FEATURE

2023.08.17
NANIMONO

あのときの経験をきっかけに、今は胸を張って「アイドル活動が楽しいです」と言えるようになりました。 NANIMONO インタビュー・2

 「”アイデンティティーを確立するためにアイドルになった6人組 NANIMONO"- 未だ何者でもない女の子たちが何者かになる物語 - 。 インキャが世界を救う」をコンセプトに活動中。結成から1年後には、KT Zepp YokohamaをSold Out。破竹の勢いで躍進し続けているNANIMONO。メジャーデビューアルバム『むりなんだが w』も大好評。NANIMONOとは、一体何者なのか??その正体を探ってみた(ひなたゆまは喉を壊しており、筆談のため、言葉が少なくなっています) 。

(1回目は、こちらから)


上には行けない。「だったら、ここで辞めようかな」と、じつはメンバーみんな思っていました。


――2回目のツアーは、いつ頃のこと?

ひなたゆま  SHIBUYA WWW Xでやったハーフ・アニバーサリー・ワンマン公演へ向けていろいろ動いていた時期でした。

紫苑りんか  その辺から、急激に仲良くなったんだよね。

柊真ミフユ  だから、最初の半年間と、その後の半年間では、互いの関係の濃さはぜんぜん違います。

――最初の頃、「辞めよう」と思ったりしませんでした?

遊乃ヲユタ  今だから言えますけど、あの当時はみんなそういう気持ちもありました。メンバーの関係性ってパフォーマンスにも出るじゃないですか。仲が悪いわけじゃなく、仲良くなる方法がわからなくて打ち解け合えていなかった頃は、今振り返ったら、そういう空気がパフォーマンスの中にも出ていたのかな?と思います。その空気がライブを通して出ていたら、グループにも、せっかく応援してくれている人たちにも迷惑がかかるし、グループだって上には行けない。「だったら、ここで辞めようかな」と、じつはメンバーみんな思っていました。仲良くなった今、そういうお話も想い出話としてするんですけど、今では笑い話にしてしまえるくらいの関係性になれたからこそ、みんなNANIMONOを続けたくてここにいます。

――NANIMONOは、活動半年後に、SHIBUYA WWW Xでワンマン公演を行いSold Outを記録。そこで結成1周年公演としてKT Zepp Yokohamaを発表。そこもSold Outさせました。すごく順調な道筋を描きだしていますよね。

遊乃ヲユタ  なんか、頑張り続けていたらそうなったみたいなところはあります。わたし自身は、KT Zepp YokohamaがSold Outをしたと聞いたとき、初めて「いい感じじゃない?!」と自覚しました。それまでは全然自覚がなかったし、なんなら焦っていました。

眠岸ぷりん  KT Zepp Yokohamaのときのツアータイトルが『むりなんだがw』でした。Sold Outするなんて半ばあきらめぎみでそのタイトルを付けたと思うくらい、ファンの人たちも含めて最初はまわりがみんな「KT Zepp Yokohamaを埋めるなんて無理じゃね??」「奇跡が起きないと埋まらないよ」という空気でした。だからと言って、運営さん側は「無理じゃね」という意識ではなく、成功させたいがために組んだワンマンだし、私たちも、絶対に成功させようという気持ちでがむしゃらに頑張ってきました。そうしたら、本当にKT Zepp YokohamaをSold Outさせることが出来ました。KT Zepp Yokohamaで満員の人たちを前にしたときは、「この6人なら、まだまだいける!」と思えたのも、その後に繋がる自信になりました。

柊真ミフユ  確かにSHIBUYA WWW X、KT Zepp YokohamaをSold Outと言葉にするとすごく思えるけど、最初から急速に動員を上げていったグループではなかったし、KT Zepp Yokohama公演が決まったときは、自分たちでも「Sold Outは無理だろう」と思っていたし、ファンの人たちも「さすがにSold Outは無理だろう」と思っている空気を私たちも感じていました。だけど、そういう空気を感じたことで、逆にメンバーも運営側も、「絶対に埋めてやる」意識に変わったし、その気持ちを一つにした姿を見せるようになってからは、NANIMONOへの支持もガッと上がって、ファンの人たちも一気に増えだしました。そこは、メンバーの気持ちが一つになれたことも大きかったなと感じています。

――メンバーの気持ちが固まるごとに、NANIMONOの運命も好転していった形だ。

紫苑りんか メンバーの意識を「やれば出来るんだ」と変えていったのには、それもあったと思います。

――でも、互いの関係がまだぎこちない頃でも、NANIMONOは相応に動員を上げていたわけですよね。

紫苑りんか 上がっていましたけど、それはお客さんたちがNANIMONOに期待をかけてくれていたからだと思います。その期待に応えなきゃという気持ちから、メンバーみんなの気持ちがどんどん一つになっていきました。SHIBUYA WWW Xの前頃からはとくに、レッスン後にもメンバーだけで集まって何時間も話しあったり、電話でも2-3時間話すことも多くなりました。ときには、メンバーミーティングをするためにと、メンバーだけで自主的に集まって打ち合わせをしたこともありました。今もそうだけど、活動半年を迎える少し前辺りからは、暇さえあればメンバー内でいろいろと話すようなりました。そこで気持ちを一つに固めていくにつれ、支持や動員も上がっていきだしたなという感覚も、今振り返ってみるとありました(笑)。

――みんなの中でも、NANIMONOの存在が大切なものになりだしていたんですね。

紫苑りんか そうですね。

47774  KT Zepp Yokohamaが決まったことも、みんなの気持ちを一つにしてゆく要因になったんですけど、KT Zepp Yokohamaへ向かって頑張ろうという時期にわたしが足に怪我を負ってしまい、KT Zepp Yokohama公演の前までずっと椅子に座ってライブへの出演を続けていました。KT Zepp Yokohamaはめちゃくちゃステージが広いじゃないですか。なのに、自分だけダンスレッスンには参加できなかったことでの焦りもありました。お医者さんには、完治しない状態で無理をすると障害が残る可能性もあるからと言われていたから、踊りたいのに踊れないことでの焦りもありました。それでもわたしは何があってもKT Zepp Yokohamaのステージに立ちたいからこそ、椅子に座ってだけどライブにも出続けてきました。なんとか完治させ、無事に6人でKT Zepp Yokohamaのステージに立つことが出来ました。
  正直、怪我を負っている間は、アイドル活動を続けていくことに怖さを覚えていた時期もありました。だけど、KT Zepp Yokohamaに立って、あの光景を6人で一緒に見たときに、「このグループでわたしはアイドルを続けたい」と思えました。このメンバーが大好きだし、ぽたくのみんなも大好きだし、「このグループはもっともっと大きくなれる」と確信しました。それまでどこか自信を持ちきれず不安を覚えていましたけど、あのときの経験をきっかけに、今は胸を張って「アイドル活動が楽しいです」と言えるようになりました。

――このメンバーの存在も大きかったわけだ。

47774  大きかったです。このメンバーじゃなかったら、お医者さんに「無理をしたら足に障害を負ってしまいますよ」と言われた時点で、「わたし、KT Zepp Yokohamaのライブには立ちません」と言っていたと思います。そうしたくはなかったし、「絶対にステージに立つ」という気持ちにし続けてくれたのは、このメンバーのことが好きだし、ぽたくのみんなが好きだからこそなのは間違いないです。


今じゃ、みんなで同じ部屋に集まっては、一緒にご飯を食べながら遅くまで語り合う関係になっています。


――774さん自身の気持ちの持ちようも、だいぶ変わったんじゃない?

47774  NANIMONOに加入してだいぶ変わりました。以前は、人に対してあまり感情が動かない性格でしたけど(笑)このメンバーは本当に一人一人が幸せになってほしいと思えるくらい大好きです。

ひなたゆま  (吐息のような小声で)今のような関係になれたのも、まだまだ自分たちに自信を持ちきれていなかったときから、ファンの人たちの応援する声や、実際に動員という目に見える形によって、自分たちに自信を与えてくれたことも大きかったと思います。メンバーみんなに自信が芽生えだした頃から、運営さん側から言われたことをやるのではなく、自分たちはどうしたいのかを考えるようになったし、それを行動に移すようにもなりました。それが、SHIBUYA WWW XやKT Zepp YokohamaのSold Outへ繋がったからこそ、その結果がめちゃめちゃ嬉しいのはもちろん、私たち自身も自信を持てるようになったのも大きかったなと思います。

――まずは、自分たちから発信や行動を示そうと思ったのは、ファンの人たちの声や存在も大きかったわけだ。

ひなたゆま  (吐息のような小声で)大きかったです。その頃からメンバー一人一人の発言する回数がめっちゃ増えたし、一人一人が、何事にもしっかり責任を持てるようになってきた感じもすごくありました。始まったばかりの頃は、それぞれが理想とするアイドルになるために頑張っていたけど、「みんなで一つの目標を絶対に成功させてやる」と気持ちを一つにし始めてからは、お互いの関係も一気に深まれば、グループとしての一体感も出れば、個々にではなく、NANIMONOとしてという気持ちに変わりました。そこから動員も増えだしたり、メンバー同士でも、その「メンバーの持つ良さをもっと伸ばしていこう」など、一緒にみんなで各自の個性も伸ばせるように協力しあえるようになりました。それも、今の結果に繋がる大きな要素になっているなと思います。

――そうやってメンバーの気持ちを一つにした最初のきっかけが、先に出ていた2回目の東名阪ツアーだったわけだ。

ひなたゆま  (吐息のような小声で)そうなりました。今の状態ではSHIBUYA WWW Xを成功まで導けないとなったときに、メンバーみんなで本気で話し合いをしました。それが2回目のツアーの名古屋公演の前の日のこと。そのときの話し合いをきっかけにみんなで濃い時間を過ごすようになり、気づいたらお互いのことを深く信頼するようにもなっていました。

遊乃ヲユタ  今じゃ地方でのお泊まりになるとみんなで同じ部屋に集まっては、一緒にご飯を食べながらずーっと遅くまで語り合うような関係だよね。

――本当に密度の濃い時間を、みんなで一緒に過ごしているんですね。

柊真ミフユ わたしはNANIMONOが初めての芸能活動だったこともあって、NANIMONOで起こるすべてのことが、わたしの中では初めての経験。経験がないからこそ、最初の頃はみんなに置いていかれる不安があって、必死にみんいなについていく形でした。あの頃はグループ全体のことを考える余裕などなく、そこは、他のメンバーに任せてもいました。でも、少しずつ経験を重ね、自分の気持ちにも余裕を持てるようになったことで、わたし自身の視野も広がったなという自覚がありました。その頃からでしたね、NANIMONOが今、このシーンの中でどの位置にいるのかなどが見えるようになったのは。


NANIMONOの楽曲は、どれも「インキャに刺さる歌詞」。自分のことを「インキャだな」と思っている人が聴いたら、絶対に「これは自分のことだ」と思える歌ばかり。


――NANIMONOは、メジャーレーベルよりアルバム『むりんだがw』を発売。先日も配信で『Hello,world』をリリースしました。この作品の魅力も教えてください。

柊真ミフユ  NANIMONOは「インキャが世界を救う」「何者でもない女の子たちが何者かになる」をコンセプトに活動をしていて、アルバムもそのコンセプトを形にしています。活動を始めた当初に発表した『JELLY FISH』は、今のアイドルシーンにはあまりない、NANIMONOらしい色を持った楽曲です。最初の頃は (アイドルシーンの王道スタイル曲とは異なるため)なかなか支持を得ることが難しかったのですが、NANIMONOの存在や魅力が浸透するにつれ支持を集め、今ては「『JELLY FISH』が一番好き」「NANIMONOらしい良い曲だよね」と言ってくださる人たちが増えたくらい人気の曲にもなりました。
  NANIMONOの楽曲はどれも「インキャに刺さる歌詞」。自分のことを「インキャだな」と思っている人が聴いたら絶対に「これは自分のことだ」と思える歌ばかりだし、そういう曲ばかりをアルバムや配信曲には詰め込んでいます。アルバムはもちろん、NANIMONOの曲は「インキャのための曲であり、インキャに寄り添える歌」。そういう曲たちをたくさん詰め込んだ、インキャのための応援ソングとなるアルバムにもなっています。

――『ジャージは戦闘服★』は、まさにそうですよね。

柊真ミフユ  あの曲では、「まじむりまじむり 社不には向いてないこの世界」と歌っていますからね。インキャの人たちは「むりなんだが」という言葉を、マイナスなイメージだけではなくプラスの意味としても使っています。むしろ、ポジティブな思いを持っていっぱい使っています。ここまで「むりなんだが」と連呼している楽曲も珍しいから、聴いて刺さってくれたら嬉しいです。陽キャと言われている明るい人たちも、根っこの部分では私たちと同じだと思っています。そういう人たちだって、この曲もそうしだし、アルバムや配信曲たちを聴いても元気になれるはず。聴いたみんながちょっとでいい「頑張れるかも」と思えたら嬉しいし、そういう曲たちが、NANIMONOにはいっぱいあります。


それまで「夢だと思っていた日本武道館公演が、今は「目標」になりました。


――NANIMONOは今、「NANIMONO 東名阪ツアー『むりょ〜なんだがw』」を開催中です。

眠岸ぷりん  無料って太っ腹ですよね。それには理由があります!

ひなたゆま  今回の東名阪ツアーは、KT Zepp YokohamaがSold Outしたことで、みんなへの「ありがとう」の気持ちで回るお礼ツアーだから無料にしました。

眠岸ぷりん  みんなへの感謝の気持ちを持って各地をまわります!

紫苑りんか   無料公演だからこそ、今回をきっかけにたくさんの人たちに来てほしいです。

遊乃ヲユタ  感謝の気持ちを届けるのはもちろん。このツアーを自分たちではNANIMONOの未来へと繫いでゆくツアーにもしていくつもりです。

ひなたゆま  今回の東名阪ツアーでまわる名古屋と大阪の会場は、初めて遠征に行ったときと同じ場所になります。あのときはSold Outできなかったけど、今回こそはSold Outさせて、過去の自分たちを超えていきたいなと思っています。

――そして、今後のNANIMONOですが。

遊乃ヲユタ  最終目標はデビューしたときから口にしてきたように、日本武道館に立つことです。最初に言いだした頃は,「無理だろう」と夢として語っていましたけど、KT Zepp YokohamaをSold Outさせた今、ほんのちょっとだけど日本武道館公演へ向けての光が見えてきた気もしています。それまで夢だと思っていた日本武道館公演が、今は「目標」になりました。そういう気持ちを持てるようになったのも嬉しいし、こうやって口にしていると現実味を感じます。

柊真ミフユ NANIMONOは12月18日と19日の2日間、新宿BLAZEでメンバープロデュース公演を2日間行います。具体的な内容はこれから煮詰めていきますが、メンバー自身がプロデュースを行うライブは今回が初めてになります。メンバーの色が本当に色濃く出る絶対に楽しい公演にしていくから、みんなにも観に来てもらえたら嬉しいです。

眠岸ぷりん  そこへ繋げるためにもまずは無料ワンマン公演に足を運んで、今のNANIMONOのライブの楽しさを知ってもらえたらなと思います!そのうえで12月18日と19日のスケジュールを今から絶対に空けておいてください!

全員  よろしくお願いしまーす!!!!!!


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>


NANIMONO 東名阪ツアー 『むりょ〜なんだがw』
8月14日(月) Veats SHIBUYA
8月24日(木)心斎橋FANJ twice
8月25日(金)名古屋RAD HALL
https://t.livepocket.jp/t/muryounandagaw


NANIMONO メジャー・デビュー・アルバム

JKT
「むりなんだがw」
2023 年6 月14 日発売
TECH-30548 ¥3,000

◆収録内容
1. SE (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
2. ジャージは戦闘服★ (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
3. アイデンティティー (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
4. ケンタウロスの夜 (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
5. KIRA KIRA (作詞:こゆびちゃん/作曲:Ookuma Kunio/編曲:Ookuma Kunio)
6. JELLY FISH (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
7. CHEWING GUM (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
8. インキャミュージック (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)
9. TEIKIATSU (作詞:こゆびちゃん/作曲:Agasa.K/編曲:Agasa.K)
10. どーぱみん! (作詞:こゆびちゃん/作曲:Toki/・こゆびちゃん/編曲:Toki)
11. インキャ・オブ・ファイヤー (作詞:こゆびちゃん/作曲:こゆびちゃん・杉原亮/編曲:杉原亮)


SNS
https://nanimono-idol.bitfan.id/
https://twitter.com/NANIMONO_idol


<メンバー>

アー写

ひなたゆま
Twitter @NANIMONO_yuma
【担当カラー】オレンジ 【誕生日】9 月30 日

柊真ミフユ
Twitter @NANIMONO_mifuyu
【担当カラー】青 【誕生日】2 月8 日

眠岸ぷりん
Twitter @NANIMONO_purin
【担当カラー】黄 【誕生日】1 月16 日

47774
Twitter @NANIMONO_774
【担当カラー】黒→ピンクに変更 【誕生日】4 月24 日

遊乃ヲユタ
Twitter @NANIMONO_woyuta
【担当カラー】白 【誕生日】3 月29 日

紫苑りんか
Twitter @NANIMONO_rinka_
【担当カラー】紫 【誕生日】9 月4 日

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