FEATURE
「New Comer Special Live Vol.17」ライブレポート!!

新しい時代を彩る可能性を持った女性アーティストたちが出演。定期開催中のイベント「New Comer Special Live」。タイトル通り、ここには、次代を担う可能性を秘めた女性アーティストたちが多く参加している。出演者にライバー/シンガーやVsingerが多いこともあって、毎回、国内中の人たちへ向けてライブ配信(アーカイブ放送もあり)をしているのも、このイベントの嬉しい特色だ。
最近では、Ruu、陽向なつみ、東雲ろんのようにこのイベントへコンスタントに出演したり、月明ゆかりのように立て続けに出演をするなど、「New Comer Special Live」をライブ活動の中でも重要な場にしている人たちが増えている。
ここでは詩彩あい/月明ゆかり/花城さやきち/結城璃音/東雲ろん/桜街☆まるる/りのんが出演、4月26日(土)にGOTANDA G+で夜に行われた「New Comer Special Live Vol.17」公演の模様をお届けしたい。
▼詩彩あい
2.5次元自閉症VTuber。自閉スペクトラム症ならではの世界を配信している。
事前インタビューでは、ライブでは手話を使って歌を歌うパフォーマンスも!?楽しんでもらえたら幸いです。そう答えていた詩彩あい。
「せーの!」の掛け声に合わせて、「あいしゃーん!」と声を上げるファンたち。そこから始まった1曲目は、エンジェルスハーモニーの『BELIEVE』。
何にも染まっていない透明感のある声で歌い始め、手話を交えながら歌うその姿に、サビでは自然と手話の真似する観客も現れ、一体感が広がっていく。
間奏では、衣装をふわりと揺らしながら、森の妖精のようにステージに立つ。優しく澄んだ歌声が会場を包み込み、聴く人すべてをそっと癒していった。
何度も繰り返される「ビリーブ」という言葉。緊張しながらも「信じてる」と歌う彼女の姿はとても愛らしく、観客はその想いを受け止めるように、詩彩あいの歌声にどんどん引き込まれていった。
2曲目は、コールアンドレスポンスをやりたくて選んだというVaundyの『怪獣の花唄』。1曲目「ビリーブ」で築いた信頼関係があったからこそ、詩彩あいとファンの声が心地よく重なっていく。手話も交えながら、彼女はまっすぐに気持ちを届けた。
サビに近づくにつれて、体を揺らしながらペンライトを振る観客。ステージも客席も熱を帯びていく。「落ちてく過去は鮮明で――」のパートでは、詩彩あいが歌詞ボードを掲げ、「歌って」と手を伸ばす。それに応えるようにファンの歌声が響いた。
「眠れない夜に――」の部分では、ファンがリレーのように歌い、その声を受け止めるように詩彩あいが続けて歌う。
優しい歌声と熱いコールが絶妙に絡み合い、心から音楽を楽しむ空気に包まれた。
ラストは自閉症Vtuberが届けた応援ソング。『あいをつなぐ』自身が作詞も担当した初のオリジナル曲だ。
「私を見ていてね ここに生きた愛と証をのこすよ」という歌い出しから、これまでの歩みを丁寧に歌い上げる。1番では過去の自分に向き合いながら、苦しかった日々と、それでも前を向いて歩き続けた強さをまっすぐに伝えた。
2番では、今の彼女が目の前の「あなた」へ寄り添い、信じる力をそっと背中に送る。言葉を紡ぐことで強くなれた、その実感が優しくも力強く響いた。
クライマックスとなるラストのサビでは、会場全体に大きな手拍子が広がる。彼女も一層声に力を込め、未来へ向かう思いをまっすぐ届けた。
最後は「たくさんの愛をありがとう!」という台詞で締めくくられ、温かく大きな拍手に包まれながら、ライブは感動のフィナーレを迎えた。
▼月明ゆかり
これまでずっとそうだったように、全曲オリジナルでお送りします。シンガーソングライターなので作詞も作曲も行いますが、近年は楽曲提供をしていただける機会にも恵まれ、その際は作詞のみ私がさせていただいています。なので、どの曲にも共通しているのは、作詞者が私、ということですね。そう答え、丁寧なお辞儀とともに静かに幕を開けた月明ゆかりのステージ。
紫の衣装をまとったその姿は、登場した瞬間からどこか幻想的で気品があった。
1曲目『終わらない朝』が始まると、会場の空気は一変。静かで大人っぽい曲調に合わせて、彼女はしっとりと歌い始める。
「永遠は無い」で始まるサビでは、観客がまるでその場に立ち尽くすように、一心に前を見つめ、月明ゆかりの世界に引き込まれていく。
歌声には深みと芯の強さがあり、まるで自身の感情や想いが、そのまま歌声に昇華されたよう。美しさの中に確かな力が宿るその歌唱は、日本的な“綺麗”を体現していた。
曲が終わると、会場は大きな拍手に包まれる。誰もがその一曲に息を呑み、心を奪われたようだった。
2曲目『めでたしの未来』が始まると、先ほどの静かな空気とは一転、明るくあたたかな世界が広がった。
軽やかなリズムにのせて、月明ゆかりはステージを自由に動きながら、一人一人にまなざしを向け、愛を届けていく。優雅な笑顔は、まるで春風のように観客の心を撫でた。
大人の余裕を感じさせる幻想的な世界観に、誰もが釘付けに。
サビ前、「かぼちゃの馬車に乗って助けに行くよ」という歌詞に込められた温もり。
そのしなやかで柔らかな歌声に、「守ってほしい」と思わず願ってしまった人も多いだろう。横顔を見せる仕草にはふとしたセクシーさも垣間見え、大人の魅力に胸を高鳴らせた観客も少なくなかったはずだ。
幻想と現実のはざまを歩くような、優しくも鮮やかなステージだった。
3曲目『夜捨て人』は、しっとりと静かに幕を開けた。
しなやかに踊りながら紡がれる歌声は、まるで暗いフロアを照らす一本のライトのように、優しく力強かった。
サビに入ると、月明ゆかりの世界にぐっと引き込まれ、観客たちも自然と体を横に揺らし始める。
落ちサビでは、青と白のライトが彼女を包み込み、幻想的な雰囲気をさらに引き立てた。
普段見せる明るくコミカルな姿とは対照的な、大人の表情と深みのあるパフォーマンスに、誰もが見入っていた。
ラストナンバーは『いつか描くイデア』。この曲は、作詞作曲を月明ゆかり自身が手がけ、かわさきFMの自身の冠番組「月夜も闇夜も暁の始まり」のテーマソングにもなっている。
明るいリズムに合わせて、赤や黄色、オレンジのライトがステージを彩り、客席からは自然と大きな手拍子が湧き上がった。今までのしっとりした楽曲とのギャップに、会場は一気に温かな空気に包まれる。
サビでは、「取りに行こう イテア あの日忘れた羽〜」と、前に手を伸ばしながら歌う姿が印象的だった。
“イデア”とは、彼女が見ている理想の未来。そこに向かって歩み続ける月明ゆかりの力強さと優しさが、楽曲、歌詞、パフォーマンスすべてから伝わってくる。
前に伸ばすその手を思わず握りたくなるような、希望に満ちたステージだった。
会場いっぱいの温かな空気の中、優しく幕を閉じた。


▼花城さやきち
オリジナル曲を中心にライブさせていただきます!
曲調は全て違いますが、心の傷を癒せるような時間にしたいです!
そう答えていた花城さやきちの1曲目は、オリジナル曲『カヌレ』。曲が始まった瞬間、客席からは「おいおい!」と大きな声が上がる。
可愛らしく、透明感のある歌声でアップテンポなメロディを弾ませる花城さやきち。サビでは自然と手拍子が湧き、会場は一気に明るく照らされた。
緑のアームウォーマーを身につけ、力強さと透明感をあわせ持った歌声が観客の心を掴んでいく。
「誰か教えてよ」というフレーズでは、大きく伸びやかな歌声が響き渡り、ファンもさらにヒートアップ。
落ちサビでは、「私の奥まで覗いてもらえる何かがあったらいいのにな」と切なさをにじませ、一気に観客を引き込む。
そしてラストのサビで一転、ぱっと明るくなり、先ほどの切なさからの豹変ぶり。あざとくも小悪魔的な可愛さを振りまきながら会場をさらに盛り上げた。
花城さやきちらしさがたっぷり詰まった、そんな1曲目だった。
2曲目は、オリジナル曲『人生という道で』。
辛い過去を抱えながらも「誰かの支えになりたい」という想いで生まれたこの曲を、花城さやきちは「心で聴いてほしい」と静かに語りかけた。
1番では、「ああ私なんか、消えてしまいたい」と自分を責める痛みを、透明感のある歌声で優しく包み込みながら届ける。
2番では、「落ち込むのは、前に進もうとしている証拠」と、自分を受け止める言葉をそっと重ね、観客もそれぞれの想いを胸に抱きしめた。
ラストサビでは、「もう大丈夫」と力強く背中を押し、雨上がりの虹のように、苦しみごと明るく照らしていく。その歌声は、まるでこころのおくすりのように、静かに、確かに、会場を温かく満たしていった。
3曲目は『ぼくの地図』アップテンポなナンバーだ。
虹のあとに一気に晴天が広がるような、爽やかで力強い空気が会場を包み込む。
大きな手拍子が自然と起こり、花城さやきちのまっすぐな歌声がしっかりと観客に届いていた。「負けない。まだ負けない。きっと。」──繊細さを持ちながらも、芯のある力強さを感じさせるパフォーマンス。今までとは一味違う、熱く真っ直ぐな想いが溢れていた。
観客もまた、真剣な眼差しで彼女に応え、会場全体が「支え合う」温かい空間に。
「笑われたっていいよ。今進む」──そんな歌詞に背中を押されながら、ペンライトを前へ前へと伸ばす観客たち。
まるで一緒にゴールへ全力疾走しているような一体感に包まれ、春の不安を吹き飛ばすような力強いラストを迎えた。

▼結城璃音
オリジナル曲が初披露となるので、この曲を作るにあたってご協力いただいた全ての方々への感謝の気持ちと、自分がこの曲を通して何を伝えたいのかがしっかりを伝わるよう心をこめて歌わせていただきます。
そう答えた結城璃音の1曲目はP丸様の『シル・ヴ・プレジデント』。
。アップテンポな曲に合わせ、最初から「おいおい!」と大きな声で盛り上がる会場。ぴょんぴょん跳ねながら歌い踊る姿は、まるで画面から飛び出してきたアイドルそのもの。白いフリル衣装を揺らしながら、セリフも多いこの曲を華麗に歌い上げる。緑のペンライトがステージを照らし、「123」で見せる無邪気な笑顔にみんなが釘付けに。1曲目から大きな一体感が生まれた。
2曲目はオリジナル曲『共に』。
── 共に踏み出そう──そんなメッセージを乗せたこの曲に、自然と温かい手拍子が広がる。
立ち止まっても、間違っても大丈夫。君が選んだ道は、きっとどこまでも続いている。
そっと寄り添うような歌声に、心がふわりと軽くなっていく。
緑のペンライトが揺れる景色の中、ファンたちも優しい笑顔でその姿を見守っていた。
ラスサビでは、右へ左へと手を伸ばし、“共に”進んでいこうとする強い意志がステージいっぱいに広がった。
緊張していたとは思えないほど、想いをまっすぐに届ける、温かい一曲だった。
3曲目はオリジナル曲『涙の理由』。2曲目とは打って変わり、等身大の結城璃音を映し出すミディアムバラード。
出口の見えない夜や、息が詰まる朝、強くなれない自分への葛藤を、たくさんの言葉を選びながら丁寧に紡いだ。
それでも、「嫌いな自分だけど、ずっと連れ添った自分」と歌い、たくさん悩みながらも今、ステージに立つ強さを見せてくれた。
ファンも緑のペンライトを振り、“ありがとう” “がんばれ”の想いを結城に届ける。
「誰かのためじゃなくて、ありのままのあなたを」──
そう力強く歌い上げる姿は、可愛いだけじゃない、切なく、かっこよく、胸に深く刺さった。
辛いとき、何度でも思い出したくなる、結城璃音らしい宝物のような一曲。
「アイドル志望なので」と始まったラストの曲は、=LOVEの『絶対アイドル辞めないで』。
さっきまでとは打って変わり、キャッチーなメロディに甘い歌声を重ね、踊りながら笑顔で一人一人に愛を届けていく結城。緑のペンライトが激しく揺れ、サビでは愛らしいアイドルジャンプも飛び出す。
このタイミングでアイドル曲。でも、絶対にアイドル辞めないで。そんな願いが自然と湧き上がる。
「今日の歌い方、なんか好きだな」そんな歌詞と重なり、心を打たれた人も多いのではないか。そして、今日初めて一目惚れした人もきっといるだろう。
落ちサビでは前へ前へと手が伸び、ステージと会場がひとつになる。
可愛いアイドルソングの終わりに、涙を流す結城。
フーッと歓声が上がり、全力で駆け抜けた彼女とファンの間に、言葉では表せない絆が確かに生まれていた。

▼東雲ろん
ライブには生身で出演するがいつもは可愛いバーチャルの姿で活動しており、この空間は来た人のみの貴重な時間。彼女のライブが幕を開けた。
春らしいロングワンピースをまとい、柔らかな空気をまとって現れた。
1曲目はやなぎなぎの『春擬き』。
「探しに行くんだ そこへ」──そう歌い出すと、ステージを動き回りながら一人一人に会いに行くように歌声を届ける。
会場は一瞬で水色のペンライトに染まり、手拍子をする人、体を揺らす人、それぞれが東雲ろんの歌の世界へ引き込まれていく。
春を感じさせる華やかで温かい音楽。
全力で春に向かって走っていくような明るさと、どんどん加速していく温もり。
空のように澄んだ水色のペンライトが揺れ、おいおいと湧き上がる声は、植物をぐんぐん成長させるようなエネルギーに満ちていた。
しゃがんで観客に手を伸ばし、太陽のような笑顔を向ける。
会場はカラフルな花に囲まれたように華やかで、温かく一体感のある空間が広がっていた。
2曲目はオリジナル曲『Kaleido World』。
観客一人一人の瞳を覗き込み、吸い込んでいく東雲ろん。春の澄んだ空をそのまま映したようなステージだった。
「キラキラ輝く カレイドステージ 誰かじゃない私たちだから作れるの。」
その言葉に、胸の奥がじんわり温かくなる。
ステージに立つ東雲ろんと、ファンたちで、一つの温かい世界ができあがっていた。誰かじゃなく、私たちだから作れるそんな空間だ。
透明感のある歌声で、同じパレットの上にそれぞれの色を重ねていくように、みんなで世界を染め上げていく。
爽やかで疾走感のあるメロディに乗せて、透明な世界が広がる。
透明だからこそ、一人ひとりの色が、眩しく輝いていた。
2曲目もオリジナル曲『Simple』。
しなやかで柔らかな歌声が、会場を優しく包み込む。
「綺麗なだけじゃない、楽しいだけじゃない。でも見ててくれたね」と歌い、ファンとの思い出を思い出させてくれる。
シンプルすぎるほどまっすぐな「ありがとう」という言葉。
その5文字が、東雲ろんとファンを支え合う力になっているのが伝わってきた。
ラストのサビでは「やっと言える 愛してる」と、あたたかくも力強く歌い上げる。
“あなた”という言葉に乗せて、一人ひとりに感謝を伝える姿に心が震えた。
絶賛ミュージックビデオ制作中とのことで、完成が待ち遠しい。
東雲ろんラストの曲は、「かっこいい曲を歌いたい」と選んだ星街すいせいの『Stellar Stellar』。
高音から「だって僕は星だから」と歌い出すと、圧巻の伸びやかな歌声が会場に響く。
ステージを駆け回り、一人ひとりに顔を見せながら、サビでは中央で堂々と力強く歌い上げた。
青いペンライトが夜空の星のように揺れ、ステージは一気に幻想的な夜空へ。
太陽のようだった東雲ろんが、今はみんなの星として輝きを放つ。
落ちサビでは透明感あふれる歌声で、一人ひとりに想いを届け、
最後には、ペンライトが作る美しい夜空の中、温かくステージが幕を閉じた。

▼桜街☆まるる
カバー曲中心で、桜街☆まるるらしいかわいい曲からかっこいい曲をうたいます!知らない人にも楽しんでいただけるライブにしたいと思います。と答えた桜街☆まるる。
そんな桜街☆まるるが歌ったのはB小町の『サインはB』。
「サインは、まる」と名前にかけた可愛いアレンジで、ぴんくのペンライトがフロアに揺れる。
「今日が楽しみで寝れなかったよ」という歌詞がぴったりなほど、まるるは楽しそうにぴょんぴょんと飛び跳ね、甘い空気を広げていく。
顔の横で作るハートに、観客からも「おいおい」と声が上がり、1曲目から会場は明るく、熱く、キュートな雰囲気に。
可愛いドレス、甘い歌声、ルックス。すべてがまるるらしさ全開で、観客をどんどん笑顔にしていった。
「サインはまる〜」とオリジナルなフレーズも交え、会場の熱気はさらに上昇。
1曲目から、彼女らしい甘く明るい世界がしっかりと作られていた。
2曲目はAKB48の『ファーストラビット』。
ステージを元気に動き回りながら、まるるらしさ全開でファンと楽しい時間を作り上げていく。
手拍子や体を揺らしながら観客も一緒に楽しみ、ウサギポーズではキュートさを爆発させ、アイドルらしさをしっかりと届けた。
た。
彼女の歌声は、ここにいるみんなを自然と笑顔に変えていく。
ピンク色に染まるペンライトが、まるるのファーストラビットをさらに輝かせ、空間全体を温かく包み込んでいった。
宣言通り、楽しい時間を作り上げ、共有したその姿は、素晴らしいチャレンジャーたちへの大きなエールにもなっていた。
3曲目は『となりのトトロ』の編曲バージョン。
ポップで明るく、キュートに歌い上げるまるる。サビでは手を振りながら跳ねる姿が、まるで森に現れた妖精のようだった。
アニメとリアルの間を生きる2.5次元Vtuberだからこそ、ファンタジーと現実の境界を飛び越え、誰もが知る曲を甘く、夢のように彩ることができる。
思い思いにコールを入れ盛り上がる観客たちと、現実を忘れるような楽しい空間を共有。
まるるならではの世界観で、大きな歓声に包まれてステージを締めくくった。
ラストはX JAPANの『紅』。まるるが「自分のテーマソングかも」と冗談交じりに紹介し、ロックな空気が一気に広がった。ピンクだった会場は真っ赤に染まり、観客たちはペンライトでバツ印を作りながら盛り上がる。リボン付きのピコピコハンマーを手に、間奏では観客の頭を叩いていくユニークな演出も。甘さとロックを絶妙に融合させるのは、まるるならでは。可愛さを纏いながら力強く『紅』を歌い上げる姿は唯一無二で、赤く燃えるペンライトの海とともに、圧巻のラストを飾った。

▼りのん
オリジナル曲と普段配信でも歌っているカバー曲も楽しんでもらえるように選んで持っていきます!みんな声出す準備していてください!!
そう答えていたりのん。
イベントのラストを飾った。ティアラをつけて登場し、「はい!はい!」と元気な声で会場を盛り上げる。水色のペンライトに囲まれたフロアに、ポップで飛び跳ねたくなるメロディが響き渡る。披露したのは、オリジナル楽曲『君アディクション』。可愛さと明るさがある中にも、「晴ればかりじゃ疲れるから、雨に濡れたいの」などとどこかに危うい輝きが買い見え、りのんらしさを感じさせる。
それでも、りのん自身の、光が差し込んだような明るさと、前向きなパワーを放ちながら歌い上げる姿に、観客も「オレモー!」と応え、手拍子と歓声で会場は一体に。「楽しんでいますかー?」の問いかけに「イェーイ!」と返す声が重なり、最後まで熱いステージとなった。
2曲目はSILENT SIRENの『チェリボム』。りのんが「チェリノンでコールしてね!」と伝えると、会場は早速「チェリチェリノン!」のコールで一体に。弾けるように歌い出したりのんに、観客もポップに弾け、甘くキュンキュンした空間が広がっていく。ポッピングシャワーのように弾け飛ぶ熱気の中、「絶対的にあたしを愛して」と歌うりのんに応えるように、男女とも、チェリノチェリノン!!と声をあげる。宙に浮かぶような盛り上がりと歓声、高く伸びた手が、2曲目のフィナーレを鮮やかに彩った。
3曲目はAimerの『カタオモイ』。会場の空気が一瞬で変わり、静かで透き通ったバラードが響き渡る。さっきまでの弾けた空気が一転、優しさと温かさに包まれる。観客は静かに手拍子を合わせ、りのんの歌声が一人一人の心に優しく寄り添っていく。「カタオモイ」の歌詞が、まるでりのんからの贈り物のように、心を温め、揺さぶる。水色のペンライトがゆっくりと揺れ、まるで清らかな川の岸辺にいるかのような感覚。最後の「愛してる」という言葉で、透き通った空間の中に温かな光が溢れ、観客全員の心が包まれるように温かさが広がっていった。
ラストの曲、オリジナル曲『星影る場所』が始まると、会場は惜しむように静まり返り、次第に感動的な雰囲気が広がる。この曲は、りのんがファンへの思いを込めて作詞したかけがえのない宝物のような一曲。涙ながらに曲の紹介を終えると、驚きの発表が。なんと、この曲はBSよしもと「水田信二の注文の多い料理教室」の5月のエンディングテーマに決まり、ミュージックビデオ付きでカラオケJOYSOUNDにも入ることが決定した。会場は一気に盛り上がり、泣き、笑いの感動の中、元気に「はいっはいっ!」と盛り上がる。かっこいいメロディーの中、力強い歌声が響き、間奏では観客と一緒に「うぉーうぉー」と声を揃えて歌う場面も。ファンとりのんが一つ一つの景色を大切にしながら歌う姿に、これまでの絆が感じられた。「君がくれた居場所で光歌うよ」大切な時間を過ごすみんなで作り上げたこの場所が、これからも続いていくことを信じて。前向きな気持ちが会場全体に広がり、青空や星のような明るい未来を感じさせた。最後には大きな歓声とともに、感動的なフィナーレを迎えた。

それぞれが一人でステージに立ち、自分らしさを存分に表現した今回のイベント。
歌い、踊り、観客と心を通わせる姿からは、今の輝きだけでなく、これからさらに成長していく未来への可能性も感じられた。
それぞれの個性がキラキラと光りながら、確かに新たなスターたちが生まれている。
今後、どんなふうに羽ばたいていくのか、期待せずにはいられない。
PHOTO:永井秀和
TEXT:大田真子
■セットリスト
詩彩あい
『BELIEVE』エンジェルスハーモニー
『怪獣の花唄』Vaundy
『あいをつなぐ』
月明ゆかり
『終わらない朝』
『めでたしの未来』
『夜捨て人』
『いつか描くイデア』
花城さやきち
『カヌレ』
『人生という道で』
『ぼくの地図』
結城璃音
『シル・ヴ・プレジデント』P丸様。
『共に』
『涙の理由』
『絶対アイドル辞めないで』=LOVE
東雲ろん
『春擬き』やなぎなぎ
『Kaleido World』
『Simple』
『Stellar Stellar』星街すいせい
桜街まるる
『サインはB』B小町
『ファーストラビット』AKB48
『となりのトトロ』井上あずみ
『紅』X JAPAN
りのん
『君アディクション』
『チェリボム』SILENT SIREN
『カタオモイ』Aimer
『星影る場所』
■SNS
月明ゆかり
https://www.galpo.info/feature/208/list/11357
花城さやきち
https://x.com/87ki_38kichi
東雲ろん
https://lit.link/Shinonomelon