FEATURE
may in filmは「ここで生きる意味」を示しながら、この舞台の上で一緒に咲き誇る花(仲間)たちを求めていた。その花たちが、今夜はこんなにもたくさんフロア中に咲いていた。その花よ、もっともっとたくさん咲き誇れ。may in film ライブレポート!
1月23日(月)、渋谷duo MUSIC EXCHANGEを舞台にmay in filmが行ったのが、バンド演奏でのワンマン公演。バンドサウンドを軸に据えた楽曲を表現し続けてきた彼女たちに一番似合う形だ。「may in film BANDSET ONEMAN LIVE"esola"」と題したこの公演には、以下のメンバーが演奏で参加してくれた。
Gt.倉島大進(明くる夜の羊)
Gt.羽深創太(GIOVANNI)
Ba.関こうすけ(ジラフポット)
Dr.八木優樹(KEYTALK)
ここからは、当日のライブの模様をお伝えしたい。
SEが流れだすのを合図に、観客たちが一斉に立ち上がる。熱いクラップへ呼ばれるように演奏陣が、そしてメンバーたちが舞台へ姿を現した。
「may in film 始めます」の言葉を合図にライブの幕を開けたのが、昨年秋に発表した『eve』。メンバーの冬野ななせが作詞を手がけた楽曲だ。次第に熱を上げ、サビで大きく解き放つ曲の展開へ思いを寄り添えるように、メンバーたちも次第に熱を込めながら歌いだす。とても躍動した、ドラマチックなパフォーマンスだ。弱い自分を認めたうえで、その存在へ強く光を当てるように4人もサビ歌に向けて気持ちを高めながら、ここぞという瞬間で一気に感情をぶつける。強く押し上げるバンドサウンドが4人の気持ちを、観ている側のテンションも上げてゆく。何時しか、彼女たちと一緒に自分を解き放ちたい気持ちに染まっていた。
沸きたい感情を刺激するように、may in filmは「命の限り 今すぐ伝えなくちゃ」と『イノセンス』を力強くエモーショナルに歌っていた。気持ちを押す演奏が刺激になっているのか、メンバーの歌声にも気迫が漲っている。その熱量に観ている側も刺激を受け、ますます気持ちが高ぶりだす。メンバーらと同じ動きをしながら楽しむ大勢の観客たち。この空間に生まれた熱、まだまだ上がっていきそうだ。
激烈な音を上げて駆けだすバンドサウンドへ気持ちを乗せ、4人も沸き立つエモい感情を胸に「諦めない」「逃げ出さない」と『ADVANCE』を熱唱。「ぶっ飛ばして」の歌声では、いつも以上に高く足を蹴り上げていた4人の姿も印象的だった。熱を上げる演奏を力にしながら沸き立つ思いをぶつけるように歌う4人に、大勢の観客たちを飲み込む勢いを覚える。とても強い意志を持った歌声だ。その気持ちが、胸にしっかりと響いてきた。
「ここで私たちは音楽に乗せていろんな気持ちを届けていくので、その気持ちを受け取ってくれると嬉しいです」(小槙しゅか)
「センチメンタルな気持ちになっても変わらず支えてくれると嬉しいです」の言葉を受けて歌いだしたのが、『宝石の命』。胸の内に抱えた輝きたい思いへ、4人は光を降り注ぐように歌っていた。センチメンタルだけどエモーショナルさを抱いた楽曲に乗せ、メンバーたちは胸の内に抱えた揺るがない意志を、ステージの上から観客たちへ向けて響かせていた。彼女たちは「今、センチメンタルに輝く 悲しみを抱いて 磨かれていく宝石」と歌っていた。4人とも、まだまだ磨ききれていないゴツゴツとした表現者たちだ。でも、少しずつ鈍い光を放つように成長してきた様が、『宝石の命』を歌っている4人の姿と重なって見えてきた。
ガツーンとしたギターの音がフロア中に鳴り響く。轟音を上げて走り出した楽曲に刺激を受け、場内中から熱いクラップが鳴りだす。高まる熱を大きく膨らませるように、彼女たちは『ロストシティ』歌いだした。挑むような気迫と勢いを胸に観客たちを煽るメンバーたち。その熱に刺激を受け、フロア中からさらに熱いクラップが鳴り響く。一人一人の歌声が、4人の重なりあった歌の迫力が、気持ちを熱く騒がせる。いや、感情を奮い立たせていた。その気迫が、胸に熱い。
たおやかなギターの音色が流れだす。切々としたピアノや弦楽の音が重なり、楽曲は哀愁を帯びたノスタルジックな世界へと色を変えてゆく。4人は『泡沫』に記した弱い心が叫ぶ痛みや嘆きを、舞台の上で舞い踊りながら伝えてきた。一人一人が歌の世界へ身を捧げ、惑う気持ちをぶつけるように歌っていた。モノクロな感情へ、4人は必死に色を与えてゆく。それこそが、この気持ちを塗り替えてゆく術だとでも言うように。胸の内から込み上げる思いを4人は絶唱していた。その姿から、ずっと視線を離したくなかった。
その身から光を解き放つように、4人はmay in filmの始まりを告げた『スターゲイザー』を歌いだした。秘めた胸の内を零しながら。でも、輝こうとする自分の未来を歌声に乗せ、4人は遠くを見つめながら歌っていた。どの曲でも、そう。彼女たちは物語の主人公に気持ちを寄り添え、生々しい思いのままに伝えてゆく。そこへ強烈な"生"や"熱"を覚えるたびに心が共鳴し、一緒にその思いの行く先を見たくなる。4人の胸に抱えた光が指し示す、その未来を見たくなる。
始まりを告げた、冬野ななせの高らかな歌。その声を伊波すいが受け止め紡いでゆく。『from here』だ。2人のエモーショナルな歌声のやりとりが。そこへ絡む成瀬まいと小槙しゅかの歌声が、楽曲に色鮮やかなグラデーションを与えてゆく。舞台の上を華麗に舞いながら。でも、その歌声には途轍もなく強い意思が漲っていた。激烈で抑揚した歌声に気持ちの奮えた人たちが熱いクラップを巻き起こす。4人の気持ちがどんどんエモく駆けだすたびに演奏にも熱が加わり、楽曲がスケールを増して脹らみだす。内なる声とパワーに包まれ心が熱く奮い立つ。そして…。
新曲『エソラ』の登場だ。駆けだした明るくエモーショナルな演奏に乗せ、メンバーたちも力強く声を張り上げ、胸に抱えた感情を思いきりこの空間に解き放っていた。演奏陣とメンバー4人の感情の波長が重なりながら、気持ちを高ぶらす熱を生み出す。フロア中の人たちが、手が痛くなる勢いでクラップしていた気持ちも、すごくわかる。何故なら、一緒に同じ夢を見たい気持ちに染まっていたんだもの。
「誰にも奪えない光を君と見ていたい」と伊波すいが歌いだすのを合図に、『Blinding Lights』へ。この場に生まれた熱情と熱狂という上昇気流へさらに熱を加えるように、4人は笑みを浮かべ『Blinding Lights』を歌っていた。彼女たち自身が、歌声やその身から人の気持ちを引き寄せるまばゆい輝きを放っていた。その輝きに触れたくて、躍動した演奏と熱くエモい歌声に向けて心の手を伸ばし、ギュッとつかもうとしていた。
「逃げたいときは逃げていいし、見たくないものは見たくないし、生きたいように人生を生きていけたらいいなと思っています。でも、あなたが立ち向かいたいって、戦いたいって思ったときには、僕たちの歌を聞いてください。一緒に立ち向かってみせます。あなたがその手をこちらに伸ばしていてくれる限り、きっとこの歌はあなたに届くと思います。一緒に生きて生きましょう」(冬野ななせ)
最後にmay in filmが奏でたのが、『エンディング・ストーリー』だ。自分たち自身の生きる意味や、ここで歌う理由を確かめるように。自分たちが心に抱えた思いを、同じ気持ちを持った人たちの心へ届けるように、4人はフロア中の人たちに向けて歌っていた。彼女たちは「ここで生きる意味」を示しながら、この舞台の上で一緒に咲き誇る花(仲間)たちを求めていた。その花たちが、今夜はこんなにもたくさんフロア中に咲いていた。その花よ、もっともっとたくさん咲き誇れ!!
バンド演奏に乗せ、メンバーらがふたたび舞台へ。アンコールは、ちょっぴり甘くてポップ、半径10cmくらいの身近さを4人に覚える『前髪』からスタート。舞台の上をぴょんぴょん飛び跳ね歌う姿が愛らしい。自分の意思を強くぶつける姿もmay in filmらしいが、『前髪』で見せた無邪気な乙女然とした姿にも親しみを覚える。フロア中の人たちも大きく手を振り、4人に熱いエールを送っていた気持ちもすごくわかる。
ここで、メンバーらが簡単に思いを述べだした。
「今年の小槙しゅかは、やる気に満ちております。一緒に幸せになってほしいので、一緒にいてくれると嬉しいです」(小槙しゅか)
「音楽の力ってすごいなとわたし自身が感じています。may in filmの音楽が、みんなの支えになっていたら嬉しいなと思います」(成瀬まい)
「音楽で自分を表現するのが好きで、ここに立っているんですけど。人に届けてこそ、音楽だとも思っています。みんなと一緒に、もっともっと大きな夢に向かって音楽を表現していけたらいいなと思っています。may in filmについてきてくれたら嬉しいです」(伊波すい)
「大きなワンマンライブをやらせていただけるのは、いつも支えてくれるみなのおかげです。みんなに何を恩返し出来るんだろうと考えたときに出てきたのが、may in filmがもっともっと大きくなること。その姿をみなさんに見てもらいたと思っているので、これからのmay in filmもよろしくお願いします」(冬野ななせ)
ライブもラストスパートへ。may in filmは『フライバイ』を通し、ふたたびこの空間にキラキラとした夢あふれる世界を描き出した。笑みを浮かべて歌う姿が眩しく見えた。彼女たち自身がこの場で輝くことへ、歌を通して一緒に輝けることに幸せを覚えながら、凛々しい歌声を響かせていた。そして、この場に足を運んだ仲間たちと熱情という絆を結び合っていた。
「眠れない夜を幾つ超えたんだろう 見惚れていた流星」」と冬野ななせが歌えば、彼女の歌う声へ導かれるように他のメンバーたちも力強く歌いだした。may in filmが最後に伝えたのが、『スペクタクル』だ。熱を持って駆けだす演奏を心のアクセルにしながら、4人は譲れない強い意思や思いを、仲間たち一人一人の心へ降り注いでいった。強い自信を胸に歌うからこそ、その思いに嬉しく気持ちが奮え、身体が揺れ続けていた。落ちサビでフロア中に生まれたパッションみなぎるクラップ。「いくぞ!」の声を合図に、メンバーも、フロア中の人たちも、熱を上げ、高ぶる気持ちを分かち合っていた。
さぁ、次は3月7日(火)、渋谷DIVEを舞台にした【声出し解禁】のワンマン公演「may in film ONEMANLIVE-first voice,from here-」だ。コロナ禍後に誕生したグループだけに、この日が初の声出しライブになる。どんな光景がフロアに生まれるのか、とても楽しみだ。
PHOTO: 白石達也(@tshiraishi1988)
TEXT:長澤智典
<インフォメーション>
【声出し解禁】
3/7(火)渋谷DIVE
may in film ONEMANLIVE
-first voice,from here-
open/start 18:30/19:00
メイフィル 遂に 声出し解禁/
優先入場¥3,000
一般チケット¥1,500
https://tiget.net/events/226860
【生誕祭開催決定!】
2/25(土)GRIT at shibuya
"伊波すい生誕祭2023"
open/start 17:00/17:30
Sチケット¥5,000(優先入場/サイン入り生誕ロンT/サイン入り生誕衣装ブロマイド)
Aチケット¥1,500(生誕衣装ブロマイド)
Sチケット先行抽選受付開始!
https://tiget.net/events/226858
【生誕祭開催決定!】
2/11(土)GRIT at shibuya
"成瀬まい生誕祭2023"
open/start 17:00/17:30
Sチケット¥5,000(優先入場/サイン入り生誕ロンT/サイン入り生誕衣装ブロマイド)
Aチケット¥1,500(生誕衣装ブロマイド)
Sチケット先行抽選受付開始!
https://tiget.net/events/224613
セットリスト
『eve』
『イノセンス』
『ADVANCE』
『宝石の命』
『ロストシティ』
『泡沫』
『スターゲイザー』
『from here』
『エソラ』)新曲)
『Blinding Lights』
『エンディング・ストーリー』
-ENCORE-
『前髪』
『フライバイ』
『スペクタクル』