FEATURE

2023.05.11
山崎亜美瑠

誰かに任せれば出来る環境があろうとも、わたしは土台をすっぽかして、先に進みたくはありませんでした。 山崎亜美瑠 インタビュー・2

 先に、レーベルのHPに記載してあるプロフィールを引用して、彼女の紹介をしたい。
「2018年にNMB48ドラフト3期生として加入。2019年にAKB48グループ歌唱力No.1決定戦にて準優勝。2021年にユニット「Nona Diamonds」としてCDデビューを果たす。2022年4月にNMB48を卒業し、7月にソロアーティストとして活動開始。同年10月にリリースした自主制作のプレデビューミニアルバム「keep singing」が、1ヶ月でSOLDOUT。活動の場を広げるべく2023年1月「miuzic Entertainment」とレーベル契約を結び、2023年6月13日には近藤薫プロデュースにて1st Single『Before Christ』をリリースする」(https://miuzic.jp/artist/yamasaki-amiru/)
  今年3月には、みずから代表取締役社長を努める会社「株式会社 Lapis Enterteinment KOBE」を設立。アーティスト/経営者、2つの道を持って活動を始めた山崎亜美瑠に、今の気持ちを伺った。


(1回目は、こちらから)
 

スナップ

 

男性目線で書いた恋愛ソングは、わたしも初めてになります。


――ここからは、1stシングル『Before Christ』へ収録した楽曲の魅力について聞かせてください。タイトル曲にもなった『Before Christ』は、男性目線で書いた恋愛ソングだそうですね。

  そうなんです。男性目線で書いた恋愛ソングは、わたしも初めてになります。わたし自身、自然が大好きな人。だから、聴いていて気持ちよくなれる曲調の恋愛ソングを作りたかったんですね。なぜ男性目線にしたのかは、これまでずっと女性目線で書いてきたことから、ちょっと視点を変えてみるのも面白いんじゃないかというのが理由です。


――確かに『Before Christ』は、スケール感のある楽曲ですよね。

 サビであえてテンポをゆっくりにするなど、壮大さを心がける演出もいろいろと施しています。正直、自分の頭の中にある理想像を具現化していくのは難しいですけど。それが上手くいったときの手応えがすごくあるように、そこが曲作りの楽しさですよね。実際にアレンジャーさんと曲を煮詰めていく中でも、お互いに妥協することなく、「ここは違うな」「ここをこうしたい」という意見を述べ合って、お互いに話し合いを重ねながら、曲のクオリティをどんどん高めてゆく作業を続けていました。それこそが、"良い楽曲"を作るうえで大切なことですからね。


――それを求めていける環境があるって素敵ですよね。

  たとえ一度完成をしても、そこを新たな起点に、どれだけ創意工夫を重ねていけるのか。それが、本当に良い作品を作るうえで大切なことであれば、それこそがクリエイティブな作業だとわたしは思っているからこそ、そこを何よりも大切にしています。その結果として、聴いてくださった方々に「いいね」「いつも寝る前に聴いてるよ」など嬉しい言葉をたくさんいただくたびに、「妥協せずにやって良かったな」といつも思わされています。


――とはいえ、1から作るのと0から作るのでは、熱量の注ぎ方がぜんぜん異なりますよね。

  違いますね。確かに、何もないところから生み出すのは大変な作業です。そういうときにこそ、いろんな人の経験って、いい発想のきっかけになるんですよね。自分の体験はもちろんですけど、わたしは友達の恋愛相談も含め、いろんな人生の悩みを聞くことも多いから、そこで感じた思いを、わたしの楽曲に反映もしています。実際にこの間も、恋愛の相談話を友達から聞いていましたけど。そのときにも、「もしかしたら、その体験がわたしの曲になっているかも知れないよ。そんときはごめんね」と言いましたし、友達もそういうのをわかったうえで話してくれたりもしていますからね。要は、どういう題材をきっかけに、それを再現するのかではなく、どう新たな内容に料理していくかだと思います。


――2曲目には、『bitter chocolate』を収録。こちらは、バレンタインの歌ですか?

  『bitter chocolate』は、その名前の通りチョコレートを題材に歌にしています。この曲では、今まで以上にポップな楽曲にしようと作り始めました。最初に口笛から始まるところにも、「今までとは表情の異なる歌を作りたい」思いが反映しています。
  チョコレートを題材にしようと思ったきっかけは、この曲の発想を思いついたのが2月だったからです。2月のイベント事といえば、バレンタイン。シーズン曲を作るのもいいなと思ったことも、バレンタインやチョコレートにまつわる恋愛ソングが生まれたきっかけになりました。曲調は洋楽風に。そのうえで、ドライブをしながら聴くと心地好く運転できる楽曲にも仕上げています。


――亜美瑠さん自身、やはりシーズン曲は…。

  あるといいですよね。そのほうが曲のイメージも沸きやすいし、受け取る方々も、「今の季節なら、やっぱりこの曲を聞きたいよね」となりますからね。


――3曲目に収録したのが、『Nameless』ですね。

  この楽曲は、『Before Christ』や『bitter chocolate』とはガラッと雰囲気を変えた、シックな感じの大人っぽい楽曲になりました。わたし自身、大人の香りの似合う曲も歌っていきたいからこそ、こういう楽曲もほしくて書いた背景もありました。
  わたし、ハイトーンを生かした歌い方が得意だし、ハイトーンの生きる歌声でもあるから、よくそこを評価もしていただくんですけど。『Nameless』では、シックな曲調という理由もあって、エッジヴォイスを取り入れるなど、楽曲の表情にあわせて歌声も変えています。


――でも、曲に合わせて歌声を変えることは…。

  いつもやっていることですね(笑)。


――作品を発表するごとに曲調にも幅広さが出ています。今は、まだまだ自分の活きる歌声や、どう声を活かした歌い方を探っているかの段階なのでしょうか?

  自分にはどういう方向性の楽曲が似合うのか、どういう楽曲を軸に据えていけば良いのか、今はまだそれを探っている時期です。たとえば、西野カナさんなら"王道恋愛曲"と言われるように、わたしも、何時かは明確なイメージを打ち出していくべきなのか…。そこも含めて、まだまだ探っている段階です。
  わたし自身、ファッションブランドを立ち上げているのもあって、ファッションデザイナーのヨージヤマモトさんのおっしゃった、「何でもいい、若い頃は、とにかく服を作れ。次々と服を生み出し続けろ」という言葉が好きなんですね。お仕事をしていくうえで、何事もそう。今は、チャンスがあるならいろんな可能性に手を染め、そこで自分に似合うセンスをチョイスしていけばいい。そのためにも、今は、その選択肢を広げてゆく活動をしています。
 

スナップ

 

リリイベは発売日当日まで続きますし、無料で見れますので、近くで開催するときは、ぜひ足を運んでください。


――今は、ライブ活動も…。

  コンスタントに行っています。いつかは、定期公演という形でもやってみたいなという思いもありますけど。とにかく今は、いろんな人たちの前で歌い続けられる環境作りを積極的に行っているところです。今はどうしても、神戸を軸に、関西や東京方面が中心にはなっていますけど。ときどき他の地域に足を運んでもいるように、今後はもっと積極的にいろんな地域に足を運んで歌いたいし、そういう行動こそがとても大事だと思っています。


――改めて、完成した1stシングル『Before Christ』についての思いを聞かせてください。

プレデビューミニアルバムの『keep singing』は、すべてを手作りで制作しました。そこには、すべての工程を自分で体験したいという理由もあってのことでした。だからジャケット写真のデザインや印刷はもちろん、CDケースもAmazonで仕入れては、わたしとマネージャーの2人でジャケットを差し込み、封をしてという作業を全部やりました。だからこそ、1枚の作品を作ることの大変さと大切さも改めて実感できたなと思っています。その経験を踏まえたからこそ、今回は、レーベルさんのお力も借りて、初の全国流通という形を取りました。
  今回、レーベルの方にMVも制作していただきました。『keep singing』でもMVを作りましたけど。あのときは、友達に撮影を依頼し、たった2人だけで撮影をして作りあげたMVだったから、本当に手作り感を持った環境で制作をしていたんですね。でも今回は、しっかりとした撮影隊の方が制作を行い、ロケ地も3か所ほど巡って撮影をするなど、本格的な環境で撮影できたことも嬉しかったことでした。


――いろんな利便性を求めるよりも、まずは、すべての作業を自分で担うことが、亜美瑠さんには大切だったんですね。

  そこなんですよ。物事を始めるうえで、たとえ誰かに任せれば出来る環境があろうとも、わたしは土台をすっぽかして先に進みたくはありませんでした。理由は、簡単なこと。土台をすっぽかしてグラグラとしたまま経験を重ねても、土台がしっかりしていないと、結局は足元から崩れてしまうからです。だからこそわたしは、何もないゼロの状態から少しずつ土台を踏み固めていきたかったし、そこで生まれる苦しさや大変さも身に染みつけたうえで、長く活動をしていきたいと思ったからこそ、その道を取りました。
  結果的に、それがみずから会社を設立する形にまで発展。会社に関しては、今年3月に設立したばかりのように、こちらも、今から少しずつ土台を踏み固めていくことをやっていきます。シンガー・経営、どちらの活動も、しっかりと土台を踏み固めたうえで、着実に経験や成長を積み重ねていくつもりです。


――さすが、しっかりしていますよね。

  少し余談にはなりますが、わたしが参考にさせていただいているのが、SKY-Hiさんの活動です。アーティスト活動を行いながらも、会社もしっかりと運営している。まさに、わたしが理想とするロールモデルがそこにはあるからこそ、その進め方を参考に、わたしなりのやり方を模索しながら進めています。


――これから、どんな風に発展してしていくのか、そこは楽しみにしています。最後に、近況関係をお願いします。

  ちょうど今、6月13日に発売する1stシングル『Before Christ』の発売に向けたリリーイベントを各地で行っています。リリイベは、発売日当日まで続きますし、無料で見れますので、近くで開催するときは、ぜひ足を運んでください。もちろん、ライブ活動も平行して行っています。とにかく今は、リリースに向けて全ての力を注いでいますから、ぜひ応援よろしくお願いします。
 

アー写

 

TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>

JKT
山崎亜美瑠
1st Single
「Before Christ」

【収録曲】
1.Before Christ
2.Bitter chocolate
3.Nameless

 

All songs written by 山崎亜美瑠
Produced by 近藤薫

発売日:2023.6.13
金額:1,300円(税別)
Label:miuzic Entertainment

【MV】Before Christ / 山崎亜美瑠
https://www.youtube.com/watch?v=KtYY-SNK2Kg
 

JKT
山崎亜美瑠 プレデビューミニアルバム『keep singing』
発売日:2022年10月10日
発売元:自主制作 
【収録情報】
■CD
1keep singing
2Loved one
3Tokyo
4カウントダウン(Acoustic)

完売のため、サブスク(ならびにYouTube(keep singingのみ)での視聴をお願いします。
サブスクは全曲試聴可能です。

山崎亜美瑠 - keep singing (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=pdg--ZmmFJk
 

5月14日(日曜日)
主催ライブ:LIVE Harmony.2 with 麻倉ゆわ(ROSARIO+CROSS)
会場:SOUNDNOTE OSAKA
6月3日(土曜日)
ゲスト出演:アコースティックライブ
会場:サンポール荒川小ホール
5月20・21・28日 6月10・11・12・13日
「Before Christ」リリースイベント
会場:タワーレコード京都店・神戸店、HMV三ノ宮オーパ店など
 

[公式ファンクラブ]
https://amiruyamasaki7official.bitfan.id

[SNS]
https://lit.link/amiru7?fbclid=PAAaaeSSaHs07bS2owoKADwgELrtyoKNDKJK1yP1X8-sA5-KA7Hg4xUtak7to

miuzic Entertainment
https://twitter.com/miuzic_info

 

アー写

 

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