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ONEPIXCEL|私たちが大切にしてるのは「今」を見せるということなので
ONEPIXCELのライブを観ると、彼女たちが“表現”というものにいかに真摯に取り組んでいるかを実感する。
そのことは、今年2月9日に行われた神田明神ホールでのワンマンライブでも再認識させられた。コンセプトや設定、映像や照明など様々な演出が丁寧に作り込まれてはいるが、それらはあくまでも楽曲を最も効果的に提示するためのものであり、その中心にあるのはやはり彼女たちの歌とダンスである。いや、それさえも“手段”あるいは“演出”であり、中心に据えられているのは楽曲、さらに言えば、そこに込められた感情である。それを伝えるために彼女たちは工夫を凝らし、ただがむしゃらに頑張るだけではなく、力の入れどころを心得ながら的確な表現を試みているのだ。逆に言えば、そうした感情をオーディエンスと共有するために、セットリストから舞台演出、さらにはMCや進行のタイミングに至るまで、とことんこだわっているのではないだろうか。それは、約1年前に行ったインタビューでの様々な発言からも推察され、今回のインタビューではさらに明確に語られている。
インタビューでも明言しているが、彼女たちは「今を大切にしている」という。「今のONEPIXCELを見て欲しい」と。そして、“今”が過去の経験の積み重ねによって出来ていることもしっかりと認識している。ゆえに、一つ一つの作業を、“今”出来うる最善の努力として真摯に取り組み、やがて“過去”あるいは“経験”になるものとして丁寧に積み重ねているのだ。
そんな彼女たちがメジャー初のアルバム『LIBRE』をリリースする。「メジャーデビューしてから約2年間の集大成」と位置付けられたこのアルバムには、2年前にリリースされたメジャーデビューシングル「LAGRIMA」から、その時々で彼女たちの進化を示してきた「Girls Don’t Cry」や「Final Call」といったシングル曲、さらには、最新のONEPIXCELの魅力を余すところなく伝える新曲まで、様々なスタイルの楽曲が収録されている。まさに「過去の積み重ねが“今”を形成する」ことを体現する作品だと言えるだろう。
『LIBRE』というタイトルは、スペイン語で「自由」を意味する。彼女たちによれば「好き勝手にしていいということではなく、自分たちのルールの中での自由」とのこと。
時間芸術である“音楽”には、時間軸上の“今この瞬間”に鳴っている音の次にいかなる音を選択してもいい“自由”がある。12音いずれの音を選択しても音楽理論上の問題はない。だがそこには、人間が経験の蓄積によって得た“心地好い”音階や和音を形成するルールがあり、聴き手の情動を“正しく”揺さぶるためにはそれらを意識することが必要である。そういう意味では、彼女たちが掲げる「LIBRE」とは、極めて“音楽的”な概念ではないだろうか。ゆえに、この作品に、ひいてはONEPIXCELの表現に“音楽的”なものを感じるのだ。
残念ながら鹿沼亜美は体調不良のため欠席。傳彩夏、田辺奈菜美のお二人にお話を聞いた。
2月に入ってからずっとおなかが痛かったです(笑)(傳)
――先日、神田明神ホールでのワンマンライブを拝見しました。あの会場でやられるのは初めてでした?
傳彩夏(以下:傳):初めてです。
――どうでした? いいホールでしたよね?
傳:すごくよかったですね。
田辺奈菜美(以下:田辺):音もいいし…
――音よかったですよね。
田辺:あとステージも広いので、思う存分暴れられました(笑)。めっちゃ楽しめましたね。
――めちゃくちゃ広いですよね。あんな横に長い会場ってコンサートホールみたいなとこじゃないとなかなかないですよね。
傳:なので曲の構成とかもちょっと変えて、曲によって左側に寄ったり右側で踊ったりとかしました。
――天井も高いですよね?
傳:高かった。
――どうですか?空気を掴みづらかったり、作りづらかったり、とかなかったですか?
田辺:いえ、全然、
傳:すごくやりやすかったです。
田辺:やはりライブハウスとは違うので、最初は会場入るまでイメージできなかったんですけど、会場に入ってからはこれまでで一番やりやすいぐらいの、すごくいい環境でした。
――前日に下見したりとかリハしたりとかは?
田辺:してないです。
傳:当日入ってリハ、みたいな。
――それでもちゃんと“掴む”わけですね?
田辺:そうです。
傳:結構リハに時間かけるんです。開場が4時半だったんですけど4時までリハしてて…。音響さんや照明さんともじっくり話し合って、“チームONEPIXCEL”で時間をかけてチェックしました。
――そういう時は結構意見を出したりするんですか?
傳:はい。まず1人ずつ歌うんです。ワンハーフ(編注:ワンコーラスと半分。「ワンコーラス+大サビ」など)を1人で歌って、マイクの音とか反響とかをチェックして、「もうちょっとこうして欲しい」とかを伝えて、1人ずつ3人が終わったら3人で合わせてもう1回他の曲をワンハーフやるんです。それで聴こえ方をさらにチェックして、という感じです。
――なるほど。自分への音の“返し”とか、会場内にどう回っているか、後ろまでちゃんと届くか、とか。
田辺:あと、曲によって「オケを少し大きくして欲しい」とか、「マイクのリバーブをもっと欲しい」とか、「リバーブもうちょっと減らして欲しい」とか、そういうところもリハーサルでちゃんとチェックして、最初の出番のタイミングとかも細かくチェックして、本番に臨みました。リハーサルがすごく充実していたので、不安もなくホントにやりやすい環境でしたね。
――ライブを拝見して思ったんですが、「余裕でやられてるな」って感じがしました。
傳:余裕じゃないですよ~。
田辺:ないですよ~。
――余裕なかったですか? でも、リハも上手くいって、やりやすい環境でのびのびとやられていた感じがしたんですが…。
田辺:ライブ中はのびのびとやってるんですけど、本番前はすっごい不安です。
傳:2月に入ってからずっとおなかが痛かったです(笑)。もう2月9日まで「あと何日だ」みたいな。「あとここ確認して、ここの振り付けは変わって、ここの立ち位置は何番」みたいなのもずっと頭でイメージして…。もうイメトレしかしてない2月だったので、9日の本番が終わるまでずっとおなかが痛かったです。
――いつもそうなんですか?
田辺:今回は「be with you」っていう曲の振り付けがライブ当日の2日前ぐらいに変わったり、とかそういうのもあったので…。
傳:1曲丸々振りを変えたんです。
――なんで変えたんですか?
傳:結構前にやってた曲なので、私たちもやってくうちに成長していったから、というか…。
田辺:振りがちょっと可愛いすぎちゃって、今の私たちがやったら「なんか違うな」って3人とも思っていたので、「振りを変えてもらおう」ってなったんです。
傳:今の自分たちにしかできないライブをやるんだから、それに合うように振りも変えようということになって、振付師さんに頼んで、2日前に変えていただいて、バタバタバタバタってしながら合わせて当日を迎えました。
――確かに、約1年前に取材させていただいた時に比べると、やはり大人になられたなという感じはします。
傳:なってますかね?
――思いました。ライブを観てもそう思いましたし。
田辺:おぉ、ありがとうございます。
――それに合わせて表現も少しずつ変えていくというわけですね。
傳:曲調も初期の頃に比べてだいぶ変わってきているので。
――ですよね。
傳:みんな十九、二十歳になって、二十歳と(デビュー当時の)中学生ってだいぶ違うので、そういう変化も見せていきたいですし、私たちが大事にしてるのは「今」を見せるということなので。
――おぉ。
傳:「今のONEPIXCEL」を見て欲しいですし、「今しかできないことをやろう」っていうのを大事にしていて…。なので、振りは変えるし、曲調もどんどん変わってきてるし…。
――なるほど。当日は新曲も披露しましたよね。
傳:はい。1曲やりました。
田辺:「DO IT, DO IT」を初披露しました。
――じゃあ、それもちょっと緊張した要因ですか?
田辺:そうです。
傳:でも、なんであんなに緊張したんだろう? 久しぶりのワンマンってこともあるのかなぁ。新曲っていえば、「Summer Genic」の振りも変わってるんですよ。
――そうなんですね。
傳:「Summer Genic」もワンマン前日の対バンで一度やっただけだったんですけど…
――一度やっただけで振り付け変えたんですか?
田辺:そうですね。
傳:ちょこちょこ変わってるんです。「Final call」のイントロを変えてみたりとか。
田辺:他にもいろいろ変わってます。
傳:半分くらいあるのかな?
田辺:会場が広いからっていうのもあって、メンバーの立ち位置もそうですし…
傳:タイミングとかも変えたりしました。
――やっぱりそれも「今」ってことなんですかね?
田辺:そうですね。
――その会場に合わせた表現をやる、そこでできる今を表現する、ってことですよね。なんかカッコいいですね。即興でやるジャズのミュージシャンみたいな。
傳:即興はできないです(笑)。ちゃんと練習を重ねてやります!
ONEPIXCEL ライブ情報
ONEPIXCEL Live Tour 2020 ”LIBRE”
2020/06/20(土)
会場:INSA福岡
時間:開場16:30 開演17:00
2020/06/27(土)
会場:ell.FITS(愛知)
時間:開場 16:30 / 開演 17:00
2020/06/28(日)
会場:阿倍野ROCKTOWN(大阪)
時間:開場 16:30 / 開演 17:00
2020/07/05(日)
会場:恵比寿LIQUIDROOM(東京)
時間:開場 17:00 / 開演 17:45
【チケット】(各会場共通)
前売り¥4,500 (税込、ドリンク代別)
U-18¥2,500 (税込、ドリンク代別)
<U–18チケット>
※小学生以上高校生以下対象。中学生以上は入場時に学生証または身分証の提示必須。
※写真付き身分証の場合1点。ない場合は2点ご提示ください。
※公演日当日、身分証をお忘れの場合は2,000円お支払いいただきます。
最新のチケット情報は↓
https://www.onepixcel.jp/
ONEPIXCEL 商品情報
2020/02/26発売
メジャー1stアルバム
「LIBRE」
【初回盤】
COCP-41066
¥3,636+税
★コネクティングカード封入
【通常盤】
COCP-41067
¥2,727+税
収録内容
【CD】(初回盤、通常盤、共通)
1.DO IT, DO IT
2.Girls Don't Cry
3.Final Call
4.Go My Way
5.Slow Motion
6.Sparkle
7.Summer Genic
8.Tell us!!
9.Howling
10.LAGRIMA
11.TURN ME ON
12.Take Off
13.We Go Now
【初回盤のみ封入 Music Card】
1.ONEPIXCEL 3rd Anniversary Live 2018@WWW X
・LAGRIMA
・Blue Ocean
・Sparkle
・Girls Don't Cry
・TURN ME ON
2.ONEPIXCEL So So So Hot!!! Tour 2019@duo MUSIC EXCHANGE
・Final Call
・Howling
・Summer Genic
・Tell us!!
・Take off