Speak emo
NaNoMoRaL|だから今年は走り抜けないと
考えをガーッて、ツラーッて書いたものばかりにしてあるんですよね(パセリちゃん)
――で、7曲収録されていますが、曲のタイトルも全て7文字ですよね?
パセリちゃん:はい。
未來:そうです。
――7文字が7曲並んで、ブックレットの曲目表記もデザイン的に綺麗に揃っています。以前にもおっしゃっていましたが、やはりレイアウトした時の文字列にはすごいこだわりがあるわけですね。
パセリちゃん:そうですね。なんか気持ちいいなって。
――これって、タイトルは7文字で合わせたわけですよね。
パセリちゃん:最初に作った曲のタイトルが7文字だったので、その次の曲のタイトルを決める時に揃えようと思いました。
未來:なんで7だったんですか? ラッキーセブン???
パセリちゃん:最初に作ったのが7曲目「アンサーソング」っていう曲だったんですけど、それに合わせましたね。
――なるほど、7文字縛りでタイトルが決まっていったわけですね。で、今回のタイトル「macra no souji」って、あの『枕草子』とかけている部分もあるわけですよね?
パセリちゃん:はい。ダジャレです。
――で、例えば「枕の掃除」っていうと、「枕」に対して「掃除」ってやはりちょっと呼応しないじゃないですか。「枕を掃除する」ってちょっと変ですよね?
パセリちゃん:そうなんです。「枕の洗濯」とかですよね。
――ですよね。「掃除」っていうと“場所”が対象のイメージがあって、「枕」だと「きれいにする」「洗濯する」という表現の方がしっくりくると思います。そこを敢えて「souji」にしているってことは、「枕草子」とかけているという部分が強くて、そこにも何か意味があるんじゃないか、と。僕、歌詞対訳の仕事もたくさんしているので、仕事柄つい深読みしてしまうんですが…。
パセリちゃん:タイトルに関しては、今回は盤を取ったら「Sleep tight」と書かれてあるんですが、「ぐっすりお休みなさい」みたいな感じ、モヤッとしたものを浄化して「ゆっくり寝れるといいね」みたいな意味があるんですよ。それが今回のコンセプトで、1枚目は「吐き捨て」、2枚目は「逃げ道」。そうやって浄化したから、今回は「ゆっくり寝れるといいね」って。そういう「浄化」と「安眠」から「枕の掃除」っていうタイトルにしたんですよね。
――おぉ、その説明を聞くとすごく腑に落ちました。「枕」も「掃除」っていう言葉も綺麗に収まるように思いました。
パセリちゃん:そうです。そういう意味で捉えてくれたらいいな、ということで「掃除」という言葉がいいかな、と。「草子」と近いですし。『枕草子』ってエッセイみたいな感じですよね?
――はい。随筆ですね。
パセリちゃん:なので、この7曲も自分の中ではエッセイっぽいものになってます。考えをガーッて、ツラーッて書いたものばかりにしてあるんですよね。自分の中での“枕草子感”を出しつつ、っていう感じで。
――なるほど。それもすごく腑に落ちました。未來さんは多分パセリさんよりも『枕草子』を習ったのは最近だと思うので…
未來:そうです。
――『枕草子』はどんなものかご存じですよね?
パセリちゃん:いや、絶対ピンと来てないと思います。
未來:あんまり…。エッセイ?
パセリちゃん:誰が書いたか知ってる?
未來:え? “枕草子さん”じゃないんですか? 違うのかな? 名前だと思った。“枕草子”っていう人かと思った。
――あぁ。
パセリちゃん:“米津玄師”的な?(笑)
未來:そうです。そんな感じ。違うんですか?
パセリちゃん:違います。タイトルです。
未來:タイトル、え?
――清少納言っていう方が書いたもので…。
パセリちゃん:聞いたことあるでしょ?
未來:そう言われたらわかります。
――紫式部の『源氏物語』とよく比較されて…。
パセリちゃん:でも内容全然違いますよね。同じ時代でどちらも作者が女性だからっていうことで比較されるんですよね?
――そうですね。同じ女性の作品で、『源氏物語』は長編小説で、一方『枕草子』は短編の随筆集。『源氏物語』は「もののあはれ」という美意識で書かれていて、心情が溢れるようなその感覚は今風に言うと「エモい」。一方、『枕草子』は「いとをかし」という美意識が通底していて、知的で軽妙でポップな感じといったところでしょうか。
パセリちゃん:今で言うと、さくらももこ的な。
未來:なるほど、まる子ちゃんか。
パセリちゃん:さくらももこさんのエッセイに近い感じかもしれないですね。
未來:そんな感じなんだ。
パセリちゃん:もちろん言葉は難しいけど、当時の人からすればそういう感覚で読まれていたものですよね?
――ですね。なので、ポップなわけですから、まさにお2人もそうです。
未來:なるほど。ポップ。
――で、ジャケットのデザインは、フジサキ大社長ですよね? フジサキさんはデザイナーでもありますもんね。
未來:私、見ましたっけ?
――見てないですか? これです。
未來:あ、確かこれする前のやつを見ました。
パセリちゃん:そう。元々は僕自分でデザインする予定で、僕が一度出したんですけど、それをフジサキさんが変えてくれたんです。
未來:そう。
――最終的なものとはだいぶ違いますか?
パセリちゃん:だいぶ違います。でも、僕がやったのもシンプルに「macra no souji」って1列ドンって書いてるだけでした。フジサキ社長がシンプルなイメージを残してデザインしてくれたって感じです。
――じゃあタイトルを3行にして、このグループ名のロゴなんかも?
未來:フジサキさんが考えてくれました。かわいらしい。
――「a」や「o」が目玉のように感じになっています。
未來:かわいらしい感じ。
パセリちゃん:あと、これは確かめてないんですけど、「no」がちょっと斜めってるんです。
未來:え、どこですか?
――おぉ、ホントですね。
パセリちゃん:ですよね? これ敢えてそうしてるんだと思います。
――多分敢えてでしょうね。
パセリちゃん:どうしよう、敢えてじゃなかったら…。
未來:どうしようね。
パセリちゃん:多分これはあの人のセンスなんだろう、と思って聞かずにおいてますけど(笑)。
――なんかそう言われるとすごく気になってきますね。
未來:フジサキさんに聞いてみたいですね。
――これ、ここに書いておいて、間接的に聞いてみましょうか。
パセリちゃん:どうしよう、「ごめん」って言われたら(笑)。
未來:「たまたま」って(笑)。
パセリちゃん:「え? 斜めってた???」って言われたりして(笑)。
未來:「知らなかった」って(笑)。
パセリちゃん:でも、絶対デザインの人だからわざとだと。
――本盤が出来上がってたら、直ってたりして(笑)。
パセリちゃん:そうなったらもう…。
NaNoMoRaL 商品情報
3rd mini Album『macra no souji』
前作からわずか約5ヶ月で届けられた3rd minialbum。
息をするように精力的にライブを続ける2人から、どれだけ押し込んでも溢れ出てしまう《多幸感》は観にきた人全てを包み込む。
大きくなってから、心のどこかに閉まってきた感情を取り戻す「みんなのうた」がココにある。
[収録曲]
01 まくらのそうじ
02 ダメダメのうた
03 カラシナダンス
04 たりらでたりら
05 さよならデスペ
06 子どもでいてね
07 アンサーソング
2020年04月15日発売
税込2000円