Speak emo
「Girls Don’t Cry」も「TURN ME ON」も、私たち自身のことを歌った歌だと思っています
「踊るわ~」って思いました(笑)。「めっちゃ踊るわ~」って(笑)(田辺)
――では、新曲についてお伺いします。これまで皆さんは様々なサウンドの楽曲を歌ってきましたが、デビューミニアルバム『ZERO』だと、先ほどもおっしゃったようにちょっとロックっぽいというかラウドっぽい感じがありました。それがだんだんハウスやEDM系などのダンスミュージックへとシフトしていった印象です。でも、そんな中でもいろんなスタイルのサウンドを標榜されていますが、今回もまた違いますよね。どうですか?今回の曲をいただいた時にどんな印象を受けました?
傳:最初「Girls Don’t Cry」をいただいた時、仮歌を歌っていたのが外国人の女性だったんですよ。詞も全部英語で、「いや、これ歌えない」と思いました。カッコよすぎて、もう「その人の曲だな」って思ったんですよね。なので「ワンピク3人の声でどうなるのか」が想像できなくて…。まあ、その後、歌詞も日本語になり、少しずつ変わってきたんですけどね。すごい大人っぽかったですし、「ワンピクこういうの歌うんだ」と思って、自分たちの声が入るまでどうなるのか全然想像できなかったです。
――最初は英語だったんですね。英語でも曲にハマるってことは、本当に洋楽っぽい楽曲ということですよね。お2人はどう感じましたか?
田辺:表題曲の「Girls Don’t Cry」。私は最初、歌よりダンスの不安があって…。私、ちゃんとダンスを習ったことがなくて、今までレッスンは受けたことがあったんですけど、いろんなものを少しずつしかやってこなくて、基礎があまりできてないなと自分では思ってるんですよ。2人はダンスを習ってたから、「どんだけ踊るんだろう」みたいな。「私に踊れるかな」っていう不安がすごくありました。「カッコよく踊れるかな」みたいな。
――ハロプロエッグで鍛えたのに???
田辺:違うじゃないですか、ダンスが。今回は結構踊るかなと思って。
――ビート感みたいなのが違うっていう感じですか?
田辺:ビートっていうよりは、アイソレーション(編注:首や胸や腰を独立させて動かすダンスのテクニック)という振りとか。それを入れられると、私もう頭ん中がおかしくなっちゃって。苦手なんですよ。「首がこっちなのに、何で胸がこっちなの?」みたいな。練習して、今は踊れるようになったんですけど、最初はほんとに混乱しました。
――これも、どんな振付が来るのか不安だった、と。
田辺:すごい不安でした。
――実際来てどうでした?
田辺:「踊るわ~」って思いました(笑)。「めっちゃ踊るわ~」って(笑)。けど頑張ろうって思いました。
――これまでもワンピクにはいろんな曲がありましたけど、今回は2曲ともビートはちょっと緩やかに、というか柔らかにという感じです。でも、それだけに難しいっていう感はありますよね。
田辺:あります。リズム取るのが難しかったりします。
――ですよね。鹿沼さんはどうですか?
鹿沼:最初に感じたのは「かっこいい曲だな」って。今までのONEPIXCELにない曲だなって思って、すごい完成が楽しみでした。「あ、もうこれ良い曲だ、絶対」って思って。レコーディングとかもすごい楽しかったです。
――皆さん、いろんなスタイルの楽曲をやっていますが、この曲なんてトロピカル・ハウスというか、ビートや音色などにそういう雰囲気がありますよね。そういう音楽については、もうかなりお詳しいんですよね?
鹿沼:そんなに詳しくはないですけど、今すごい音楽について勉強してて。まだ語れるぐらいには全然なってないんですけどね…。でも、これまでの「LAGRIMA」とかに比べると、メロディーラインはちょっと違うのかなって思いました。
――なるほど。今はどんな音楽を聴いてるんですか?
鹿沼:普段ですか? 私、音楽なども勉強する大学に行ってるんですけど。
――えぇ!今行かれてるんですか?
鹿沼:はい。普段からミュージカルの音楽にも触れたりとかしてる中で、そういうの大事だなと思って。日頃からずっとロックしか聴いてなかったんですけど、バレエとかのクラシック音楽を聴いたりとか、もう全然EDMとか聴いたりとか、ボカロもですし、普段からいろんな音楽を聴くようにしてて。なので、広く浅くっていう感じになっちゃうんですけど、最近ちょっと自分の中で音楽について知識を深めていこうと思ってて。でもあれです、音です。ドの中でも音が一つじゃなくていろんな音がある、っていうそういうことを追及してる感じ。何かわかります? 今すっごい変なこと言ってますよね?。一つの音でもその、えー、じゃなくて、そのドの中にもいっぱい音がある、っていう…。
――倍音があるってことですか?
鹿沼:そう。そういうのに興味があって。
――なるほどね。例えば、あるドの音の中にはその音だけじゃなくて、他の音が入ってるってことですよね。一つの音の中にも他の音の成分が混ざってるんですよね。
鹿沼:そう。ってなった時に、今までは音を聴いても直感的な印象だけだったんですけど。だけどそういうことを勉強していく中で、「あ、ここってこういう音が違うんだ」とか「こういう音が使われてんだ」っていうのがわかるようになってきたので、楽しいです。フフフフ!
――(笑)
鹿沼:(笑)でもそう考えると「Girls Don’t Cry」は今までにワンピクになかった曲なので、歌ってても楽しいです。あと音域的にもね。ワンピクの曲の音域の中でも、結構高めだよね? だから、もうドーンと来るというか。アハハハ(笑)。
傳:気持ち良いよね。
鹿沼:ドーンとハマるというか。自分の音。鹿沼亜美の音域的にも一番ハマるとこなんで、「Girls Don’t Cry」は。歌ってて気持ち良いです。そう。
――もう鹿沼さんの曲ですね!(笑)
鹿沼:ドーンって、ガーンってね。
――ガーンってね(笑)。
鹿沼:でも圧があるというか、音圧って言うんですか、そういうの。聴いてても、音で聴いてても、来る。来るものがある。何て言うんですかね、そういうのは。波?う~ん。音圧? 音圧って言葉が正しい! うん。そう思います。
傳:もう、うるせー!
田辺:ほんとね。
鹿沼:(笑)でも、きれいじゃないですか。結構圧のあるイメージあるけど、音的にきれいじゃないですか。
――おぉ。いや、僕も喋られてばかりではナンですから、反撃させていただきますけど(笑)。
鹿沼:アハハハ(笑)。
――今までの曲に比べると、例えば4つ打ちのリズムがガンガンガンガンガンっていうよりも、もうちょっと柔らかな感じで。カップリングの「TURN ME ON」もそうですけど、トロピカル・ハウスの要素を取り入れていて、ビートが跳ねてるというか、レゲトンとかラテンを意識したようなリズムが入ってるんですよね。もちろん本格的なラテンじゃなくて、リズムにそういうニュアンスがある、って感じですけど。なのでノリが少し違うんですよ。音圧はあるんですけど、でもそれは、細かい点でガンガンって突き刺すのではなくて、揺れるリズムが生み出すふくよかな音の空間があって、それに包み込まれるというか…。なので、音も柔らかで、広がりがあって。だからこそ声もその中を通って、ガーンって来るんじゃないですかね?
傳:言い返されてるよ!
鹿沼:くやしいっ! まだ勉強不足ですね。次また取材していただいて、その時はもう撃破します。撃破。いや、論破。論破します。ハハハハ!
傳:倒すな倒すな。
――面白いですね~(笑)。お2人は歌いやすかったですか?
傳:サビがちょっと高めなので、裏声で歌ってるんですけど、サビ前とかは私にもハマりやすい音域で、歌ってて気持ち良いです。裏声でも自分のハマりやすい高さとかがあるんですが、それでも最後の「オーッ」てところがあるんですが、そこを裏声で歌うとめっちゃ気持ち良くて。もうほんとにハマりやすいか高さなので、いつもすっごい気持ちく歌ってます。
――もう、最初は「歌が苦手」って言ってた方の発言ではないですね。
傳:ほんとですよね。
鹿沼:「気持ちく歌ってる」って。
傳:あり得ない。
鹿沼:そんな発言が嬉しくて仕方ない。
傳:あなたは誰???
鹿沼:最初から見てるメンバーとしたら「こんなこと言わなかったよね、今まで」って感じです。
田辺:言わなかったね。
鹿沼:「もう無理です」って言ってたのに、今や「楽しい」って。
傳:歌楽しいの、最近。
――楽しいですか。いいですねぇ~。田辺さんはどうですか?
田辺:私もサビが少し高いと思うんですけど、でもギリギリ地声で出るところで。そして、傳ちゃんと同じで「オー」の部分は気持ちいいです。あとAメロの部分が自分的にすごい好きですね。出しやすいところなんですけど、「アーア、アーア」みたいなフェイクっぽい落ちる音をやってるんですけど、そこがすごい自分的に好きで、そこは歌うのいつもすごい楽しみです。
――ところで、皆さんは歌詞も読み込みますか?
田辺:はい。
――では、「Girls Don’t Cry」は何を歌ってるんでしょうか?
田辺:強い女の子。強い女性の前向きな歌だなって。「こういうこともあったけど、私はもっと頑張る」みたいな。何て言えば良いの?「でもそれにも負けずにやってやる」みたいな強気の女の子の歌だなって思います。
――例えば「知りたくないことに目を逸らせない世界」っていう一節。これは何ですか?
田辺:今SNS時代じゃないですか。ネット上ではいろいろ言い合っていて、知りたくない情報でも入ってくるじゃないですか、今の世の中って。そういうことかなって思います。
――まさにそうですよね。この部分はまさにSNSの世界のことだと思います。他にも「道に迷う時も 負けそうな時もHere we go 止まらない」とか「いつかの涙も 溢れる笑顔も On my mind 忘れない」といった部分では、女の子たちにエールを送ってるっていうな感じもしますよね。そして、カップリングの「TURN ME ON」がもろにそうなんですけど、この曲も皆さん自身に対して歌っている、とも解釈できますよね。
鹿沼:結構当てはまるというか…。曲を聴いて歌詞を聴くと、背中を押されるんですよね。「頑張んなきゃ」ってすごい思います。
――皆さんが聴いてる人の背中を押すのみならず、皆さん自身の背中も。
鹿沼:誰だって振り返りたくない過去とかあるじゃないですか。振り返るのも嫌だなって思うようなことが。でもそれに負けないで、周りの意見とかにも流されないで、頑張らなきゃ、「頑張るわ、私」っていう歌詞なので、「頑張んなきゃ」って思いますね。
傳:「Girls Don’t Cry」も「TURN ME ON」も私たち自身のことを歌った歌だと思っています。世の中の女性は皆さん共感すると思うんですけど、歌ってる私たちもすごい共感したので。2曲ともすごい前向きな歌詞なので。「Girls Don’t Cry」は、負けない強気な女性。「それでも私は泣かない」っていう感じ。「TURN ME ON」は、キラキラした未来を「仲間と一緒に実現しよう」って感じなので、両方とも“ワンピクの歌詞”だなって思います。
――おっしゃっているとおり、「Girls Don’t Cry」ですから、皆さん自身を含めた女性について、あるいは女性に向けて歌っている曲ですが、では、男の子はどう聴けばいいんでしょうか?
鹿沼:男性でも全然大丈夫です。「Girls Don’t Cry」って歌ってますけど、男性も同じ人間なので、共感できる一面はあると思います。
田辺:「Boys」に変えてもらって。
鹿沼:「Boys」に変える。「Boys Don’t Cry」。
――あぁ、なるほど。
鹿沼:そういう風に聴いてもらってもいいですし、「女の子はこうやって強がってるんだ」って思ってもらってもいいんじゃないかなって思います。
――なるほどね。強がってるとも言いますし、いろんな事がありながらも頑張ろうとしてるんだ、っていう風に捉える、と。
鹿沼:男性に弱さを見せない女性っているじゃないですか。
田辺:いるね。
鹿沼:そういう感じなんですよ。
――どうなんですか?ご自身は。
鹿沼:見せたくないですね。見せたくないです、はい。
傳:嘘つけ!
鹿沼:「全然大丈夫だから」って言います。
田辺:嘘~!
鹿沼:でも、男性はそういうふうに捉えることもできますし、歌詞に自分を当てはめて聴くこともできるので、逆に男の方のほうが二通りに聴けるんじゃないですかね。
――おぉ、なるほど。自分の立場にも置きかえられるし、その女性の心理を勉強することもできる、と。なるほど。
鹿沼:そう。勉強してください!って感じです。
――では、続いて「TURN ME ON」にいきましょう。先ほども言いましたけど、これこそ皆さんのことを歌ってるような曲ですよね。これもエスニックな感じの音色なんかが入って、ビートも「Girls Don’t Cry」と似てるんですけど、でもマイナーとメジャーで対称になってるっていう感じです。どうですか?この曲は。
田辺:この曲は、作詞をしていただいた方がONEPIXCELの映像を見たり、記事を読んだりしていただいて、それをもとにONEPIXCELのことを書いてくださったんです。ホントにもうONEPIXCELの希望の曲です。
傳:歌詞がすごく素敵なので。私たちもすごい好きで、今後すごく大事にしたいなっていう1曲になりました。
――ある意味、皆さんの“テーマ曲”みたいな感じになるんですかね?
傳:はい。すごく。
――そういう意味では「遠いところに感じてた距離が すぐ近くに感じてる」という一節とか…
鹿沼:もうそれ2016年の夏ですよ。
傳:それはワンマンですよ。
鹿沼:違う?
傳:え?ワンマンじゃなくて?
鹿沼:ワンマン?
田辺:2人とも違うことを言ってるよ。
鹿沼:「遠いところに感じてた 距離が すぐ近くに感じてる 今は」ってメンバーのことじゃないの? それとも、ファンの方と捉えてる?
田辺:私はファンの人だと思った。
鹿沼:じゃあ二つの捉え方があるんですね。どっちでも合ってる、どっちでも。
――どっちでもいけますよ。
鹿沼:あれね。傳ちゃんは。
傳:「壁」ね、「壁」のことか。
田辺:「険しかった壁が」。
――おお。「壁が少し低く見えて」と。
傳:そこはもうワンマンライブのことなんですけど、今回600人キャパの渋谷WWWXでやるんですけど、そこが最初「600人なんて集まんないよ」ってみんな言ってて、「どうするよ」みたいな感じで。でも、いろいろ策を考えて、カウントダウンしたりとかいろいろやってたんですけど、そしたら先日ソールドアウトしたんですよ! 険しかった壁が、少し低く見えて、どんどん低く見えて、結果到達できたっていう。
――この歌詞書いたのって、でもソールドアウトしてからじゃないですよね???
一同:する前です。
――もちろん前ですよね。
傳:そこも含めて、「私たちのことじゃん!」ってなる部分がすごく多くて。なので、歌詞がすごい素敵なんですよ。どの部分も素敵です。
――ある意味、歌詞で予言されてたわけですね。
鹿沼:でもそれ、いろんなことに言えるかも。
田辺:そう。「仲間と見に行こう」とかね。
鹿沼:「東名阪ツアーしたい」って語り合ったたら、東名阪ツアー3月にすることが決まって、「あ、できた」みたいな。
傳:いろんな出来事について書かれてあるな、って。
ONEPIXCEL ライブ情報
1年ぶりのワンマンLIVE決定!
「ONEPIXCEL 3rd Anniversary Live 2018」
2018/12/15(土)
渋谷WWWX
OPEN 15:00
START 16:00
TICKET:スタンディング ¥3,500(税込/Drink代別)
ONEPIXCEL 商品情報
「Girls Don’t Cry」 2018.12.5 Release
COCA-17540 ¥1,500 (tax in)
M1. Girls Don’t Cry
M2. TURN ME ON
M3. Sparkle Utae Remix
M4. We Go Now pavilion xool Remix
M5. Girls Don’t Cry(Instrumental)
M6. TURN ME ON(Instrumental)