Speak emo

2020.11.02
一色萌

一色萌|すごい人たちがこのために尽力してくださっているのを感じているので、そういう方たちの期待を裏切らないように頑張ろうって思っています

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もともとソロに対して苦手意識が強かったんですよ

 

 

 

ーーまずソロ活動をやるに至った経緯を聞かせていただきたいんですが、何かきっかけがあったんですか?

 

一色:今回ソロでレコードを出させていただくのが、なりすレコードさんっていうレーベルなんですが、キスエクとして結構お世話になっていて、主催のライブに呼んでいただいたりとか、アナログレコードも何枚かなりすさんから出させていただいたりとか、なりすレコードを主宰する平澤さんにとてもよくしていただいていて、っていうのがもともとあって…。それで、先日アイドル引退されたんですが、カイちゃんのレコ発のイベントに呼んでいただいた時があって、その時はSAKA-SAMAさんとNaNoMoRaLさんも出ていて…。

 

ーーそこにキスエクも出たわけですね。

 

一色:はい。で、特典会終わった後にNaNoMoRaLさんの(梶原)パセリ(ちゃん)さんと(雨宮)未來ちゃんと平澤さんと音楽の話をしてて、「こういうのが楽しい」とか「カイちゃんの曲いいね」といった話をしてたんですよ。そしたら平澤さんが「一色萌、ソロやろうよ」っていきなり言い出して、それでNaNoMoRaLさんのお2人が「聞きたい聞きたい!」ってワーって言ってくれて、「えー!?」みたいな話をしたのをすごく覚えていて…。平澤さんから「ソロやっちゃおうよ」みたいなこと言われたのが最初だったと記憶しています。

 

ーーそれ、いつ頃のことですか?

 

一色:去年ですね。冬でした。下北沢だったと思います。ちょっと調べてみます。あ、11月8日です。

 

ーーなるほど。

 

一色:その時は雑談程度でしたし、その後も具体的な話は聞かないまま時間が過ぎていって、今回突然ソロのお話が来たって感じです。もしかしたら、あの時みんなで喋った時から平澤さんは構想し始めたのかもしれないんですが、当の本人は自粛期間に入るか入らないかぐらいに初めて話を聞いて、あっという間にレコーディングがあって、撮影があって……っていうすごいスピードで進んでいった印象です。

 

ーーそもそもソロをやりたいって思っていたんですか?

 

一色:個人的には、もともとソロに対して苦手意識が強かったんですよ。ソロが嫌だっていうわけじゃないんですが、本当に自分に自信がないっていうか、そういう性格なんです。なので、お話をいただけるなら頑張ろうっていう感じではあるんですが、お話をいただかない限りはグループ活動で頑張ろうって感じでした。なので、re-in.Carnationさんでヴォーカルをやる話をいただいた時も、私の声とか歌とか存在を必要としてくださってる場所があるんだったら、それには全力で答えたいなとは思っていて、求められているなら頑張ろうっていう。ソロもそういう感じですね。

 

ーー自分からソロをやりたいという願望はなかったけど、でも、そういう機会があり、求められるならそれは…

 

一色:頑張るぞと。

 

大嶋プロデューサー:昨年11月下北で雑談していてソロの話が出た直後ぐらいに、平澤さんに呼ばれたんですよね。

 

一色:そうだったんですね。

 

大嶋プロデューサー:構想は練っていて、紆余曲折はあったんですが、水面下ではずっと動いていて。デフ・スクールがやってくれると確定したあたりで本人に伝えたって感じです。

 

ーーなるほど。

 

一色:それっていつぐらいでしたっけ?

 

大嶋プロデューサー:えーとね。小岩で言った気がするから、春、いや、初夏ぐらい。

 

一色:初夏ぐらい? 「フェニキスの涙」のリリース記念ライブとかですか?

 

大嶋プロデューサー:そのぐらいかな。

 

一色:だとしたら、7月ですよね。

 

大嶋プロデューサー:7月ぐらいかな。

 

一色:そうですよね。だから本当に最近です。

 

ーー急展開って感じですね。

 

一色:だから、心構えもできないままあれよあれよという間に、って感じでした。

 

ーー7月頃に正式に「やる」ということを知らされた時に、デフ・スクールという名前も出てたわけですか?

 

一色:そうですね。私が聞いたのはその時でした。

 

ーーデフ・スクールをカバーするって聞いていかがでした?

 

一色:私はそれまで知らなかったんですよ。それで「やるよ」って聞いてから、じゃあどういう人たちでどんな曲をやるのかなって思って、聴いてみました。

 

ーー聴いてみていかがでした? 

 

一色:プログレとは全然違いますよね。キスエクはプログレアイドルなんですけど、ソロはキスエクの一色萌じゃなくて、“パブロックアイドル”一色萌。そもそも立ち位置が違うんですよね。なので、これまでプログレに関しては結構受け入れ体制が整っていて、「プログレアイドルだぞ」っていう意識で、どんな曲が来ても動じなくなってはいたんですが、今回はまたすごく新鮮な気持ちになりました。違うジャンルに触れて、それをこれから自分がやるぞ!って感じで。で、デフ・スクールさんはプログレと比べると馴染みがいいというか、最初に聴いた時にスッと入ってくる感じがありました。

 

ーーデフ・スクールって、捉えどころのない感じがあって、カテゴライズするのもなかなか難しいと思います。“パブロックアイドル”を標榜されているようですが、例えばデフ・スクールは“パブロック”とはまた違った印象です。“アートロック”とか“アートスクールロック”なんて言われたり、“モダンポップ”と言われたり…。パブで演奏するショーバンド的な要素もあれば、グラムロック的な成分もあり、後のニューロマンティックに繋がる感覚もあったり、ロキシー・ミュージックあたりと並べることもできますし、それこそプログレ的な要素もあって…。例えば「TAXI」の後半なんかも少しプログレ色が出ていますよね。例えば10ccってバンドとかご存じですか? 10ccなどを間に置くとプログレとの繋がりも見えてくるように思います。

 

一色:あぁ、先日のライブを観たお客さんに「デフ・スクールってプログレバンドなの?」って訊いてきた方がいて、「それは何で?」って訊き返したら、「〈TAXI〉の最後の間奏のところとかすごいプログレっぽくない?」って言われて、「なるほど」って思いました。

 

ーーもちろんプログレの一言では片付けられない多彩な要素がありますよね。そんなデフ・スクールを、若い萌さんがどういうふうに捉えているのかとても興味深いです。

 

一色:レトロな感じはしますよね。今回の衣装もレトロなワンピースを取り寄せたりしました。あと、ジャケットが2パターンあるんですが、赤いワンピースの方はデフ・スクールさんのジャケットのオマージュになってるんですよ。

 

ーーアルバム『2nd Honeymoon』のオマージュですよね。

 

一色:はい。で、もう一つの方はギターを持ってるやつなんですが、デザイナーさんや平澤さんから「ニック・ロウっぽく」って言われて…。でも「ニック・ロウっぽく」がわからなくて…。

 

ーーえ? ジャケットをニック・ロウっぽいデザインにするというより、萌さんの表情にも“ニック・ロウ”が求められたわけですか? 

 

一色:いや、それはそんなに。

 

ーーあぁ、それはないと? 

 

一色:でもニック・ロウの写真はめっちゃ見ました。

 

ーー確認ですが、今回は両A面ですよね?

 

一色:そうです。

 

ーー2種類のジャケットは表裏ですか?

 

一色:まだ実物を見てないんですけど、確か裏表です。

 

ーーなるほど。オマージュの方の萌さんの表情がとてもいいですね。

 

一色:あれ、背景が海岸じゃないですか。その海岸線の微妙な砂浜の出具合とか木の出具合とかまでミリ単位で調節しようとして、めっちゃ時間かかったんですよ。

 

ーー小さい写真しか見てないんですけど、あれってどこかの現場で撮ったんですか? 

 

一色:いえ、スタジオで後ろにグリーンバックを貼って。

 

ーーあぁ、そういうことですよね。

 

大嶋プロデューサー:それも実際すごくて。デザイナーの小田島等さんチームが背景の写真を特定して。

 

ーーあぁ、オリジナルのジャケットの。

 

大嶋プロデューサー:入手してきたんです。大きな写真を用意してくれたんですよ。

 

一色:そう。それで、「ちょっと愁いを帯びた感じで嫌そうな感じで目線を下げて」とかいろいろ言われて、最初のほうは表情作るのに一生懸命だったんですけど、本当にめっちゃ時間かかったのでだんだん疲れてきて、本当に嫌な顔になってきて、疲れ切った表情になってきて(笑)。

 

ーーそれが採用されたテイクですか?

 

一色:わかんないです。いっぱい撮ったからどれなのか自分でもわかんないですよ。でも、きっと後半の“嫌な顔”だと思います(笑)。

 

 

取材・文
石川真男

 

一色萌 リリース情報

一色もえ

一色萌(ひいろもえ)
デビュー7インチ・シングル
「Hammer & Bikkle / TAXI」

アーティスト:一色萌(ひいろもえ)
タイトル:Hammer & Bikkle / TAXI
仕様:7インチ
価格:1,500円+税
レーベル:なりすレコード
品番:NRSP-789 
発売日:2020年11月3日《レコードの日》


収録曲:
A面:Hammer & Bikkle
作詞・作曲・編曲:佐藤優介
B面:TAXI 
歌と演奏:MOE Feat. DEAF SCHOOL
日本語詞/ナレーション:一色進(ジャック達)

プログレ・アイドル「XOXO EXTREME」の一色萌が両A面7インチで待望のソロ・デビュー!
2020年代のパブロック/パワーポップ/モダンポップを追求するNEWアイドルの誕生!

佐藤優介(カメラ=万年筆)プロデュースによる、あの某パブロックヒーローの代表曲を果てしなく連想させる「Hammer & Bikkle」、カップリングには、80年代の英国音楽シーンを代表するプロデューサー クライヴ・ランガーが在籍していたことでも知られる伝説のバンド“デフ・スクール”のヒット曲「TAXI」を日本語詞でカバー。何と本家デフ・スクールが本プロジェクトのためにバック・トラックを新録音した奇跡の日英コラボが実現した豪華ダブルサイダー・シングル。

デフ・スクール
デフ・スクール

 

 

一色萌 ライブ情報

 

・11/3〈レコードの日〉開催記念【なりすレコード プチインストア祭】

会場:HMVrecordshop新宿ALTA
日時:11月3日(火/祝) 19:30~ 一色萌 

詳細
https://www.hmv.co.jp/news/article/2010311027/


・なりすレコードPresents 天野なつ 1stアルバム「Across The Great Divide」アナログ盤発売記念ライヴ

会場:渋谷La.mama
日時:11月7日(土)開場11時半 開演12時
◆会場チケット:2500円+D代
◆配信チケット:1500円

〈出演〉
天野なつ
広瀬愛菜
一色萌(Front Act)

ご予約はこちらから!
https://tiget.net/events/107872


・一色萌「Hammer & Bikkle / TAXI」&SAKA-SAMA「空耳かもしれない」発売記念合同インストアイベント@タワーレコード池袋店

会場:タワーレコード池袋店
日時:11月7日(土) 18:00~

〈出演〉SAKA-SAMA/一色萌

詳細
https://tower.jp/store/event/2020/11/014012


「The Trick Is Under The Table」ジャック達ワンマン・ライブ

日時:11月14日(土)open 18:30/start 19:00
会場:吉祥寺MANDA-LA2
¥4000+drink 限定30名

〈出演〉
ジャック達(一色進/宙GGPキハラ/夏秋文尚/大田譲fromカーネーション/鈴木さえ子)
ゲスト:一色萌

 
詳細
https://www.mandala.gr.jp/mandala2/


 


 


・XOXO EXTREME 3rd ワンマンライブ ~Re:UNION~

プログレッシヴ・ロックをテーマとしたアイドル、XOXO EXTREME待望の3rdワンマン!
前回から1年半の時を経て、渋谷クラブクアトロにRe:UNION!
バックバンドには Alsciaukat と Silent Of Nose Mischief という、
キャラクターの違う2バンドが同時にステージに常駐し、プログレッシヴの世界を描きます!


会場:渋谷クラブクアトロ
日時:11月27日 (金) 18:00 OPEN/19:00 START 

来場4,000円(+1D)
配信2,000円
Tシャツ付配信4,500円(サイズ  S,M,L,XL)

※配信視聴可能期間:11月27日(金) 19:00 ~ 12月4(金)  23:59迄
※Tシャツ付配信チケット受付は11月12日(木)23:59迄

詳細はこちら!
https://upluslive.udo.jp/schedule/20201127.html 

 

 

 

 

 

 

PROFILE

PROFILE
一色萌

(ひいろ もえ)

ひいろもえ

5月27日生まれ。東京都出身。
プログレアイドルXOXO EXTREME(キスアンドハグ・エクストリーム)赤色担当。
MOGU2 NEWS 「キスエク・一色萌のアイドル、色々。」連載中

公式サイト: https://www.xoxo-ex.com/