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2021.08.02
may in film

may in film×白井將人(プロデューサー)対談インタビュー Vol.2

「スターゲイザー」は、メンバー全員の歌声を活かせる部分が入っているように、全員の個性を見せていける楽曲。そういう曲で活動のスタートを切れたのも嬉しかった。

  Halo at 四畳半の白井將人プロデュースのもと、7月3日のデビュー単独公演を通し本格的に始動したmay in film。冬野ななせ・伊波すい・小槙しゅか・成瀬まいの4人が描き出すのは、胸をくすぐる疾走したロックナンバー。気持ちの内に渦巻くネガティブな感情を認めながらも、光へ手を伸ばそうとする詩世界が多いこともmay in filmの楽曲の特徴だ。
  今回、may in filmのメンバーとプロデューサーの白井將人が対談。三回に渡り、その模様をお届けしたい。第ニ回目は、メンバーのキャラクターや楽曲にスポットを当てて紹介しよう。

インタビューVol.1はこちら


may in filmの歌は、自分の気持ちに当てはめやすい歌ばかりです。


――may in filmの楽曲は、「スターゲイザー」をHalo at 四畳半の渡井翔汰さんが。「前髪」を魔法少女になり隊の方々が手がけているように、バンド関係の方々が楽曲提供をしています。そこは、白井さんの狙いとしてあったことなのでしょうか?

白井將人  これは、僕自身がプロデューサーとして掲げている裏テーマでもあるんですけど。僕はHalo at 四畳半として活動をしてきた中、立ちたかったけど辿り着けなかったステージがあります。僕は、自分の叶えたかった夢をmay in filmに託している面も正直ありますけど。だからと言って、女性版のHalo at 四畳半を作りたいわけではないです。
  最初にHalo at 四畳半として一緒に活動してきた渡井に楽曲をお願いしたのは、今でも俺は渡井の作る楽曲の高いポテンシャルを信じている。何より、渡井の楽曲をもっともっと多くの人たちに広めたい気持ちがあったので、アイドルグループをプロデュースすると決めたときから、渡井に曲を書いてもらおうと決めていました。
  そのうえで、「他の曲たちをどうようか」「自分にしかできないことって何だろう」と考えてゆく中、自分がバンド活動をしていく中で出会った多くの才能あふれる仲間たちの音楽を、僕の手を通して少しでも広めるお手伝いをしていきたい。そう、強く思うようになりました。そこから、僕自身が深く関わりを持ってきた仲間たちの曲の魅力をmay in filmを通して伝えようと決めたし、それが、自分がプロデューサーとして活動してゆくうえでの裏テーマとして掲げたことでもありました。

――メンバーは、may in filmの楽曲についてどんな印象を抱いてます?may in filmのデビュー曲「スターゲイザー」の印象も含め、教えてください。

伊波すい  わたし、もともとバンドサウンドを軸に据えた音楽性でアイドル活動をしたかったので、白井さんの掲げたプロデューサーとしての指針は大賛成です。むしろ、白井さんの繋がりで生まれる、いろんな方々の楽曲を歌わせていただけている今が、とても楽しいです。ロックバンドの方が楽曲を提供と言っても、誰か特定の方に偏るのではなく、いろんな人たちの曲を歌えるところもわたしは好きです。

冬野ななせ  「スターゲイザー」を初めて聴いたとき、すっごいニヤニヤしてたよね。

伊波すい  「すごく好き!!」ってなりました。「スターゲイザー」を歌えることがすっごく嬉しかったです。

小槙しゅか  すいちゃんも言ってたように、同じロックでも、その中で幅広く歌えることがこのグループの強みだとはわたしも感じています。それに、このメンバーは一人一人の個性や系統も違うから、その人の個性を活かせる曲をいろいろ歌っていけることも強みになっていくなと感じてます。
   うちの両親、音楽好きなんですね。とくに、お父さんはバンド系の音楽が好きだから、よく家族会議を開いては、may in filmとしていただいた楽曲をみんなで聞くんですけど。お父さんは楽器を演奏できる人だから「このドラムは、どうのこうの」「ここのリズムはどうたら」とめっちゃ言ってくるんで、あんましわたしの参考にはならないんです(笑)。その変わり、お母さんが「この曲は何々系だね」「この歌、めっちゃ耳に残るね」と言ってくれるように、お母さんの意見はよく参考にしています。
  may in filmの場合、「この曲は誰々の声が一番合ってるね」ということがよくあるんですけど。「スターゲイザー」は、メンバー全員の歌声を活かせる部分が多く入っているように、全員の個性を見せていける楽曲。そういう曲で活動のスタートを切れたのも嬉しかったです。

成瀬まい  わたし、それまでアイドルの歌しか聴いてこなかったから、バンドの音楽と言われてもぜんぜんわからなかったんですね。白井さんが持ってくる楽曲を通してわたしがいつも感じているのは、「メッセージ性の強い歌が多いな」という印象でした。どの曲にもいろんな想いが書いてあるんですけど。でも、どの歌の根底にも共通してあるのが「人生についての想いを語っている」こと。
  それまでのわたしは、自分が誰かのために歌う曲は苦手というか、そういう姿を想像することができなかったんですね。だけど、may in filmの楽曲へ触れるたびに「こういう想いの解釈があるんだ」「この表現すごいな、それをどう伝えよう」と考えるようになりました。

小槙しゅか  まいちゃんは、新曲をいただくたびに「ここの歌詞はこういう感情で」とか「これは、こういう想いの歌。だから、この歌詞でこう言ってるんです」というのをメンバーに教えてくれるから、 私たちも、まいちゃんの説明を聞くたびに「おーっ、そういうことかぁ」と納得しながら歌ってます。

成瀬まい  デビュー曲の「スターゲイザー」もそうですけど。may in filmの歌は、自分の気持ちに当てはめやすい歌ばかりです。しかも、いろんな方が楽曲を作ってくださるから、いろんな自分になれるというか、それまでの自分が経験してきた気持ちに重なるだけではなく、知らなかった自分にもなれる。わたしではない自分になれる楽しさや嬉しさもいろんな楽曲を通して感じています。そのぶん、表現の振り幅も大きくなるから、それを自分のものにしてかなきゃいけないように、求められるレベルが高くなっていくのも感じています。

冬野ななせ 世の中にあふれてる歌って割と恋愛系の内容が多ければ、アイドルソングだと、学校を舞台にした歌もあるじゃないですか。もちろん、その気持ちを理解できないわけじゃないけど。どっちかといえば、そういうのは自分の素からは遠い存在の出来事なんです。でもmay in filmの楽曲は、どれも自分の気持ちに近いというか、「自分のことを歌にしている」曲ばかり。もちろん、ファンのみなさんや、ライブに触れた人たちに向けて歌いますけど。自分のためにも歌える曲が、今のmay in filmには並んでいます。
   この間、白井さんが「may in filmの歌は、メンバーそれぞれが自分の気持ちと対峙するような内容が多い。だから、誰かのために歌うのもいいけど、自分自身のために歌ってほしい」と言ってたんですね。その言葉が、すごく嬉しく心に刺さりました。
  「スターゲイザー」に関しては、デモ音源の時点で渡井さんが歌っていたように、もう渡井さんの色が濃く出ていました。それを自分たちの歌い方に落とし込んで歌ってこそmay in filmになるわけじゃないですか。正直、渡井さんの歌い方に感化された面もありましたけど。いかに自分らの色を出してゆくかを求めるのにいろいろ試行錯誤してゆく楽曲だったとも、お伝えしておきます。

白井將人  楽曲を発注する際にどのバンドマンにも言ってたのが、「歌詞のベースはネガティブな感情であってほしい」ということでした。というのも、このメンバーと話していく中で強く感じるのが、苦悩を抱えていたり、挫折を経験し、それを乗り越え新しい自分になろうとしていたり。何より、自分の弱さをわかったうえで夢をつかもうとしている子たちばかりということでした。だったら、その意識を楽曲にも落とし込みたいと思ったし、そういう曲たちを、リアルに感じてきた4人が歌ったときにこそ生きると思ったから、そこを大事に曲たちをいろんな仲間たちへ発注しました。

冬野ななせ  どれも気持ちに重なるから、とても歌いやすいです。


もっともっとライブをやりたいです。


――may in filmは、7月よりライブ活動をスタート。8月以降は、さらにライブ本数を増やした活動に入ります。 

冬野ななせ  まだまだ本数は少ないです。もっともっとライブをやりたいです。

白井將人 メンバーから、そうやって直接意見や要望をもらうことはめちゃくちゃ多いです。気になったことについて「これ、どうなんですか?」と素直に聴いてくれるぶん、自分としてはすごくありがたいというか。プロデューサーが与えたことをこなすグループではなく、メンバーみんなでディスカッションをしながら進めてゆく。その関係性を持って今進めていられているからこそ、それもまた嬉しいモチベーションになりますよね。

小槙しゅか メンバーそれぞれ「こうなりたい」という明確な目標があるので、そこで想いと異なることが出てくると「それをやることって、どうなんですか?」「それには、どういう想いや狙いかあるんですか?」と聴いてしまいます。そういう話は、メンバー内でもけっこうしています。

――4人で顔を合わせるたびに、may in filmの未来についてディスカッションしていくわけだ。

小槙しゅか  いえ、4人ではそんな話さないよね。

――えっ??

伊波すい  みんな、個別で話してるというか、レッスンやお仕事の行き帰りで一緒になったときにそういう話を熱くするように、みんなが…ではなく、個々に誰かと一緒になったとき、そういう話はよくしています。

白井將人  これは、僕も含めての話になりますけど。最初は「こうだ」と思っていたことも、活動をしていく中「こう動かしていきたいな」と方向性を変えてゆくことは、正直あります。それこそ、新曲が生まれ、その曲の表現の仕方についてメンバーと話をしていく中でも、「じゃあ、こうしていこうか」と、最初に求めていたのとは異なる舵取りをしていくことだってあります。むしろ今は、いろんな方向へ踏みだしながらmay in filmらしさを求めている段階なんですよ。

小槙しゅか  白井さんは、いつもメンバーの意見や意志を尊重したうえで、そのときに進むべき進路を決めてくださるから、メンバーみんな、そこは信頼しています。

白井將人  たとえ予定とは変わったとしても、それもすべてメンバーと話しあい、納得したうえで変更しています。むしろ、ディスカッションを重ねることで、よりメンバー一丸となって進むべき道が見えてくるから、今は、それが良いことだと僕は捉えています。

冬野ななせ  よく白井さん自身が、「自分はプロデューサー初心者だから、足りてないことがあったらいろいろ教えてね」「これをやりたいという想いがあったら、いろいろ伝えてね」と言ってくださいます。白井さんはメンバーの意志や意見をとても尊重してくれるように、自分たちの想いをも形にしていきやすい環境。だから今の良い関係ができているんだなと、メンバーみんな思ってます。


(三回目へ続く)

TEXT:長澤智典

 

may

 

<インフォメーション>


8/7(土)
会場 : 六本木BIGHOUSE
ノロシプロダクションpresents「noroshi no noroshi vol.1」
act:may in film/境界線

8/13(金)
会場 : 横浜ランドマークホール
「POP IN FESTIVAL 2021 ~ #PIF2021 お盆横濱編~」

8/30(月)
会場 : 下北沢LIVEHOLIC
"LIVEHOLIC 6th Anniversary series~Dearday~"
act:cana÷biss/NELN/MELiSSA/Leo-Wonder/may in film(O.A)

 



may in film / スターゲイザー(Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=PxXYxnoEJVA

may in film / 前髪(Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=XYT8eWdOfCQ


may in film Web
https://mayinfilm.com/

may in film twitter
https://twitter.com/may_in_film

may in film YouTubeYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCMJtqYQa_n_vIYlw7ZeVi4g
 



冬野ななせ
@nanase_mif

伊波すい
@sui_mif

小槙しゅか
@syuka_mif

成瀬まい
@mai_mif

Producer 白井將人
@shelie_Halo

Sound Producer BIG ISLAND RECORDS
@BIR_Tokyo

 

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