもぴったり合ってるなっていうのもあって、やりたいな、と。

 

 

ーーなるほど。「町ガ宇宙進出」のテーマ曲になりそうなぐらいぴったりの曲ですね。石田さんもあの曲をアコースティックでやったり、ハードなギターをフィーチャーしたオルタナティブな感じでやったりもしていますが、それを皆さん流にハーモニーを使ってやるのは難しかったですか?

 

ひより: 「Moon base」って町ガの曲では珍しく二部編成なんです。他の曲はたいてい三部なんですが…。今までの曲は、複雑な和声を三部のハーモニーで綴ってたんですが、二部になったことでメロディーが少し単純になったんです。それによって一気にガンッと前に出るっていうか、すごい強い曲になったので、町ガの楽曲の中でもまた違う魅力が伝えられるものになんじゃないかなと思います。

 

 

ーーあの曲は、ビートがすごく効いていて、メロディもはっきりしていますから、それを三部のハーモニーで散らすよりも二部に詰めた方が強くなる、と。

 

もえか: はい、ストレートに。私たちもこの曲は力強くカッコよく歌いたいと思っていたので、キーを決める時も、いろんなキーで歌って「このキーが一番気持ち良く前に声が出る」「一番伝えられる」っていうものに決めたり…。これまではキーを自分たちで指定することはなかったですね。

 

 

ーー曲調的にも“町ガの新機軸”というべきものなんですが、そういうキーを自分たちで決めたり、二部ハーモニーで歌ったりとか、そういった意味でも町ガの“新しい一歩”になった感じですよね。

 

さきこ: そうです。

 

 

ひより: ですね。

 

 

ーーでも、あの曲をやってしまえば、その次はもう何でもできそうな感じですよね? 大きく道が開けたような解放感があります。

 

もえか: うん。あります。

 

 

ひより: そうですね。

 

 

ーー例えば、どんな方向性が考えられますか?

 

もえか: いや、それはもうショーキチが…。ショーキチに「新曲を書いて欲しい」ってずっと言ってます(笑)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しでもピッチがずれるとハーモニーが変わっちゃうので、そういった繊細な部分の調整がすごく難しいレコーディングでした(さきこ)

 

ーー時間もだいぶ過ぎてしまいましたので、「Bohemian Rhapsody」に参ります。クイーンの永遠の名曲のカバー。これで1時間ほど話したいぐらいなんですけど。

 

もえか: 話したいです(笑)。

 

 

ーー(笑)。市民ホールのライブで初披露されました。

 

一同: はい、そうです。

 

 

ーーあの時のセトリも皆さんで決めたんですよね?

 

一同: そうです。

 

 

ーーということは皆さんがあの曲をやろうと希望したんですか?

 

あいね: いえ、あれは結構ギリギリになってショーキチが「これやらない?」って言ってきて…。なので、あの時はあまり練習時間もなくて、ギリギリで。

 

 

もえか: しかも生演奏でやるっていう。

 

 

ひより: いきなりハードル高い感じで。

 

 

ーー実際やっていかがでしたか? 映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしたのもあって、もちろん皆さんも曲は知っていましたよね?

 

もえか: あの曲をやるって決まって、それぞれ映画館に見に行きました。

 

 

ーーでも、すごい曲ですよね。映画では語り切らていない部分もあるんですが、ものすごく声を重ねて、様々な工夫が施されて、あの驚異的なオペラパートが出来上がっているわけですが、皆さんは7人の声でやられてるんですか? それとも多重録音でいくつか声を重ねていますか? 

 

ひより: いえ、7人がそれぞれのパートを歌っていて、音源的には各パート1本録りでした。

 

 

ーーあぁ、7声以上は重ねていないということは、ライブでもこの7人で再現できる、と。

 

一同: はい。

 

 

もえか: 逆に7人いないとできないです。

 

 

ーー7声がそれぞれの動きをするわけですね。どこかで重なったり離れたりといった感じで。

 

ひより: はい。

 

 

ーーいやぁ、でも、クイーンにどハマりして、この曲をカラオケの十八番としてきた僕から見ても(笑)、本当に素晴らしいカバーだと思います。そもそも、あのオペラパートってクイーン本家はテープでやっていますからね。

 

ひより: そうですよね。

 

 

ーーそれを再現するのはいかがでしたか? じゃあ、これを1人ずつお訊きして終わりにしたいと思います。

 

ほのか: 私は英語の歌が苦手なんですけど、楽譜が片仮名でいっぱいになりました(笑)。でも、本家を聴きながらメンバーにも読み方を教えてもらったりしながら頑張りました。でもこの曲は、歌っていてすごく気持ちいいです。

 

 

ーーですよね? 気持ちいいっていうのは僕もすごくわかります(笑)。では続いて、のぞみさん。

 

のぞみ: はい。ほんとに難しかったです。今までは7人で3パートだったので仲間がいたんですけど、これは7人それぞれほんとに違うパートなので、たくさん聴いて発音も教えてもらいながら頑張りました。いや、でも「Bohemian Rhapsody」は皆さん知っている曲じゃないですか。なので、そのプレッシャーもありました。なんか変に言われたらどうしようって…。でも、プレッシャーにも負けないよう全力で練習して無事できるようになったので、これからライブで披露する機会も増えると思うんですが、すごい高いクオリティで歌えるように頑張りたいです。今も練習頑張っています。

 

 

ーーなるほど。では、さきこさん。

 

さきこ: はい。冒頭から4パートでアカペラでハモったり、7人で7パートがあって、ハーモニーをすごく重視してるんです。その分、少しでもピッチがずれるとハーモニーが変わっちゃうので、そういった繊細な部分の調整がすごく難しいレコーディングでした。

 

 

ーーさすが音楽的支柱のさきこさんの意見ですね。では、続きまして…

 

あいね: あいねです。この曲はほんとにオケもショーキチが本家に寄せてギターで弾いていたりとか。

 

 

ーー完コピでしたよね。

 

あいね: はい。もうほんとに本家に寄せているので、歌もみんな聴き込んで、あのフレディの歌い方をできる限り真似して、発音とかも「意外と日本語っぽい響きで歌ってるな」とか思いながら、そういう細かい所まで寄せて歌いました。あとは、まだやったことはないんですけど、ライブでは振り付けもつけてやる予定なので、それも早く披露したいです。

 

 

ーーまだ市民ホールでしかやってないですか?

 

あいね: いえ、それも含めて2回ほど。その時は楽譜を見ながら棒立ちで歌ったので、次皆さんの前でできる時は踊りが付いていると思います。

 

 

ーーそれがある種、完成形なわけですね。

 

あいね: そうです。

 

 

ーーでは、ひよりさん。

 

ひより: はい。先ほど、市民ホールのライブはプロデューサーからの“テスト”というか“挑戦”だったって言いましたが、この曲も私たちが試された曲だなって思っていて…。7人が7人別のことをしていて、さきこも言ってましたが、ほんとに少しピッチが狂うだけで全然ハーモニーが違うものになっちゃうっていう、個々の歌唱力が本当に求められる曲だと思ったので…。市民ホールを経て、初の町ガのメンバー発信のマウントレーニアでのワンマンライブも終えて、次のステップとして新しいシングルを出すにあたって、もっと上に行くための“テスト”だと。なので、この名曲をまちだガールズ・クワイアがカバーするからには、やっもっともっと音楽的な所を詰めていかなきゃいけないなって、歌うたびに思います。

 

 

ーーなるほど。続いて、もえかさん。

 

もえか: はい。この曲は全部で五楽章に分かれてて、楽章ごとに顔が違うんです。聖歌隊っぽい感じで始まって、オペラパートもあったりロックなパートもあって、これを歌うことで私たちの音楽的な表現力もすごく高まったと思いますし、個々の歌唱力ももちろんないと一つになれない曲で、逆に7人が一つになれる楽曲だなって思います。でも、まだ振り付きで披露したことがないので、それも含めた表現の変化もお見せしたいです。楽章ごとに振りも担当メンバーを変えていて、今回初めてメンバー全員で振りを考えたんです。

 

 

ーーおぉ。

 

もえか: そうなんです。振り付けのメンバーを変えることによっていろんなカラーが見えると思うので、それも楽しみにしていて欲しいですし、私たちもそこを一生懸命表現したいなって思っています。

 

 

ーーでは最後、エリカさんに締めていただきます。

 

えりか: はい。今まではアルトって決められたらアルト、メゾソプラノはメゾソプラノ、ソプラノはソプラノで同じ音を追っていて、多くても四部までしか分かれたことがなかったんですが、今回の曲では、「ソプラノ1」「ソプラノ2」といったようにパートの中でも分かれているんです。自分が普段から歌ってるパートを歌いながらも、主旋律を歌うタイミングがきたりとか、一つの曲の中でも下のほうだけ歌っていればいいとか、アルトだったら下のほうだけ歌っていればいいとかじゃなくて、かなり音を移動することがあるので、本当に難しいなと感じました。ただ、当初から石田ショーキチは「シングルを出すたびにコーラスワークの難易度を上げている」って言っていたので、今回「ボヘミアンラプソディーを歌ってみろ」って言ってくれたのは、自惚れているわけではないんですけど、昔よりも少しずつ町ガが成長してきたのかなって思っていて。なので、この先も期待していて欲しいなって思います。

 

 

もえか: これ以上難しくなったら怖いけどね(笑)。

 

 

あいね: やばいよ。

 

 

 

取材・文
石川真男

まちだガールズ・クワイア 商品情報

町ガジャケット

「Moon base」(c/w「Bohemian Rhapsody」)

■発売日:2020年4月19日
■品番:SAT-028
■販売価格:1,000円(税別)
■レーベル:Scudelia Audio Terminal

まちだガールズ・クワイア ライブ情報

●2020年6月27日(土)
『Perspective! SP ツーマン・プレイベントライブ』
START/15:00
チケット/2,000円 
<出演>
XOXO EXTREME
まちだガールズ・クワイア
http://bit.ly/2YJQ2qN


2020年7月19日(日)
MACHIDA SONIC 配信イベント
詳細未定


●2020年8月2日(日)
『ao studio presents 天神祭』
@月見ル君想フ
Op17:30/St18:00
前売3000円+1D

※前売り完売御礼/同時配信予定


●2020年9月21日(月祝)
『まちだガールズ・クワイア5周年記念ワンマンライブ(仮)』
@町田市民ホール
詳細未定

 

 

PROFILE

PROFILE
まちだガールズ・クワイア

2015年結成。
東京町田市を拠点に活動するガールズコーラスグループ。
アイドルPOPと合唱を融合した、皆で歌いたくなる3部編成のハーモニーと、ハイクオリティなオリジナル楽曲が人気。
グループ名に「まちだ」の名前を持ち、地元・町田での地道な活動を続けながらも、ラジオのオープニング曲の採用や、ラジオレギュラー番組が5年/250回を超えるなど、ラジオをきっかけに全国にファンを持つのも特徴。各地にその名が広まりつつある。
メンバー内にリーダー、会計担当、出演交渉係の三役を設け、メンバー内自治を行ったり、社会貢献の一環として、高齢者施設、福祉施設、保育園などへの訪問ライブも積極的に行い、まさに音楽のボーイスカウト的なグループでもある。
また、NHK Eテレの子ども番組「オトッペ」のエンディング曲をはじめ、日本ハム、伊藤園などの企業CMの歌唱やナレーション、様々なアーティストのコーラスを担当するなど、メンバーのソロ活動も活発。
現在までに6枚のシングルと3枚のアルバム、1枚のライブDVDをリリース。2019年には町田市民ホール、渋谷 PLEASURE PLEASUREの単独ライブを完売満員にて成功させ、2020年は結成5周年を迎える。2020年9月21日には再び地元町田の町田市民ホールにて5周年記念ワンマンコンサートが決定している。
プロデューサーは、石田ショーキチ(SPIRAL LIFE, SCUDERIA ELECTRO, MOTORWORKS)、佐々木良(キンモクセイ)が手掛ける。

●「まちだガールズ・クワイアの水曜日はWednesday‼︎」
毎月第2水曜日@まほろ座MACHIDA 開催

●「まちだガールズ・クワイアのMGCるたいむず」
毎週火曜日22:30~
エフエムおだわらにてオンエア

●「劇団マチダックスとまちだガールズ・クワイアの1,2,3,4 !!」
毎週木曜日21:00~22:00
FM HOT 839(エフエムさがみ)にて生放送
まちだガールズ・クワイアは第2木曜日を担当

●明治安田生命J2リーグ FC町田ゼルビア「ゼルビーランドPRマネージャー」就任
毎ホームゲームにて、総合司会と会場レポートを担当

●相模原町田経済新聞「OLえりかの★アイドル激走マニュアル」
コラム不定期掲載

えりか

まちだガールズ・クワイアの長女。2代目リーダー。
好きなものは「乗馬」と「馬刺し」という、馬好き。
ステージ上でアクロバットな振りを披露したり、被り物も率先して身につけるお笑い担当の面も…。
町田経済新聞にて不定期でコラムを執筆したり、3rdアルバム「MGC CLASSICS vol.2」に収録の『Be my Baby』(ロネッツのカバー)では訳詞を担当するなど、語学力も時々発揮する。
グループ内の問題解決や悩み相談に乗ってくれる、メンバーに頼られる心優しきお姉さんである。

もえか

まちだガールズ・クワイアの次女。お会計担当。
ライブ収入などのお金の管理を全て任される、メンバーからもスタッフからも信頼度一番。
グループ内では主にメインパートを担当することが多く、各種CM曲の歌唱やナレーション、NHKEテレの子ども番組「オトッペ」のエンディングの歌唱、はたまた「ソレイユ」や「木根尚登」のコンサートにコーラスで参加するなど、まさに町ガのエース的存在!
 

ひより

まちだガールズ・クワイアの三女。山梨出身。
得意のお裁縫で衣装を直したり、リメイクしたりなど、衣装全般を担当する。
ディズニー、ミュージカル、カメラ、などなど多趣味。
雑学知識にも長け、メンバーの小さな疑問や困り事などに瞬時に答えていく。
どんな場面でも笑顔で包み込む存在感で、メンバーから「お母さん」と呼ばれる。
ふんわりした雰囲気に反して、意志の強さはグループ一番。

あいね

まちだガールズ・クワイアの四女。ブッキング担当。
グループ内の振り付けのほとんどを手がける。
抜群の頭の回転の良さと、その回転に間に合わない語彙力で、不思議空間を生み出す。
いつも問題を提起するか問題を起こす、台風の目。グループの核心。

さきこ

まちだガールズ・クワイアの五女。おっとりお嬢様キャラ。
グループ内の音楽的司令塔。
寝起きの悪いメンバーを起こす「モーニングコール係」や、ラジオ番組のスケジュール管理、はたまた怠けがちなメンバーのためにフィットネスメニューを考案してレクチャーするなど、無口なしっかり者。
まだまだ見せていない深層部分を隠し持つ、ミステリアスな雰囲気が魅力。

のぞみ

まちだガールズ・クワイアの六女。苺とプリンが大好き。
笑い出したら止まらない笑い上戸。
小さな身体でステージ中を飛び回る、町ガの元気娘!
得意なイラストを活かして、配信やイベントなどではよくタイトルバックを担当する。
どんな試練でも笑顔で切り抜ける、グループ一番の頑張り屋。
 

ほのか

まちだガールズ・クワイアの末っ子。
バスケやダンスで培われた運動能力を発揮するグループ最年少の高校生。
大好きなヘアメイクでメンバーのヘアアレンジを買って出たり、レッスンのためのスケジュール調整を担当するなど、グループのために甲斐甲斐しく働く。
誰からも愛される、皆んなの妹。

公式サイト: https://mgc-office.jp/