FEATURE
ロングライブレポ! 戦国アニマル極楽浄土、3周年公演Zepp DiverCityでの成功を手に、2022年10月にZepp Hanedaで単独公演へと進出!!
結成から丸3年、その日々を祝い、噛みしめながら、ふたたび未来へ向け新しい一歩を踏みだそうと、戦国アニマル極楽浄土は「戦極-伏龍の乱-」と題した単独公演を開催。10月18日(月)に、Zepp DiverCityという大きな舞台に立っていた。
現実世界から切り離すSEがフロア中に響きだす。メンバー紹介の映像に続き、カウントダウンしてゆく数字が映し出された。10・9・8・7…。その数字が0を示したのを合図に、オリエンタルな旋律が流れだす。「ためらいもしがらみもすべて捨てて、乱れ騒ごうぜ!」の叫び声を合図に舞台前を覆っていた幕が落ち、CO2が吹き上がるのと同時に、凛々しい姿で舞台に立つメンバーらが姿を現した。
戦国アニマル極楽浄土のライブは、会場中の人たちを浮世へ導くように「戦極-乱舞の巻-」から幕を開けた。メンバーらの煽りに合わせ、フロア中から突き上がる拳や色とりどりのペンライトの光。メンバーらは妖艶な声の色も混ぜながら、観客たちを雄々しい歌声でけしかけ、この世界で乱れ騒ごうと誘いかけてきた。大きくステップを踏みながら歌うメンバーらの姿に触発され、はしゃぐ人たちの姿がフロア中に広がってゆく。
和心抱いた尺八の音色と彼女たちの歌声を合図に飛びだしたのが、「ホンジツ極楽ニツキ浄土ス。」。楽曲が猛々しさを増すのに合わせ、メンバーらが気持ちを一つに声を荒らげだす。とてもパワフルな歌声と躍動したパフォーマンスだ。彼女らは、瞬時にこの空間を熱い戦いの場へ染め上げる。挑発するメンバーらのラップや歌声に刺激を受け、暴れる観客たち。7人の勇ましい歌声が気持ちを熱く荒らげてゆく。突き上がる彼女たちの拳に同じよう拳を突き上げ、想いを重ねたい。「荒ぶる世の光」の中へ、沸き立つ気持ちのまま飛びこみたい。
メンバーらの熱い口上を合図に、戦国アニマル極楽浄土は「夢桜」を歌いだす。気持ちを挑発する楽曲を通し観客たちを熱狂へと導きながら、艶やかな歌声を響かせ、彼女らは観客たちの心も虜にしてゆく。途中、「そいや そいや」と煽る7人の姿に合わせ、フロア中の人たちが一緒に沸き立つ場面も登場。熱と激しさと躍動を増し続ける楽曲に乗せ「そいや そいや そいや そいや」と気持ちを奮わせ歌うメンバーたち。その歌声に刺激を受け、同じく気持ちが奮い立つ。
ここまでの熱い表情から少し色を塗り替えるように、戦国アニマル極楽浄土は愛らしい声の色も加えながら「夢、現ヲ抜カス」を歌いだした。熱く煽り立てる姿も戦国アニマル極楽浄土らしいが、この歌のように、曲調は明るいのに胸をキュッとしめつける切ない歌も魅力の一つ。歌声に力が籠もってゆくのも”らしい”ところ。舞台の上でメンバーらが身を寄せ合い歌い躍る姿が、花咲き、散りゆくようにも見えていた。揺れ動く痛い心模様を、大きな動きと共に声を一つに歌い躍る姿を、いつまでもじっと見つめていたい。
MCでは、オープニングで幕が落ちた演出をメンバー自身が考案していたことも語っていた。
次のブロックは、たおやかな琴の音色から、一気に爆裂した音へ様変わる「結晶」からスタート。一人一人マイクをリレーしながら、歌詞に込めた想いを噛みしめるように歌い叫んでいた。サビでは、力強く拳を掲げ、想いを一つにぶつけてゆく。指をくわえていた人生なんて過去へ置き去りにし、自分たちでここから光をつかもうと、気持ちを前へ前へと向けながら彼女たちは歌っていた。これからも、この仲間たちと共に進んでゆくことを誓うように7人は声を上げていた。とても感情的な歌声だ。一人一人が歌詞に込めた想いを胸に刻み、その想いを沸き立てるように声を上げてゆく。なんてエモい歌声だ、だから心も奮い立つ。
三味線の音色が気持ちを熱く騒がせる。幽玄な楽曲の上で、「僕は気付いたこの道の狭さに」「輝いた夕日のその先」など、メンバーらが次々とラップを噛ましだす。戦国アニマル極楽浄土は「かぐや」に乗せ、凛々しさと艶やかな様を巧みに折り混ぜ、舞台の上に気持ち騒がせる景色を描いてゆく。切々とした色の声で、7人は秘めた想いを零すように歌っていた。彼女たちのラップや歌声に哀切さを覚えながらも気持ちが沸き立ち続けていたのは、7人の心が前を向いているからだ。舞台の上で艶やかに舞い躍る姿は、令和の花魁のようにも見えていた。
アンニュイな声色を魅力に、メンバーらは優しく身体を揺らしながら「ヒトエニ」を歌っていた。迷い、惑う気持ちを少しずつ零してはフロア中へ広げるように歌う彼女たち。艶やかに舞い躍る7人の姿を、視線はずっと追いかけていた。熱情するのも戦国アニマル極楽浄土のライブの楽しさだが、心に熱を覚えさせるのも彼女たちの魅力であり、持ち味だ。
口上を合図に、楽曲はふたたび煌びやかさを増してゆく。流れだした「続前世恋絵巻」に乗せ、メンバーたちが華やかな声の花を咲かせだした。メンバーらの煽りに合わせ、フロア中からも数多くの拳やカラフルなペンライトの光が突き上がる。メンバーたちは、雅なダンスロック曲に身を預け、艶やかな様で舞い踊りだす。途中、「落ちサビ争奪戦」を開催。出されたゲームを次々とクリアし、この日のサビを歌う権利を勝ち取ったのが兎遊 みゆう。彼女のサビ歌を受けふたたび戦国アニマル極楽浄土は、この空間を極楽な宴の世界へと染め上げていった。
「あなたに想いは届きましたか」…一人一人が心に抱いた想いや届けたい気持ちやここへ至るまでの心の変遷を、言葉を繋ぎながら語りだす。その先へ向け、支えてくれる仲間たちと共に未来へ進もうと呼びかけながら、次のブロックへとライブは進んでゆく。
荘厳な琵琶と尺八の音色を受け、楽曲は「灯籠遊び」へ。猛々しい祭りの音色の上で、7人がきらびやかな踊りを描き出す。彼女らは、軽やかに舞い踊りながら、舞台の上に華やいだ景色を作りだす。とても伸びやかな歌声だ。メンバーらは舞台の上で咲き誇ることを願うように歌っていた。間奏では、派手に炸裂した楽曲に合わせ、華々しく躍る姿も。沸き立つ気持ちを解き放ちながら、彼女たちは熱狂という宴の様を作りあげてゆく。
華やかさと艶やかな表情へさらに極彩な色を塗り重ねるように、楽曲は「EVER」へ。胸込み上げる想いを歌声や舞う姿に重ねながら、メンバーらはマイクのバトンを次々とリレーしながら歌っていた。たおやかさと激しさを重ねあわせた楽曲の上で、彼女たちはみんながいるから軌跡を起こせると歌いかけてきた。彼女たちと一緒なら、気持ち投げ出すことなく、共に夢を見てる自分になれそうな気がしてゆく。
「輪廻転生」が歌われるのを合図に、舞台のあちこちからCO2が吹き出した。とても挑戦的でパワフルな歌声だ。気持ちを一つにした7人の歌声に触れ、魂が奮える。観客たちをけしかけるように、熱い生きざまをぶつけるメンバーたち。その歌声に刺激を受け、フロア中からも数多くの拳やペンライトの光が突き上がっていた。高ぶる気持ちを歌詞に乗せ、メンバーらは勢いよく歌い続ける。強い生きざまを示したその歌声へついていきたい気持ちに心が染まっていた。
猛々しく派手やかな「鳳蝶」の登場だ。高ぶるメンバーらの歌声に心を寄り添えながら、心揺らめく恋物語の中へ共に気持ちを溶け込ませていた。華々しい楽曲の上で艶やかに、たおやかに歌う彼女たち。圧倒するほどの存在感を持ってせまる7人の姿に向け、フロア中の人たちも小さな心の翼をはばたかせ、その場で嬉しそうに飛び跳ねていた。
「届け、憶いよ、そなたに向けて 願いは儚いものです」と歌うメンバーたちの声が連れてきたのが、「契-ちぎり-」だ。秘めた想いを零すように、胸に抱いた願いを空へ向かって解き放つように歌う姿へ、同じように声の手を伸ばしたい。両手でギュッとマイクを握り軽やかに踊りながら歌う姿が、なんて色鮮やかだったことか。愛しい人へ想い届くようにと祈りながら歌う彼女たち。終盤には、沸き立つ気持ちのまま歌い叫ぶ姿も。7人の振り上げる拳にあわせ、フロア中からも数多くの拳や彩り豊かなペンライトの光が舞い躍っていた。
舞台背景に映しだされたのが、数々のMV映像。これまでの歴史を振り返るように、1曲ごと装いを変えた彼女たちの姿が次々と映し出されていた。
着替えを終えたメンバーらが舞台へ。彼女たちは、観客たちをけしかけるように荒ぶるパンキッシュな「采賽」を歌いながら、観客たちを熱く熱く煽りだす。舞台の上で彼女たちは人生をギャンブルに例え「もう一回人生やり直し」と歌いながら、ここからもっともっと最高の瞬間を、もっともっと楽しい時間を作ろうと熱く煽りながらフロア中を沸き立てていった。
「君にとって今が夢ならば叶うように願いを込めて 手を取って願う誰も傷まぬ そんな世界がいいんだ」と歌声が響きだす。一人一人がマイクのバトンをまわし、ときに声を一つに重ねあわせ「浮世世界」を歌いだした。7人の歌声が熱を帯びるのに合わせ、次第に楽曲も熱と華やかさを帯びてゆく。熱情というよりも、心の中の熱した気持ちを脹らませ、彼女たちは「そんな世界がいいんだ」と、今、この場に生きていることを謳歌していた。「君にこの夢を託すから 私にも夢を預けて?」と歌いながら、メンバーどうしで。そして、戦国アニマル極楽浄土を支えてくれる仲間たちと一緒に、次の世界へ進んでいこうと約束を交わしあっていた。
最後に戦国アニマル極楽浄土が届けたのが、「百花繚乱」だ。「桜散りぬるは季節を越えて」と歌う声に合わせ、頭上からメンバーたちへ向けてたくさんの桜吹雪が舞い落ちる。彼女たちは舞い躍る桜吹雪に包まれながら、一人一人が大輪の花となり、より一層輝きを増しながら、咲き誇るこのひとときを謳歌していた。たくさんの花びらに包まれ、「限りある先に七つの色を届けるの それぞれがこの現世に咲き誇るの」と、夢に向かう気持ちを高らかに歌うメンバーたち。未来へと繋がる夢に手を伸ばす姿が、舞台の上で舞い躍る7人の姿が、とても色鮮やかだ。7人の咲き誇る夢が桜吹雪の一片一片となり、舞台の上でずっと舞い躍っていた。
今後の戦国アニマル極楽浄土だが、11月1日のライブを持って好蘭 ありさ・寅丸 さらさ・兎遊 みゆうがグループを卒業。11/4(木)吉祥寺CLUB SEATAにて行う新体制単独公演『戦極-転生の巻-』より、羊夢 叶華・有栖川 かほ・呼狗狸 穂月の3名を迎え新体制とてスタートを切る。さらに、2022年10月3日にZepp Hanedaでの単独公演も決定。1年後の大きな目標に向かって、戦国アニマル極楽浄土はふたたび走り出した。
TEXT:長澤智典
セットリスト
「戦極-乱舞の巻-」
「ホンジツ極楽ニツキ浄土ス。」
「夢桜」
「夢、現ヲ抜カス」
「結晶」
「かぐや」
「ヒトエニ」
「続前世恋絵巻」
「灯籠遊び」
「EVER」
「輪廻転生」
「鳳蝶」
「契-ちぎり-」
<映像>
「采賽」
「浮世世界」
「百花繚乱」
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