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2022.01.17
太田彩華

闇/病みを抱いた「赤」から、純潔な心描いた「白」まで。太田彩華、1stアルバム「Achroite=Rubellite」が誕生!! 太田彩華 インタビュー

 2月1日に誕生日を迎える声優・アーティストの太田彩華。同日に、彼女は1stアルバム「Achroite=Rubellite」を発売。渋谷SPACE ODDを舞台に、ワンマンライブ「Achroite=Rubellite」も開催する。
 1stアルバム「Achroite=Rubellite」には、太田彩華の魅力を2つの面から表現。それが、以下になる。


【Achroite=白】歌唱提供楽曲を中心にキャラクターボイス的な声の魅力を届ける、明るいイメージの楽曲群。

白


【Rubellite=赤】ヤンデレシリーズの楽曲を中心に憂いのある表現力の魅力を届ける楽曲群。

赤



 このたび、1stアルバム「Achroite=Rubellite」に収録した全楽曲について太田彩華が思いを届けてくれた。


1stアルバム「Achroite=Rubellite」誕生の背景。


――1stアルバム「Achroite=Rubellite」が、ついに完成しました。

太田彩華
 これまでにわたしは、ゲームやドラマCDのなどいろんな作品のテーマ曲たちに携わらせていただきました。いつしか曲の数も、アルバムを作るに相応しいくらいにまで増えたので「一度、アルバムという形でまとめあげよう」というお話になり、この作品が誕生しています。


――アルバム発売の発表は早い時期にしていましたよね。

太田彩華
 わたしがバンド活動をしている太田家が、1stアルバム「愛読書」を発売してすぐの時期になる昨年春頃に、2022年2月22日にアルバムを発売することを発表しました。2月は、わたしの誕生月。それもあり、太田彩華としてのアルバムも、わたしの誕生日当日に発売することを決め、同じく昨年春頃には早々と告知をしていました。
  1stアルバム「Achroite=Rubellite」へ収録した全11曲中、8曲が作品にまつわるなど、あらかじめテーマ性を持って誕生した曲たちになります。アルバムを聞いていただければわかりますが、中には表情の全く異なる曲たちが並んでいます。そこへ意味を持たせるために掲げたのが、2つの色を持つ作品にすること。それが、「【Achroite=白】歌唱提供楽曲を中心にキャラクターボイス的な声の魅力を届ける、明るいイメージの楽曲群。【Rubellite=赤】ヤンデレシリーズの楽曲を中心に憂いのある表現力の魅力を届ける楽曲群」でした。そのうえで、白を象徴する楽曲。赤を司る楽曲と、それぞれ新曲を制作しました。曲順も「毒々しい赤い色から幕を開け、曲が進むごとに色が薄れていき、最後は純潔の白になる」形を取っています。レコード盤で例えるなら、「A面/B面」という構成。A面/B面それぞれの中でも、一つの流れを持った作品として仕上げました。そのうえで、物語を締めくくるに相応しい歌を最後に収録。作品へ明瞭な色付けをした形を取っています。
  ここからは、いくつかの楽曲を手がけてくださった作曲家/編曲家の佐々木久夫さんも交え、アルバム「Achroite=Rubellite」へ収録した曲たちの内容についてお伝えしたいなと思います。


「ポスト・アポカリプス」

太田彩華
 「ポスト・アポカリプス」を訳すと「終末の後」になります。「何らかの原因により人類文明が壊滅した後の世界」を舞台に物語を描いた映画や小説などのことを、そう総称しています。わたし自身が、ダークなお話が好きだからこそ、まずは「赤」のイメージを象徴する楽曲であり、ここから始まる「赤」にまつわる物語の主題歌を作りました。
  日頃からわたしは現実逃避がしたくなるたびにポスト・アポカリプスのような世界へ意識を飛ばし、そこに居心地を求めています。文明がすべて破壊された後の世界は、空気も、星空も綺麗で、ずーっとそこへ浸っていたくなるような場だとわたしは想像します。「ポスト・アポカリプス」にも、わたしは「終末の後」の世界を投影。破壊された終末後が舞台とはいえ、そこには希望が描かれていれば、歌の最後に「始メヨウ」と書いたように、終わった後の世界からまた始めようという希望を持った形で、この楽曲を締めくくりました。それもあって、「赤」の物語をここから始めようと「ポスト・アポカリプス」を冒頭に持ってきました。ただし楽曲は、アルバム収録曲中最も「赤」の色が似合うダークや壮大な世界観を描いた曲調になっています。


「メロウ=ディストピア」

太田彩華
 「ダイキライ」というわたしの言葉から始まる「メロウ=ディストピア」は、ドラマCD版「ヤンデレ」シリーズのテーマ曲。先に、3曲目へ収録した「True or Bad Ending」が、PCゲーム版「ヤンデレ」シリーズの主題歌として誕生。こちらは「ヤンデレ」な学生編として歌詞を書きました。その学生が社会人になったのが、ドラマCD版「ヤンデレ」シリーズになります。「くたばってよ、くたばってよ、くたばって笑っちゃうくらい」や「君の好きなものは全部全部嫌い」と言ってるように、社会人になっても、こんな病んでることを言ってる奴はマジで救いがないと思ったことから、"躁鬱病"をテーマに、どうしようもなく救いのない歌として歌詞を書きました。間奏に病んだ表情でセリフをワーッと叫んでいます。そこのアレンジを、作曲をしてくださった佐々木久夫さんに「できるだけ気持ち悪くしてください」とお願いしました。
  順番として考えたら「True or Bad Ending」「メロウ=ディストピア」になるんですけど。楽曲の表情面で、次第に赤が薄れてゆく形を取りたかったので順番を逆にしています。

佐々木久夫  「True or Bad Ending」が陰と陽という二面性を持った楽曲として作り上げられていました。そこの流れを受けた物語のテーマ曲ということから、「True or Bad Ending」とは異なる二面性を持った、グチャグチャとした闇属性の楽曲を書かせていただきました。


「True or Bad Ending」

太田彩華
 「True or Bad Ending」は、PCゲーム版「ヤンデレ」シリーズの主題歌になります。この楽曲の特徴が3曲を1曲の中へまとめあげた曲調になっているところ。「ヤンデレ」シリーズを手がけたプロデューコーの中に「3つの感情が入り交じった曲にしたい」イメージがあったことから、作曲を手がけたelさんがそのイメージを具現化。最初は明るく華やかな表情から始まり、どんどん激しさや狂気が増してゆく、とてもストーリー性を持った構成に仕上げてくださいました。それに合わせ詩も、楽曲の変化に合わせ感情がどんどん病んで壊れてゆく様に書いています。


「薔薇の狂死曲」

太田彩華
 「薔薇の狂死曲」は、Youtube上で配信した、わたしが物語の進行を司るキャラクターとなり、拷問器具について語る「暗黒歴史館」という番組のオープニングテーマに起用していました。
  その物語の中に出てきた、エリザベート・バートリーという歴史上一番人を殺したと言われる女性を、「薔薇の狂死曲」の歌詞の題材にしています。彼女は、惨殺した若い女の子の血を大きな湯船に溜め込み、そのお風呂へ浸りながら美肌を保つことをしてきた人物。その様を綴りました。佐々木久夫さんの作り上げた、ダークなのに華やかでドラマチックな世界観は、わたしもすごく気に入ってます。その曲調へ導かれるように、エリザベート・バートリーの亡霊が踊り、歌っているような様を書いたところも特徴的だなと思います。

佐々木久夫  まるでホーンテッドマンションのような、夜な夜な幽霊が姿を現しては宴を繰り広げているイメージだからね。僕自身、クラシック音楽を学んできたことから、ゴシック/ダークな世界観をクラシックの要素を軸に据え、華やかさを持った曲として描きました。みずからヴァイオリンなども弾きながら、クラシカルでドラマチックなロックオペラ風の楽曲にも仕上げています。


「夢の中の旋律」

太田彩華
 「夢の中の旋律」は、【Rubellite=赤】の最後を彩るバラードになります。この歌は、ゲーム「スターメロディー ユメミドリーマー」エンディング主題歌として制作。ヒロインが心に閉じ込めている思いを描写している歌詞はゲームの世界観へしっかり寄り添って書いたように、このゲームをすべて終えたときに意味がわかる内容にしています。曲調は切ないバラードでありながら、【Rubellite=赤】へ収録した曲たちの中、次に始まる【Achroite=白】にも近い表情を持っていることから、このシリーズの最後に持ってきました。

佐々木久夫   僕は、ゲーム「スターメロディー ユメミドリーマー」の劇伴も手がけています。エンディングテーマに関しては、彩華さんも語っていたように「主人公が閉じ込めた心の中を示すバラードに」という要望があったことから、そのイメージを持って作りました。


「メリージェーンが踊り出す」

太田彩華
 ここからは白のターン、曲調や歌詞もガラッと変わります。「メリージェーンが踊り出す」は、【Achroite=白】の始まりを告げるに相応しい曲として書き下ろした歌になります。とても軽やかなギターの旋律も印象深いお洒落な楽曲だったから、恋した女性の心弾む様を詩に書きました。
  メリージェーンは、わたしが大好きな靴のブランド名。好きな人へ会いに行くときに、思わず心弾みすぎてスキップをしたくなる。そこから、ウキウキとした女性の心情を靴が躍りだす表現を用いて書きました。余談ですが、わたしはスキップが出来ません。でも、2月1日に行うワンマンライブではこの曲も披露したいから、それまでにはスキップが出来るようになり、「メリージェーンが踊り出す」をスキップしながら歌いたいなと思っています(笑)。
  【Rubellite=赤】の世界に描いた曲たちには自分の心情も投影してるとはいえ、現実から離れた物語の世界を描いた歌たちが中心。でも、「メリージェーンが踊り出す」を筆頭に【Achroite=白】に収録した曲たちは、主人公を近い存在に感じれる。それこそ、手に触れて相手の温度を感じれるくらいの距離感を持った歌たちを並べています。


「ET CETERA STORY-color-」

太田彩華
 「ET CETERA STORY-color-」は、ゲーム「エクストリーム将棋」のCMソングになっています。この楽曲には、アコースティックバージョン・ミクスチャーロックバージョン・ロックバージョンとアレンジを変えた3タイプの楽曲があり、それぞれを異なる人が歌っています。わたしは、その中の「ET CETERA STORY-color-」と題したロックバージョンを歌わせていただきました。このバージョンは、太田家で演奏しても違和感ないくらい青春パンク色も楽曲に出ています。
  詩のテーマが「家族愛」。「ズーッと近い距離であなたを見てきたけど。本当にいろんな物語を作ってたきたよね。大切な宝物のような存在をこれからも大事にしていくから」と歌っています。


「僕は夏の幽霊」

太田彩華
 「僕は夏の幽霊」は、これまでわたしが歌ったことのない、明るい中にもちょっと切なさを覚える楽曲です。その切なさを歌詞にしたいなと思い、夏という季節にずーっととらわれてしまった幽霊少年の、君を思う切ない物語を書きました。


「瞬間とドラマチック」

太田彩華  「瞬間とドラマチック」は、向日葵プリンセスさんというアイドルグループさんの楽曲の歌詞を担当したご縁から、太田彩華の色に染めた形でカバーさせていただきました。アレンジは、作曲者の久保正貴さんが手がけてくださいました。中盤や終盤のギターサウンドが瞬間的に吹き抜ける強い風の音にも聞こえるように、爽やかさとドラマチックさが重なり合った楽曲に仕上げています。
 この曲は、向日葵プリンセスさんの1stシングルのC/Wに収録した曲。「今から始まるぞー!」という期待を持ちながらも、活動してゆくうえではいろんな障害を乗り越えながら進まなきゃいけない。この詩には、向かい風だって乗り越えてくぞという思いも記しました。


「愛は永遠,華はメロディ」

太田彩華
 「愛は永遠,華はメロディ」は、「Little Devil Beat!」という作品に登場するキャラクターをイメージして作った歌でした。物語には3人のキャラクターが登場。そのセンターを彩る柏木華音ちゃんの歌になります。彼女の花言葉が「愛は永遠、華はメロディ」、その花言葉を題材に歌詞を書きました。
 柏木華音ちゃんは、星から地球に歌を届けにやってきた女の子。彼女の心情がわたしとも共通していたことから、応援してくれるファンのみんなへ向けた素直な気持も重ねながら書いています。


「春の宵」

太田彩華  「春の宵」は、ドラマCD「わたしとわたしの12ヶ月」のテーマ曲。このドラマCDのお話も、すべてわたしが書かせていただきました。中に綴ったのは、女の子どうしの淡い12ヶ月の恋物語。「春の宵」には、夜桜の見える風景の中を2人で歩いている風景を思い出す女の子を書いています。
 ドラマCD「わたしとわたしの12ヶ月」では、わたしと、シンガーソングライターの金田一芙弥ちゃんが声を担当しています。曲は2人で歌えば、作曲は、よる。ちゃんが担当。3人とも昔からのつきあいで、「いつか一緒にお仕事をしたいね」と言ってた夢が、この作品のテーマ曲を通して叶いました。【Rubellite=赤】【Achroite=白】と続いた物語を締めくくるに相応しい楽曲にもなりました。


アルバムタイトル「Achroite=Rubellite」について。

太田彩華
 【Achroite=白いトルマリン】【Rubellite=赤いトルマリン】と2つの石をタイトルに据え、「執着した心の赤」「汚れ泣き純粋な心の白」を=で繋ぎあわせ、「Achroite=Rubellite」と名付けました。"="なのは、両方ともいろんな「愛」について歌ってるから。そんな、二面性を持った愛の表情たちをここには詰め込みました。どんどん物語が変わりながらも、心地好い流れを持って楽しんでいただける作品に仕上がったなと思います。


【ワンマンライブ】「Achroite=Rubellite」

太田彩華
 1stアルバム「Achroite=Rubellite」を手に、わたしの誕生日になる2月1日、渋谷SPACE ODDを舞台に発売記念ワンマンライブ「Achroite=Rubellite」を行います。メンバーは、ギターにエリカさん、キーボードに佐々木久夫さん、ドラムに竹村忠臣さんとお馴染みのメンバーが参加。さらにベーシストに「メロウ=ディストピア」でもベースを弾いてくださったToshiさんに参加していただけることになりました。
  「Achroite=Rubellite」へ収録した曲たちにはまだ生でライブ披露したことのない歌たちがたくさんあるから、この日、バンド演奏を通し、どんな迫力ある楽曲になって飛びだすのか、今からとても楽しみにしています。当日は、わたしの誕生日であり、1stアルバム「Achroite=Rubellite」の発売日。ぜひ、お祝いも兼ねて遊びにきてください。


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>


JKT

太田彩華1stフルアルバム「Achroite=Rubellite」
2月1日発売 
全11曲収録

アニメイト、ゲーマーズ、タワーレコード、HMV、新星堂、Amazonで
ご予約の方はオリジナル特典あり
 

太田彩華ワンマンライブ
「Achroite=Rubellite」
2月1日(火)
開場18:30/開演19:00

[会場]
渋谷SPACE ODD

チケット発売中‼️
スタンディング ¥4500
※整理番号付き
https://r.funity.jp/ota-ayaka-oneman0201

配信チケット ¥3000
https://r.funity.jp/ota-ayaka-oneman0201st


太田彩華オフィシャルHP
http://ota-ayaka.com/

太田彩華 楽曲関連YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLyNr4xi8NFeakUVS-o312JRPRtepiSaEz

太田彩華オフィシャルTwitter
https://twitter.com/ota__ayaka
 

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