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2024.08.02
真っ白なキャンバス

真っ白なキャンバスにと一緒に過ごす最後の夏の始まりが、きっとこの日だったのかもしれない。 真っ白なキャンバス、ライブレポート!!!!!!!

 2024年11月をもって解散が決定した、真っ白なキャンパス。ラストライブを、2024年11月4日に開催することも発表になった。その衝撃も胸に抱えつつ、真っ白なキャンバス全国ツアー 2024『私とわたし』のファイナルに当たる、6月28日(金)にEX THEATER ROPPONGIで行われた公演に足を運んだ。


 巨大なスクリーンに映し出された「60」からのカウントダウンの数字。フロアからは早くも熱狂した声か飛び交っている。カウントダウンするごとに上がりだすBGMの音。0の数字を合図に場内が闇に包まれ、『SE』が流れだした。スクリーンにはここへ至るまでの様々な映像が映し出される。その映像へ見入っている中、メンバー紹介の映像へ切り替わるのに合わせて、7人が舞台へ登場。ライブは、ワクワクする期待を持って『SHOUT』へ。ダイナミックなパフォーマンスを見せるメンバーたちへ向け、フロア中から野太い声が飛び交いだす。レーザーの演出も用いたこの日のライブは、とても華やかでエキセントリックだ。五感を嬉しく刺激する姿に興奮が止まらない。躍動するダンサブルな楽曲の上で花咲くように舞い躍る彼女たちの姿が、胸を騒がせる。

 荒々しい演奏と親しみやすい歌をミックスアップ。『闘う門には幸来たる』に乗せ、舞台の上を全力で駆けまわる彼女たちの姿が眩しい。その輝きに向けて、場内中から飛び交う感情的な声も、さらにボリュームを上げてゆく。興奮する観客たちの姿を視線に捉えながら、舞台の上でぴょんぴょん飛び跳ね無邪気にはしゃぐ7人。その姿が、フロア中の人たちの心に眩しい輝きの光を降り注いでいた。

 「踊れ」の声を合図に歌ったのが、『ダンスインザライン』。凛々しい様でせまるメンバーたち。愛らしい様も魅力的だが、心を笑顔にしながらも、攻めた姿勢でパフォーマンスをする姿も、見ている側の気持ちを高ぶらせる。1曲ごと巧みに楽曲の表情を変えながら、彼女たちはいろんな歌の顔を見せてゆく。気持ちが騒ぐなら、7人と一緒に踊り狂えばいい。そう、本能のままにはしゃぎまくれ!!!!!!

   『メンションガール』の始まりに合わせで、これまで以上に華やかさを持って7人が舞台の上で弾けだす。キュートな仕種はもちろん、時に楽曲に合わせて舞台劇を描くようなパフォーマンスも見せながら、7人は観客たちにドキドキの刺激を与えていった。メンバーらのセリフに合わせ、彼女たちと一緒に声を張り上げ、共に物語を彩りたい。まさに、一緒に熱情した物語を描きだす様を7人は見せていた。この曲の途中に「#白キャンに夢中」のポストを依頼、ポストされた言葉をリアルタイムでスクリーンに映しだす演出も斬新だ。SNSも巧みに駆使して、より互いの距離を近づけてゆく。終盤には、7人と一緒に踊りながら、観客たちはこのひとときを全力で楽しんでいた。 
 
  止まることなく『ポイポイパッ』へ。この曲では、一部メンバーが客席へ降りて、観客たちの目の前でわちゃわちゃとした景色を作りだす。曲が変わるごと、予測もしなかった嬉しい触れ合い方を真っ白なキャンバスは見せてゆく。単なる双方向ではない、いろんな遊び心を含めた双方向の繋がり方をしていく。その冴えた演出が、さらに興奮を掻き立てた。終盤には、一緒に同じ振りしながら熱情した景色も生み出していった。

  跳ねたハッピーかつスリリングな演奏が炸裂。メンバー一人一人が「今日はみんなのことを幸せにしちゃいます」「素敵な夜にしましょう」「今夜は熱い夜にしましょう」など、挨拶。その上で炸裂した『ダウター』に乗せ、7人は妖しい様を見せながら、妖艶にせまりだす。触れてはいけない禁断の世界?を彼女たちは目の前に描きだす。艶やかながらも刺激的な演奏と、彼女たちの艶気を持った歌声に触れ、ハートがメロメロに蕩けだす。跳ねたジャジーな演奏の上で、秘めた大人の顔と闇を抱いた心模様を示す彼女たち。その姿を二つの眼でしっかり捉え続けていたい。

  「ブチあげてくぞー!!」。ふたたび華やかなレーザーが飛び交う空間の中、7人は、これまで以上に凛々しい姿で『Whatever happens,happens.』を歌唱。7人が、舞台の最前へ横一列に並んでせまる様も刺激的だ。巧みに表情を変えながら、荒ぶる楽曲の上でメンバーたちが「お前ら全員ぶっ壊していくぞ」と声を上げ、観客たちから次々と理性を奪い去る。いや、この会場にいる人たちの理性は、とっくに消えていた。むしろ、次々と表情を様変える楽曲や歌に合わせ、声を張り上げ、飛び跳ねるなど、終始力いっぱい騒ぎ続けていた。

 楽曲をノンストップで繋ぐように『オーバーセンシティブ』へ。上がる無数のCo2の巨大な柱。この曲では、メンバーたちも感情や歌声をよりエモく染めあげ、胸の内から沸き立つネガティブな思いをぶち撒けるように歌っていた。胸打つエモい衝撃を全身に浴び、騒がずにいれない。でも舞台の上の7人は、痛い心模様を吐き出しながら、醜い怪物に気持ちを染めあげ、舞台の上でドラマを描きだしていた。

 ノンストップライブの9曲目に歌ったのが、痛く揺れ動く感情を説切々歌いあげたバラードの『わたしとばけもの』。一人一人が、みずからの内に抱えた痛く惑う感情を、切々とした歌声に乗せて零すように歌っていた。途中からテンポが上がるのに合わせ、痛みを覚えた感情が、よりヒリヒリとした想いとして胸に飛び込んできた。舞台の上で舞い踊りながら想いを吐き出すその姿を、みんな瞼へ焼きつけるように見つめていた。


 「映像コーナー」では、メンバーが口にした言葉に対して、観客たちが声を返すやりとりを実施。映像を通してもコール&レスポンスの途絶えない演出も、さすがだ。


  小野寺梓のアカペラからスタート。歌ったのが『全身全霊』。そこへ三浦菜々子が加わり、同じくアカペラで歌いだす。楽曲が鳴り響くのを合図に、他のメンバーたちも舞台へ駆けだした。『全身全霊』の冴えた演出に興奮した場内中の人たちが、これまで以上に大きな声を張り上げてエールやMIXをぶつけだす。新衣装姿に着替えたメンバーたちは、シリアスな表情の中にも、ときに愛らしい笑みを浮かべ,この曲に込めた想いをしっかりと響かせていた。楽曲に込めた、惑いながらも前向いた想いを、より深く伝わるようにと演出。だから、彼女たちの歌う想いへ心が揺さぶられる。 

  「このまま分かってるの 分かってるよ 君も愛も神も 誰のせいとか どうでもいい」と、胸の内から沸き立つ感情を吐き出すように、彼女たちはもどかしい想いや生き方を『世界犯』に乗せて届けていた。純粋が故に乱れ惑う乙女の感情を、彼女たちは楽曲というカンバスの上へ、いろんな感情の色の絵の具を通して塗り重ねていく。痛くて苦しいヒリヒリとした気持ちのままに歌うその歌声が、触れた人たちの心もいろんな感情に染めあげていった。

 『空色パズルピース』が流れだすのに合わせて、華やかな空気か生まれだす。もどかしい乙女の、でも、晴れた想いを描こうとする心模様も重なり、次第にこの空間と一人一人の心に輝きが降り注いでいく。もどかしさの中から見えてくる、前向きな葛藤や未来を求める思い。そんな乙女の脆いけど希望を抱いた心模様を、しっかりと両手で包みこんでいたい。

 華やかな世界を描きだす、ファンキー&ソウルフルに弾けた『HAPPY HAPPY TOMORROW』へ触れたとたん、興奮を隠せない観客たちが全力で声を張り上げ、MIXをぶつけだす。そのパワーも力に、7人は胸弾むチャーミングな乙女に気持ちを染めあげ、ときに跳ねながら、振り上げた手を左右に大きく振り、無邪気にはしゃいでいた。間奏では、観客たちが事前に渡された用紙を折って、この場で紙ヒコーキを作成。メンバーらの声を合図に飛ばしだした。場内を飛び交う紙ヒコーキ。そんな演出も加えつつ、7人自身が気持ちをふわりふわりと空へ舞い上げるような様と笑顔を浮かべ、この場でわちゃわちゃとはしゃいでいた。


 MCでメンバーらは、ツアーファイナルを迎えた今の素直な気持ちを述べつつ、各地での思い出を喜々とした表情で語っていた。今年の夏は真っ白なキャンバスにとって最後の夏になることを伝えながら、ここから真っ白なキャンバスと一緒に夏を始めようと誘いかけてきた。

 そのうえで披露したのが、新曲の『Summer Echoes』。この夏はきっと、この曲を携え、各地で歌っているだろうか。光と影いろんな感情が入り交じるところは、真っ白なキャンバスらしいところ。とても晴れた爽やかな楽曲だけに、『Summer Echoes』を通して、一人一人の胸に、忘れたくない夏景色を描きだしてほしい。今年の夏は、真っ白なキャンバスにとって最後となる。最後の夏の始まりが、きっとこの日だったのかもしれない。だからこそ夏が来るたびに、この曲と一緒に綴った想いを思い出してほしい。

  ここから、真っ白なキャンバスと一緒に最後の夏の思い出をたくさん重ねようと誘うように、立て続けに夏曲の『いま踏み出せ夏』を歌唱。この曲でも一部メンバーたちがフロアへ降り、手にした籠からカラーボールを取りだし、あちこちに投げ入れ、「ここから一緒に今年の夏を始めよう」と熱い誘いをかけてきた。いいよね、一緒に新しい物語を描きだせるって。たとえ終わりの決まった物語だろうと、2024年の夏の青春という物語は、この瞬間から短い期間にしか描けない。だからこそ、今からでもその物語を一緒に描かないか。

 『アイデンティティ』のイントロが流れだすのに合わせ、場内中の人たちが思いきり声を張りあげ、メンバーらに熱情した想いをぶつけたす。ときにもどかしさも見せながらも、7人は晴れた歌声を綺麗に響かせ、ときに力強く未来へ向けて想いを突きさすように、この空間に眩しい熱狂の景色を描きだしていった。彼女たちは"弱い"を知っている。だから、明日を見つめたとき、その歌声に心揺さぶる深みを覚える。最後に生まれたガチ恋口上も熱かった。

 7人は、恋に恋する乙女に心を染めあげ、ときめいた気持ちへカラフルな恋色の化粧を施し、胸をドキドキしながら『キャンディタフト』を歌っていた。「僕を奮い立たせるんだ」のセリフへ向けて、場内中から生まれた「オーッ!!」という熱い声。途中には、来年にはこの景色は無いからこそ抱いている想いを伝える場面も登場。歌詞に綴ったように来年も再来年もとはいかないけど。でも、今、ここで歌っている気持ちは真実だからこそ、7人は真っ直ぐな想いで『キャンディダフト』を歌っていた。最後の「君が好きだ」の言葉も、胸アツだ。

  「今日またここから、私たちもみんなと手を取り合って、これから始まる夏を、そして最後の瞬間まで、最高の夢を見ていきましょう」。真っ白なキャンバスが最後に歌ったのが『PART-TIME-DREAMER』。メンバーたちは,歌詞に込めた感情に気持ちを染めあげ、想いを伝えるように歌っていた。その姿へ向け、フロアから飛び交う「俺の」の声や口上、燃えたつ熱いコールの数々。全力で声を張り上げる観客たちの想いに触れ、メンバーたちも胸揺さぶる想いを感じながらも、しっかりと歌いあげていたのも印象的だった。


  ふたたびこの空間に熱情した華やかな景色を作ろうと、真っ白なキャンバスはアンコールで『Heroine hour』を歌唱。この曲を通して、7人との心の距離がふたたびグッと近づいた。そして、一緒に最後まで歩み続ける気持ちを新たにしていた。いや、そのときはただ夢中になってはしゃいでいたが、今振り返ったら、そんな約束を改めて交わしていたのかなと思えてくる。だから、最後まで一緒に夢を追いかけよう。

 心に広げた自由帳へ、いろんな思いを書きつらねようか。舞台の上に座った7人が立ち上がり歌いだしたのが、『自由帳』。一人一人の感情が、揺れ動く歌声を通して伝わってくる。7人の想いを一つに響かせる爽やかな歌声が、爽快な風となって心を吹き抜ける。彼女たちは、この記憶をしっかりと残し、未来のページを次々とめくろうと誘いかけてきた。そこに真っ白いページがあるのなら、その瞬間瞬間を色濃く残そうか。終盤には、7人と観客たちが身体を揺らしながら大きな合唱を作りあげていた。
                

 最後に彼女たちは、「私とわたし」のタイトルには過去と未来という想いが込められていることを。そして、最後の時まで全力で駆け抜けていくと伝えていた。


 この日のライブの熱狂をすべて心の印画紙へ焼き付けように,最後に真っ白なキャンバスは『桜色カメラロール』を歌唱。舞台の上で桜の花びらのように舞い躍るメンバーたち。一人一人が、後悔ないよう歌声に想いを込めながら「ここが帰る場所だよ」と歌っていた。たとえ物語に終わりがあろうとも想いが消えない限り、真っ白なキャンバスの歌へ触れるたび、思い出が胸の中に蘇り、その思い出と一緒に帰ってこれる。そんなことも思い浮かべなから、華やかに舞い踊る7人の姿を、心のシャッターを押しては記憶に記録し続けていた。終盤に飛び交ったあの熱情した観客たちの声もほんと胸を熱く奮い立てた。


 11月4日.真っ白なキャンバスは「明日も変わらない1日を」公演を、ずっと目標にしていた幕張メッセ幕張イベントホールで開催することを発表した。その日まで悔いのないように駆け抜けたい。


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TEXT:長澤智典


セットリスト
『SHOUT』
『闘う⾨には幸来たる』
『ダンスインザライン』
『メンションガール』
『ポイポイパッ』
『ダウター』
『Whatever happens,happens.』
『オーバーセンシティブ』
『わたしとばけもの』
<映像コーナー> 
『全⾝全霊』
『世界犯』
『空⾊パズルピース』
『HAPPY HAPPY TOMORROW』
<MC①>
『Summer Echoes』
『いま踏み出せ夏』
『アイデンティティ』
『キャンディタフト』
『PART-TIME-DREAMER』
【ENCORE】
『Heroine hour』
『⾃由帳』
<MC② >
『桜⾊カメラロール』

 

フライヤー

2024年11月4日
真っ白なキャンバス ラストライブ
『明日も変わらない1日を』
幕張メッセ 幕張イベントホールにて開催決定!


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