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一色萌|すごい人たちがこのために尽力してくださっているのを感じているので、そういう方たちの期待を裏切らないように頑張ろうって思っています
歌詞について一色(進)さんといつかお話できたらいいなと思ってるんですが、まだ全然そういう機会はないんですけど、言ったら叶うなと思って今こうして言ってるんですが…(笑)
ーー先ほどYouTubeで「TAXI」の映像をご覧になったとおっしゃいましたが、1977年の『Granada TV Show』の映像じゃないですかね。なんだか猥雑で退廃的でフロントの2人もユニークですが、なんと言っても途中のエリック・シャークによる語りが独特ですよね。
一色:独特ですよね。
ーーちょっとオタクっぽい感じで、めっちゃくちゃいい味出してますよね。で、萌さんのヴァージョンでは、それを一色進さんがやられています。まさか一色進さんってお父さんじゃないですよね?
一色:じゃないです。すごい言われるんですよね。たまたまなんですけど。私は一色(ひいろ)なので、違います。
ーーですよね。でも、字面が似ちゃってますから、もしかしてと思っちゃいます。
大嶋プロデューサー:「一色(いっしき)と一色(ひいろ)で面白いから一色進さんにナレーションをお願いした」って平澤さんが言ってました。
ーー一色さんもまた怪しい味を出してますよね。で、萌さんはこれを歌うにあたって、どういうアプローチで臨もうと思ったんですか?
一色:こちらは元々アイドルソングではないですし、さらには超絶本格的なバックトラックを収録していただいちゃったので、これはもう真面目に歌おうって思いました。「Hammer & Bikkle」が真面目じゃないってわけじゃないですけど…。本当にちゃんと歌として聴かせるものにしたいと思いながら歌いましたね。
ーー「Hammer & Bikkle」の方は、ジャンルについてもそれほど深掘りするのではなく、歌詞も深く理解しないで、フィーリングで歌うって感じでしたが、こちらは詞にストーリーがあって、シチュエーションもあるじゃないですか。それをちゃんと理解してそれを演じよう、みたいな感じですか?
一色:そうですね。こちらの歌詞は、一色さんが「アイドル現場を意識した感じ」にしてくださったみたいで…。歌詞について一色(進)さんといつかお話できたらいいなと思ってるんですが、まだ全然そういう機会はないんですけど、言ったら叶うなと思って今言ってるんですが…(笑)。
ーー書いておきますね。「萌さんが一色進さんと歌詞について語るイベントをやりたい」と(笑)。僕はこれ「不倫の歌かな」なんて思ったんですが…。
一色:「アイドルとオタクの関係を書いた」って言ってましたよ。だから「君が自撮りしてくれた2ショットの写真が~」っていう一節があるんです。
ーーあぁ。そういえば「次の金曜日も会ってくれるかな」というのも…。
一色:金曜日にライブがあるんでしょうね。
ーーなるほど。場所は「馬車道」なんですかね。
一色:「馬車道」は…なんでしたっけ? もともと違う場所だったけど、「馬車道のほうがいい」ってことで変えたと聞きました。
ーー萌さんとしては「アイドルとオタク」という想定で歌ったんですか?
一色:そうですね。そういう気持ちで歌ってます。
ーーそうすると、また色々見えてきますね。「お金が目当てじゃないのよ」っていうのもすごく…
一色:生々しいですよね。“お金目当てにガチ恋営業するアイドル”みたいです。いや、そういうわけじゃないんです。あ、「お金目当てじゃないのよ」って歌詞に書いてあるからいいのか…。
ーーアハハ。「わたしもあなたとShowが見たいの」というのは、アイドルとオタクってある意味“現場を一緒に作る”わけですから、そういう意味合いなんですかね?
一色:多分そういうことですよね。
ーーで、その後に「でも」ってあるじゃないですか。「でも」の後はどういった言葉を頭の中で思い描いて歌ってるんですか?
一色:えー…。「でも」。どうだろう。なんか前向きな言葉ではないですよね。「でも」に続くのは。
ーーまぁ、考えられるのは「でも、できないの」とか「でも、駄目なの」といった否定的な言葉ですよね。
一色:そうそう。一色さんは「アイドルがオタクのことを思って書いたんだよ、ハハハ」ぐらいの感じだったので、そこまで歌詞について深掘りはしてないんですよ。だから聞きいてみたいなって思ってるんですけど…。私の勝手な解釈なんですが、「あなたとShowが見たいの でも」は二通り考えられるかなと思っていて。「一緒にアイドル現場を作ろう」っていう解釈なら、アイドルを続けられなくなっちゃったのかなって。「でも、もうショーを作れないの」みたいな。もう一つは「あなたとShowが見たいの」って、一緒にステージを見る側に立ちたいけど、私はステージの上にいるから見れないよ、っていうことなのかな、とも。
ーーおぉ、なるほど。
一色:そのどっちかなっていう。どっちでもないかもしれないですけど。
ーー深いですね。それは。
一色:だから一色さんに聞いてみたいんです。そこは。
ーー「あなたと並んでShowを見たい」っていう気持ちはあるけど、でも私はステージに立つ側であなたはフロア側なので、そこには壁があるのよ、と。
一色:そう。でも私自身はオタクとして現場行っちゃってるので、並んで見てるんですけどね(笑)。
ーーアハハ。萌さんの場合は、オタクの気持ちがわかり、ご自分がオタクでもあるわけですから、「でも」っていうある種の“壁”を提示しつつも、「でも」の「でも」みたいな“可能性”もあり、みたいなニュアンスも込められるのかな、なんて想像もするんですが。ワンチャンあり、みたいな(笑)。
一色:ハハ(笑)。でも、色んな取り方してもらってもいいんじゃないですかね。そこは。
ーーですよね。僕などは、大人の不倫関係の歌のような、あるいは、女性が「お金目当てじゃないのよ」って言いながらも完全なお金目当てで大人をたぶらかしてる、みたいなストーリーを感じたんですが、「オタクとアイドル」って考えるとまた別の怪しさみたいなのが匂い立ってきますよね。
一色:そうですね。
ーーどうですか? 例えば「悪い女だね」っていう一節がありますが、これは自分自身に対して言ってるわけですよね。悪いことをしつつも自戒の念を抱きながら、それでもそれをやめないんでしょう。そういうのって、例えば実体験があったり、実感したりしたことはありますか?
一色:実体験、実感みたいなのは全然ないんですよね。本当に全くないって感じです。
ーーそこは完全に演じたわけですね。
一色:そうなんです。この歌詞に関しては「不倫の歌」であれ「アイドルとオタクのガチ恋」であれ、あと「パパ活女子の歌」とか言われたりもするんですが、どれも私には当てはまらないんですよね。だから、どの解釈をするにしても、結局ある程度想像して表現するしかないなと思っていて。それはそれでいいと思いますが…。
ーーそうですよね。でも「Hammer & Bikkle」と違って、歌にもすごく大人っぽいムードが漂っています。そのへんってどうやって出してるんですか?
一色:どうなんだろう。でも「TAXI」でやってるような歌いかたの方がもともと私には歌いやすいんですよね。re-in.Carnationでも何曲か録ってるんですが、レコーディングの時も「ちょっと大人っぽすぎるからもうちょっと表現変えて」っていうような指示を出されたことがあって…。なので歌いやすい感じで普通に歌うと大人っぽくなるのかなっていう気がします。
ーー“退廃的なミュージカル”のような、ちょっと芝居がかった表現っていう感じがするんですが、そういうのはお得意なわけですね。
一色:多分そうなんだと思います。自分ではそんなに思ったことはないんですけど。レコーディングとかでも、どちらかというと苦労したのは「Hammer & Bikkle」の方で、納得いく感じにならなくて何度も録り直させてもらったりしたんですよ。なので「TAXI」の方が歌いやすいですね。
ーーそういう意味でも、デフ・スクールというバンドに目を付けたのも、「TAXI」を選曲したのも、萌さんにバッチリはまってますよね。
一色:そう言ってもらえるととっても嬉しいです。自分だとわからないところがあるので、客観的な評価を聞いて初めて「良かった」って思うところが多いので。
ーーそれこそデフ・スクールって本当に色んな位置づけのできるバンドっていうか、いろんな側面があるバンドじゃないですか。なので、萌さんを“パブロックアイドル”と銘打ちながらも、デフ・スクールってパブロックのひと言で言い尽くせるものではなくて、それこそキスエクを聴いてるプログレ好きの人が反応する位置にもありつつ、でも違うイメージも打ち出せて、萌さんの声にもハマってる、という絶妙なチョイスだなって思うんですよね。本当に。
一色:平澤さん、すごいです。
ーー平澤さんは「もう、これができたら引退してもいい」っていうようなことをおっしゃってましたよね。
一色:本当に平澤さん、ずっとやりたかったことだったらしくて。「パブロックやりたいやりたい」ってずっと言ってて、「やるぞやるぞ」ってなってからもすごく楽しみにしていて…。私が知らされる以前から、それを示唆するようなツイートとかしてました。
ーーしてましたよね。
一色:「パブロック動いてるぞ」みたいな。その頃の私は知る由もなかったですが(笑)
ーーまさか自分がやるとは思わなかった、と(笑)。
一色:すごく平澤さんが楽しみにしてくださってて、それでデフ・スクールさんと一緒にやらせてもらうことになったというのもすごいことですし、佐藤優介さんが入ってくれたっていうのも本当にすごいことですし、すごい人たちがこのために尽力してくださっているのを感じているので、そういう方たちの期待を裏切らないように頑張ろうって思っています。
ーー最後に、今後も“パブロックアイドル”としてソロ活動はされていくわけですね?
一色:そうですね。これから頑張ります。まだ始まったところなので。
一色萌 リリース情報
一色萌(ひいろもえ)
デビュー7インチ・シングル
「Hammer & Bikkle / TAXI」
アーティスト:一色萌(ひいろもえ)
タイトル:Hammer & Bikkle / TAXI
仕様:7インチ
価格:1,500円+税
レーベル:なりすレコード
品番:NRSP-789
発売日:2020年11月3日《レコードの日》
収録曲:
A面:Hammer & Bikkle
作詞・作曲・編曲:佐藤優介
B面:TAXI
歌と演奏:MOE Feat. DEAF SCHOOL
日本語詞/ナレーション:一色進(ジャック達)
プログレ・アイドル「XOXO EXTREME」の一色萌が両A面7インチで待望のソロ・デビュー!
2020年代のパブロック/パワーポップ/モダンポップを追求するNEWアイドルの誕生!
佐藤優介(カメラ=万年筆)プロデュースによる、あの某パブロックヒーローの代表曲を果てしなく連想させる「Hammer & Bikkle」、カップリングには、80年代の英国音楽シーンを代表するプロデューサー クライヴ・ランガーが在籍していたことでも知られる伝説のバンド“デフ・スクール”のヒット曲「TAXI」を日本語詞でカバー。何と本家デフ・スクールが本プロジェクトのためにバック・トラックを新録音した奇跡の日英コラボが実現した豪華ダブルサイダー・シングル。
一色萌 ライブ情報
・11/3〈レコードの日〉開催記念【なりすレコード プチインストア祭】
会場:HMVrecordshop新宿ALTA
日時:11月3日(火/祝) 19:30~ 一色萌
詳細
https://www.hmv.co.jp/news/article/2010311027/
・なりすレコードPresents 天野なつ 1stアルバム「Across The Great Divide」アナログ盤発売記念ライヴ
会場:渋谷La.mama
日時:11月7日(土)開場11時半 開演12時
◆会場チケット:2500円+D代
◆配信チケット:1500円
〈出演〉
天野なつ
広瀬愛菜
一色萌(Front Act)
ご予約はこちらから!
https://tiget.net/events/107872
・一色萌「Hammer & Bikkle / TAXI」&SAKA-SAMA「空耳かもしれない」発売記念合同インストアイベント@タワーレコード池袋店
会場:タワーレコード池袋店
日時:11月7日(土) 18:00~
〈出演〉SAKA-SAMA/一色萌
詳細
https://tower.jp/store/event/2020/11/014012
「The Trick Is Under The Table」ジャック達ワンマン・ライブ
日時:11月14日(土)open 18:30/start 19:00
会場:吉祥寺MANDA-LA2
¥4000+drink 限定30名
〈出演〉
ジャック達(一色進/宙GGPキハラ/夏秋文尚/大田譲fromカーネーション/鈴木さえ子)
ゲスト:一色萌
詳細
https://www.mandala.gr.jp/mandala2/
・XOXO EXTREME 3rd ワンマンライブ ~Re:UNION~
プログレッシヴ・ロックをテーマとしたアイドル、XOXO EXTREME待望の3rdワンマン!
前回から1年半の時を経て、渋谷クラブクアトロにRe:UNION!
バックバンドには Alsciaukat と Silent Of Nose Mischief という、
キャラクターの違う2バンドが同時にステージに常駐し、プログレッシヴの世界を描きます!
会場:渋谷クラブクアトロ
日時:11月27日 (金) 18:00 OPEN/19:00 START
来場4,000円(+1D)
配信2,000円
Tシャツ付配信4,500円(サイズ S,M,L,XL)
※配信視聴可能期間:11月27日(金) 19:00 ~ 12月4(金) 23:59迄
※Tシャツ付配信チケット受付は11月12日(木)23:59迄
詳細はこちら!
https://upluslive.udo.jp/schedule/20201127.html