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アイドル新戦国時代”の新たな勢力図を描くべく、南西の地より全国へ世界へと大きく羽ばたく“九州女子翼”。
左から詩絵里、新谷香苗、実玖、山本愛理、鈴川瑠菜
「アイドル戦国時代が叫ばれて久しい」と叫ばれてからさらに久しい。いや、「もう終わりかけている」あるいは「既に終焉している」と唱える向きもあるが、いったいどうなのだろうか。現状を見てみると、離合集散を繰り返し、新陳代謝も激しく、さらには、“戦国の世”を逞しく生き残った者たちや種々様々な新興勢力が入り乱れ、ますます混沌としてきた感がある。そういう意味でも、その顔ぶれは変われど、相変わらず群雄割拠の様相を呈しており、“アイドル戦国時代”はまだまだ続いていると言えるのではないだろうか。
そんな中、南西の地“九州”より、この“戦国”の世に果敢に攻め入ろうとしている新たな一団がいる。いにしえの戦国時代にその名を馳せた九州の武将、大友宗麟や島津義久は、ついぞ都へと進出して天下を獲ることはなかったが、“アイドル戦国時代”に生きるこのフレッシュな武士(もののふ)たちは“翼”を有しており、都へ、全国へ、さらには世界へと羽ばたいていきそうな勢いでシーンに颯爽と現れた。
その名は“九州女子翼”。「九州の女性で描く『カッコよさ』『綺麗』『おしゃれ』『志の強さ』を音楽で表現する」というコンセプトを掲げ、「九州の魅力を全国へと伝える」使命も帯びながら、“アイドル戦国時代”の大空を翔けようとしている。2017年10月に実玖、新谷香苗、山本愛理、詩絵里の4人でスタートし、劇場定期公演と映像展開を主軸に活動。定期公演は既に3回を数え、メンバー全員の“Introduction Movie”も制作、さらには東京、名古屋、大阪への遠征も行うなど、精力的な活動を展開している。だが、なんと言ってもその魅力は、優れた楽曲と瑞々しいパフォーマンスだ。現時点で発表されている「fair wind」「TAKE WING」「私だけのArmor」「Maybe Darling」「絶対零度」の5曲は、サウンドプロデュースを手掛ける筑田浩志の作曲。GALETTe「じゃじゃ馬と呼ばないで」や西恵利香「MUSICを止めないで」といった名曲を生み出してきたこの作曲家は、これら5曲においても、エレクトロ風味を随所に利かせたディスコ/ファンクを特徴とする“筑田節”を炸裂させている。そして、そうした優れた楽曲にさらなる臨場感を加えるのが女子翼たちのパフォーマンスだ。小気味好い筑田ビートと、彼女たちの溌剌としたダンスとの相性は抜群。また、シャープな歌声、パンチのある歌声、かわいらしい歌声、少し影のある歌声などを駆使して様々な色彩を描き出すヴォーカルワークも、楽曲のさらなる魅力を引き出している。
もちろん、まだデビューして半年ほど。歌もダンスもまだまだ発展途上だ。だが彼女たちは、アイドルによくある「拙さを応援で支えてあげなきゃいけない」といった“慈愛”にも似た感覚を抱かせるのではなく、「必ずや成し遂げてくれるのではないか」といったポジティヴな期待感を抱かせてくれる。それこそが九州女子翼の魅力だ。
そしてなんと、3月17日に行われた第3回定期公演より新メンバー 鈴川瑠菜が加わり、5人体制となった九州女子翼。“アイドル戦国時代”という戦場に出陣するにあたり、晴れて“鶴翼の陣”が整ったというわけだ。
そこでこのたびお届けするのが、実玖、新谷香苗、山本愛理、詩絵里の4人体制としては最後となるインタビューだ。グループについて、各メンバーについて、楽しく賑やかに語っていただいた。
そしてさらに、新メンバーとなった鈴川瑠菜にも最速となるインタビューを敢行。どこよりも早くこの新メンバーの素顔に迫った。
4人体制最後のインタビュー
「最初はみんな遠慮してるみたいな感じでしたけど、今はみんな意見を出し合ったりしてます」(愛理)
――まずは、九州女子翼とはどういうグループなのかを簡単に説明していただけますか?
実玖:九州女子翼は、「九州・山口を愛し、日本全国~世界へと翼を広げたい」女子の魅力が詰まったパフォーマンスをお届けするガールズグループです。
山本愛理(以下:愛理):女の子の「志の強さ」とか、女子の「おしゃれさ」とかを楽曲で表現しています。
――なるほど。僕も少し調べさせていただいたんですが、「九州の女性で描く『かっこよさ』『きれい』『おしゃれ』『志の強さ』を音楽で表現するガールズグループ」とありますが、先ほど実玖さんはしれっと「山口」って入れてましたよね?(笑)
実玖:そうなんです(笑)。私と愛理は山口出身なんです。なんですけど、九州と山口はとても近いので、山口は九州の仲間に入れてもらって…。
――あれ?ちょっとコンセプトがブレれてませんか(笑)。
一同:(笑)。
実玖:メンバー4人のうち2人が山口出身っていう…(笑)
新谷香苗(以下:香苗):もう半分がね…。
――ちょっと“九州女子翼”とは言えないですね~(笑)。
詩絵里:こそっと言ってます(笑)。九州・(小声で)山口…って。
――でも、お気持ちは分かります。実は僕、北九州市門司区の出身なんですよ。
一同:え~、そうなんですか!?
――まあ、5歳ぐらいまでしかいなかったのであまり記憶がないんですが、関門海峡が目の前だったので、下関はすぐそこなんですよね。なので、もうほとんど“九州”です(笑)。
実玖:ですよね!? トンネルも通ってますし。
香苗:歩いていけちゃうんで。
――分かります。九州、大丈夫です、大丈夫です。
実玖:はい、それでお願いします!
―― そういうのもあって勝手に親近感を抱かせていただいているんです。
一同:うれしいです!
――で、「劇場定期公演と映像展開を主軸に」活動されているとのことですが、劇場公演はYouTubeなどで少し観させていただきました。三幕制でやられてるんですよね?
一同:そうなんです。三幕制で。
実玖:一幕目はトークやファンミーティングをやっています。
愛理:二幕目がソロやユニットやって、三幕目が本編、女子翼のライブ本編をやる、といった盛りだくさんな内容なんです。
――時間的には全体でどれぐらいなんですか?
実玖:1時間半以上ですかね。2時間近くぐらい。
香苗:「最前席」とか「撮影席」とかもあるんです。「撮影席」では自由に撮影できるので、そこで撮られた方がYouTubeにアップしてくださってるみたいです。
――いろいろ考えられてますね~。
詩絵里:はい、楽しめるように。
――最前席っていうのは面白いですね。
香苗:そうです。メンバーのメッセージ付きなんです。
愛理:かなりお客さんと近いです。
――すぐ売れちゃうんじゃないですか?
実玖:はい、結構すぐ。
愛理:そうですね。ありがたいことに。うれしいです。
――今度定期公演予約しますね。
実玖:(笑)。
愛理:待ってますね。
香苗:ぜひ最前に。
愛理:めちゃめちゃレスします!
――緊張するなぁ(笑)。
詩絵里:3回目の定期公演は二部制なので、2回楽しめるんです。同じ公演を2回行うので、撮影席で1回目は楽しんで、2回目は最前で、とか。
――え? 三幕の公演を2回やるんですか?
詩絵里:はい、2回まわしで。
――大変ですね~。
香苗:いやいや、もう楽しみでしかないですよ。
――ところで、デビューって割と最近なんですよね?
一同:はい。10月末に。
――で、プロフィールを拝見すると、実玖さん、愛理さん、香苗さんは芸能活動歴があり、けっこう業界長い人もいますよね?
実玖:そうですね、はい。
――でも詩絵里さんはこれが初めての芸能活動なんですよね?
詩絵里:はい、初めてです。
――「お披露目」「プレデュー」「デビュー」と三段階ありましたが、実際デビューしてみていかがですか?
詩絵里:そうですね。「お披露目」も「プレデビュー」もホントにソワソワワクワクして、緊張や不安もあったんですけど、自分としてはやはり長崎出身なので、「本格デビュー」を長崎の稲佐山という場所でできたことが本当にうれしくて…。
――あぁ、デビューは長崎でだったんですね。
詩絵里:はい、ホントにうれしかったです。デビューが地元でできたのは。
――長崎も広いじゃないですか。もうホントに近い地元ですか?
詩絵里:自分の地元はちょっと佐世保寄りなんですけど、ライブは長崎市内の稲佐山公園でやりました。
――“長崎代表”って感じですね!
詩絵里:はい、長崎代表で(笑)。
――ですね。で、このお2人が同じグループだったんですよね?
愛理&実玖:はい、I’S wingというグループで。
――僕は去年の4月3日に東京の大塚っていうところでI’S wingを見てるんですよ。みなさんの事務所主催のイベントで。IsTaRさんとかI’S wingさんとか出演されてました。出演したのは九州のグループばかりだったんですけど、すごい盛り上がりで、東京にもいっぱいファンがいるんだなぁって思いました。その時に社長ともご挨拶して…。
愛理:あー、そうなんですね。
――で、香苗さんは、以前にRev from DVLにいらしたんですよね?
香苗:はい。
――ということは、この4人で会ったのはデビューの時、まあその前にレッスンとかもあったと思うんですけど、4人揃って半年ぐらいですか?
実玖:そうですね、はい。
――仲良いですか???
実玖:はい。
愛理:最近すごく絆が深まったみたいな、そんな感じなんですよ。
――おぉ。
愛理:最初はみんな遠慮してるみたいな感じでしたけど、今はみんな意見を出し合ったりしてます。
――何か転機はあったんですか?
実玖:遠征かな~。1回目の東京遠征が昨年12月にあったんですけど、遠征だとずっと一緒にいるので、メンバーのことがより分かったりして結束も深まりました。遠征が一番大きいのかなと思います。
――それぞれの性格も分かってきたという感じですね?
愛理:丸分かりです(笑)。
――こうしてお話しを伺っていても、みなさん息ぴったりですよね? 今日のライブのMCとかを見て思ったんですが、デビュー間もない頃のインストアイベントの動画を拝見したんですが、ちょっとヒヤヒヤするぐらい(笑)トークが危なっかしい感じだったんですけど、今やもうバッチリですよね。
愛理:あ、ほんとですか!?
実玖:女子翼は「パフォーマンス第一のグループ」を目指しているので、最近では、先にライブをダァーってやっちゃってからMCをやることになったんです。
香苗:MCのことは、あらかじめ考えないようにしてるんですよ。
実玖:今は自分たちの本当の気持ちを自分たちの言葉で伝えるのを大事にしてて。
――なるほど。決められたものを紙に書いて喋るのではなくて…。
実玖:はい。それだと“間違える”ことがあるので、“間違いも“正解”もないというMCをやるようになりました。