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2021.08.01
may in film

may in film×白井將人(プロデューサー)対談インタビュー Vol.1

「この子たちと一緒に理想を求めたい」と強く思えたことが、確信を持って踏みだせるきっかけになりました。

  Halo at 四畳半の白井將人プロデュースのもと、7月3日のデビュー単独公演を通し本格的に始動したmay in film。冬野ななせ・伊波すい・小槙しゅか・成瀬まいの4人が描き出すのは、胸をくすぐる疾走したロックナンバー。気持ちの内に渦巻くネガティブな感情を認めながらも、光へ手を伸ばそうとする詩世界が多いこともmay in filmの楽曲の特徴だ。
  今回、may in filmのメンバーとプロデューサーの白井將人が対談。三回に渡り、その模様をお届けしたい。第一回目は、メンバーと白井プロデューサーとの出会いの話を中心にお伝えしよう。


自分が人生を懸けて伝え続けている想いを、今度はアイドルの姿を通して伝えていくのも良いのでは…。そう思えたことが、アイドルをプロデュースしようと思ったきっかけになりました。 

――対談へ入る前に、なぜロック畑で活動をしてきた白井さんがアイドルをプロデュースしようと思ったのか、その理由から先に聞かせてください。

白井將人 ことの発端は、今年2月にmay in filmをマネージメントしている株式会社ノロシの方とお会いし、「一緒に仕事をしたいね」という話を交わしたことからでした。その頃には、僕が所属しているHalo at 四畳半の活動休止も決まっていました。前向きな意志を持ったうえでのバンドの活休だったとはいえ、僕自身、人生のすべてをHalo at 四畳半に費やしていたことから、バンド活動が止まったときに生きる意味が見えなくなりそうな懸念を覚えていたのも事実です。それこそ、音楽活動を止めて他の道へ進んだら、それまでのバンドに命を注いできた10年間の日々が無駄になるとも感じていました。そんなことも頭の中へ浮かびだしていた時期に、株式会社ノロシの方と出会い、「アイドルをプロデュースしてみませんか?」という具体的なお話をいただいた形でした。
   僕自身、最初は悩みました。あの当時は、「またバンド活動をしたい」気持ちもあれば、プロデューサーという立場を取ることで表舞台から裏方へ回ることにもなるように、最初に話をいただいた時点で気持ちの整理は正直ついていませんでした。なので、一度、話を持ち帰ったわけですが。改めて考えを巡らせたとき、「自分は音楽を通して心を揺さぶられ、何度も感動を覚えて、心を救われてきたこと」「Halo at 四畳半の活動を通して、応援してくれる人たちからHalo at 四畳半の音楽が生きる力になってましたなどの声を多くいただいていたこと」を思い返している自分がいました。
  めっちゃ臭い言い方になりますが、自分は「友情・努力・勝利」という少年マンガのような姿勢がとても好きなんですね。それを感じ、伝えていけることが、自分がバンド活動をしてゆくうえでの根源になっていました。その気持ちは、アイドルをプロデュースという形を取ってでも伝えていけるはず。自分が人生を懸けて伝え続けている想いを、今度はアイドルグループの姿を通して伝えていくのも良いのでは…。そう思えたことが、アイドルをプロデュースしようと思ったきっかけになりました。そのうえで、やっぱり、一つ懸念もあったんですね。

――何が気になる点だったのでしょうか?

白井將人  今やバンド経験者や現役のバンドマンたちでも、アイドルをプロデュースしたり、楽曲提供を行なう人たちは増えています。たとえば、それがラウド系のスタイルだったら、アイドルとの親和性は高いなというのは自分も感じていたんですけど。僕らが表現してきた歌もの系のバンドサウンドをアイドルが歌うことには、親和性どころか真逆な印象を覚えていました。自分自身「表現したい音楽とアイドルは違うラインにいるんじゃないか?」という懸念を抱きながら、その気持ちも抱えたうえでメンバーのオーディションを始めました。
  先に結論を言うなら、オーディションを通し出会った今のメンバーたちは、みんな「この子なら自分の表現したい音楽をしっかり形にしてくれる」と確信を抱けた子たち。彼女たち全員が胸に情熱を抱いているからこそ、「この子たちと一緒に理想を求めたい」と強く思えたことが、確信を持って踏みだすきっかけになりました。


じつはわたし、同じ事務所でも、もう一つ行なっていたアイドルのオーディションに応募してました。


――今のメンバーは、オーディションを通して出会った子たちなんですね。

白井將人  当時告知していた募集内容のキャッチが、「メジャーバンドのベーシストがプロデュースするアイドルグループ」。そのうえで、白井將人という名前を一切出すことなく、僕の熱い想いを込めた文章を乗せていたんですけど。しゅかは、その文章を読んで応募してきたんだよね。

小槙しゅか  そうです。文章を読んだときに「音楽で人の心を動かしたい人」と書いてあって、その一文を読んだときに、わたし「とても熱い方がアイドルをプロデュースしようと思ってるんだ」「こんなに気持ちを丸出しで伝えてゆく人がいるんだ」と興味を示したことが、応募したきっかけでした。
   
白井將人  その言葉に惹かれたんだ(笑)。

小槙しゅか  そうです。一度そういう世界を見てきた人なら、たとえアイドルだろうと舞台に上がる人の気持ちもわかってくれると思い、それで応募しました。

――ななせさんも、同じ気持ちでした?

冬野ななせ  じつはわたし、同じ事務所でも、もう一つ行なっていたアイドルのオーディションに応募していました。二次審査で事務所のプロデューサーと話をしていく中、「君は、もう一つ別に始めたオーディションのほうが向いてるね」「そちらでは、バンド活動をしていた方が新たにアイドルグループをプロデュースしようとしてるんだ」と言われ、それで白井さんを紹介していただくことになり、お会いしたのがきっかけでした。
  じつは、わたしと(伊波)すいは、以前から仲が良くて。今回のオーディションも一緒に応募しようという話をしていたんですけど。彼女はまだ応募していなかったんですね。でも、わたしは彼女と一緒に活動したい気持ちがあったから、白井さんとお会いしてお話をしていたときも、「一緒にやりたい子がいるんですけど」と言いながら、すいがYouTube上にアップしていたダンス動画を見せていました。それを見てくださった白井さんが、「2人で活動したほうが面白そうだから、一緒にこっちのプロジェクトのオーディションへ挑戦してよ」と改めて誘いをかけてくださり、それで「may in filmのオーディション」へ参加。無事、2人ともメンバーになれました。

伊波すい  だからわたしは、そのお話を聴いたうえでオーディションに参加しました(笑)。

白井將人  結果的には、may in filmのメンバーになれて良かったんじゃないかなと思っています。じつは、(成瀬)まいも、もともと別のオーディションへ参加していたんだよね。

成瀬まい  そうなんです。この事務所では「本気でアイドルに人生を懸けられる子を探している」ということだったので、「わたし、絶対に入りたい!!」と思ってオーディションに応募したんですけど。途中で落ちてしまいました。だけど、どうしてもあきらめきれなくて事務所のプロデューサーの方に「わたしはアイドルになりたいんです」という思いを熱く書いたメールを直談判するように送ったところ、「もう一つ、別に行なっているオーディションがあります。そちらではバンドをやっていた方がプロデュースをするんだけど、こっちのオーディションに挑戦してみませんか?」と声をかけられました。一瞬、「どうしよう」と悩みながらも、一度お話を聴いてみようと思い、白井さんとお会いしたところ、「本気でやる子を育てたい。やる以上は大きな存在になってほしい」と話してくださいました。その言葉を聴いて、こちらのオーディションへ挑戦することを決め、結果、ここにいます。


4人とも情熱的なメンバーたちばかり。そこへ共鳴したことも、4人を選んだ大きな理由でした。


――4人中、2人が同じオーディションを受けてたというのも、なんかドラマを感じます。ところで、みなさんHalo at 四畳半のことは知ってました?

4人  ……。

伊波すい  わたし、バンドの存在は知っていました。ただ、音楽を聴いたことはありませんでした。

白井將人  今回のオーディションを通し、いろんなアイドル志望の子たちに会って話をしたんですけど。さすがに誰か一人くらいはロック好きな子がいて、Halo at 四畳半のことも知っているだろう…と思っていたら、誰も知らなかったです(笑)。

冬野ななせ  バンドのことは知らなかったけど、白井さんとお会いし、熱量のすごいお話を聴いて「この人にならついていきたい」と思って決めたように、白井さんの熱意に刺激を受けての加入だから、以前のバンドのことは……ね。

伊波すい  メンバーみんな、そういう気持ちでmay in filmのメンバーになっています。

――その言葉、白井さんにとっても嬉しいんじゃないですか?

白井將人  嬉しいですよね。じつは僕自身、アイドルをプロデュースする経験も、グループの運営に関わるのも初めてのように、僕もまたプロデューサー初心者という立場。でも、関わる以上はメンバーたちがアイドルとして求める夢をしっかり叶えてあげたいじゃないですか。でも、僕よりも上手くアイドルを導いてゆく経験を持っている人たちは、他にたくさんいるのも事実です。じゃあ、僕が彼女たちと一緒に何を持って勝負をしていけるか。そこはやはり情熱や熱量なんですよね。ここに並んだ4人も、僕と同じように情熱的なメンバーたちばかり。そこで共鳴しあったことも、4人を選んだ大きな理由でしたね。


「えっ、もしかして2人はそういう世界の人たちなの?」と、普通に戸惑ってました(笑)。


――改めて、このメンバーを選んだ理由を一人一人教えていただけますか?

白井將人 最初に決めたのが、冬野ななせと伊波すいの2人でした。2人としゃべっている中、2人共にアーティスト性を感じたのが大きなきっかけでした。中でも、ななせが発言していた言葉が、自分がバンド活動時代にインタビューで言ったことのある思いと同じだったように、そこへ共鳴したことも大きかった。加えて、僕自身がアイドルをプロデュースすると言っても、いわゆる可愛さを全面に押し出すようなぶりっぶりのアイドルをやる気持ちはありませんでした。それよりも、自分たちの活動もそうだったように、歌やパフォーマンスを通して観た人たちに元気を与えてゆく側面を持った、歌心を魅力にしたグループにしたかった。その意識と、2人が持っていた意識が強く共鳴したことが、「この2人と一緒にやりたい」と思い、最初にメンバーに決めた一番の理由になりました。 
  僕は、グループをやるなら最低でもメンバーは4人欲しいと思ってました。そのうえでしゅかとまいを選んだのは、2人とも相当な負けず嫌いだと感じれたことからでした。いろんな候補者たちと話をしていく中、しゅかとまいは音楽へ向かううえでのモチベーションの高さ。何より、負けず嫌いという意識がとくに強かったんですよね。
  個別にもうちょっと具体的に話すと、しゅかと直接会うまでは、自分とは対極にいる、何も考えてなさそうな子かなと思っていたんですよ。でも、実際に会って話をしたら、自分の意志を持って、しっかりハキハキとしゃべる子だった。まいは、一度オーディションへ落ちたにも関わらず、直談判するくらい強く自分を主張してくる子。そこへ惹かれたのが大きな決め手になりましたね。

――4人とも、心に強さを秘めているところがいいですね。

白井將人  そう。ただし、この4人が揃った時点では、ビジュアル面も含め、グループとしての姿がぜんぜん想像できませんでした(笑)。ただ、芯の部分で4人とも繋がるものがあるという確信があったので、むしろどんな風になっていくのか、その未来が楽しみに思えてもいましたね。

――すいさんとななせさんは、最初からセットだったんですね(笑)。

白井將人  この2人はセットでした(笑)。それが、最初は弊害でもありましたね。5人で初めて顔合わせをしたときなんか、みんな無口なうえに、2(すい&ななか)対1対1対1みたいな関係で、ぜんぜん5人が一つにまとまれなかった(笑)。とくに2人はずーっと、2人だけの世界にいたんですよ。

伊波すい えーっ、あのときはお互い(すいとななか)話をしていなかったよね。

白井將人  でも、ずーっとお互いに見つめ合ってた(笑)。

伊波すい  あのときは初顔合わせということで、あえて、お互いにしゃべらないようにと決めてたんだけど…。

冬野ななせ  ねぇ。

小槙しゅか  口にはしていなかったけど、すいちゃんがいっつもななせちゃんの顔を見れば、何か言いたそうな顔をしていたし。ななせちゃんも、その空気を察して、そっとリアクションを返してたよね。

成瀬まい  わたし、初顔合わせのときに2人が知り合いだというのを知らなかったから、「えっ、もしかして2人はそういう世界の人たちなの?」と普通に戸惑ってました(笑)。

小槙しゅか  みんな人見知りだから、話すきっかけを作るのが最初は難しかったんですけど。ただ、誰一人尖っている人はいなかったので、この関係が近づくのも時間の問題というか、きっかけ次第だなとは感じてた。

伊波すい  初顔合わせから最初の一週間くらいは、みんなほとんどしゃべらなくて、「いつ仲良くなれるかなぁ」という心配もあったんですけど。ただ、レッスンをしていく中、きっかけ一つで絶対に仲良くなれるなという確信もあったから、そこの不安はなかったです。実際、3ヶ月くらい経った今現在で、かなり打ち解けあえてるからね。

冬野ななせ  初顔合わせから10日後くらいには、割と打ち解けてたよね。自分の場合、そんなに短期間で人と打ち解けあったことが今までなかったから、自分でもびっくりしてて。でも、それくらい相性の良いメンバーたちが揃ってるということなんだと思っています。

――打ち解けたきっかけも気になります。

冬野ななせ  このメンバー、自分からしゃべりかけるのが苦手というか、最初のひと言めで何を言えば良いのかわからなくて、そのまま無言になってしまう人たちばかりなんですけど。そんな中、しゅかちゃんが一人一人に話しかけてくれたことが大きかった。

成瀬まい  そうだね。わたしも、みんながどんな趣味趣向や性格なのかわからなかったから、何を話題にしゃべりかければ良いのかわからなかったし、見た目的にもみんな無口な感じだったから、「どうしよう…」とずっと思ってたんですけど。そこで、しゅかちゃんがしゃべりかけてくれて、今の関係になれました。実際にお話してみたら、みんな普通にしゃべりやすいし、何より優しいお姉さんって感じの人たちばかり。それで、何時の間にかわたしからも気さくに話しかけられるようにもなっていました。

(ニ回目へ続く)

TEXT:長澤智典

 

may

 

<インフォメーション>


8/7(土)
会場 : 六本木BIGHOUSE
ノロシプロダクションpresents「noroshi no noroshi vol.1」
act:may in film/境界線

8/13(金)
会場 : 横浜ランドマークホール
「POP IN FESTIVAL 2021 ~ #PIF2021 お盆横濱編~」

8/30(月)
会場 : 下北沢LIVEHOLIC
"LIVEHOLIC 6th Anniversary series~Dearday~"
act:cana÷biss/NELN/MELiSSA/Leo-Wonder/may in film(O.A)

 



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may in film / 前髪(Music Video)
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冬野ななせ
@nanase_mif

伊波すい
@sui_mif

小槙しゅか
@syuka_mif

成瀬まい
@mai_mif

Producer 白井將人
@shelie_Halo

Sound Producer BIG ISLAND RECORDS
@BIR_Tokyo

 

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