Speak emo
それぞれの曲に色があるので、これを聴いてエモまってほしいです。エモまってください!
絶好調のlyrical school(通称:リリスク)である。
だが、旧体制からの”ヘッズ”(リリスクのファンのこと)の中には、これほどまでの見事な復活劇を想像できなかった向きも少なくなかったのではないだろうか。
2010年「tengal6」としてデビューし、2012年にlyrical schoolと改名。その後、幾度かのメンバーチェンジを経ながらも順調に活動してきたが、2016年12月21日に突如としてami、ayaka、meiが卒業を発表。翌2017年2月26日の3人の卒業によって、遂にはオリジナルメンバーがいなくなってしまった。残ったminanとhimeは「新たなメンバーを迎えてリリスクを存続する」と表明していたものの、当時は筆者を含め多くのヘッズが「リリスクは終わった」と認識していたのではないだろうか。楽観的なヘッズでさえ、「たとえ何らかの形で復活したとしても、そこに至るまでにはかなりの時間を要するだろう」と捉えていたはずだ。
そんな中、minanとhimeはhinako、risano、yuuの3人を迎え、2017年5月21日新体制お披露目ライブを敢行。旧体制の終焉より約3ヶ月という驚異的なスピードでの“カムバック”だ。スピードだけではない。新メンバーお披露目で示した大きな期待感。その後、ライブを重ねるたびに、そして新曲を発表するたびに、それはさらに大きく膨らんでいき、やがて“確信”として、あるいは“新たな希望”として我々の目の前に提示された。そんな風にリリスクは“最強の5人”として戻ってきたのだ。
難易度の高いフロウを事もなげに、そしてあくまで“可愛さ”を維持しながら聴かせるという点では唯一無二のラッパー、hime。その情感溢れる歌と凛としたラップで耳目を奪うのみならず、リリスクの揺るぎない支柱として君臨するminan。新体制となってからのこの2人の覚醒ぶりが、現在のリリスク大躍進の大きな要因であるのは間違いない。だが、新加入の3人がもたらした“新風”も極めて重要な要素だ。アイドル性たっぷりの笑顔と類い稀なるコミュニケーション能力で観る者全てを魅了するhinako。LAで培ってきたダンススキルとはっちゃけた性格、そして物怖じしない推進力でステージ上やフロアに新たなグルーヴを巻き起こすrisano。今やminanと双璧を成すまでとなったヴォーカル、独特の愛らしさを醸し出すフロウ、そしてその柔らかな空気感によってじわじわとオーディエンスを惹きつけるyuu。
そんな5人が、新体制として初となるアルバム『WORLD’S END』をリリース。ジャケットはかの江口寿史(リリスクの2013年のアルバム『date course』も手掛けている)。作家陣には、坪光成樹、高橋コースケ、大久保潤也、泉水マサチェリー、ALI-KICKといったお馴染みの面々に加え、スチャダラパーのBose、SHINCO、そして、かせきさいだぁ、思い出野郎Aチーム、Ryohu(KANDYTOWN)といった面々を迎えている。これまでのリリスクの作品同様、コンセプトアルバムの様相を呈しているが、お馴染みのスキットは冒頭のみ。通底するテーマを設けつつも、それを殊更“コンセプトアルバム”として打ち出すのではなく、一曲一曲を強力なキラーチューンとして提示している印象だ。だが、いささか矛盾する物言いになるが、一曲一曲が充実しているがゆえに、加えてテーマが通底しているがゆえに、アルバムとして一気に聴くことができる。とりわけ「DANCE WITH YOU」から「Hey! Adamski!」、そして終焉「WORLD’S END」へと向かう流れは見事だ。
そしてこのたび、hinako、risano、yuuの新メンバー3人にお話しを伺った。ステージ上から感じられる魅力を再認識したのみならず、まだ隠し持っている新たな一面を垣間見ることもできた。さらにはメンバー同士も知らなかった新事実も(?)。じっくりとご一読ください。
適当にポンポン押していって、たまたま開いたらオーディションがあって、押して、はい!(hinako)
――risanoさんはLAに留学されてたんですよね?
risano:はい、そうです。
――それはダンス留学みたいな感じだったんですか?
risano:そうですね。小さいころから歌って踊るのが大好きで…。ダンサー/シンガーになりたいって思いがあったんですが、「歌が苦手」っていう気持ちが自分の中であったので「ダンス一本にしようかな」と思ってロサンゼルスに行ったんでけど、そこでリアーナさんのコンサートを観て「リアーナになりたい!」って思ったんです。その時「歌って踊りたい」っていうのを改めて確信しました。
――リアーナが原点だったんですね。で、Twitterを拝見すると、先日ジョディ・ワトリーを見に行ったんですよね?
risano:はい。つい最近。
――そこにダンスの師匠がいらっしゃったとのことで。
risano:そうなんですよ。
――で、その時呟かれていましたけど、リリスクに入る前にジョディ・ワトリーのライブで踊っていたんですか?
risano:そうなんです! 同じ舞台で去年、加入前に。“ジャパニーズダンサー”として2人選ばれた内の1人として。
――それはロスから“来日”したんじゃなくて、日本で?
risano:日本にいた時です。「踊って」って師匠に言われて、「うっしゃー!」って(笑)。
――ある意味、そういう“洋楽”志向、“ダンス”志向があったrisanoさんが、リリスクメンバーに応募っていうのはどういう経緯で?
risano:そうですね。日本に帰ってきて「アーティストになりたい」ってずっと思っていて、アイドルはあんまり意識して見たことはなかったんですけど、たまたまYouTubeでリリスクさん…リリスクさんだって!(笑)…を見て、「え、これ、アイドル? こんなにカッコいいアイドルさんがいるの?」って思って、どんどん調べまくって、止まらなくなって……応募まで至りました(笑)。
――一番最初に見たのは何でした?
risano:なんだったけな…。「PRIDE」! カッコよかったですね。YouTubeが好きで結構見ていて、“関連”で飛んできました。
――yuuさんは?
yuu:私もずっとダンスやっていて。私の夢も「歌って踊るアーティストになること」だったんです。小学校2年生の時からダンスを始めて、最初はプロダンサーになりたくて…。ダンサーとして結構大きいスタジアムとかで踊らせてもらってたんですよ。でも、やっぱりrisanoと同じで、目が行くのは歌手の方で。バックステージとかでお会いするじゃないですか。もうなんてカッコいいんだろうと思って、そこから私も歌に興味を持ち始めて。で、中学生の時に歌を始めて、ずっと歌とダンスを習ってました。ユニットを組んだりもしていたんですけど、その後東京に出てきて…。でも、私と同じ目標を持つ子が周りにいなかったんですよね。なんか、すごい孤立感を感じでしまって。で、いろいろあって一回姫路の実家に戻っちゃったんですよ。しばらくはダンスも歌もやめちゃって。でも、東京で教わっていた先生が、「お前と同じことを言っている子がいる」って紹介してくれて…。それがrisanoだったんです。で、2人で連絡取り合って。
risano:その先生からyuuの連絡先を教えてもらって、「はじめまして」って(笑)。
yuu:「risanoです」みたいな。
risano:「東京来るとき教えて」って言ったら、すぐ教えてくれて。で、朝、吉祥寺で会ったんだよね。
yuu:朝、モーニング食べながら、初めて会うっていう(笑)。お互い夢語り合って、「こういうことやっているんだよ」っていう動画見せあったりして…。なんですかね…。一度歌もダンスもやめた時に、やっぱり心の中でモヤモヤがあって…。ずっと続けてきたものをこのままやめてしまってもいいのかな、って…。そんな時にrisanoが声をかけてくれたんですよ。「yuu、どうしてる?」みたいに。ずっと気にかけてくれていて。私も何回か東京に行ったりしていて、で、「リリスクのオーディションがあるんだけど」ってなって…。「もし、まだやる気あるならやらない?」って言われて。「もう、これはやるしかない」と思って、最後のチャンスみたいなくらいで意気込んで行ったんですよ。オーディションを受けるのも久しぶりすぎて、めっちゃ緊張しました。でも、自分を出し切っちゃえと思って、全部アピールして、受かって、っていう…。まさかだったんですけど。当時プロデューサーさんとかには、risanoと知り合いだっていうことは言ってなくて。
――採用する側は、“繋がって”っているのを知らなかったんですね?
yuu:知らなかったですよね?
マネージャー氏:なんか、後半に「パフォーマンス・オーディション」みたいなのがあって、その時に「やけに急に仲良いな」みたいな感じはありましたけどね。
――なるほど。そういう疑問はあったと。
マネージャー氏:「急に接近したな」みたいな…。
――では、hinakoさん。
hinako:私は…Twitterで、オーディションかなんかで調べて、パッと出てきて…。そしたらこうなりました(笑)。
――調べたのは調べたんですか?
hinako:調べたのかなぁ…。
――聞いたところによれば、Twitter開設したら「フォローしましょう」って出てきた、とか…?
hinako:あ、出てきたんです! そうです! お勧め欄から出てきたんです。
――でも、それが出てくるっていうことは、やっぱりそういうものを、アイドルなのかヒップホップなのか、を調べていたんですか?
hinako:最初の時点で、たぶんアイドルをフォローしようと思って調べていたんだと思います。でも、リリスクをフォローしているとは分かっていなかったです。たまたまフォローしていた感じです。
――アイドルに興味があったんですか?
hinako:興味あったというか、友達きっかけで別のオーディションを1回受けたことがあって。でも、それは体調不良で行けなくて。ちょっと悔やんでいたというか、「どこまでいけたのか知りたかったな」って気持ちはあって…。で、そこからTwitterやろうと思って始めて、フォローして。最初20人フォローしなきゃいけなくて、で、アイドルかなんか調べて、適当にポンポン押していって、たまたま開いたらオーディションがあって、押して、はい!
――すごい運命ですよね。それ、出てこなかったら今いないかもしれないですよね。
hinako:いないと思います。
risano:そういうことだよね。
――なんかでも、そのエピソードはすごいhinakoさんらしいですよね。
hinako:あ、本当ですか?
――いろんな意味で(笑)。
hinako:なので、あんまりオーディションっていう感じもせずに、私はもう「遊びに来た」って言ったら悪いですけど…
risano:悪い、悪い(笑)。悪すぎる!
hinako:自分がどれくらいやれるのか知りたいなと思いましたし、もし「運命なら受かるだろう」と若干思っていた部分もあります(笑)。
――なんかいろいろと“強い”ですね…。
lyrical school 商品情報
発売日:2018/06/19
タイトル:WORLD’S END
■CDフルアルバムバージョン
品番:BRTW-1054
価格:¥2,500+税
■アナログレコード12インチ バージョン
品番:BRTW-1055
価格:¥4,000+税
【CD収録内容】
<アルバム収録内容>
01.-PRIVATE SPACE- (skit)
02.つれてってよ
作詞:SUEKKO LIONS© / 作編曲: 坪光成樹 高橋コースケ
03.消える惑星
作詞:SUEKKO LIONS© / 作編曲: 坪光成樹 高橋コースケ
04.High5
作詞:BACCAS / 作編曲:Hercelot
05.夏休みのBABY
作詞: 大久保潤也(アナ)&泉水マサチェリー(WEEKEND) / 作曲:泉水マサチェリー(WEEKEND)
06.常夏(ナッツ)リターン
作詞: Bose(スチャダラパー) かせきさいだぁ / 作編曲 : SHINCO(スチャダラパー)
07.オレンジ
作詞: Ryohu(KANDYTOWN) / 作編曲:思い出野郎Aチーム
08.CALL ME TIGHT
作詞: 大久保潤也(アナ) / 作編曲:Anutha
09.Play It Cool
作詞: MELLOW YELLOW / 作編曲: Anutha
10.DANCE WITH YOU
作詞: 大久保潤也(アナ) / 作編曲:Anutha
11.Hey!Adamski!
作詞:ALI-KICK / 作編曲: ALI-KICK
12.WORLD’S END
作詞: 大久保潤也(アナ) &泉水マサチェリー(WEEKEND) / 作編曲:泉水マサチェリー(WEEKEND)">
lyrical school ツアー情報
lyrical school tour 2018 “WORLD’S END”
(前半戦)
2018年7月1日(日) 14:00OPEN/14:30START@沖縄cyber-box
2018年7月7日(土) 16:30OPEN/17:00START@横浜BAYSIS
2018年7月8日(日) 14:30OPEN/15:00START@高崎club JAMMERS
2018年7月14日(土) 18:00OPEN/18:30START@HEVEN’S-ROCK宇都宮VJ-2
2018年7月15日(日) 14:30OPEN/15:00START@仙台space ZERO
出演:lyrical school、callme ※2マンライブ
2018年7月22日(日) 14:30OPEN/15:00START@新潟GOLDEN PIGS RED
出演:lyrical school、Maison book girl ※2マンライブ
(後半戦)
2018年9月2日(日)13:00OPEN/13:30START@札幌Bessie Hall
2018年9月8日(土)17:30OPEN/18:00START@福岡 Early Believers
2018年9月29日(土)16:00OPEN/16:30START@京都 CLUB METRO ※GUESTあり
2018年9月30日(日)16:00OPEN/16:30START@神戸 太陽と虎 ※GUESTあり
2018年10月6日(土)16:30PPEN/17:00START@静岡UMBER ※GUESTあり
2018年10月7日(日)18:00OPEN/19:00START@大阪 JOULE
2018年10月13日(土)18:00OPEN/19:00START@VERSUS東海ホール名古屋
2018年10月19日(金)18:00OPEN/19:00START@新木場STUDIO COAST