Speak emo

2020.10.22
加納エミリ

加納エミリ | 曲が出来るかなり前から「朝になれ この恋を忘れるまで」っていうフレーズだけがずっと頭にあって…

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もしかしたらそこが今一番悩んでる所かもしれないです

 

 

 

ーーそろそろ時間も無くなってまいりましたのでまとめに入りたいと思います。改めてお訊きしたいんですが、加納さんって今も「アイドル」を名乗ってるんですか? これからも名乗るんですか?

 

加納:わかんないですね(笑)。自分でも。よくわかんないなと思ってます。

 

ーーでも、もうご自身ではおっしゃってないですし、そう捉えられてもないですよね。

 

加納:いや~、どうなんですかね~。でも、もしかしたらそこが今一番悩んでる所かもしれないです。まぁ、自分がどちらかにしか行っちゃいけないってことはないと思うんですけど。なんか「自分っていったいどっちなんだ?」みたいな。わかんないです、全く。

 

ーーご自分としてはどちらに行きたいとかありますか? 「脱アイドルしたい」とか「やっぱりアイドル界にまだいたい」みたいな。

 

加納:“脱アイドル宣言”とまではいかないですけど、やはり、若干アイドルっぽさは残しつつも、そこから少しずつ脱皮していきたいなっていうのはありまして…。自分の周りのアイドルさんとか、楽曲も素晴らしいし、売れてるバンドとかアーティストの曲よりもいいじゃんって曲がたくさんあるじゃないですか。アイドルっていうもの自体には自分もすごく愛着があるし好きなんですが、ずっと同じ位置にいるのはよくないなとは思っていて。このコロナの期間、そして活動休止していた空白の期間を上手く使って、自分の次のステップに繋げたいなと。アイドルの要素も少し残しつつ、アーティスト側にシフトした方がより広い市場に乗っかれるんじゃないかなっていうのはありますね。

 

ーーなるほど。僕もすごく感じるんですが、まだまだアイドルって誤解されてますよね。

 

加納:うん。そうですね。

 

ーーもっと言っちゃえば、アイドルの中にも、“メジャー魂”と“インディー魂”じゃないですけど、“あちら側”と“こちら側”のような違いがありますよね。僕は便宜上“楽曲派アイドル”と呼んでいて、そういった部分を僕は追いかけてきたつもりなんですが、アイドルの取材をやり出してからそれ以外の仕事があまり来なくなっちゃったんですよね(笑)。なんか“色”が付いちゃったような…。もっとフラットに捉えて自由にやっていきたいのに…。

 

加納:アイドルってすごいサブカルじゃないですか、結局。だから、そっちに浸かっちゃうと出てこれなくなっちゃうんですよね。そういう人を何人も見てきてるので…。ちょっと足元だけ浸かっていつでも出られるような状態を作っていきたいというか(笑)。これ以上浸かっちゃうとそれはそれで怖いかもと思ってます。

 

ーーだから僕もそういった偏見を打ち破るために戦おうと思っていろいろやってきたんですけど…。

 

加納:頑張りましょう!

 

ーーなので、アイドル界の中にも、その界隈の外にいる人に響くものもあるので、それを紹介するみたいなスタンスでいきたいなと思っているんですが、でも、思った以上に偏見は払拭できないなっていうのを感じているところで…。

 

加納:アイドルもいいし他のものもいいっていう感じで偏見なく自分は仕事したいのに、結局偏見があるところに向かってるというか…。

 

ーーそうなんですよね。でも頑張りましょう!

 

加納:そうですね。そういったシーンを引っ張れるようになりたいですね。

 

ーーぜひぜひ!いや、加納さんがそういうシーンの旗手になると思いますよ。そこを引っ張る存在になると思います。

 

加納:自分の努力次第なので頑張ります!(笑)

 

ーーそういった議論をしつつも、最後に“アイドルっぽい質問”をしようと思うんですが(笑)、今回の「朝になれ」の聴きどころ、どういう人にどんな風に聴いて欲しいか、などを簡単におっしゃっていただきたいんですが…。

 

加納:う~ん。ないんですけど(笑)。どういう人に……まあ、やっぱりコロナで大変な人とか、あとは壁にぶつかってる人とか、そういう人に対して、後押しはできないけど、寄り添える曲かなとは思うので、そういう人たちにぜひ聴いていただきたいです。

 

ーーアイドルっぽい答えでいいですね(笑)。あと、ちょっと難しい質問をすると、現在もコロナ禍が続いていますが、今後世界はどうなると思いますか?

 

加納:やはり飲食業界とかも今すごくしんどいですし、エンタメとか服飾関係とか、もう生き抜くのもやっとって感じですよね。

 

ーーそうですよねぇ…。

 

加納:どう変わるんでしょうね。演者側も工夫しなきゃ、ただ単にライブだけして収入を稼ぐというのではなくて…。今までライブに来ていた人が在宅になっちゃってるパターンもたくさんあると思うので、在宅の人も楽しんでもらえるような企画とかをこちらが常に提案しなきゃいけないなって思ってますね。

 

ーーある種、これをいいきっかけと捉えて、より良い形へとシフトをするチャンスにもなりますよね。

 

加納:はい。私はもう完全にコロナのこの状況をきっかけにいい風に変えたいですね。

 

ーー先ほどのアイドルに対する偏見の話が出ましたが、音楽業界ってまだまだ考え方が古いというか、凝り固まっているというか…。例えば、未だにストリーミングに否定的な人がいたり…。あと、例えば配信とかだと、今まで日本が苦手だった世界進出っていうことを、極端にいえば家に居ながら全世界を相手にできるわけで、そこを大いに利用しない手はないんですよね。

 

加納:そうですね。本当にアイドル界隈とかにもアイドル以外の界隈にもあると思うんですけど、やっぱりやり方が古いですよね。

 

ーー本当にそう思います。

 

加納:もう物販とかも現金以外にもキャッシュレスとかどんどん取り入れたいんですよね。まぁ、いろいろと難しいとは思うんですけど。あと、毎回会場でしかCD売らないみたいなのも収益を考えてのことだと思うんですが、正直「いつまでやってるの?」って感じですね。今アイドルって、「売れたい」「もっと上に行きたい」って思ってるタイプと、「数十人の固いファンだけ囲い込んで回していきたい」っていうタイプの2種類に分かれると思うんですよ。でも、ちょっとでも多くの人に知られたいって思うんだったら、もう囲い込むのとかはやめて、利益率低いですけど配信をメインにプランを立てたほうがいいんじゃないか、みたいな。アイドル界隈にいてそういうところもめっちゃ勉強になりましたね。マーケティングとか戦略とかも含めて、これからも勉強したいと思ってます。

 

ーー世界を相手に、ということで。

 

加納:たくさんの人に知ってもらえるように頑張ります。

 

ーー英語でMCできるように。

 

加納:英語も勉強しておかないと!

取材・文
石川真男

加納エミリ 商品情報

〈配信シングル〉

配信シングル

「朝になれ」
約10ヶ月振りとなる新曲「朝になれ」が9/25にデジタルリリース
iTunes、Apple Music、Spotify等で配信中

 


〈7inchアナログレコード〉

アナログ版

「朝になれ」
価格:1,500円(税抜)
発売元:なりすレコード
品番:NRSP-794
発売日:2020年11月25日

収録曲
A面:朝になれ
B面:Because Of You (2020 MIX)

 

加納エミリ ライブ情報

フライヤー

 

EMIRI KANOU BIRTHDAY PARTY
日時:2021年2月17日(水)
場所:渋谷WWW
開場 18:30 / 開演 19:30
料金:¥3,500 (+1ドリンク別)
配信チケット料金 ¥2,500

Band Member
渡瀬賢吾(Gt) / KAZUYA(Ba) / Manaka(Dr) / Kanna(Syn)
※追加チケット、配信チケットの販売は後日発表

 

PROFILE

PROFILE
加納エミリ

1995年生まれ。北海道出身。2018年5月にデビュー。
19歳から楽曲制作を始め、作詞・作曲・編曲などを全て自らで手がける。80年代ニューウェイヴ・テクノ・インディーロックなどをルーツとした楽曲を完全セルフ・プロデュースで制作。2019年1stアルバム「GREENPOP」、2020年アルバムからのカットで12インチ・シングル「恋せよ乙女」をリリース。