Speak emo

2020.06.21
まちだガールズ・クワイア

まちだガールズ・クワイア|ハモった時のこの気持ち良さは絶対誰しもが抱いたことのある感覚だと思うので、町ガの音楽は皆さんに寄り添えるものだと思います

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筆者がまちだガールズ・クワイア(略称:町ガ)の存在を知ったのは、2017年初頭のこと。グループ結成が2015年7月なので、既に1年半ほどの活動期間を経た頃だ。町田にほど近い横浜市の外れに住む筆者は、すぐさま町田Nutty’sに彼女たちのライブを観に行った。当時はモータウンやオールディーズやポルカなど雑多な曲調を清澄なハーモニーで綴る“地元のポップ系合唱隊”といった風情だったが、その美しい歌声と親しみやすい雰囲気に惹かれ、そして何より、Spiral LifeやScudelia Electroなどで活躍した石田ショーキチの手掛ける楽曲にただならぬ“引っ掛かり”を感じ、大いに興味を抱いた。まだ地元町田がその活動の中心だったが、「こんな近くに“楽曲派アイドル”がいたんだ」と感嘆したものだ。

 

それから約3年の時を経て、ようやく彼女たちにインタビューさせていただく機会を得た。その間彼女たちは、より多彩な曲を歌い、様々な経験を積み、数多の野望を抱き、それらを実現することによって、大きく成長を遂げていた。

 

“地元の合唱隊”は、都心のライブハウスへも活動範囲を広げ、都内の楽曲派アイドルたちと堂々を渡り合うまでとなった。その一方で、地元の「まほろ座MACHIDA」を拠点に定期ライブを行ないつつ、昨年4月には地元最大のホール、町田市民ホールで『町ガ VS 市民ホール』と称したワンマンライブを行ない、大成功を収めている。さらには同年11月、都心でのホール・ワンマン『町ガ 銀河進出への道~Ep.1 渋谷編~』を渋谷マウントレーニアホールにて敢行。ここでは「宇宙」をコンセプトに打ち出すという変貌ぶりで、こちらも大盛況を博した。

 

そのレパートリーも、ビートリーなビートポップからラップをフィーチャーしたダンスナンバー、EDMやエレクトロ、そして音頭(エレクトロビートにラップを配したものだが)、さらには合唱曲から昭和歌謡や童謡のカバーまで、どこまでも広がりを見せていった。昨今では「宇宙」をイメージする作品も増えていき、まるで町田から宇宙へと一気にワープしたかのよう。しかしながら“地元合唱隊”の親近感も失わず…。

 

そしてこの4月には、Scudelia Electroが1999年にリリースし、石田ショーキチが今なお愛奏する「Moon base」のカバーをシングルとしてリリース。スピーディーでグランジーな原曲を、スペイシーな音色を散りばめたコズミック・ダンス・ロックへと昇華させている。そしてそのカップリングには、なんとあのクイーンの永遠の名曲「Bohemian Rhapsody」。昨年4月の町田市民ホールで初披露された(しかも、全て生歌・生演奏で)この超有名曲のカバーが、改めてスタジオ録音されたわけだ。驚くべきことに彼女たちは、本家クイーンのようにオーバーダビングによって声を重ねることなく、7声のみによってあのオペラパートまでもを忠実に再現している。

 

こうして書き連ねていくと、彼女たちが実に多様な音楽ジャンルに挑んでいるのを実感する。いや、そのコンセプトの打ち出し方や、多岐に亘る活動内容、さらにはメンバーの個性なども考え合わせると、むしろ“混沌としている”と言ってもいいかもしれない。一見地元に愛される合唱隊かと思えば、突然宇宙を目指すコズミックシンガーズへと変身。また、特定のジャンルにはとうてい一括りにはできないその作品群においては、ひたすら美しいコーラスによって聴く者の耳を浄化させたかと思えば、時に荒削りなビートと精密なハーモニーが並走しながらユニークな音像を描く。また、そうした“混沌とした”音楽は、プロデューサーの石田ショーキチをその首謀者としつつ、佐々木良(キンモクセイ)、伊藤俊吾(キンモクセイ)、田村明浩(スピッツ)、サンコンJr.(ウルフルズ)、Dub Master Xといった面々も手を貸している。清純なコーラス・グループが紡ぎ出す心地好い歌声の裏に、ロックやパンクやエレクトロの先鋭性が見え隠れする。それも町ガの魅力の大きな一つであろう。

 

そんな町ガの7人、えりか、もえか、ひより、あいね、さきこ、のぞみ、ほのかにお話を伺った。この多彩な7つの個性も町ガの“混沌とした”魅力を担う重要な要素であることが、その発言からもおわかりいただけるだろう。素敵な言葉が目白押しで、まとめるのにひと苦労だったこのインタビュー。その分読み応えもたっぷり。ぜひご一読いただきたい。

 

 

 

 

メンバー7人で、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの三部合唱で、オリジナル楽曲や童謡などをアレンジしてハモって歌っています(ほのか)

 

ーーまずは、まちだガールズ・クワイア(以下:町ガ)の魅力や特徴を教えていただきたいのですが、皆さんお一人ずつ。7つぐらいありますよね???

 

もえか: あります!あります!

 

 

ーーどなたからでも。順番とかあるんですか?

 

もえか: 年齢下の子からいったほうがいいかな?

 

 

ほのか: そうですね。後だと緊張しちゃうので(笑)。はい、ほのかです。まちだガールズ・クワイアは、メンバー7人で、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの三部合唱で、オリジナル楽曲や童謡などをアレンジしてハモって歌っています。あとは、メンバーみんな仲良しで、私が一番末っ子の17歳で、一番上が27歳?28歳?です。

 

 

ーーあ、年齢は言っちゃって大丈夫ですか???(笑)。はい。続きまして、のぞみさん

 

のぞみ: はい、のぞみです。さっきほのかが言ったことと似てるんですが、メンバーの年齢幅がとても広くて、でもほんとに仲が良くて、メンバーには何でも話せます。

 

 

ーー年長の方にもタメ口で?

 

のぞみ: タメ口ではないです。ほんと尊敬してます。

 

 

ーー怖くはないわけですよね???

 

のぞみ: はい。

 

 

ーー続きまして。

 

さきこ: はい、さきこです。カバー曲で童謡などを歌ってるのもあって、高齢者施設や福祉施設や保育園といった所にも行ってライブさせていただくことがあります。

 

 

ーーボランティアでということですよね。社会貢献をされているという側面もあるわけですね。いわゆる“アイドル”ではなかなかないですよね。

 

さきこ: あまりないと思います。

 

 

ーーはい。で、お次は…。

 

あいね: はい。あいねです。まちだガールズ・クワイアは歌に重きを置いているグループなんですが、ライブではダンスも欠かせない要素です。ダンスはほとんどメンバーが自分たちで考えています。

 

 

ーーダンスも、ね。では、続いて参りましょう。

 

ひより: はい。ひよりです。私たち東京都町田市を拠点に活動しているんですが、ありがたいことに日本中全国にファンの方がいてくださって…。知ってくださるきっかけに“ラジオ”っていうものがあって、それも私たちの魅力を発信する強いツールだと思っています。ラジオNIKKEIの『ミュージックライフサンデー』っていう番組のオープニングに私たちの2ndシングル「恋するポルカドットポルカ」を起用していただいたりとか、あとFMおだわらでは毎週火曜日に『まちだガールズクワイアの!MGC(まじか)るたいむず』っていう番組をやらせていただいていて、それも結成当初から5年続けています。ラジオっていう情報ツールを通じていろんな方に音楽を発信できているっていうのは、町ガの強みの一つかなって思います。

 

 

ーーでは、続きまして…

 

もえか: はい。もえかです。私たちは地元町田の皆さんに応援していただいているんですが、地元のサッカーチーム、FC町田ゼルビアの応援もさせていただいています。2020年の公式“ゼルビーランドPRマネージャー”に就任しまして、ホームゲームではキックオフ前のステージの総合司会をさせていただいたり、開幕戦ではライブもさせていただいたり、ツイッターでは「ちあちあゼルビア」っていうアカウントでFC町田ゼルビアの情報を発信したり、など応援に力を入れています。

 

 

ーーでは、最後。えりかさん。

 

えりか: はい。えりかです。まちだガールズ・クワイアの魅力というか特徴なんですが、グループのメンバーがいろんな係、役割を割り振られていて…。例えばお会計係がいたりとか、ライブのブッキング担当がいたりとか。もしも事務所から離れることになったとしても自分たちで生きていけるように、っていう育てられ方をしているグループです。

 

 

-ーもうどうしようもなくなったら「自分たちでやってくれ」みたいなことですか?

 

えりか: ってなっても大丈夫なように(笑)。

 

 

ーー密かに独立しようとか考えているわけじゃないですよね?

 

えりか: ないです、考えてないです(笑)。

 

 

ーーでも、歌って踊るだけではなく、いろんなスキルが身に付くように、ということですよね。

 

えりか: はい。

 

 

ーー皆さん町田が地元ですか? そうじゃない人もいらっしゃいますか?

 

もえか: 町ガのメンバーはみな、町田出身か町田在住、町田在勤、町田在学で、みんな町田にゆかりがありますね。

 

 

ーーで、皆さんはそもそも、町田を拠点にしていたアイドルグループ“ミラクルマーチ”と“リトルパレード”が合体したグループなんですよね?

 

あいね: はい、そうです。

 

 

ーーもえかさんとほのかさんが元ミラクルマーチ。えりかさん、あいねさん、さきこさんが元リトルパレード。ひよりさんとのぞみさんは町ガとなってからの加入と。で、ミラクルマーチやリトルパレードの動画をいくつか拝見したんですが、今やっている活動とはかなり違いますよね? まぁ、その頃の曲のいくつかは町ガとして今も歌われていますが。

 

もえか: 元々はミラクルマーチの楽曲プロデュースをしていたのが、今の事務所の社長であり、プロデューサーの石田ショーキチで、その頃から石田ショーキチの曲をずっと歌っていたので、楽曲という点では繋がりがあるといえばあるんですが、パフォーマンスの面で言うと、その頃のミラクルマーチやリトルパレードは、当時のアイドルシーンに沿った、いかにも“地元アイドル”といったパフォーマンスをやっていて、町ガとなってからは、三部編成のハーモニーを重視して、歌に重きを置いて、歌の基礎をしっかりやって、ちゃんと歌を届けよう、っていうのが芯にあるので、そういう意味ではだいぶ変わりました。

 

 

ーー映像をちょっと拝見しただけなので全貌を知っているわけではないんですが、ミラクルマーチやリトルパレードは、確かに打ち出し方はまさに“アイドル”っていう感じでしたが、でも結構ハモったりしてましたよね?

 

もえか: う~ん、どうだろう? その当時は練習方法も全然違っていて、今は本当にきちんと譜面を読んでハーモニーをしっかり勉強して歌っているんですが、当時はただ歌を“ぶつける”みたいな感じだったので…。ミラクルマーチやリトルパレードは、石田ショーキチがプロデュースしていたのである程度ハーモニーが付いていたんですが、そこはあまり期待されずに歌ってたので…。今はほんとにすごくトレーニングからしっかり見ていただいていますね。

 

 

ーーなるほど。石田さんも当時は“アイドル”を手掛けているみたいな感じだったのが、今ではそこから一歩も二歩も踏み出した、音楽的に成熟した、進化したものをやろうとしている、みたいな感じですかね?

 

もえか: そもそも、ミラクルマーチの頃は石田ショーキチはただ曲を作っていただけで、プロデュース自体はそれほど関わってなかったんですよ。

 

 

ーーあぁ、なるほど。

 

もえか: っていうのもありますね。今は本当に歌をしっかりやらせていただいています。

 

 

 

取材・文
石川真男

まちだガールズ・クワイア 商品情報

町ガジャケット

「Moon base」(c/w「Bohemian Rhapsody」)

■発売日:2020年4月19日
■品番:SAT-028
■販売価格:1,000円(税別)
■レーベル:Scudelia Audio Terminal

まちだガールズ・クワイア ライブ情報

●2020年6月27日(土)
『Perspective! SP ツーマン・プレイベントライブ』
START/15:00
チケット/2,000円 
<出演>
XOXO EXTREME
まちだガールズ・クワイア
http://bit.ly/2YJQ2qN


2020年7月19日(日)
MACHIDA SONIC 配信イベント
詳細未定


●2020年8月2日(日)
『ao studio presents 天神祭』
@月見ル君想フ
Op17:30/St18:00
前売3000円+1D

※前売り完売御礼/同時配信予定


●2020年9月21日(月祝)
『まちだガールズ・クワイア5周年記念ワンマンライブ(仮)』
@町田市民ホール
詳細未定

 

 

PROFILE

PROFILE
まちだガールズ・クワイア

2015年結成。
東京町田市を拠点に活動するガールズコーラスグループ。
アイドルPOPと合唱を融合した、皆で歌いたくなる3部編成のハーモニーと、ハイクオリティなオリジナル楽曲が人気。
グループ名に「まちだ」の名前を持ち、地元・町田での地道な活動を続けながらも、ラジオのオープニング曲の採用や、ラジオレギュラー番組が5年/250回を超えるなど、ラジオをきっかけに全国にファンを持つのも特徴。各地にその名が広まりつつある。
メンバー内にリーダー、会計担当、出演交渉係の三役を設け、メンバー内自治を行ったり、社会貢献の一環として、高齢者施設、福祉施設、保育園などへの訪問ライブも積極的に行い、まさに音楽のボーイスカウト的なグループでもある。
また、NHK Eテレの子ども番組「オトッペ」のエンディング曲をはじめ、日本ハム、伊藤園などの企業CMの歌唱やナレーション、様々なアーティストのコーラスを担当するなど、メンバーのソロ活動も活発。
現在までに6枚のシングルと3枚のアルバム、1枚のライブDVDをリリース。2019年には町田市民ホール、渋谷 PLEASURE PLEASUREの単独ライブを完売満員にて成功させ、2020年は結成5周年を迎える。2020年9月21日には再び地元町田の町田市民ホールにて5周年記念ワンマンコンサートが決定している。
プロデューサーは、石田ショーキチ(SPIRAL LIFE, SCUDERIA ELECTRO, MOTORWORKS)、佐々木良(キンモクセイ)が手掛ける。

●「まちだガールズ・クワイアの水曜日はWednesday‼︎」
毎月第2水曜日@まほろ座MACHIDA 開催

●「まちだガールズ・クワイアのMGCるたいむず」
毎週火曜日22:30~
エフエムおだわらにてオンエア

●「劇団マチダックスとまちだガールズ・クワイアの1,2,3,4 !!」
毎週木曜日21:00~22:00
FM HOT 839(エフエムさがみ)にて生放送
まちだガールズ・クワイアは第2木曜日を担当

●明治安田生命J2リーグ FC町田ゼルビア「ゼルビーランドPRマネージャー」就任
毎ホームゲームにて、総合司会と会場レポートを担当

●相模原町田経済新聞「OLえりかの★アイドル激走マニュアル」
コラム不定期掲載

えりか

まちだガールズ・クワイアの長女。2代目リーダー。
好きなものは「乗馬」と「馬刺し」という、馬好き。
ステージ上でアクロバットな振りを披露したり、被り物も率先して身につけるお笑い担当の面も…。
町田経済新聞にて不定期でコラムを執筆したり、3rdアルバム「MGC CLASSICS vol.2」に収録の『Be my Baby』(ロネッツのカバー)では訳詞を担当するなど、語学力も時々発揮する。
グループ内の問題解決や悩み相談に乗ってくれる、メンバーに頼られる心優しきお姉さんである。

もえか

まちだガールズ・クワイアの次女。お会計担当。
ライブ収入などのお金の管理を全て任される、メンバーからもスタッフからも信頼度一番。
グループ内では主にメインパートを担当することが多く、各種CM曲の歌唱やナレーション、NHKEテレの子ども番組「オトッペ」のエンディングの歌唱、はたまた「ソレイユ」や「木根尚登」のコンサートにコーラスで参加するなど、まさに町ガのエース的存在!
 

ひより

まちだガールズ・クワイアの三女。山梨出身。
得意のお裁縫で衣装を直したり、リメイクしたりなど、衣装全般を担当する。
ディズニー、ミュージカル、カメラ、などなど多趣味。
雑学知識にも長け、メンバーの小さな疑問や困り事などに瞬時に答えていく。
どんな場面でも笑顔で包み込む存在感で、メンバーから「お母さん」と呼ばれる。
ふんわりした雰囲気に反して、意志の強さはグループ一番。

あいね

まちだガールズ・クワイアの四女。ブッキング担当。
グループ内の振り付けのほとんどを手がける。
抜群の頭の回転の良さと、その回転に間に合わない語彙力で、不思議空間を生み出す。
いつも問題を提起するか問題を起こす、台風の目。グループの核心。

さきこ

まちだガールズ・クワイアの五女。おっとりお嬢様キャラ。
グループ内の音楽的司令塔。
寝起きの悪いメンバーを起こす「モーニングコール係」や、ラジオ番組のスケジュール管理、はたまた怠けがちなメンバーのためにフィットネスメニューを考案してレクチャーするなど、無口なしっかり者。
まだまだ見せていない深層部分を隠し持つ、ミステリアスな雰囲気が魅力。

のぞみ

まちだガールズ・クワイアの六女。苺とプリンが大好き。
笑い出したら止まらない笑い上戸。
小さな身体でステージ中を飛び回る、町ガの元気娘!
得意なイラストを活かして、配信やイベントなどではよくタイトルバックを担当する。
どんな試練でも笑顔で切り抜ける、グループ一番の頑張り屋。
 

ほのか

まちだガールズ・クワイアの末っ子。
バスケやダンスで培われた運動能力を発揮するグループ最年少の高校生。
大好きなヘアメイクでメンバーのヘアアレンジを買って出たり、レッスンのためのスケジュール調整を担当するなど、グループのために甲斐甲斐しく働く。
誰からも愛される、皆んなの妹。

公式サイト: https://mgc-office.jp/