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青い輝きに包まれた中、彼女たちが夢を描くたび、その夢を一緒に見たくなる。 Gran☆Cielライブレポート
10カ月連続配信リリースも、6月で無事に完結。Gran☆Cielが、7月16日(土)に恵比寿LIQUIDROOMを舞台に「Gran☆Ciel 2nd one-man live」を開催。この日は、バンドを従えてのライブ。いつも以上にパワフルな姿を見せてくれた。
大勢の観客たちで埋めつくされた場内。爽やかなSEが鳴り出すのに合わせ、フロア中から青いペンライトの光があふれだす。舞台前に張られた遮幕には、メンバーたちの姿が次々と映し出される。彼女たちへ思いを届けるように、声の変わりに大きなクラップが鳴り響く。高まる期待、高ぶる気持ち。
フロア中に鳴り響くギターの音に合わせ、舞台の上には『雲』を歌うメンバーたちのシルエット姿が映し出された。彼女たちは、分厚い音が響くバンドサウンドを背にシルエット姿のまま歌っていた。むしろ、影となった彼女たちの動きが明瞭に見えることで、イマジネーションをどんどん膨らませる効果を発揮していた。フロア中から熱いクラップが響くたびに高まる気持ち。青い光が波打つ光景も、とても鮮やかだ。
続く『Tomorrow』の演奏が始まると同時に遮幕が落ち、メンバーらが姿を現した。彼女たちは「何もいらない キミだけでいい」と、目の前の人たちへ向け、気持ちを伝えるように力強く歌っていた。彼女たちの温かな思いを、バンド演奏が力強く押してゆく。「何もいらない キミだけがいれば」と歌う声を聴くたびに、その思いを7人に返したくなる。互いに惹かれあっているからこそ、歌を通してお互いの気持ちを高めあえる。その関係が素敵じゃない。
輝きを放つように、7人は舞台の上で軽やかに舞いながら『ひみつDIARY』を歌いだした。とても愛らしい姿だ。その姿を、ずっと見守りたい。そんな気持ちを胸に、メンバーたちの華麗に舞う美しいパフォーマンスと思いを込めた歌声へ熱い視線を注いでいた。「たとえ まだ暗い霧の中 何が待っていたって 乗り越えてきた ぼくらの強さ 信じていて」の一節のように、歌が進むにつれ、歌詞に気持ちを強く押されたのか、メンバーたちの歌声に力と輝きが増してゆく。その眩しい思いを、大勢の人たちが伸ばした心の手でつかもうとしていた。
「今日は世界中のどこよりも幸せな空間にしましょう」(夢咲りりあ)の言葉が嬉しい。MCでは、この日より新衣装姿で登場したこと。今年の夏はこの衣装姿で"ひと夏の思い出"を作ろうと声をかけていた。
次に奏でた『キミと僕の蒼空』は、天音七星が作詞を、夢咲りりあが作曲を手がけた歌。とても爽やかな楽曲だ。彼女たちは『キミと僕の蒼空』を通して、自分たちが舞台の上で歌い続ける理由や思いを伝えてきた。メンバー一人一人が天音七星の書いた歌詞に共鳴し、彼女の思いを共有している。だからこそ7人は、この舞台の上で輝き続けるための強い意志を、温かな声に乗せて歌っていた。観客たちも、「夜空駆けて輝け 君と僕の空」と歌うその言葉をギュッと胸に抱きしめていた。
爽やかな風を覚える演奏を背に、7人は、晴れ渡る青空や輝く未来へ向かって声を響かせるように『蒼の向こう』を歌っていた。彼女たちと一緒に、真っ青な空の先の景色へ向かって駆けだしたい。その先に、どんな未来が広がっているのだろうか。一つ確かに言えるのは、そこにはドキドキやワクワクしかないってことだ。爽やかな風に乗った気持ちを引き継ぐように、Gran☆Cielは『奇蹟はきっとMy Days』を温かな声で歌っていた。舞台の上で、新しい自分を探すために新たなスタートを切ろうとしてゆく。そんな青春時代を思い返すように歌う姿が、眩しく見えていた。
飛び出したのが、胸をわちゃわちゃ騒がせるポップなロックンロールナンバーの『Lipstick』。チャーミングな、でも少しヤンチャな乙女になった7人は、「あなたが好きで好きで好きで」と、愛らしい思いを、恋に恋する無邪気な女の子の気持ちになって歌い躍っていた。ときめきをどんどん膨らませるように歌う姿が、観ている側のハートをドキッと撃ち抜いてゆく。ラブリーでご機嫌なロックンロールナンバーも、最高に胸をときめかせる。終盤に生まれたメンバーと観客たちが大きく腕を揺らす景色も、とても綺麗だった。
次は、アコースティックなスタイルのブロックへ。メンバーも、シェイカーやタンバリンを手に参加。Ciel Bandの奏でるアコギの音を軸に据えた演奏に乗せて届けたのは、メンバーたちの愛らしいハミング声も胸をキュンとときめかせれば、メンバー一人一人が歌をリレーする形で歌った『素顔』。アコースティックな演奏を背にすることで、これまで以上にメンバー一人一人の歌声の魅力を実感。そのまま演奏は、『(a)SLOW STAR』へ。まるでメドレーのように、心地好い歌の風をそよがせながら楽曲は進んでゆく。この曲では、リードを取るメンバーの歌に優しく声をハモらせる場面も登場。温かく優しい歌声が、胸にほっこりとした気分を与えてくれた。2曲とも、観客たちがずっとクラップし続けていたのも印象的だ。
アコーティッツクコーナーの最後に届けたのが、『Do you love me?』。冒頭、牧野真琴のハミング声が印象的なら、この曲でもメンバーたちが次々と歌を繋ぎながら、木漏れ日漏れる小さな森のような温かい空間を作りあげていた。全員で声を重ねあわせたときの晴れた歌声も魅力だが、この曲でも、メンバー一人一人の歌声の魅力を味わえたことが嬉しかった。
次のブロックは、『群青』からスタート。青を基調とした少し暗めの舞台の上で、メンバーらが胸に手を寄り添え、抱えていた思いを零すように歌っていた。フロアでも,数多くの青い光が揺れている。淡い青春模様が見えてくる楽曲だ。嘆く気持ちを前向きに変えようと歌う姿も印象的。彼女たちの胸に抱いた強い意志に触れていると、どんな逆境でも乗り越えてゆく気持ちになれる。何時しか、少しずつ心へ光が差してゆくのを感じていた。
キラキラと音が弾けるピアノの音色を受けて歌いだしたのが、『願いYou &I』。メンバーたちの気持ちが駆けだすのにあわせ、楽曲も力強さを増す。彼女たちの歌声からは、強い意志が伝わってきた。「青空 手を伸ばせ 気持ち 振り切って行け」と、メンバー自身が気持ちを振り切り、願いをつかもうと晴れた声を響かせていた。彼女たちへ熱いエールを送るように、フロア中から数多くの青い光が舞台の上に向かって伸びていた。揺るがない思いや願いを、彼女たちは力強く歌っていた。その声に気持ちが熱く騒いでいた。
感情を思いきり解き放つように歌いだしたのが『First Star』。彼女たちの歌声に背中を押され、気持ちが嬉しく騒ぎ出す。7人のパワフルな歌声に心を熱く燃やされ、冷静でなどいれない。フロア中の人たちも「高く高くこの空の上」と歌う声に合わせ高く手を振り上げれば、これまで以上に力強くクラップを響かせていた。
「願うよ夢ガチャ☆ 明日はいいことあるかな」の歌声を合図に流れたのが、気持ちをわちゃわちゃ騒がせる『夢ガチャ☆』だ。舞台の上で、満面の笑顔で歌う彼女たちの姿を見ていると、不思議と胸が熱く騒ぎ出す。それは、彼女たち自身が夢にときめく乙女になり、夢を探しあてようとはしゃいでいたからだ。落ちサビを歌う天音七星に向け、数多くの青い光のエールを送られてゆく。その光景も最高だ。
「まだまだ届け、私たちのメッセージ!!」の声を合図に飛びだしたのが、『Message!』。「今が どんなに苦しくても ほら! 光になれるよ!」など、彼女たちのパッションにあふれたメッセージを受け止めるたびに、胸が熱くなる。一緒に7人が作りだす情熱の空間へ飛び込み、共に、熱いエナジーを分かち合っていたい。「約束だよ、キミも一緒だよ」「光になれるよ」と歌う彼女たちの言葉を素直に信じたい。
『short story』でも気持ちを分かちあおうと、揺れ動く心模様を歌う彼女たちに向かって手を伸ばしていた。舞台の上の7人が、小さな。でも、眩しい光のように見えていた。彼女たちは闇を乗り越え、光をつかみ、自分たちの新しい物語を作り出そうとしていた。その姿を共に手にしたくて、たくさんの人たちが7人に向かって手を伸ばしていた。もっともっと熱くなろうよと誘いをかけるように、Gran☆CielはベイビーレイズJAPANの『閃光Believer』を力強く歌いだした。彼女たちの歌声が。いや、その存在自体が閃光となり、胸に勇気の光を次々と注ぎ込んでゆく。熱いよ!いや、もっともっと熱くなりたいよ!!その姿を示すように、フロア中から無数の拳が突き上がっていた。
フロア中に生まれた熱気を、さらに膨らませるように『明日へ!』が飛びだした。メンバーたちも、高く手を突き上げ、気持ちをロックなエナジー満ちたモードにシフト。遥か遠くに見えるゴールへ向かって走り続ける強い意志を、7人は「夢は終わらない 広がる世界」「見たことのない景色が見たい 輝いて」とエネルギッシュな声で歌っていた。明日へ向かって駆け続ける彼女たちに向かって、フロアからもエール変わりの熱いクラップが飛び交えば、拳や青いペンライトの光が突き上がる。「走り続けよう 何処までも行こう」。その言葉を胸に、これからもずっとGran☆Cielと一緒に明日へ、夢に向かって走り続けたい。
最後にGran☆Cielが届けたのが、『この声』だ。彼女たちは「聴こえますか この声が」と歌いながら、この場所に集った仲間たちと一緒にこれからも走り続けようと、拳を突き上げながら誓いを交わしていた。心を揺さぶる7人の歌声が、明日へ進むための力に変わってゆく。「聞こえますか、この声が」。もちろん、聞こえるよ。その歌声が、自分の心も強くしていく。彼女たちが夢を描くたび、その夢を一緒に見たくなる。それまで見ていた景色を、輝く景色に塗り替えてゆく。だからGran☆Cielの歌をまた求めたくなる。
熱いクラップに呼ばれ、ふたたびメンバーたちが舞台に姿を現した。彼女たちは、眩しい太陽の季節をこの空間にも引き込むように『Baby Summer』を歌っていた。歌詞の一節ではないが、ドキドキが、ときめきが止まらない。甘酸っぱい気持ちも胸に覚えながら、舞台の上の7人を熱い視線を向けながら見つめていた。彼女たちが「Baby Baby Baby」と歌いかけるたびに、なりふり構わず7人に熱いエールをぶつけたくなる。彼女たちと一緒にこの眩しさの中でずっと溶け合っていたい。
夏が運んできた無邪気な気持ちをさらに熱情させるように、Gran☆Cielは『ナツオト』を歌唱。胸を爆発させるくらい最高にドキドキする歌を、彼女たちは立て続けに披露してくれた。この時間、僕らは、忘れたくないひと夏の思い出をつかんでいた。その景色の数々を胸のカメラで写しては、宝箱変わりに心のフォルダへ保存し続けていた。眩しい歌を届けるメンバーたちに向け、数多くの拳や青いペンライトの光が注がれる。この眩しくて青い夏景色がたまらない!!
「Cielの夏が始まったね」の言葉も嬉しい。「私たちGran☆Cielの道はこれからも続いていきます。目の前で応援してくださるみなさんと、7人で一緒に進み続ければ、どんな高い山を乗り越えていけると思っています。これからもあの光を目印に進んでいきたいです」(天音七星)
最後にGran☆Cielは、涙の先にかかる美しい虹を向かってこれからも進み続けることを誓うように『虹』を歌っていた。目の前にどんな困難が起ころうと、彼女たちは、夢見た景色の先にかかる虹をつかむまで走り続けることをやめない。その思いへ共感したのなら、虹の元に広がる夢の景色へ向かって共に走り続けてほしい。その道中では、彼女たちと一緒にいろんな心を揺さぶる物語を体験していくことだろう。でこぼことしたその物語を共に作りながら、その先に広がる壮大な青の景色の中へ飛び込んでいこうじゃないか。
Gran☆Cielは10月11日に1stアルバムを発売することを。さらに、2023年1月29日に3rdワンマン公演を品川インターシティホールで行なうことも発表した。その前に、まずは今年の夏をGran☆Cielと一緒に駆け抜けようか!!
TEXT:長澤智典
セットリスト
『雲』
『Tomorrow』
『ひみつDIARY』
『キミと僕の蒼空』
『蒼の向こう』
『奇蹟はきっとMy Days』
『Lipstick』
『素顔』(アコースティックメドレー)
『(a)SLOW STAR』(アコースティックメドレー)
『Do you love me?』(アコースティックメドレー)
『群青』
『願いYou &I』
『First Star』
『夢ガチャ☆』
『Message!』
『short story』
『閃光Believer』
『明日へ!』
『この声』
-ENCORE-
『Baby Summer』
『ナツオト』
『虹』