Speak emo
何があってもアイドルで!
ヴォーカルレコーディングの時に「自分の癖をなるべく減らして歌うように」ということ言われたんです
――そろそろシングルのことをお聞きしましょう。これまでいろんな曲を歌われてきましたよね。音頭があれば、演歌もあれば…
寺嶋:今ワンマンライブに向けて準備しているんですが、曲数を数えたら50曲ぐらいあって、ありがたいなと思ってます。
――これまでいろんな方の曲を歌ってこられましたが、また今回が、変化球といいますか新たな球種を投げてきました。作曲は西寺郷太さんです。
寺嶋:ありがたいです!
――タイトルは「君にトロピタイナ」。まずは「トロピタイナ」ってどういう意味ですか???
寺嶋:これは西寺さんの造語なんですけど、「トロッとして、ピタッとしたい」っておっしゃってました。トロッと恋に落ちて、ピタッとするっていう、ちょっとしっとりしたかわいい恋心みたいな部分がこの言葉に入っていて…。恋の始まりを歌った曲なので、それを表した造語ですね。もちろんトロピカルとも掛けていて、この夏ずっと歌ってきました。
――実際に西寺さんと会って、曲について何かお話しされたんですか?
寺嶋:曲をいただいた時に直接はお話してないんですけど、今まで歌ったことのないタイプだったので、すごい斬新だなって思いました。いろいろと紐解いていったら、いろんな過去の名曲の要素とか、名アーティストの要素が入ってるっていうのを知って…。西寺さんがレコーディングの時に解説してくださって、シーラ・Eのライブ動画とか見せてくれたんですよ。
――なるほど。西寺さんもおっしゃってましたが、「トロピカルミネアポリス…」え~っと
寺嶋:トロピカルミネアポリスユーロ歌謡!
――これ説明してください。どういうサウンドなんでしょうか?
寺嶋:トロピカルな雰囲気の、ミネアポリスの要素もありつつ、ユーロも入ってる歌謡曲です。説明なってるのかな、これ…。
――トロピカルな要素。歌詞なんかはそういうものがありますよね。
寺嶋:あと、パーカッションな感じとかも。
――なるほど。シーラ・Eが叩いてたティンバレスっぽい音やフレーズが少し入ってますよね。イントロやサビメロの頭もシーラ・Eの大ヒット曲「The Glamorous Life」がちょっと入っているような気がします。そこは「ミネアポリス」かもしれません。
寺嶋:「ミネアポリス」はミネアポリスですよ。一日警察署長ですし。って、その“ポリス”じゃない(笑)。
――そう来ましたか(笑)。あれですよ。だから、プリンス・ファミリーの…
寺嶋:そう、プリンスです、プリンス!
――ギターのカッティングなんかもプリンス風ではあります。
寺嶋:西寺さんプリンスにすごくお詳しいので、そういった要素を入れていただいてたりとか。
――「ユーロ歌謡」ってのは、まさにちょっとユーロなサウンドですよね。
寺嶋:ユーロビートな感じで。歌謡っていう“古き良き”感じは、私のキャッチフレーズとかコンセプトを考慮して入れてくださったみたいで。曲を書いていただくにあたって、私のことをいろいろ調べてくださってたみたいです。
――この曲は、これまでの寺嶋さんの楽曲にはない、かなり毛色の違うものっていう印象で、さらには、昨今の80年代90年代リバイバルにも乗っかってる感があって、そういう意味では“先端のクラブサウンド”っぽい雰囲気もあり、そうした“新しさ”は寺嶋さんの“古き良き”とは合致しない感もして、ゆえに新鮮さも感じたわけですが…。考えてみたら“80年代”っていうのはまさに“古き良きもの”ですよね。
寺嶋:そうなんですよ。一周回って新しいみたいなものなのかなと思うと、“古き良き”には合致してるのかなと思ってます。
――じゃあ、寺嶋さんご自身も一周回って「今新しい」という感じですよね。
寺嶋:一周回って波が来ると良いなっていつも思ってるんですけどね。
――でも今、意外といないかもしれないですね。
寺嶋:意外といないんですよ。懐メロっぽい要素をこんなに取り入れてるアイドルって。皆さん4つ打ちのイケイケの曲が多い中で、それが強みでもあり、アウェー感ももちろん感じてはいるんですけど、でもその唯一無二感の曲をいっぱいいただいているのはすごくありがたいことだなと思います。
――でも時代は回ってきますから、古き良きものっていうのは新しいものとして武器になると思うんですよね。
寺嶋:そうですよね。なると良いなと。
――西寺さんからは何かアドバイスだったりとか、そういうのはありました?
寺嶋:歌詞のことも一行ずつ、「トロピタイナ」の意味とかも含めて解説してくださいましたし、この曲に引用されている過去の作品の動画だったり、音源だったりを聞かせてくださって、解説してくださって。丁寧にこの作品の意図みたいなものを伝えてくださってからのレコーディングだったので、すごくわかりやすかったですし、ヴォーカルディレクションもとてもわかりやすくやっていただいて…。言葉の発音の仕方を「そこはちょっと英語みたいに歌って」とか「こことここの間にブレスを」とか、すっごく具体的に指示してくださったので、本当にやりやすかったです。
――西寺さんがおっしゃった参照というか引用というか…、先ほどのシーラEとかプリンスとかの名前も出ましたが、もしかしたら山下達郎さんも入ってますか?
寺嶋:入ってたっけ…? その時は聞いてないかもしれないです。もしかして西寺さんご本人の中にあるかもしれないですけど、何か感じられました?
――はい。サビの「リズムに合わせて」からの手拍子(パンパンパンパン)というところが達郎さんの「FUNKY FLUSHIN’」をちょっと意識されてるのかな、って。まあ、あちらは「リズムに乗って 手拍子打って」という歌詞なんですが…。
寺嶋:あぁ、じゃあそういう要素も、私に伝えきれない細かいこだわりがきっとあったんだと思います。
――なるほど。では、歌詞についてお聞きしたいと思うんですが、例えば、詞を深くまで読み込んだりしますか?
寺嶋:はい。文字を読むのが好きなので、もともとそういう性格ではあるんですけど、「知らない誰かに抱かれてもいい」という曲をリリースしたタイミングで、その時のディレクターだった加茂さんに「歌詞をよく読み込みなさい」って言われたので、それ以降より意識するようにしてます。っていうのも、「知らない誰かに抱かれてもいい」なんて思ったこと一回もないんですよ!(笑) そんなシチュエーションなったこともなくて、「そんな風に思ってしまうような失恋をしたんだな」って想像すれば状況は理解出来るんですが、そんな経験が無いので、仮歌録りの時に「あんまり感情が歌に乗ってない」って言われて…。「細かいシチュエーションまで考えるといいと思う」って言っていただいたので、そのレコーディング以降はより気を付けて考えるようにしてます。
――その時どんなシチュエーションを考えられたのか、までは踏み込まないでおこうとは思いますが…(笑)。
寺嶋:はい。ちょっとヲタクが病んでしまうので(笑)。
――では、この「君にトロピタイナ」の場合は、どんな風に読み込みましたか?
寺嶋:自分で考えていった部分もありますし、レコーディング当日に郷太さんが作詞の意図をホントに細かく教えてくださったので、そこはかなり歌に活かせたかなと思います。ただ、ヴォーカルレコーディングの時に「自分の癖をなるべく減らして歌うように」ということ言われたんです。私、アイドル歌謡が好きで、特に“ハロプロ歌唱”が好きで、語尾をちょっとしゃくる感じとか、あ行を強く言っちゃう感じとか、そういった“ハロプロ節”にすごい憧れているので、真似しちゃいがちなんですよね。でも今回は「そういうのを抑えて淡々と歌った方が意外と響く時もあるんだぞ」っていうのを教えていただきました。
――これも“歌謡”に落とし込んでますから、たとえばミドルエイトっていう部分、いわば大サビみたいなのがやや強引に入ってますけど、基本的にはビートが一定で、じわじわとウネリを作っていくようなグルーヴ・ナンバーですよね。
寺嶋:はい。淡々と、というか…。
――歌もそれに合わせて、あんまりしゃくるものではない感じですよね。なるほど。それ意識されたと。結構それは新しい試みだったんじゃないですか?
寺嶋:新しかったと思います。わりとそれまでの曲は感情を乗せるっていうことを意識的にやっていて、しゃくりとかニュアンスの付け方に頼ってた部分もありますし。あとヲタクが結構喜んでくれるんですよね、そういうのを入れると。しゃくりもそうですし、ちょっと息多めに歌ってセクシーな感じにするとかっていうのを、わりと自分の持ち味っていうと偉そうですけど、結構使ってた部分もあるので…。今回それを封印するのがちょっと難しかったです。つい出ちゃうので。
――そういう意味では「グルーヴが命」「ビートが命」って感じの、寺嶋さんの新しい側面が打ち出された曲ですよね。
寺嶋:はい。勉強になりました。とっても。
寺嶋由芙 商品情報
「君にトロピタイナ」 2018.10 .17(WED)RELEASE
■初回限定盤A
TECI-636(TEBI-16535)/定価 1,500円+税(税込 1,620円)
[CD]
1.君にトロピタイナ
2.彼氏ができたの
[DVD]
1.「君にトロピタイナ」Music Video
2.「君にトロピタイナ」Making Video
■初回限定盤B
TECI-637 /定価 1,500円+税(税込 1,620円)
1.君にトロピタイナ
2.彼氏ができたの
3.コンプレックスにさよなら Live音源
from レッツぐる~ヴでハッピーバースデー!@東京キネマ倶楽部
4.天使のテレパシー Live音源
from レッツぐる~ヴでハッピーバースデー!@東京キネマ倶楽部
■通常盤
TECI-638 /定価 1,167円+税(税込 1,260円)
1.君にトロピタイナ
2.彼氏ができたの
3.君にトロピタイナ –Off Vocal-
4.彼氏ができたの –Off Vocal-
寺嶋由芙 ワンマンライブ情報
Yufu Terashima 5th Anniversary Live
~以前よく見たあの人も 通い続けるこの人も~ supported by japanぐる~ヴ(BS朝日)
▼日程:10/21(日)開場 17:30 / 開演 18:30
▼会場:渋谷ストリームホール(〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-21-3)
▼料金:スタンディング 4860円
※整理番号付き、※入場時、別途1ドリンク代必要、※未就学児入場不可
▼チケット一般発売中
・ローソンチケット【Lコード:74498】
http://l-tike.com/order/?gLcode=74498
・ぴあ【Pコード:126-721】
https://t.pia.jp/sns/?p=e1839280_ft
・イープラス
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002169019P0050001P006001P0030008