FEATURE
「月刊誌のように、そのときの流行りとか、気になるものを特集のように毎回取り上げていけたらいいよね」という思いから月刊PAMと名付けています。 月刊PAM インタビュー・1
「船井美玖と宇都宮未来、かつて2人は、ザ・コインロッカーズというバンドで同じ時期を過ごしてきた。その2人がふたたび手を組み、月刊PAMとして今年の2月25日にプレデビューライブを行い活動をスタートさせた。正式なデビューは、7月17日に新宿MARZを舞台にしたワンマン公演からになる。今は、月刊PAMとしての正式なスタートラインに立つため、いろんな道を模索している最中だ。正式デビューへ向けて活動中の月刊PAMの2人をつかまえ、今、どんな気持ちでいるのかを聞いてみた。
わたしは一人で歌うのは嫌だなぁという思いから、「ザ・コインロッカーズ時代にツイン・ヴォーカルでやっていた未来ちゃんという子がいるから、未来ちゃんと一緒なら歌の活動をしても良いですよ」と…。
――まずは、月刊PAMが誕生するまでの経緯から教えてください。
宇都宮未来 船井が新しく誕生した今の事務所へ所属したときに、「グループをやりたいから作ろう」となった…ということで良いの?
船井美玖 ソロとしてグラビア活動をやっていきたいという話を今のマネージャーさんに誘われた時にしたときに、「音楽活動もやってほしい」と条件を出されたんです。わたしは一人で歌うのは嫌だなぁという思いから、「ザ・コインロッカーズ時代にツイン・ヴォーカルを一緒にやっていた未来ちゃんと一緒なら歌の活動をしても良いですよ」と言ったら、マネージャーが「それ、いいじゃん」と乗ってくれたことから、未来ちゃんに声をかけました。未来ちゃんは地元の大阪に帰ろうとしていたんですけど、「一緒に音楽活動をしよう」と声をかけたところ「いいよ」と返事をくれたので、音楽活動も再始動した形です。
――未来さんは、もう地元へ戻ろうとしてたんだ。
宇都宮未来 そのときまだ高校生で学校へ通っていたこともあって、高校を卒業したら実家に帰ろうかなという気持ちでいましたけど、声をかけられてとどまりました(笑)。
――美玖さんの中に、一人で歌うという選択肢は、最初からなかったわけだ。
船井美玖 なかったですね。当時は、歌の活動を行うという選択肢を持ち合わせていなかったくらい、歌いたいという意識すらなかったんですけど。音楽の活動をと言われたときに、「一人で歌うのはしんどいけど、誰かと歌うのならいいかな」と思ったことから、未来ちゃんに声をかけました。そう思えたのも、複数人で歌う活動をすることの大変さを実感していたのですが、ザ・コインロッカーズ時代に2人で歌っていたときが、わたし自身一番しっくりきていたことが大きかったです。
――音楽活動を再開したことで、歌う楽しさも実感しています?
船井美玖 以前の活動の終盤時は、一人一人にかかるプレッシャーが大きくなり、それにしんどさを覚えていた理由もあって、解散後は歌の活動から遠ざかっていたんですけど。でも今は、歌うことというか、ライブをやっていること自体がとにかく楽しい。関わる人が多くなると、どうしても決められたことをやる感じになってしまうけど、今は、何をやっても自由。その楽しさを改めて取り戻しているからこそ、ライブが楽しいと感じているんだと思います。
――未来さんは、美玖さんに声をかけられたとき、どんな気持ちでした?
宇都宮未来 あの時期は、芸能活動をきっぱりと辞めて地元に戻ろうという意識ではなく、東京に自分の活動する居場所がないのなら、高校卒業のタイミングで一度、地元に戻ろうという意識を持っていただけで、実際にオーディションなどもちょこちょことチェックをしていたように、その機会を探していました。そのタイミングで声をかけてもらったのもあれば、船井自身がグラビア活動もしていたことや、互いに"個々の活動もしたううえで、月刊PAMとしても活動をしてゆく"という自由度もあったから、「わたしもここで頑張ろう」となりました。むしろ、いい機会をもらえたなという気持ちです。
――以前、一緒に活動をしていた頃からお互いの波長もあっていた形でした?
宇都宮未来 それぞれの歌声の色が違うから、歌の波長が合うというよりは、お互いの気持ちの波長がめちゃめちゃ合う関係。昔から、やりやすさはずっと感じていました。
――お互い、一緒にいて楽な関係だ。
船井美玖 なんだろうね。その理由とか考えたことさえないくらい、一緒にいるのが当たり前だし。確かに、一緒にいて楽なんだろうね(笑)。
宇都宮未来 ほんと、相手の気持ちの深いところまで考えてとかしなくていいし、お互いに、いつも通りの自分でいられるからね。
船井美玖 「なんでこうなの?」とか思うことがないからね。
7月17日に、新宿MARZでデビューワンマン公演を行い、そこからが正式な始動になります。今は、その日に向けていろんなことを試しながら、月刊PAMの方向性を見定めている最中です。
――お二人とも、月刊PAMと平行して、グラビアでも活動をしています。今は、この2つの道を進もうという形なのでしょうか?
船井美玖 グラビアというか、個々の活動と、月刊PAMとしての活動、2つの道をという形ですね。
宇都宮未来 そうだね。個人としてやりたいことがあるのなら、個人としての活動もしっかりと追い求めつつ。そのうえで、月刊PAMとしての活動もやっていく形を取って、今も動いています。
――月刊PAMとしての始動ライブが、確か今年の…。
宇都宮未来 2月25日がお披露目ライブでした。月刊PAMとしての具体的な準備を始めたのが2022年12月からだったから、2か月くらいの準備期間を経てのお披露目ライブという形でした。それに、お披露目ライブと言っても、それが正式なスタートではなく、あのときはプレデビューという形でした。今もそうですが、まずは”プレデビュー期間”ということで、いろんなことを試しては、そのうえで「どの形が自分たちに合っているのか」を探し続けています。そうやって、自分たちの可能性を見つけるためにいろいろとやれるのが、今のプレデビュー期間だと思っているし、だからこそ、いろんなことを試しています。
――正式デビューは、何時になるのでしょうか?
宇都宮未来 7月17日に、新宿MARZでデビューワンマン公演を行い、そこからが正式な始動になります。今は、その日に向けていろんなことを試しながら、月刊PAMの方向性を見定めている最中です。
――月刊PAMとして求めたい方向性は、具体的に見えてきています?
船井美玖 まだ具体的に言葉にするのは難しいですけど。「こういう曲を求めたい」「こういうライブのやり方が似合いそう」など、毎回ライブをやるたびに、スタッフさんも含めて話しあえば、その中で、「そうだよね」とみんなの意見が一致することも多いから、そこは次第に見えてきているなという実感はあります。
宇都宮未来 毎回のライブを終えるごとに、お互いに感じたことをすり合わせていることも、方向性を見いだすうえでは大きいよね。
船井美玖 そうだね。いろいろと試したうえで、その日ごとのお客さんたちの反応や反響も含め、「これはいけたね」「でも、これは違うかもね」と話しあえば、今は、毎回のライブごとにいろんな収穫があるから、次第に方向性が見えてきているなという感じです。
――音楽性の面でも、そこは縛られることなく?
船井美玖 今、月刊PAMはサウンドプロデューサーとしておやすみホログラムのオガワコウイチサンが務めてくださっています。カバー曲を含め、いろんな楽曲を歌ってきた中、オガワさんの作る音楽がけっこうはまるなという感覚が今の2人にはあります。それこそ、最初は「ポップで可愛い感じの曲がいいのかも」と思って歌ってみたけど、「なんかちょっと違うかも」と思えたり。そうやって試しながらつかんでいるのが現状のように、音楽性に関しては枠を作ることはないです。
宇都宮未来 今は、私たちはもちろん。マネージャーやサウンドプロデューサーも含め、1本1本のライブを通した経験を踏まえながら「こういう路線を試そうか」など、いろいろと話しあいを重ねている状態です。なので、現状では「月刊PAMの音楽性はこういう方向です」と語るのは難しいし、そこはずっと探し続けていくのかも知れないです。
船井美玖 ジャルンルだって、そう。めちゃめちゃ側を固めるのではなく、2人が、そのときに「これをやりたい」という思いや感覚を一番に優先していきたいんですね。 月刊PAMと言う名前も、「月刊誌のように、そのときの流行りとか、気になるものを特集のように毎回取り上げていけたらいいよね」という思いから付けているように、ライブのあり方も「そのときに”いい”と思った音楽性を楽曲の中へ取り入れていきたい」と思ってる。今は、「可愛いポップな曲は違うかな?」と思っているけど。1年後に「これが似合う」と思っていたら、かわいいポップな方向性へ舵を切っているかも知れないし、格好いいスタイリッシュな音楽性を求めているかも知れない。それは自分たちでもわからないこと。とにかく、2人がそのときに「楽しい」ことをやっていけたらいいなと思っています。
宇都宮未来 先のことは、自分たちでもまだわからないからね。
お正月に「今年の目標は」と決めるじゃないですか。それを月刊PAMでは、「今月は、これをしよう」と毎月決めていく形を取っています。
――「月刊」という言葉が、月刊PAMの活動に於いてのポイントになるんですね。
船井美玖 そうですね。月に一回、何かしら新しいことをやりたいと思っています。それが、写真集を作るでもいいし、新しいグッズが一個増えたでもでもいいし、月に1曲ずつ配信するでもいいし、月1回行っている定期ライブの中で何か新しいことをやったでも構わない。よく、お正月に「今年の目標は」と決めるじゃないですか。それを月刊PAMでは、「今月は、これをしよう」と毎月決めていく形を取っています。その内容が何であれ、「月に1回、何か新しいことがあるんだな」ということが大事だし、それをやることが自分たちのモチベーションにも繋がっていくことなので。
――毎月、何かしら新しいことをやるのも、大変じゃないですか?
宇都宮未来 どうなんだろう?そのときにやりたいことを毎月のように実行しているわけだから、「楽しい」気持ちのほうがぜんぜん勝っています。それに毎月新しいことを何かしら行うからこそマンネリ化することもなく、活動がなぁなぁになることもなく。むしろ、活動にスピードがついていくから、月間で何かしらやっていくほうがいいなと思います。
――2人の中から、いろんなアイデアも次々と浮かび出てくるし。
船井美玖 そうなんです。いつも2人で話していることを、そのままマネージャーに伝えているだけなんですけど(笑)。 そのアイデアを聞いて、マネージャーも「やろう」とその場で乗ってくれば、そこから実際にやることも多いです。いわゆるカチコチした環境の中で会議をしてとかじゃなく、日常の中、楽しみながら出てくるアイデアを実戦してゆく形だから、それが楽しいんですよ。以前の経験だと、どうしても物事を長期スパンで決めなきゃいけないことも多くて、どういうペースで成果を積み重ねていけば良いのか掴みにくかったんですけど。それを1か月単位でやることで、目の前にある課題が明確に見えれば、たとえバタバタしようとも、そこへしっかりと向き合っていけますから。
宇都宮未来 そこの違いは大きいよね。
船井美玖 たとえばの話ですけど。ほぼ毎日のようにライブ活動をしているアイドルさんの場合、それはそれで充実感があってすごくいいなと思いますけど。そのルーティンを無我夢中で続けていく中、「わたしは、一体何のためにライブを繰り返しているんだろう」とフッと思い込み、立ち止まることだって出てくると思うんです。だけど、毎月のように新しい変化を取り入れてくことで、活動の中にも一定の変化が生まれ続ければ、それをやり続けることで、また新しくやりたいことや夢が生まれてくる。それが、活動がなぁなぁになることなく進んでいける要因にもなるし、今はそうなっているからこそ、これからも毎月、何かしら新しいことをやっていきたいなと思っています。
――月刊PAMの絶対的な強みが、「自分たち発信」というところですよね。
船井美玖 それはありますね。私たちもチームの人たちにはめちゃめちゃ正直に意見を言うし、マネージャーが「それは無理」と言ったことに対しても、「えっ、なんで無理なんですか?!」と食い気味で言うくらい(笑)、やりたいことはやりたいし、それをやるために今の環境を作ったわけですからね。今の環境は、自分のやりたいことを実現するためにあるもの。以前の活動のときには、「やりたい」と思っていても大人たちに言えなかった。「ここをこうしていたら、もっと上手くいってたはずなのに」と思いながらも、大人についていくしかなかった。だけど月刊PAMでは、2人の考えたやり方を実戦しながら、「ほら、できたでしょ」と証明していきたい。それで出来なかったら、「あっ、大人っていろいろ大変だったんだな」と改めて飲み込めるけど。それが出来たときには、「ほらみたことか」となるから、「ほらみたことか」となるために今は頑張っている最中です。
せかせかしながらもやっています。
――自分たちのペースは、着実につかめてきています?
船井美玖 う~ん、どうだろう。せかせかしながらもやっています。
――ライブ活動もコンスタントにやっていますよね。
船井美玖 プレデビュー期間は、けっこうイベントにも出てますね。
宇都宮未来 出演本数は多いし、むしろ…(2回目へ続く)
TEXT:長澤智典
<インフォメーション>
「月刊PAM デビューライブ」
2023年7月17日(月)夜 新宿MARZ
「宇都宮未来生誕祭」
2023年7月17日(月)昼 新宿MARZ
公式HP
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船井美玖
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