Speak emo

2020.10.22
加納エミリ

加納エミリ | 曲が出来るかなり前から「朝になれ この恋を忘れるまで」っていうフレーズだけがずっと頭にあって…

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コロナ禍に入って、もう超個人的な恥ずかしいことをたくさん書いていこう、っていうマインドになりました

 

 

 

ーーもう少し北海道でのことをお伺いしたいんですが…。実家に帰られて1カ月後ぐらいから曲を作り出したということですが、結構たくさん作られました?

 

加納:結構作ったんですけど、全然いいのができてないです。

 

ーー今回リリースされた「朝になれ」もその期間に作ったものなのでしょうか?

 

加納:「朝になれ」は、3月ぐらいから作り始めました。

 

ーーじゃあ、札幌にいた期間のものではないということですね。

 

加納:はい。でも3月に種ができてって感じで、実家で作り込んでブラッシュアップしました。

 

ーーなるほど。では、北海道での充電期間にバンバン曲ができていて、すぐにでも発表ができる、といった感じではない、と?

 

加納:ええ。そうなんですよ。

 

ーーまぁでも、これからじっくりチームをつくりながら作っていくと。でも、いろんなアイデアみたいなものとかは…?

 

加納:アイデアはもうあります。

 

ーー改めてお訊きしますが、例えばそうやって出てくる音楽的なアイデアとかって、休息期間を設けたことで変わった部分はありますか?

 

加納:そうですね。やっぱり音とか歌詞とかにはっきりと違いが出てるのかな、とは思います。

 

ーーご自分でも手応えがあると。先日ちょっとTwitterで呟かれていましたよね。

 

加納:え?なんか変なこと書いてないですよね?

 

ーーあ、いえいえ。「端から大勢に向けたものより個人的なもののほうが結果的に大勢に刺さる」といったことを。歌詞はほぼ実体験というか、「〈ハートブレイク〉からはゲロゲロに実体験です」とのことで(笑)。やはりそういった部分もより感じるようになったわけですか?

 

加納:そうですね。歌詞ってものすごい個人的なものが売れてるのかなと思っていて。多分最初から大勢の人たちに向けようとしている人の歌詞には「若い子に共感して欲しい」みたいなのが見えてしまうことがあるんですよね。聴いてると「あ、この人なんか狙ってるなー」みたいな(笑)。今すごいブレイクしてる人とかはみんなが共感してるけど、結局自分の想いただ一つで書いてる場合が多いんじゃないかなと思って。それで自分も、今までは歌詞に個人的なことを書くのは恥ずかしかったんですが、コロナ禍に入って、もう超個人的な恥ずかしいことをたくさん書いていこう、っていうマインドになりました。

 

ーーなるほどなるほど。でもいかにそれを普遍化させるか、が腕を試される部分ですよね。

 

加納:確かに。難しいですね、歌詞は本当に。

 

ーーで、4月に活動休止宣言をされるまでを、例えば「加納エミリ第1章」と名付けたいと思うんですが、ご自身でもそんな感覚ってありますか?

 

加納:ありますね。復帰前・復帰後っていう感覚は自分の中にありますし、むしろ、ちゃんと分けていきたいなとに思ってます。

 

ーーでは、その「第1章」ってざっくりと言えばいかがでした?

 

加納:もう、勢い(笑)。勢いで走りまくってた、みたいな。でも、結構迷いもありましたね。きょろきょろしながら頑張ってたって感じですかね。

 

ーー大変なこともあったわけですね?

 

加納:大変なこと…そうですね。まあ「第1章」の時はもちろんすごく楽しくて毎日充実してたんですが、でも常にイライラしていたというか(笑)。自分で色んなことをやんなきゃいけなくて、常にタスクが何個もあるんですよ。1個片付いたと思ったら、次また次と出てきて…。忙しい人はみんなそうだと思うんですけど。でも、音楽って自分が欲しい結果がすぐには出てこないので、それで結構むしゃくしゃしていた時期もありましたね。

 

ーーそういったクリエイティヴな作業っていうのは時間をかければかけただけの量が出て来るってわけではないですもんね。

 

加納:そうですね。がむしゃらに頑張ってるだけじゃ逆に目標から遠くなってしまう場合もありますし。なるべく時間をかけずに最短でいきたいとなると相当頭を使わなきゃいけないんですよね。

 

ーーそうですよね。

 

加納:そういった自分自身に与えるプレッシャーも常にあって、自分に厳しくしちゃう癖があるのか、それで悩んじゃったこととかありました。

 

ーーそうしたタスクがいくつもあったりすると、ともすれば、まだ納得いってないレベルでも見切り発車しなきゃいけないケースも出てきてしまうかもしれないですよね。でも、それが許せないっていう性格ならば、大きなジレンマになると思います。

 

加納:そう。許せないんですよね。変に完璧主義なんですよね…。

 

ーーそうですよね。いろいろやることがあって大変だったのならば、1stアルバムのミックスも任しちゃえばよかったと思うんですが(笑)、でも、そうもいかずに自分でやっちゃったわけですよね?

 

加納:はい(笑)。

 

ーーまぁ、それが加納さんらしいとは思いますが。で、例えばSNSとかこうした取材などでは「加納さんって物言う人だな」と感じるんですが、それは本質的な性格ですか? それともそういうイライラが募って吐き出しちゃったって感じですか?

 

加納:イライラが募った時は酷かったと思いますけど、でも本質もそうですね。直接本人にも言いますし。まぁでも、そんなに酷いこと言わないですけど。笑いながらちょっとイジるみたいな感じで(笑)。

 

ーー(笑)。そうですか。イジってるっぼい感じでハッキリ言っちゃうわけですね。

 

加納:まぁ一応、限度は守ってるんですけどね。

 

ーーでも、先ほどおっしゃったように楽しいこともいっぱいあったわけですよね? ある種、自分が思い描いてたようなこと、やりたかったようなことも実現できたというか…。

 

加納:まあ、ちょっとだけですけど。

 

ーーちょっとだけですか?

 

加納:自分のやりたいことの本当に一部分だけですけど、まだ自分のレベルが足りてないので。でも、それは私の成果というより、周りの人たちの協力でやらせてもらっていたので、もっと自分の実力をつけたいなって思います。

 

ーーここは謙虚なエミリさんが出てきますね。

 

加納:いや、それは本当に思っています。

 

ーーでは、その「ちょっとだけ」達成できたというのは、どういった部分ですか?

 

加納:やはり1stアルバムを全国流通で出したいという夢はずっとあって、それを私一人の力じゃなくて、周りの方々の協力があって出せたということですね。

 

ーーなるほど。じゃあ、これからの「第2章」では、やはり一人で抱えるのではなくて、もっと制作チームというか、そうしたものをしっかり作っていこう、と。

 

加納:はい、そうです。いろんな面でクオリティー上げたいですね。ビジュアル面もそうですし、パッケージもそうですし、音楽的なところでももっともっとクオリティーを上げていきたいですね。

 

 

取材・文
石川真男

加納エミリ 商品情報

〈配信シングル〉

配信シングル

「朝になれ」
約10ヶ月振りとなる新曲「朝になれ」が9/25にデジタルリリース
iTunes、Apple Music、Spotify等で配信中

 


〈7inchアナログレコード〉

アナログ版

「朝になれ」
価格:1,500円(税抜)
発売元:なりすレコード
品番:NRSP-794
発売日:2020年11月25日

収録曲
A面:朝になれ
B面:Because Of You (2020 MIX)

 

加納エミリ ライブ情報

フライヤー

 

EMIRI KANOU BIRTHDAY PARTY
日時:2021年2月17日(水)
場所:渋谷WWW
開場 18:30 / 開演 19:30
料金:¥3,500 (+1ドリンク別)
配信チケット料金 ¥2,500

Band Member
渡瀬賢吾(Gt) / KAZUYA(Ba) / Manaka(Dr) / Kanna(Syn)
※追加チケット、配信チケットの販売は後日発表

 

PROFILE

PROFILE
加納エミリ

1995年生まれ。北海道出身。2018年5月にデビュー。
19歳から楽曲制作を始め、作詞・作曲・編曲などを全て自らで手がける。80年代ニューウェイヴ・テクノ・インディーロックなどをルーツとした楽曲を完全セルフ・プロデュースで制作。2019年1stアルバム「GREENPOP」、2020年アルバムからのカットで12インチ・シングル「恋せよ乙女」をリリース。