8月11日(木祝)、赤羽ReNY alphaを舞台に、Pretty Ashがワンマン公演「Pretty Ash ワンマンライブ〜恋は毒だ〜」を開催した。8月30日には、最新シングル『恋は毒だ』の発売も控えている。この日は、同作品に収録した楽曲もすべて披露。ガルポでは、近々Pretty Ashのインタビューも公開する。その先駆けとして、この日の公演の模様をお届けしたい。

  ライブは、最新シングル『恋は毒だ』に収録した青春パンクソングの 『はじまりのうた』からスタート。一人で追いかけていた夢が、同じ志を抱いた仲間たちと出会うことでみんなの夢に変わっていく。そんな心情の変化を、メンバー一人一人の歌う姿から始まり、次第にメンバーの歌声が重なり合う姿を通して伝えてきた。力強く手を振り上げ歌う彼女たち。希望を抱いた声を高らかに上げる姿に触れ、一緒に声を張り上げたい気持ちでいた。中には、彼女たちと一緒に、心の中で「オーオーオー」と歌っていた人たちもいたに違いない。途中、キックする姿も登場。勇気と元気を充填してゆく楽曲に触れ、気持ちが熱く高ぶる。腕と腕をタッチしながら歌う姿など、メンバーどうしはもちろん。フロアにいる人たちも巻き込みながら、心を一つに新しい道へ踏み出してゆく。冒頭から熱い気持ちになれたのが嬉しい。

 次に飛び出したのが、最新シングルの表題曲『恋は毒だ』。メンバーたちは、大人の女性だからこそ見せる妖しい視線で、フロア中の人たちを『恋は毒だ』を歌いながら挑発してゆく。途中、ヘドバンをする姿も登場。甘い歌声なのに、メンバーたちの目線はみんなキリリとしている。甘い挑発??その姿こそ、嬉しくも刺激的な毒だ。でも、こんな甘い毒なら溺れてしまっても後悔はなさそう??…だ。落ちサビを歌うときのメンバーたちの含みを持った表情にも、ぜひ注目していただきたい。

  荒ぶるギターサウンドが鳴り響く。「みんな大好き、『Say Hello』!!」の言葉を合図に、『Say Hello』が飛び出した。力強く拳を振り上げるメンバーらの姿へ気持ちを重ね合わせるように、フロア中からも数多くの拳が突き上がる。ときめく思いを高らかに歌いあげるメンバーたち。サビ歌では、メンバーらの振り上げる指の動きに合わせ、フロアからもメンバーに向けたくさんの指が突き上がれば、メンバーと一緒に飛び跳ねながら騒いでいた。6人は、高まる気持ちを空へ解き放つように歌っていた。みずからの気持ちを開放しながら、一緒に「Say Hello」と叫ぼうと力強く呼びかけていた。 
　　　
　次のブロックの頭を飾ったのが、メンバーらと一緒にシンガロングしたくなる青春パンクナンバーの『Believers』だ。彼女たちの歌声や風を切って走る演奏に触れたとたんに、身体が騒ぎだす。親しみを持って歌いかけるメンバーたち。温かい歌声や仕種、感情を高ぶらすアッパーでパンクなビートに触れていると、どんどん胸熱な気分になる。キャッチーなのにエモくなれるって最高だ!!「1人じゃない 世界で1番の景色 ここに作ろう」と歌う彼女たちの言葉を信じ、ここへ世界で一番の景色を描きたい!!

　エレクトロでアッパー＆妖艶なダンスビートが流れだす。メンバーたちは エラバレシのカバー曲『女の子たちのbattlefield』を歌い踊りながら、妖しく挑発。サビ歌では、心の中に渦巻いていた感情を解き放ち、ここから晴れた気分で一気に攻めようと凛々しく歌っていた。サビ終わりの「カモン!!」の声が熱い。可愛い表情の裏に隠した本音をちらつかせるように歌う彼女たちの、少し挑発めいた姿に視線が惹き寄せられる。6人は、みずからの気持ちを強気な女性に染め上げ、攻めるように歌っていた。曲が進むごとにテンションも上がりだす。どんどんパワフルさを増す彼女たちのパフォーマンスに刺激を受け、フロアからもたくさんの拳が突き上がっていた。

  続くバクステ外神田一丁目のカバー曲『未完のカレイドスコープ』でも、Pretty Ashはエレクトロでダンサブルな楽曲に乗せ、妖艶な世界へ観客たちを引き込んでゆく。抑揚を抑えたリズムの上で、6人は揺れ動く感情を絵筆に、楽曲へ情熱的な表情を描きだしていた。攻めたダークなサウンドと、甘く熱情した歌声やダイナミックなパフォーマンスを通し、艶かしく挑発し続ける。終始、妖しい大人の女性の艶やかさを見せながら歌い踊る彼女たち。そのセクシーな魅力に、心が落ちていた。

   AKANEの歌声を合図に楽曲は、浜口藍子のカバー曲『Sun Flower』へ。彼女が歌い終わると同時に、楽曲は一気に晴れた景色を描きだした。6人は、この空間に歌声を通してキラキラした輝きを降り注ぐ。あふれだすときめきや恋する気持ちを養分に、彼女たちは空へ向かって咲き誇るように、力強く、声高らかに歌っていた。

   このブロックでは、カバー歌を3曲披露。Pretty Ashらしい力強い姿を通して、オリジナルとは異なる魅力を描きだしていった。

  後半は、最新シングル『恋は毒だ』のC/Wに収録した『STEADY』から。熱いクラップが起きるフロア。メンバーたちは、胸に手を当て、高ぶる気持ちを巧みにコントロールしながらも、沸き立つ思いを歌声に乗せて届けだした。HARUKAの「全員拳上げな！」の声を合図に、楽曲が一気に炸裂。メンバーらは、力強く拳を振り上げ「オーオッオー！と歌いだす。リードを取るメンバーと、背景で声を上げるメンバーたちの歌声が重なりあい、とてもエモーショナルな歌声のハーモニーを作りあげる。『STEADY』も、メンバーらと一緒にシンガロングしたくなる、とてもエモく熱情した楽曲だ。歌に触れている間中。気持ちが熱く騒ぎ続けていた。彼女たちの上げる「オーオッオー！」の声に触れ続けながら、一緒にその輪の中へ飛び込み、ともに夢に向かって進みたい気持ちになっていた。終盤、フロア中から突き上がった無数の拳の景色も、とてもエモかった！

　「遠く描いた空飛び越えてゆけ 奪えはしないんだ この翼はずっと」と力強く歌い上げる6人の声を合図に、楽曲は『僕たちはイカロスじゃない』へ。とても凛々しい歌声だ。6人のエモい感情が、同じ波長を持って響き渡る。ただ力強いのではない。メンバーみんなの気持ちの波長が綺麗に重なり合っているからこそ、より生々しさを持って歌声やパフォーマンスが胸に届いていた。足をまわすパフォーマンスなど、この曲でも、Pretty Ash得意の蹴り技が登場。ここから飛び立とうと凛々しく歌いあげる姿に、心が騒がずにいれない。

  攻撃的な音を背景に、6人は歌の世界へ熱情した感情を没入しながら『Reality』を歌いあげる。心の叫びを、張り裂けんばかりの歌声とキックを用いたパフォーマンスに乗せ、ネガティブな感情を打ち消すように彼女たちは思いを張り上げていた。

　「伝えたい思いを歌にしてあなたに」と、6人は優しい声を重ね合わせて歌いだした。Pretty Ashは『限界突破でWe Go!』を歌唱。メンバーたちは力強く腕を振り上げ、晴々とした歌声を響かせる。途中には、AKANEの側転も登場。RURIKAとMIOがカメラ目線を意識したパフォーマンスを示すなど、気持ちに余裕を持った姿で観客たちを騒がせていた。

  「3年経って、4年目になったPretty Ashをこれからもよろしくお願いします!!」。AKANEの声を駆け、最後にPretty Ashは『アイデンティティ』を歌いだした。自分たちの意志をより強く伝えるように、凛々しい声で歌う。同時に6人は、楽しい気持ちも隠すことなく、笑みを浮かべながら、みずからのアイデンティティを示していた。フロアでも、高ぶる気持ちを抑えられず、ともに跳ねる人たちも登場。気持ちが熱く騒ぐなら、気持ちのままに解き放てばいい。この日の彼女たちのように。

　アンコールでは、ふたたび『恋は毒だ』を歌唱。少し病んだ毒々しい感情を描いた歌にも関わらず、ここまで気持ちを振り切ったライブパフォーマンスを見せてきた理由もあるのか、メンバーたちはとても晴々とした表情で言葉をぶつけていた。楽曲自体が激しくパワフルで激烈ドラマチックなパンクチューンという理由もあり，6人に煽られた観客たちがフロアのあちこちで無邪気に飛び跳ねていた。

   Pretty Ashは、8月30日に最新シングル『恋は毒だ』を発売する。こちらのリリースも、楽しみにしていてもらいたい。




TEXT:長澤智典


セットリスト
『はじまりのうた』
『恋は毒だ』
『Say Hello』
『Believers』
『⼥の⼦たちのbattlefield』
『未完のカレイドスコープ』
『Sun Flower』
『STEADY』
『僕たちはイカロスじゃない』
『Reality』
『限界突破でWe Go!』
『アイデンティティ』
-ENCORE-
『恋は毒だ』