Speak emo

2019.02.27
kolme

私たちの中には「いい作品を作ろう」しかないんですよ

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出す時期を考えて楽曲制作をした方がいい、ということを改めて学びました(RUUNA)

――「Hello No Buddy」。これは外せない曲ですね。この曲については前回お訊きしたのですが、MIMORIさんの素朴な疑問というか純朴な気持ちから生まれた曲でしたよね。それが今やめちゃくちゃ重要な曲になっていませんか?

MIMORI:そうですね。これがきっかけでkolmeのことを知ってくれた方がたくさんいるんですよ。作った時にはここまで受け入れられるとは思ってなかったですね。

RUUNA:自分たちで作っているので、もちろんいいものができたとは思うんですが、たくさんの人から「すごいいい曲だね」と言われて、こんなに反応が返ってきたのは初めてだったので、「Hello No Buddy」が響くんだという驚きがありました。最初作った時は「表題曲を作ろう」とかは一切思ってなくて、ずっとアッパーな曲を作っていた反動で落ち着いた曲をやりたいと思って作ったのが「Hello No Buddy」だったんです。出来上がった時はみんな「これが表題でいいね」というのは感じていたんですが、改めてアルバムを通して聞いた時にこの曲が軸になっていると感じました。

――”複雑な曲”や”攻めた曲”の後ににこれが来ると、なんかちょっと落ち着きますよね(笑)。

MIMORI:確かに(笑)。

――大きく揺さぶられて、ここで落ち着くからこそ、次へも繋がっていく、みたいなところがありますよね。続きまして「Why not me」。これもとても興味深い曲です。

MIMORI:これはそもそも…「One time」が「It’s own way」の第1セクションのアプローチを発展させたものだったんですが、今の私たちなら「One time」の時よりももっと行けると思って、さらに攻めたものを作りました。今回この曲はアナログ機材を通してミックスをしたので、ちょっと今までと聴こえ方も変わっていて…。

――えぇええ!そこまでは気づかなかったです。

MIMORI:(笑)。アナログを通したので、ちょっと柔らかくて味わい深い音になっているというか…。

――そうなんですね。

MIMORI:実はこの曲、5月ぐらいに作ってたんですが、本当は7月ぐらいに出したかったんですよ。

RUUNA:そうなんです。今回リリースするタイミングとか、すごく勉強になりました。アレンジャーさんも含めてみんなで話してたんですが、この音を早い段階で出したかったですね。出す時期を考えて楽曲制作をした方がいい、ということを改めて学びました。

――どうしてもっと早く出したかったんですか?

RUUNA:そうですね。海外のチャートなどをチェックしていると、もう今は結構出ている音なんですよね。

――おぉおお、なるほど。

MIMORI:5月頃だとまだあまり出ていなかったんですよね。

RUUNA:「きっと次来るのはこういう系統だよね」というのをアレンジャーさんやみんなと話していたんです。アレンジャーさんも世に出すタイミングにはこだわるタイプの方なので、もうちょっと早い段階で出しておいた方がよかったねというのがありました。

――今やトレンドって、半年単位というか、もっと短いサイクルで変わっていきますよね。

MIMORI:3カ月で流行りの音がどんどん変わっていますよね。そういう意味でも、タイミングって大切だなと。

――音の流行りだけじゃなくて、それを提供するプラットホームとか、それを拡散するメディアなども、半年やそこらで景色が変わったりしますよね。

MIMORI:リリース時期が変わったので、アレンジも変えてもらったんですよ。もっとボリューミーにしてもらったと言いますか、2番のところからさらにアコギが前に出てくるようにしたんですけど、この曲の歌詞もエンディングに向けてどんどんと伝えきれない想いが積もっていくといったもので、それを音でも表現しているんです。最後もコーラスをたくさん積んでいて、デモの段階では無かったコーラスも重ねたりしてるんですね。

――どんなイメージを思い浮かべながら作っていったんですか?

MIMORI:これは、自分だけが閉じこもっているイメージでした。好きな人ができたんですけど、その好きな人は別の人が好きで、絶対に叶わない恋。好きになってはいけなかったんですけど好きになってしまって、でも伝えられないから自分の中だけで閉じ込めて鎮火させようとするんですけど、その気持ちなかなか収まらなくて、自分の中に引っ込めれば引っ込むほどどんどん熱さが増していって…。相手とは今も近い距離にいるイメージです。なんですが、自分の気持ちを伝えていない分、相手がフレンドリーに接してくれるので、逆に苦しくなって…。あなたと近い距離にいて同じ空気を吸っていると私はこんなに熱くなる、という思いを込めて書きました。

――なんか、なかなか幸せにならないパターンが多いですね(笑)。まあ、上手くいかないからこそ、いろんな感情が出てくるんだとは思いますが…。そういうシチュエーションをあれこれ考えているんじゃないですか?どうやったら“上手くいかない”状況が作れるんだろう?みたいな(笑)。

MIMORI:今回、まあ、題材にしたわけではないんですけど、作るきっかけになったのが私の読んでいた漫画で…。主人公とヒロインはいろいろあったとしても絶対に結ばれるじゃないですか。でも、私が好きなのは、漫画的には“噛ませ犬”役と言いますか、2人の恋を盛り上げるためのライバルというか、そちらの方だったんですね。この人にも恋愛感情があって恋愛の物語があるわけで、そちらがないがしろにされているのが悲しいなと思って…。この人にスポットを当てて「この人の恋愛観はどういうものだろう?」と思って作ったのがこの曲です。

――もしかしたら多くの人はそういう立場なのかもしれないですよね。

RUUNA:そうですね~。

MIMORI:でも、フィーチャーされるのはあちら側じゃないですか。主人公とヒロインの恋愛でハッピーエンドって、でもハッピーエンドじゃないこちらの恋愛にも焦点を当ててみたいなと思って…。

――やはりこじらせていますね(笑)。この曲、とても興味深いのは“フラメンコ”を感じた点です。ギターが入っている部分もそうなんですが—-まあ、そこはオーセンティックなフラメンコではないんですが—-リズムがフラメンコのニュアンスが強くて…。リズムってRumbさんですか?

MIMORI:はい。Rumbさんに作っていただきました。

――実際にフラメンコを意識されているのかどうかは分かりませんが、フラメンコをポピュラー化した時のドラムパターン、あるいはカホンのリズムパターンなんですよね。「12312312」という様々なラテン音楽で使用されているリズムパターンですが、雰囲気はフラメンコ的で。ある意味ブレリアの「123123121212」をポップス化したような…。そこに生命感というか生々しさみたいなものが出ていると思ったりしました。

MIMORI:ビート部分が割とカラっとした音なんですよ。なのでそういうイメージもあるのかなと…。

――あぁ、確かに。では続きまして「You don’t know me」。この曲に関しては前回お訊きしたんですが、これぞ“kolme節”という印象です。

MIMORI:そうですね。「Hello No Buddy」の時に“自分たちの得意分野”という感じで作った曲でした。この歌詞が当時の自分に当てはまっていて書きやすかったのもあるんですが、英語のパンチ力がすごいと言いますか…ラップ部分の…。それがこの曲の肝になっていると思います。

RUUNA:英語の方が強いニュアンスで書けることが多いので、そういう意味でも英語を翻訳してもらえると、みんな、この曲の真意が分かるというか、そういうものを楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

――KOUMIさんの英語はぐんぐん進化しているわけですが、英語だとちょっとモードが切り替わる感覚ってありますよね。

KOUMI:英語だと1音で1単語が言い切れたりするので、その分英語の方が表現しやすいですね。言葉もアグレッシブにいけるので。

――英語って、構造的にも語法的にもハッキリと言わないといけないものになってるんですよね。

KOUMI:日本語だと丸く言えるんですが、英語だとディテールをハッキリ言わないと伝わらないところがあるので、その点では英語は便利だなと思います。

取材・文
石川真男

kolme ライブ情報

「kolme Live Tour 2019」
3月2日(土) 岡山IMAGE
3月3日(日) 福岡Early Believers
3月16日(土) 名古屋RADHALL
3月17日(日) 大阪阿倍野ROCKTOWN
3月23日(土) 仙台MACANA
3月30日(土) 東京WWWX
※岡山・福岡は対バン有り
※東京、大阪、名古屋、仙台は単独公演

kolme 商品情報

3rd Album 『Hello kolme』
2019/01/30 Release

Type-A CD+DVD

【Type-A CD+DVD】
AVCD-96000/B ¥5,000 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything
【DVD】
・Music Video
(The liar、Tie me down、Why not me)
・kolme OFFSHOT MOVIE -Japan ver.-

Type-B CD+DVD

【Type-B CD+DVD】
AVCD-96001/B ¥5,000 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything
【DVD】
・Music Video
(The liar、Tie me down、Why not me)
・kolme OFFSHOT MOVIE – France ver.-

Type-C CD

【Type-C CD】
AVCD-96002 ¥2,700 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything


kolmeの代表曲となった「Hello No Buddy」のオリジナル曲2曲(日本語、英語バージョン)と5人の気鋭のクリエイターによってリミックスされた5曲を含む計7曲を収録

Hello No Buddy Remix

『Hello No Buddy Remix』
2019/03/01 Release
※配信・会場限定盤

AVC1-96223 ¥1,500 (税込)
01 Hello No Buddy 02 Hello No Buddy -Aiobahn remix- 03 Hello No Buddy (DE DE MOUSE remix) 04 Hello No Buddy (Yunomi remix) 05 Hello No Buddy (English Ver.) 06 Hello No Buddy -MATZ remix- 07 Hello No Buddy -Kotaro Saito remix-

PROFILE

PROFILE
kolme
kolme

(左から) RUUNA(秋元瑠海) 1996年9⽉9⽇O 型(リーダー)
MIMORI (富永美杜) 1996年6⽉14⽇O 型
KOUMI(早坂⾹美) 1996年5⽉31⽇O 型

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3⼈組ガールズ・ユニット。作詞作曲、ダンス振付、英語など、それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフ・プロデュースするクリエイティヴ・ユニットとして活躍。リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3⼈が⼀体となったクオリティーの⾼いダンスと、⻤才トラックメーカーRumb(残響レコードからアルバムをリリース)とコラボレーションする楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅⼒。海外からの注⽬も⾼く、2018年7⽉にはフランスで⾏われた『Japan Expo』に出演を果たした。

- 2015年-
3⽉シングル「To shine」でメジャー・デビュー、オリコン初登場10位。
7⽉配信限定「callme -EP Vol.1」iTunesディリートップ10⼊り、OTOTOYディリーチャート1位を 記録。⾳霊、サマソニ、a-nationと数々のフェスに出演。
10⽉には1stフルアルバム『Who is callme?(全16曲収録)』をリリース、 CDショップ⼤賞にもノミネートされた。

- 2016年-
4⽉2ndシングル『Can not change nothing』は初のドラマエンディングに起⽤。
6⽉3rdシングル『Confession』はピアノを主体としたダンスナンバーが話題に。
9⽉には2ndフルアルバム『This is callme(全16曲収録)』をリリース。

- 2017年-
3⽉4thシングル『Bring you happiness』は物流業界初の応援ソングとして制作。
8⽉5thシングル『One time』リリース。ジャズフェスやナイトクラブに出演。

- 2018年-
3⽉6thシングル『Hello No Buddy』Spotifyプレイリスト⼊りやJ-WAVEでのO.A、⾳楽好きな著名⼈からの発信で注⽬ を集めている。
7⽉プレイリストアルバム「Please callme! -20152018-」リリース

- 2019年-
1⽉3rd Album『Hello kolme』リリース
3⽉全国ツアー「kolme Live Tour 2019」決定(東京、⼤阪、名古屋、仙台、岡⼭・福岡)
4⽉〜11⽉毎⽉新曲配信リリース
11⽉4th アルバムリリース
12⽉〜全国5都市6公演ライブツアー開催決定

公式サイト: https://avex.jp/kolme/