Speak emo

2019.02.27
kolme

私たちの中には「いい作品を作ろう」しかないんですよ

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3人でずっと音楽やっていけたらなと思っています(RUUNA)

――「One time」については前回のインタビューでお訊きしました。これもアルバムには必要な曲ですね。続いて「My everything」です。いいですね。泣いちゃいます。というか、20代でご両親に対してこういう風に言えるってすごいですね。僕は言えなかったです。今ごろになってようやくそんな感じです。なのでめっちゃ刺さります。

RUUNA:あぁ…。でも本当に、この曲のアイディアをRyotaさんからデモでいただいたんですが、多分今までの私たちだったら絶対に選んでないと思います。この曲を。

――おぉ…。

RUUNA:今のタイミングで聴いたからこそ、今やりたいと思えた曲ですね。ちょっとJ-POPの雰囲気もありつつ、可愛らしい雰囲気もあって…。最初はもっとロックっぽいニュアンスだったんですが、kolmeでやるには少し落ち着かせて、もう少し品のあるイメージに持っていきたいなと思って、今の形になりました。仮メロの段階では適当な英語で仮歌が入っていたんですが、サビ頭に「Fanny」という単語が入っていて、その響きがキャッチーだったので、「じゃあ、その一語を何にしようか?」ってみんなで話し合いました。例えば「Judy」とか人の名前にするのもいいねとか…。Ryotaさんが「Hey Jude」をイメージしたとのことで…。

――ビートルズですか!

RUUNA:とお聞きしました。なので、この部分は誰かに呼びかけるのがいいと思ったので、「じゃあ誰にしよう?」と。最初は架空の人物の名前にしようかとも思ったんですが、「Mommy」「Daddy」が響き的に可愛いし、いいよね、となって、それに決まってからはすぐに詞が書けました。母と父を想像しながら…。サビ頭が決まると、「ABでは名前を出さない」と自分の中で決めました。「あなた」という抽象的な言葉にしてたくさんの人に共感してもらえたらなと思って…。

――お父様お母様はこの曲を聴かれたんですか?

RUUNA:発売前にサンプルを渡しました。

――何か反応はありましたか?

RUUNA:感想は恥ずかしくて聞いていないです(笑)。

KOUMI&MIMORI:アハハハ(笑)。

――ロックっぽかったとのことですが、シャッフルか何かのロックビートって感じだったんですか?

MIMORI:そうですね。リズムと、あとBパートのメロディが“隙間隙間隙間”という感じのロック系だったんです。なのでそこを大幅に変えました。るうなさんの作詞作業と並行してやっていたんですが、AメロBメロに可愛らしい言葉や明るい雰囲気の言葉が並んでいたので、私が考えたメロが暗い雰囲気だったんですが(笑)、歌詞を見て「明るい方がいいな」と思って語尾のメロを変えたり、リズムを変えたりしました。可愛いんですけど、自分たちらしいちょっと癖のある部分もあって…。今までにない雰囲気で締められたのがよかったと思います。

――裏を感じさせる三連やシャッフルを、敢えて4ビートみたいに頭を強調したりしていますよね。

MIMORI:そうですね。

――あと、モータウンのビートみたいな雰囲気が漂う部分もあって、ガールズグループが歌っているような可愛らしさが感じられます。

MIMORI:メロは所々食って入ることを意識しました。敢えて前のめりに行く感じの方が可愛いんじゃないかと思って…。

――それにしても、この曲を最後に持ってくるのはkolmeっぽくない気もするんですが、それがいいですよね。

RUUNA:この曲が出来た時に、満場一致でこの曲を最後にしようってなったんですよ。今までだったらきっとそうならなかったと思うんですが、ライブを想像した時に「最後みんなと笑い合って温かい雰囲気で終わりたいね」となって、みんな「この曲で終わるのがいい」と言ってくれたんですよね。私が作詞した曲が最後になるのはこれが初めてなんです!大抵MIMORIが書いた曲で始まってMIMORIが書いた曲で終わる、というのが今までの作品では多かったんですが…。なので、今回は個々の個性とか考え方が明確に出てきた作品だなと感じました。

――アルバムにはいろんな要素が入っていて、すごく攻めたものもあり、グローバルな感覚が息づいているものも多くありますが、そんな作品を「家族愛」で締めるっていうのもすごくいいですね。

RUUNA:本当に今回はバリエーションが一気に広がったアルバムだと自分たちも思っていて…。2ndアルバムからの2年半、すごく充実した活動をさせてもらえていたんだなと、このアルバムを作っていて改めて感じました。いい意味で個々が自分の好きなことや興味のあることを追求していて、それが結実したという感じがすごくしていて、自分の中でもひとつの一区切りができた感じがしています。それゆえに、これからどういう音楽をやっていこうかなというのがすごく楽しみになりました。

――これは改めて明言しておきたいのですが、今作では、多くの新機軸が見られ、大いに変化を感じるのですが、それが決して「ちょっと新しいことをやってみるか」というように奇を衒ってやっているのではなく、デビュー時からの蓄積の上に新しいものが結実している、といった感じです。なので、それは未来へも大きく伸びていくのかなと期待できますよね。それを踏まえて最後にどんなアルバムかというのをひとことずつ言っていただいてい終わりたいと思います。

KOUMI:はい。前作から2年半という期間があった分、自分の人生を振り返りながら様々なことを考えられましたし、それが表現にも生かされていると思います。3人の女の子がグループをやっていると日本では“アイドル”というふうに見られちゃうかもしれませんが、そういうのも何も気にせずにとにかく、純粋に音楽を楽しんでもらえる盤になったらいいなと思うので、いろんな方にこの曲たちが届くのを祈っています。ぜひ聞いてください。

MIMORI:今回はアルバムという形で3人の個性が大きく打ち出せたのがすごくよかったと思っています。ジャンル豊かなものができて、それぞれの強みも出ているので、“kolme”のことをいち早く知ってもらえる作品になったんじゃないかなと思います。私たちの好きな音楽を詰め込んで、「これが私たちがやっていきたい音楽です」というふうに提示できたアルバムになったので、このアルバムを聴いて「この曲好きかも」と思っていただけたら、私たちと同じ「好き」を持っているといいますか……そういうのはすごくうれしくて、「音楽で語る」じゃないですけど、同じ感覚を共有できたらいいなと思います。たくさんの方に届いて、たくさん聴いていただければいいなと思っています。

――では、RUUNAさんに締めていただきます。

RUUNA:callmeを始めた頃は受け入れてくれる方が少なかった印象がすごくあって、でも、自分たちのやりたい音楽をずっとめげずに続けてきた結果が今回のアルバムだと思っていて…。たくさんの方に聴いていただいているということを知って、自分たちが作ったものが届いていく感覚ってこんなにうれしいことなんだなと今回すごく感じられました。これまでは、歌詞なども「締め切りがある、書かないと」とか、担当を振り分けられて「自分がいいものを書かなきゃ」といった気負いがあったんですが、今回は自然に伝えたいものが出てくるようになって、それは初めて芽生えた感覚で…。「こんなに伝えたいことがある」「こんなに届けたいことがある」って感覚が溢れてきて、それを音にしてみんなに届けていきたい、と思ってできた作品がこのアルバムで…。そういう作品が自分たちの中から出てきたことが本当にうれしいです。

――なんか、いよいよ表現者になったという感じですね!

RUUNA:いえいえいえ(笑)。周りに恵まれて音楽ができているということが本当にうれしいですし、3人でずっと音楽やっていけたらなと思っています。


取材・文
石川真男

kolme ライブ情報

「kolme Live Tour 2019」
3月2日(土) 岡山IMAGE
3月3日(日) 福岡Early Believers
3月16日(土) 名古屋RADHALL
3月17日(日) 大阪阿倍野ROCKTOWN
3月23日(土) 仙台MACANA
3月30日(土) 東京WWWX
※岡山・福岡は対バン有り
※東京、大阪、名古屋、仙台は単独公演

kolme 商品情報

3rd Album 『Hello kolme』
2019/01/30 Release

Type-A CD+DVD

【Type-A CD+DVD】
AVCD-96000/B ¥5,000 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything
【DVD】
・Music Video
(The liar、Tie me down、Why not me)
・kolme OFFSHOT MOVIE -Japan ver.-

Type-B CD+DVD

【Type-B CD+DVD】
AVCD-96001/B ¥5,000 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything
【DVD】
・Music Video
(The liar、Tie me down、Why not me)
・kolme OFFSHOT MOVIE – France ver.-

Type-C CD

【Type-C CD】
AVCD-96002 ¥2,700 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything


kolmeの代表曲となった「Hello No Buddy」のオリジナル曲2曲(日本語、英語バージョン)と5人の気鋭のクリエイターによってリミックスされた5曲を含む計7曲を収録

Hello No Buddy Remix

『Hello No Buddy Remix』
2019/03/01 Release
※配信・会場限定盤

AVC1-96223 ¥1,500 (税込)
01 Hello No Buddy 02 Hello No Buddy -Aiobahn remix- 03 Hello No Buddy (DE DE MOUSE remix) 04 Hello No Buddy (Yunomi remix) 05 Hello No Buddy (English Ver.) 06 Hello No Buddy -MATZ remix- 07 Hello No Buddy -Kotaro Saito remix-

PROFILE

PROFILE
kolme
kolme

(左から) RUUNA(秋元瑠海) 1996年9⽉9⽇O 型(リーダー)
MIMORI (富永美杜) 1996年6⽉14⽇O 型
KOUMI(早坂⾹美) 1996年5⽉31⽇O 型

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3⼈組ガールズ・ユニット。作詞作曲、ダンス振付、英語など、それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフ・プロデュースするクリエイティヴ・ユニットとして活躍。リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3⼈が⼀体となったクオリティーの⾼いダンスと、⻤才トラックメーカーRumb(残響レコードからアルバムをリリース)とコラボレーションする楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅⼒。海外からの注⽬も⾼く、2018年7⽉にはフランスで⾏われた『Japan Expo』に出演を果たした。

- 2015年-
3⽉シングル「To shine」でメジャー・デビュー、オリコン初登場10位。
7⽉配信限定「callme -EP Vol.1」iTunesディリートップ10⼊り、OTOTOYディリーチャート1位を 記録。⾳霊、サマソニ、a-nationと数々のフェスに出演。
10⽉には1stフルアルバム『Who is callme?(全16曲収録)』をリリース、 CDショップ⼤賞にもノミネートされた。

- 2016年-
4⽉2ndシングル『Can not change nothing』は初のドラマエンディングに起⽤。
6⽉3rdシングル『Confession』はピアノを主体としたダンスナンバーが話題に。
9⽉には2ndフルアルバム『This is callme(全16曲収録)』をリリース。

- 2017年-
3⽉4thシングル『Bring you happiness』は物流業界初の応援ソングとして制作。
8⽉5thシングル『One time』リリース。ジャズフェスやナイトクラブに出演。

- 2018年-
3⽉6thシングル『Hello No Buddy』Spotifyプレイリスト⼊りやJ-WAVEでのO.A、⾳楽好きな著名⼈からの発信で注⽬ を集めている。
7⽉プレイリストアルバム「Please callme! -20152018-」リリース

- 2019年-
1⽉3rd Album『Hello kolme』リリース
3⽉全国ツアー「kolme Live Tour 2019」決定(東京、⼤阪、名古屋、仙台、岡⼭・福岡)
4⽉〜11⽉毎⽉新曲配信リリース
11⽉4th アルバムリリース
12⽉〜全国5都市6公演ライブツアー開催決定

公式サイト: https://avex.jp/kolme/