FEATURE

2025.01.08
陽向なつみ/彩虹/月明ゆかり/雨ノ杏/りなぞう/Ruu

「New Comer Special Live Vol.14」公演レポート!!!!!!新しい時代を彩る可能性を秘めた女性アーティストたちが出演。その可能性を芽吹かせたイベントだった。

 元AKB48の長谷川新奈や元NGT48の大滝友梨亜など、新しい時代を彩る可能性を秘めた女性アーティストたちが出演。2025年度最初のイベントとして、1月4日(土)に「New Comer Special Live Vol.14」が品川J-SQUAREで行われた。出演したのが、Ruu/陽向なつみ/りなぞう/月明ゆかり/彩虹/雨ノ杏。当日のライブの模様を、ここにお伝えしたい。
 

▼陽向なつみ

 イベントのトップを飾ったのは、「ポジティブ!アクティブ!クリエイティブ!いつでも全力ソロアイドル、なつみん」こと陽向なつみ。オープニングを飾ったのは、juice=juiceの『Never Never Surrender』。冒頭から彼女の元気いっぱいの歌声とパフォーマンスが炸裂し、会場の空気を一気に温めた。観客から自然と湧き上がる手拍子が、彼女のエネルギーに応えるように場内を包み込む。一度上げた勢いを、曲が進むごとに加速させてゆくところも、この日のライブに熱狂を描きだす嬉しい要素になっていた。

続いては、ラストまで続くモーニング娘。メドレーコーナーへ。最初に持ってきたのが、気持ちをさらに熱くアゲてゆくアッパーでダンサブルな『one two three』。ノリノリ&パワフルな楽曲の上で、陽向なつみ自身も気持ちをアゲながら熱唱してゆく。フロアから飛び交うクラップも、その勢いを後押しし、会場全体がノリの良い一体感に包まれていく。その勢いへ、さらに華やかさを塗り重ねるように、『そうだ!We’re ALIVE』を歌唱。さらに前向きで華やかなエネルギーが放たれ、気持ちを前のめりに思いをぶつけいた。続く『Help me!』と、陽向なつみは巧みに楽曲の色を塗り替えつつ、場内に生まれた熱をしっかりと上げ続けてゆく。そこから、ノリを継続しながら『恋愛ハンター』へ。早口のフレーズをリズムよく歌い上げ、フロア中の人たちの気持ちを彼女は嬉しく刺激していた。
巧みに曲を入れ換えながら、最後に陽向なつみは『恋愛レボリューション21』を通して、この会場にちょーちーちょーちょーいい感じで、アッパーな空気を作りだしていった。ダンサブルなスタイルをベースにしていたからこそ、表層を彩る表情の色が変わるたびに、ニヤニヤしながら見続け、素晴らしい形でのイベントの幕開けとなった。 

陽向なつみ

陽向なつみ

陽向なつみ



▼彩虹

子育てに奮闘する母親でもあり、ライバーとしても支持を集めているシンガーの彩虹。最近では、ライバー事務所のマネージャー業も行っており、自身が配信するだけにとどまらず、ライバーさんの育成にも力を注いでいるそう。
 彩虹にとって初めてのライブは、温かい声を響かせてCHIHIROの『やっぱり好き』を歌いながら始まった。母親としての面を持つ影響もあるのか、「あなたが好き」「やっぱり好き」と歌う声に思いの深さを覚える。彼女自身が、両手でマイクをギュッと握りしめ、歌詞の一つ一つへ温かく「好き」の思いを乗せて歌っていた。だから、そのハートウォームな歌声にずっと優しく抱きしめられていたかった。彼女には、バラード系の歌が本当に似合う。
 
 次に歌ったのが、同じバラードでもスケールあふれるスタジアム系ロックバラード、ONE OK ROCKの『Wherever you are』。この曲を彩虹が歌うと、原曲とは異なる、人肌の温もりよりも少し体温高めの歌として胸に届いてくる。思いへ導かれるように、身体を揺さぶり彩虹は歌いあげる。でも、その姿に凛々しさではなく、強く逞しい母性を感じていた。そこが、彩虹の魅力なんだと思う。
 
 続いて、彩虹のデビュー曲になるオリジナルナンバーの『Choices in Love 』を熱唱。オリジナル曲でも、やはりバラードを選ぶところは、自身の魅力の生かし方を知っているからだ。曲が進むにつれ感情が熱を増せば、芯の太さも含んだ高音の歌声が綺麗に響き渡る。彩虹の魅力になる高いキーの声のみならず、低音域から高音域まで巧みに使い分け、彼女はこの曲でもしっかりと歌いあげていった。
 
 この日は、彩虹の誕生日。とても嬉しい日じゃないか。その幸せを歌に込めるように、最後に彩虹は杉田あきひろ・つのだりょうこの『シアワセ』を届けてくれた。長く保育士をしていた経験もあるように、日常の中にある小さな出来事に幸せを覚える歌も、彼女にとても似合う。そう思えるのも、彩虹自身が,いつだって身近にいる人たちへ温かい思いや優しさを、歌を通して伝えているからに違いない。

彩虹

彩虹

LIVE

 

▼月明ゆかり

 ヴァイオリン弾き語りスタイルのシンガーソングライター・ライバー・女優と多彩な表現力を持つ月明ゆかり。この日に披露したのが、得意のヴァイオリンの音色も生かしたオリジナル曲。
 最初に歌った『月夜も闇夜も暁の始まり』が流れたとたん、月明ゆかり自身が闇へ誘う古の歌姫となり、まるで物語を語るように、悠久の優しい調べに乗せて歌っていた。まるで子守歌のよう?!そんな風に思えてしまうほど、彼女は、この場にいる人たちの心を幼子に戻し、穏やかで優しい歌声を揺りかごにすれば、観客たちの誰もが、その歌と音楽へ心地好く浸っていた。

 彼女にとって、この日が1年2ヶ月ぶりのライブ。そうは思わせない臨場感を持って、月明ゆかりは歌っていた。続く、胸を踊らせる『君の笑顔を守らせて』では、弾む彼女の歌声が、躍動したオリエンタルな楽曲に乗せ、触れた人たちの気持ちも心地好く弾ませる。現実を遠ざける幻惑な世界へその音色で導きながらも、歌詞は現代社会を巧みに揶揄する内容。そのギャップも、耳を惹き付ける魅力になっていた。

 歌始まりのダークファンタジックな『帰る空』でも月明ゆかりは、語るように歌いながら、この場にいる人たちを、ここではない不思議な世界へ連れ出し、現実を消し去ってゆく。その世界がどんな色を放とうと、月明ゆかりの歌声に触れている間は、お伽の世界へずっと引き寄せられ、気持ちを離さずにいてくれる。だから、その世界へずっとずっと浸っていたくなる。

 最後に月明ゆかりは、解放感に満ちた温かな景色の見える『めでたしの未来』を、触れた一人一人の心へ優しい声の輝きを振り注ぐように歌っていた。知らず知らずに幸せが心の中で満ちてゆく?!そんな感覚も覚えながら、心をずっと温かくし、この曲を胸の内で抱きしめていた。

月明ゆかり

月明ゆかり

月明ゆかり

 

▼雨ノ杏

 バイクに乗るシンガーとして活動中、雨ノ杏も全てオリジナル曲を届けてくれた。冒頭を飾った『ベランダ』では、アコースティックギターを軸に据えた、シンプルだけど、ずっしりとした存在感の強い楽曲に乗せ、まるで人生を長大な詩にして語るように雨ノ杏は歌っていた。歌が進むにつれ、楽曲へ深く重い感情が折り重なる。全体的にモノクロな楽曲だ。でも、そこへ雨ノ杏が少しずつ色をつけてゆくようにも胸に届いていた。

 2024年に26歳になった雨ノ杏。日々の中で揺れ動く痛い感情を歌にしたのが、『26歳』。26歳という大人であるがゆえに感じる心の葛藤を、彼女はあえて淡々と。でも、けっしてあきらめた世捨て人としてではなく、痛みや哀しみ、もどかしさの中でも、何かしら光をつかもうとしてゆく姿として歌っていた。きっと直情的な歌なんだと思う。その気持ちを強くぶつけるのではなく、あえてあきらめにも似た淡々とした感情にして歌うからこそ、ネガティブな気持ちの中から滲みでてくる、前を向く思いに心が惹かれてゆく。

  『路頭』では、場内中から響きだしたクラップもリズムに加えながら雨ノ杏は歌っていた。気持ちが前を向いているからだろう、彼女は、すべてを投げ出そうとするあきらめの心模様を振り切るように歌っていた。曲が進むごと感情的になる、それは怖さや弱さを隠すため。ネガティブな感情をぶつけながらも、それをプラスにさりげなく塗り替えてゆく。そんな風に感じつつ、彼女の歌の数々を受け止めていた。

 最後に歌ったのが、『虐げられる者たちへ』。とても生々しい、学校や会社から除け者にされた人たちの気持ちへ寄り添う楽曲だ。そんな虐げられている人たちの感情を代弁するように伝え、寄り添い、エールを送るように雨ノ杏は歌っていた。みずからも虐げられてきた人なのだろうか不平等に感じる残酷な世界でもがく人たちの心に、彼女の歌は小さな光を灯してゆく。痛みや涙を抱えている弱者には、弱さへ寄り添う歌が一番優しく響く。だから、この曲に強く、強く惹かれていた。ほんと、生きていて良かった。

雨ノ杏
雨ノ杏
雨ノ杏

 

▼りなぞう

 ギターとピアノで弾き語りをしている、シンガーソングライターのりなぞう。最初に歌ったのが、ウタ from ONE PIECE FILM REDの『私は最強』。あの強烈な歌を、彼女は我が強く芯の太い声を魅力に雄々しく歌いあげていた。ときどき唸るように逞しい声の表情も巧みに加え、彼女はその雄々しい歌声で、見ている人たちの心と視線を一気に引き寄せていた。いろんな感情の色を見せる、りなぞうのミラクルで魅惑的でパワフルでマジカルな歌声に強く惹かれてゆく。ほんと、最強のダイナマイト系シンガーだ。

 次に歌ったのが、今の季節に似合う桑田佳祐の『白い恋人達』。りなぞうが歌うと桑田佳祐の癖の強い歌声とは異なる、甘く優しい中にもグッと心を強く惹き付け、病み付きにさせる癖を覚える。まるで澄み渡るような‥と言いたくなるけど、彼女が朗々と歌いあげるたび、触れた人の心に取れない鉤針のようなひっかかりを作ってゆく。だから、強烈に惹かれるその理由と魅力の正体を探りたくて、どんどん夢中になっていく。

 最後にりなぞうは、オリジナル曲でバラードの『想いあい』を歌ってくれた。優しいアコギの音色に乗せ、彼女はたくさんの伝えたい言葉を一つ一つ大切に、そこへ深い思いと思いやりをギュッ詰め込んで届けてくれた。裸の心と温かい声で魂を込めて歌うからこそ、たとえ初見で触れようと、その歌声に引き寄せられ、気付いたらじっくりと曲の世界に浸っていた。なんて思いやりの深い歌い手だろう。だから、りなぞうの歌にずっと引き寄せられていたのかも知れない。

りなぞう
りなぞう

りなぞう

 

▼Ruu

 トリを飾ったのが、ライバー/インフルエンサーとしての支持の高さはもちろん、R&Bシンガーとして高い評価を得ているRuu。彼女が最初に歌ったのが、坂本九の『上を向いて歩こう』。Ruuが生まれるだいぶ前に誕生し、昭和・平成・令和といろんな時代を彩り続けてきた楽曲だ。今でも、多くの人の心に感銘を与えてゆくこの曲を、Ruuは、オリジナル曲の持つ魅力を損なうことなくどころか、原曲の持っていた人の心に優しく寄り添う思いへ、さらに温かさを加えていた。その歌に触れていたら、2人で並んでブランコに乗りながら、横で歌うRuuの声に触れ、なんか明日も元気で生きられそうという気持ちへ染まってゆくようにも感じていた。

 最初に昭和時代のエバーグリーンな歌を届けたうえで、次に歌ったのが、今の時代を象徴するシンガーでもあるAdoの『新時代』。あえて振り幅を見せてきたところも、実力派シンガーのRuuらしい。たとえ表情は異なろうと、Ruuの歌声は、どんな曲調だろうと、触れた人たちの側へ寄り添い、その人の心に欲しい色を塗ってゆく。だから、Ruuの歌を求めたくなる。R&Bシンガーとして活動しているように、声量あふれた芯の太い歌声を生かせる楽曲は、強烈なインパクトを持って胸に突き刺さる。

 WhitneyHoustonのバラード『Run to you』に触れたとき、気持ちが震えた。なんて芯が太く、深みを持った歌声だろう。Ruuには、歌いあげるこの手の楽曲がとても似合う?!フロアにいた人たちの誰もが、彼女の歌声にじっと耳と心を傾けていた。いや、そうしていたくなるくらい、表現力豊かなその歌声を、零すことなるすべて胸の奥まで飲み干していたかった。

  Ruuが最後に歌ったのが、オリジナル曲の『will』。とても躍動感と力強さを持った、まるでバトル系アニメの主題歌と言っても納得する楽曲だ。力強く疾走する曲の上で、Ruuがとても表情豊かで情熱的な歌声の色を鮮やかに塗り上げる。熱情した歌声の中にも巧みに抑揚など感情の揺れを描きだすからこそ、その歌に心が強く惹かれていた。フロアでも熱いクラップを届ければ、真っ赤なペンライトを大きく振る姿が場内のあちこちに見えていた。今年のRuuは積極的にライブ活動をしていくと伝えていた。この日のライブを見て、今年の彼女の活動がますます楽しみになってきた。

Ruu
 

Ruu

Ruu


「New Comer Special Live」、次回の開催も楽しみになるイベントだ。 

PHOTO: 永井秀和
TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>


フライヤー

★「New Comer Special Live!Vol.14」配信
01/04 (土) 21:00 – 02/03 (月) 23:59
https://starman.zaiko.io/e/newcomer-14


セットリスト

陽向なつみ
『Never Never Surrender』(juice=juice)
モーニング娘。メドレー
『One・Two・Three』 
『そうだWe Alive!』
『Help me!』
『恋愛ハンター』
『恋愛レボリューション21』

彩虹
『やっぱり好き』(CHIHIRO)
『Wherever you are』(ONE OK ROCK)
『Coices in love』(彩虹)
『シアワセ』(杉田あきひろ、つのだりょうこ)

月明ゆかり
『月夜も闇夜も暁の始まり』(月明ゆかり)
『君の笑顔を守らせて』(月明ゆかり)
『帰る空』(月明ゆかり)
『めでたしの未来』(月明ゆかり)

雨ノ杏
『ベランダ』(雨ノ杏)
『26歳』(雨ノ杏)
『路頭』(雨ノ杏)
『虐げられる者たちへ』(雨ノ杏)

りなぞう
『私は最強』(ウタ from ONE PIECE FILM RED) 
『白い恋人達』(桑田佳祐)
『想いあい』(RATELS)

Ruu
『上を向いて歩こう』(坂本九)
『新時代』(Ado)
『Run to you』(WhitneyHouston)
『will』(Ruu)


SNS

陽向なつみ
https://x.com/natsumin723n

彩虹
X: @ako_dolphin
インスタ: @asianhope.3417
TikTok: ako.nijinoiruka

月明ゆかり
https://lit.link/moonlitly

雨ノ杏
https://x.com/ameno_anzu
https://www.youtube.com/@ameno_bike

りなぞう
https://rinazo.jpn.org/rinazo/link.html

Ruu
https://x.com/Ruu1111music4u
https://www.instagram.com/ruu_music4u

スターマンビジョン
https://www.starman.co.jp/
https://x.com/starmanvision1

 

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