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音楽の世界を離れたことで、改めて自分にとって音楽の存在がどれだけ大切だったのかに気付くことが出来ました。 山崎亜美瑠 インタビュー・1
先に、レーベルのHPに記載してあるプロフィールを引用して、彼女の紹介をしたい。
「2018年にNMB48ドラフト3期生として加入。2019年にAKB48グループ歌唱力No.1決定戦にて準優勝。2021年にユニット「Nona Diamonds」としてCDデビューを果たす。2022年4月にNMB48を卒業し、7月にソロアーティストとして活動開始。同年10月にリリースした自主制作のプレデビューミニアルバム「keep singing」が、1ヶ月でSOLDOUT。活動の場を広げるべく2023年1月「miuzic Entertainment」とレーベル契約を結び、2023年6月13日には近藤薫プロデュースにて1st Single『Before Christ』をリリースする」(https://miuzic.jp/artist/yamasaki-amiru/)
今年3月には、みずから代表取締役社長を努める会社「株式会社 Lapis Enterteinment KOBE」を設立。アーティスト/経営者、2つの道を持って活動を始めた山崎亜美瑠に、今の気持ちを伺った。
「離れて、初めてその大切さに気付く」の言葉通りで、小っちゃいときから音楽一家で育ってきた環境もあり、わたし自身、音楽は切っても切り離せない存在だと改めて感じました。
――今年3月に、みずから代表取締役社長を努める会社「株式会社 Lapis Enterteinment KOBE」を設立。以前から、その構想はあったのでしょうか?
いえ、まったく想定はしていませんでした。NMB48を卒業したあと、わたしは一般企業に就職しようとの思いから就職活動をしていました。でも、音楽の世界を離れたことで、改めて自分にとって音楽の存在がどれだけ大切だったのかに気付くことが出来ました。そこから、最初は何処にも所属することなくフリーランスとして活動を始めました。そのうえで、いろんな企業さんともお仕事を進めてゆく中、会社という形があったほうが仕事内容の信頼や幅も広がることに気づき、そこで「みずから会社を立ち上げよう」と、今年3月に起業しました。
――NMB48の卒業を決めた頃には、もう芸能活動を離れようと思っていたわけですね。
正直、その気持ちもありました。でも、「離れて、初めその大切さに気付く」の言葉通りで、小っちゃいときから音楽一家で育ってきた環境もあり、わたし自身、音楽は切っても切り離せない存在だと改めて感じました。
――NMB48の卒業後は、実際に就職活動もしていたんですね。
短い期間でしたけど、動いていました。ただ、実際に就職活動を始めたからこそ、そこに違和感を覚えたと言いますか、「自分が本当にやりたいことは音楽だ」と気付けば、「それをやらずにいて本当に後悔はないのか」という思いが頭の中を巡り始め、あらためて「自分が本当にやりたいことをやろう」と決め、今の道へ進みだしました。
――まわりの人たちも、卒業後も音楽活動をしてゆくことを求めていませんでした?
ありましたね。卒業後、動くことがなかったことから、ファンの人たちからは、もちろん。いろんな関係者の方々からも「もう歌わないの?」と、たくさん言われました。
――ふたたび音楽活動を始めたのは、亜美瑠さんにとっても最適な道でしたね。でも、普通なら、ふたたびどこかへ所属という形を取ることが多い中、みずから起業へと動いたところがすごいですよね。
フリーランスとして活動を始めた当初は、事務所への所属や、レーベルさんとの提携も考えましたけど。いくらグループを通した経験があったとは言っても、山崎亜美瑠自身としての活動はこれから実績を重ねてゆく形だったように、実質は"ゼロ"じゃないですか。何より、わたし自身が、どれだけ自分が可能性を秘めているのか、それを自分で実戦しながらつかんでいきたかったんですね。それに、未熟な姿のままで右も左もわからずに動くよりは、自分の活動のすべてをみずからハンドリングしたほうが、自分のことも深く理解していける。もし、将来、どこかへお世話になるとしても、まずは自分の力で出来る限りのことをやってから考えようと思い、一人でスタートを切りました。その活動の中、今のわたしの活動をサポートしている今のマネージャーとも出会ったわけですけど。一人で頑張っていく中、所属よりも、起業のほうが、自分らしさを求めていけることから、結果的に今の形に繋がりました。
――みずから、経験を重ねてという意識が大切だったんでしょうね。
それが、大きかったと思います。実際に、卒業前と卒業後ではtwitterのフォロワー数が減るなど、目に見える形でも環境の変化は実感していましたし、それは、わたし自身も、活動を始めるときから想定していたことでした。でも、卒業後もずっと応援してくださる方々が。それこそ、まだフリーランスとして活動を始める前の時期でも、ずっと熱心に応援し続けてくださる方々も大勢いました。その気持ちが本当に嬉しかったし、その思いにわたしも応えたくて、新たに一人で踏み出したところも当時はありました。
わたしは、「聴いた人が共感しやすい歌」が大切だと思っています。中でも"恋愛"は、誰もが経験をすることですからね。
――一人で活動を始めた頃の心境も聞かせてください。
わたし自身は、シンガーソングライターとして活動しようと決め、その形を持ってスタートを切りました。だから、始めたばかりの頃は元アイドルという肩書をなるべく見せないようにしていたし、実際に「山崎亜美瑠はアイドルではなく、シンガーなんだよ」という姿を全面に出してアピールもしていました。でも、一人で活動を続けていく中、これも離れて気付いたことですが、元アイドルだからこそ、元NMB48だからこそ繋がるお仕事や出来るパフォーマンスがあるし、それにより応援してくださる方々がいることを改めて実感しました。そこからは、元アイドルという肩書も魅力にしながら自分を生かしてゆく意識や考え方に変わりました。
――昨年10月にリリースした自主制作のプレデビューミニアルバム『keep singing』を出した頃は、まだ一人で活動をしていた時期でしたよね。
正確にいうと、今のマネージャーが協力はしていましたけど。まだ一人ですべての活動を担っている頃でした。あの頃は、CD盤の梱包や発送まで、マネージャーの力も借りながら全部の作業をやっていました。それもあって、今回、「miuzic Entertainment」とレーベル契約を結んだことで、改めて協力してくださる方々の存在の大切さにも気付くことができ、感謝もしています。
――亜美瑠さんは、シンガーソングライターというスタンスを取っているように、作詞・作曲にも強いこだわりを持っていますよね。
そこのこだわりは強く持っています。わたしが、最初にシンガーと名乗って活動を始めたのも、自分で作詞・作曲をした楽曲を歌っていきたい思いがあったからでした。実際に制作面に置いても、歌詞やメロディーラインの運びなど、いろんな譲れないこだわりはあります。ただし、編曲に関してはアレンジャーさんにお願いもしているように、いろんな方々のアイデアを上手く取り入れながら、自分が理想としている形以上にブラッシュアップされてゆくことを楽しんでいます。みずからの楽曲をより良くしていく面では、そこは貪欲に、いろんな方々のアイデアを取り入れていきたいなと思っています。
――実際に、プレデビューミニアルバム『keep singing』と1stシングル『Before Christ』に収録した曲たちを聴き比べても、どんどん曲調の幅を広げていますよね。
そうなっています。でも、同時に共通する面もあります。わたしは、「聴いた人が共感しやすい歌」が大切だと思っています。中でも"恋愛"は、誰もが経験すること。わたしは、「恋愛ソングを書いていきたい」というのが、楽曲を作ってゆくうえでの軸にあります。同時に、わたしの最初の作品にもなった『keep singing』のように、わたし自身の感じている思いも、しっかりと伝えていきたい。もちろん恋愛ソングという形を取りながら、そこへわたし自身の意志や思いを投影して作ることもあります。恋愛ソングという形の中でも、最近ではスモーキーな大人の恋愛を歌うなど、その中でもいろんな表現の幅を広げています。
嬉しかったのが、『keep singing』を出したときの、みなさんからのリアクション。わたしが歌詞に詰め込んだ思いを理解し、応援の声を返してくださる方々が多かったのも嬉しい自信になりました。
――ライブでは、アコースティックギターでの弾き語りもやっていますよね。
アコースティックギター自体は中学生の頃から弾いていたから、弾き語りも好きなんですけど。ただ、誰に習うこともなくずっと独学でやってきたから、弾き語りに関してはもっともっと勉強したい気持ちでいます。実際にライブでも、今はオケを中心にしながら。イベントによっては、その中へ弾き語りも加えながら表現もしています。
わたし自身が神戸出身であり、この神戸を起点に発信しながら、地元・神戸のエンターテイメント事業も広げてゆく一助になりたい気持ちが強いこともあって、神戸を活動の拠点に選びました。
――今では、当たり前に全国各地のライブハウスの方々と直接やりとりをしながら、スケジュールも組んでいます。でも、始めたばかりの頃は、ライブのブッキング一つだって、けっこう戸惑いはありませんでした?
わたしは今も、神戸を拠点に活動をしています。今でこそ、関西のみならず、全国各地いろんなところでライブ活動をしていますけど。最初に関西でライブ活動を始めようと思ったときは、「どこが自分の表現したいスタイルに合うのか」から探し始めれば、ネットでの検索はもちろん、実際にライブハウスに足を運び、自分が求める表現の雰囲気に合うのかまで確かめ、そのうえで、店長さんやブッキング担当の方に、「わたしは、こういう経験をしてきました。でも、今からはこういう活動をしていきたいので」とあれこれ説明しました。わたしの姿勢を理解していただいたうえでブッキングをという経験を重ねてきました。
今でこそ、マネージャーにブッキング面ではサポートしてもらっていますが、みずから動くことで、今まで以上に多くのライブ活動をしていけるようになったのは、すごく嬉しいことだと受け止めています。
――神戸に会社を設立したように、活動の拠点は神戸になるわけですよね。同じ関西でも、大阪ではなかったんですね。
一番は、わたし自身が神戸出身であり、この神戸を起点に発信しながら、地元・神戸のエンターテイメント事業を広げてゆく一助になりたい気持ちが強いこともあって、神戸を活動の拠点として選びました。もちろん神戸でも、いろんな方々がエンターテイメント分野でも発信や活動をしていますけど。もっともっと神戸に於けるエンターテイメント分野での活動が盛り上がっていける可能性を肌で感じていることも大きいです。それに大阪は、すでにたくさんのエンターテイメントを手がけていらっしゃる方々がいますから、そこへ飛び込むよりは、やっぱり、地元を軸に可能性を広げていきたい気持ちも強くありました。
――実際に神戸では、いろんな新規事業も立ち上げていると聞きました。
まさに今、準備中ですけど。元アイドルだからこその経験を生かし、今、メイドアイドルとスクールアイドル、2つのグループのオーディションや、育成、活動プロデュースという形で動きだしています。メイドアイドルに関しては、神戸にはメイド喫茶がないことから、わたしがメイド喫茶事業も立ち上げて始めようと、今、準備もしています。
――まさかの、メイド喫茶の立ち上げとは…。
誰も神戸ではやってないからこそ、そこは狙い目かなと思っています。そこに目をつけたきっかけが、静岡を拠点にしている「miuzic Entertainment」とレーベル契約を結んだとき、そこのレーベルの方が、静岡市にあるメイドカフェ「エリカ・スパルサ」と提携。Nine chocolatesというメイドさんたちによるグループを立ち上げ、アイドル活動をサポートし、1st CD「ミラクルカラフルグローリー」がオリコンデイリーチャート7位を獲得するなど実績を上げていますし、実際に静岡市では盛り上がりを見せています。それをロールモデルにもしながら、神戸でも、メイド喫茶事業という新しい風を起こそうと、まさに今、開店のための準備を進めているところです。
――神戸にメイド喫茶が誕生した際には、みずからもメイドになって店舗に立つこともあるのでしょうか?
基本は、経営者としての立場なので裏方に専念しますけど。もともとアイドル活動をやっていましたし、ファンの方々と直接お話をすることの楽しさや大切さをわたしもわかっていますから、特別なイベントがあるときは、わたしも出勤するかも知れません。ただ、わたし自身メイド経験は一度もないから、実際にやるとなったらドキドキしちゃいそうですけど(笑)。
今、わたしがもっと力を入れなきゃと思っているのが、SNSの生かし方。
――みずからの音楽活動と、会社としての様々なプロデュース事業。いろんな活動が本格化していくと、スケジュールのやり繰りが大変になっていくんじゃないですか。
すでに大変にはなっていますし、たまにパンクしそうにもなります。もちろん、会社をビジネスとして動かしていく大切さや大変さもありますけど。自分のクリエイティブな面もしっかり生かしていきたいからこそ、今は個人の音楽活動や、会社としてのプロデュース活動の面でも、クリエイティブな面はわたしが担い。様々な企業さんとの細かい事業面でのやりとりや、わたしのスケジュール管理、経理的な面は、マネージャーにお願いをしてと、そこは上手く分担をしながら進めています。
今回、1stシングルの『Before Christ』を「miuzic Entertainment」さんを通してリリースするわけですが、改めて、ミックスやマスタリングの面までお世話になれたことで、わたし自身も音楽のクリエイティブな面でいろんな発見が出来たのは嬉しい刺激になりました。何より、全国各地でのリリースイベントなど、わたしの音楽を、より多くの方々へ伝えていける環境を整えてくださった面でも、そこは、同じ志を持った方々とご一緒してゆくメリットだとも実感しています。
――「miuzic Entertainment」さんとの出会いも気になります。
もともとは、うちのマネージャーが、「miuzic Entertainment」さんが静岡でプロデュースしているアイドルグループのROSARIO+CROSSさんのスタッフの方々と知り合ったことがきっかけでした。もうちょっと具体的にいうと、お仕事でお邪魔したイベントで、うちのマネージャーがROSARIO+CROSSさんのことを気になり、それで楽屋裏でROSARIO+CROSSさんのスタッフの方に声をかけたことがきっかけなんですね。そこで、いろんなお話をしていた中、一緒に楽しいことをやりましょうと盛り上がり、先方のスタッフさんが、「一度、うちの代表と話をしてみないか」と言ってくださり、それでマネージャーと近藤(薫)さんがお会いし、お話をしたのがきっかけです。
うちのマネージャーの熱意に近藤さんが共鳴し、「協力できることがあるなら」というお話になり。そのうえでわたしも、近藤さんとお話をし、互いに強く共鳴しあったことが、今回のリリースに繋がりました。近藤さんも、もともとメジャーで活動していたバンドの方。そういう面でも、わたしの思いを理解してくださりやすかったのも良かったです。
――先にも言ってましたけど、アーティスト活動と会社の代表としての活動の二本立てで動いているわけですけど。2つの事業とも共通する面もあるのかも知れませんが、基本、頭の使い方は違いますよね。
違います。だけど、それが刺激的でもありますからね。実際に今、わたしがもっと力を入れなきゃと思っているのが、SNSの生かし方。会社の認知度をアップしてゆくうえでもそうだし、自分の楽曲をどう広めてゆくかという面でも、Tik TokやYouTubeをいかに有効的に活用していくかが、今のわたしの課題になっているところです。
――今は、Tik Tokでバズることを狙って数十秒だけの曲を作る人たちも当たり前にいる時代ですからね。
そうなんですよね。しかもTik Tokの世界では、「頭の数秒のインパクトが大事。そこで聴いた人の興味や関心を得られるかにかかっている」と言われています。理屈ではわかっていても、それを実際に形にするのは本当に難しい。そこは経験を重ねながらコツをつかんでいくことかなとも思っているから、これから研究を重ねていこうと思っています。
(2回目へ続く)
TEXT:長澤智典
<インフォメーション>
山崎亜美瑠1st Single
「Before Christ」
【収録曲】
1.Before Christ
2.Bitter chocolate
3.Nameless
All songs written by 山崎亜美瑠
Produced by 近藤薫
発売日:2023.6.13
金額:1,300円(税別)
Label:miuzic Entertainment
【MV】Before Christ / 山崎亜美瑠
https://www.youtube.com/watch?v=KtYY-SNK2Kg
発売日:2022年10月10日
発売元:自主制作
【収録情報】
■CD
1keep singing
2Loved one
3Tokyo
4カウントダウン(Acoustic)
完売のため、サブスク(ならびにYouTube(keep singingのみ)での視聴をお願いします。
サブスクは全曲試聴可能です。
山崎亜美瑠 - keep singing (MV)
https://www.youtube.com/watch?v=pdg--ZmmFJk
5月14日(日曜日)
主催ライブ:LIVE Harmony.2 with 麻倉ゆわ(ROSARIO+CROSS)
会場:SOUNDNOTE OSAKA
6月3日(土曜日)
ゲスト出演:アコースティックライブ
会場:サンポール荒川小ホール
5月20・21・28日 6月10・11・12・13日
「Before Christ」リリースイベント
会場:タワーレコード京都店・神戸店、HMV三ノ宮オーパ店など
[公式ファンクラブ]
https://amiruyamasaki7official.bitfan.id
[SNS]
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