Speak emo
五十嵐夢羽(RYUTist)|コントじゃないですよ、トークです(笑)
だって面白いと思って話してないですもん
ーーご自身では自分の性格ってどんなだと思いますか?
五十嵐:優柔不断ですね。決断がほんとに遅いです。
ーー裏を返すと“慎重”っていうことだと思いますが…。どうして優柔不断なんでしょう?
五十嵐:多分、自分一人で決めるのが怖くて、誰かの助言が欲しいんですよね。夢羽の前に「これとこれ」って出されても「じゃあ、ともちぃだったらどう思う?」とか「みくちゃんだったらどう思う?」ってすぐ訊いちゃうんですよ。なので、周りに人がいないと自分では決められなくて…。何に対してもそうなんですけど「どっちがいいと思う?」って人にすぐ聞いちゃうんです。
ーーなるほど。すごく思うんですが、夢羽さんバランス感覚が素晴らしいですよね。今まで取材させていただいた時にも自分からガンガン来る感じではないなって気がしたんですよ。でも、他のメンバーが言葉に詰まるとサッと言葉を挟んで穴を埋めてくれるみたいな。それはステージ上のMCでもそうなんです。なので、自分で決められない、ということはすごく客観的な自分がいて、「あなたそれで決めていいの?」って問い掛け、他者に意見を求めることでバランスを取ってるんですよ。
五十嵐:悪魔的な感じですか?
ーーえーっと…? あぁ、はいはい。いわゆる“天使と悪魔”みたいな。“自分”じゃない人が客観的に見てる、バランス良く見てるという感じです。
五十嵐:すごい! 褒め言葉にしていただいて。
ーーいや、でもそういうことなんじゃないですかね。つまりは、自分の狭い視野だけでガッと行っちゃわないで、他の意見とか他の視点とかを常に意識して、それらを十分に吟味する、と。
五十嵐:そうですね。意識します。じゃないと後が怖いなと思って。
ーーでも、そういうところがすごく活かされるケースがあるような気がしていて、それがMCなんですよ。これ、僕も面白すぎて感動すらしたMCで、ファンの方の間でもちょっとした伝説になってると思うんですが、去年の赤羽ReNY alphaでのライブ。あの時の夢羽さんのMCが抜群だったんですよね。
五十嵐:何だっけ? おばあちゃん? おばあちゃんの話だ!
ーーはい。あのMCって、誰か作家さんが台本書いてたんじゃないかと思うぐらいよくできてたんですが。
五十嵐:誰も書いてないですよ。「こういう話しよう」っていうのをメンバーではある程度は決めてたんですけど、「ここは夢羽がおばあちゃんの話します」ぐらいの感じでした。
ーーじゃあ、あれは割と長めのMCセクションでしたけど、夢羽さんが「私、おばあちゃんの話するから」ぐらいの感じだったんですか?
五十嵐:こういう話するからみんなリアクションお願いね、みたいな感じでした。
ーーそれだけだったんですね。話の“フリ”とか“オチ”とか色々考えてたんですか?
五十嵐:ステージに立つ前は色々と考えてたと思うんですが、実際話してて全然変わっていったと思います。あまりにも皆さんの反応が良くて、多分自分で調子乗っていろいろ変な方向に持っていったんだと思います(笑)。
ーー現場でも僕、夢羽さんに「MC抜群でした」って言ったと思います。終演後ファンの方とも何人かお話したんですが、皆さん絶賛してましたよ。
五十嵐:そんなMCになるとは思ってなかったです。
ーー「あの時のMCすごかった」みたいな評判は聞きました?
五十嵐:そうですね。あのおばあちゃんの話のことは、今でもたまにファンの人とかが言ってくださったりして、そんなに皆さんの中に残ってるんだって思って。自分的にはそんなでもないんですけど(笑)、皆さんには面白かったんだなって。
ーーそういう評判は夢羽さんにも届いてるわけですね?
五十嵐:はい。うれしいことに。
ーーこのMCのお話しは夢羽さんのスキルや魅力を語る上でぜひしたくて。とはいえ、詳細まで正確に覚えてなかったんですが、ファンの方にメモしていた方がいたんですよ。例えばそれをブログとか何かで公開するわけでもなく、まさに備忘録として個人用としてメモしてる方がいて、その方に改めて詳細を教えていただいたんです。記事を読んでいる方でそのライブをご覧になっていない方もいらっしゃると思うので、ちょっとここで再現したいと思うんですが、会場が赤羽ということで「赤羽のおばあちゃん」の話が出てきたんですよね?
五十嵐:はい。赤羽に住んでる「高い高いおばあちゃん」です。
ーーで、夢羽さんには他にも3人おばあちゃんがいて、まずは「ぶーらんぶーらんおばあちゃん」、そして「ぱっぱおばあちゃん」。訳わかんないじゃないですか。で、実郁さんが「ちょっと説明してよ、みんなポカンとしてるじゃない」って絶妙なツッコミを入れて、そこで呼び名の由来が説明されるんですよね。
五十嵐:はい。「高い高いおばあちゃん」は、小さい時に「高い高い」してもらったので「高い高いおばあちゃん」。
ーーで、次の「ぶーらんぶーらんおばあちゃん」。ならば「ぶーらんぶーらん」してもらってたからなのかなと思いきや…。
五十嵐:「電気のヒモが長くてぶーらんぶーらんしてる」から「ぶーらんぶーらんおばあちゃん」(笑)。
ーーまずそこから面白いですよね。
五十嵐:そうですか? 五十嵐家ではもう普通です。これ。
ーーで、次が「ぱっぱおばあちゃん」。
五十嵐:「お家にお花がたくさん咲いてる」から「ぱっぱおばあちゃん」です。
ーーそれもよくわかんないんですけど。
五十嵐:なんでですか???
ーー花がぱっぱと咲いてるわけですよね?
五十嵐:お花のこともそうですし、葉っぱのことってぱっぱって言うじゃないですか。
ーーそれ新潟弁ですか?
五十嵐:言わないのかな?
ーーというか、子供の言葉ですかね。
五十嵐:そうですね。
ーーそうか。「ぱっと花が咲く」と言いますもんね。で、「あとの1人は?」って実郁さんに訊かれて…(笑)。
五十嵐:おばあちゃん! ただの「おばあちゃん」!
ーー見事な“オチ”ですよ(笑)。実郁さんが「何か名前付けてあげてよ」ってツッコんだ後の、乃々子さんのさらなるツッコミがすごかったんですよね。
五十嵐:「おばあちゃんって最大で2人じゃないの? もしかして聞いちゃいけないやつ?」みたいなのですよね?
ーーそうですそうです。
五十嵐:全然大丈夫な話です。親戚のおばあちゃんも含めての話なので。
ーーっておっしゃいましたよね。そこで一旦オチたんですが、まだまだ続きます。実郁さんの「ここでそんな重大発表しないでしょ!」っていうツッコミをものともせず、夢羽さんは「高い高いおばあちゃん来てるかなぁ」と。そこで実郁ちゃんが「いや、来てないでしょ、見た感じ」みたいなのがあって、夢羽さんが「じゃあ次の曲はおばあちゃんに届くように歌います」って言うと、実郁さんが「そういう曲じゃないでしょ」と。その流れで「Never let me back」を歌うわけです。おばあちゃんに届けるような曲とはちょっと違うような…(笑)。もう最高のMCでした。これめちゃめちゃ面白いコントですよ。
五十嵐:コントじゃないですよ、トークです(笑)。
ーーこんな面白いMCを毎回やってるんですか?
五十嵐:全然そんなことないですよ。だって面白いと思って話してないですもん。
ーー面白いと思って話してないんですか??? これを?
五十嵐:全然。普通に赤羽だからお話しようと思ったら、なんか皆さんがクスクスしだしたから、皆さんの中ではこの話面白いんだって思って。
ーー何となく印象的には、大爆笑したというより、あまりの鮮やかな流れと面白さに、みんな驚嘆して「おぉ、スゲー」みたいな感じだったと思います(笑)。
五十嵐:全然面白いMCじゃないですよ。それにMCは毎回皆さんが笑うようなものではないですね。
ーーそうですか。もちろんこの爆笑MCにも驚いたんですが、あの時の夢羽さんの入り方がまた絶妙だったんですよ。「こんなネタ持ってきました!」みたいなこれ見よがしな感じがなくて。他のメンバーがわちゃわちゃしゃべってた中で、ちょっと話題が途切れて一瞬静かになったんですよ。そこで夢羽さんがその隙間を埋めるかのごとくスーッとこういう話を持ってきたんですよね。
五十嵐:そんな感じでしたっけ。
ーーなんか僕にはそう見えました。
五十嵐:まぁ、狙ってたわけではないです。
ーーそうですか。おばあちゃん皆さんお元気ですか?
五十嵐:みんな元気です。
ーー赤羽の時には「高い高いおばあちゃん」には会えたんですか?
五十嵐:会えなかったんです。何年も会ってないので会いたいです。
ーーもしかしたら、(2020年6月20日予定されていて中止となった)りゅーとぴあ劇場でのライブにはいらっしゃる予定があったのかもしれないですが、ぜひやりたいですよね。
五十嵐:会いたいですね。すごく元気なんですよ。ライブ中に私の名前をすっごい大きい声で呼んでたっていう過去があって(笑)。
ーーそうですか。
五十嵐:静かな時に「夢羽ちゃん、夢羽ちゃん」って声を出して(笑)。「高い高いおばあちゃん」は、そのくらい元気なんです。
ーー声も「高い高い」おばあちゃん。
五十嵐:声も「高い高い」おばあちゃんです(笑)。
ーーいやぁ、とにかくすごいMCでした。MCの時にこだわってることってありますか?
五十嵐:こだわってること。そんなにないですけど…。しゃべることを決めてても、私あまりその通りにしゃべらない人なので…。良くないんですけど。
ーーいやいや、それが良く出る時もあると思います。赤羽ではあの芸術的なMCが生まれたわけですから。
五十嵐:アハハ。なので、なんでそうなっちゃうのかなって考えた時に、多分お客さんの反応とか見ながら今こっち持ってった方が面白いかなとか思って話してるのかもしれないですね。
ーーすごいですね。そこにもある種のバランス感覚が感じられます。
五十嵐:でも、面白いこと言えないんですけどね。言えないんですけど、雰囲気的に今こっち押した方がいいかなとか、この言葉あったらいいかなっていうのを考えてますね。成功するかしないかはわからないんですけど。
ーーでも、MCでの間の埋め方とか回し方とか、ほんとお上手だなと思います。
五十嵐:うれしいです。ほんとに。だって最近全然上手にできないなって思ってましたもん。
ーーそうですか。まぁ、配信があるとはいえライブ数も少ないですからね。でもほんと、その夢羽さんの頭の回転の速さを活かしていただければ、全然大丈夫だと思います。
五十嵐:大丈夫かな。結構大きいこと言っちゃったな、今。大丈夫かな。
RYUTist ライブ情報
RYUTist、ゲスト出演決定!
■公演名
蓮沼執太フィル・オンライン公演 #フィルAPIスパイラル
■開催日時
2020 年8 月29 日(土)19:00~ * 90分程度の演奏を予定しています。
■視聴料(税込/電子チケット)
早割:2,000 円(8月 5日(水)12:00~8月12日(水)23:59)
前売:2,500 円(8月13日(木)0:00~8月28日(金)23:59)
当日:3,000 円(8月29日(土)0:00~)
デジタル音源付き:3,500円
チケット購入ページ ZAIKO: https://shutahasunuma.zaiko.io/_item/328870
■開催形式
ライブ配信
※購入者は9月5日(土)20:00 までアーカイブ視聴が可能。
■出演
蓮沼執太フィル
(蓮沼執太、石塚周太、イトケン、大谷能生、尾嶋優、葛西敏彦、K-Ta、小林うてな、ゴンドウトモヒコ、斉藤亮輔、千葉広樹、手島絵里子、三浦千明、宮地夏海)
ゲスト:
RYUTist、xiangyu、Aokid
公式サイト
https://www.spiral.co.jp/topics/art-and-event/philapispiral
RYUTist 商品情報
■RYUTist 4th Full Album『ファルセット』
発売日:2020 年 7 月 14 日(火)
品番:PGDC-0012
価格:¥3,000(税抜価格) +税
《収録内容》
01. GIRLS(作編曲:蓮沼執太)
02. ALIVE(作詞:蓮沼執太/作編曲:蓮沼執太)
03. きっと、はじまりの季節 (作詞・作曲:弓木英梨乃/編曲:sugarbeans )
04. ナイスポーズ (作詞:柴田聡子/作編曲:柴田聡子)
05. 好きだよ・・・ (作詞:NOBE/作編曲:KOJI oba)
06. センシティブサイン (作詞:シンリズム/作編曲:シンリズム )
07. 絶対に絶対に絶対に GO! (作詞:藤村鼓乃美 ・ 北川勝利/作編曲:北川勝利)
08. 青空シグナル (作詞:清浦夏実/作編曲:沖井礼二 )
09. 時間だよ (作詞:Kan Sano/作編曲:Kan Sano)
10. 無重力ファンタジア (作詞:清浦夏実/作編曲:ikkubaru)
11. 春にゆびきり (作詞:パソコン音楽クラブ/作編曲:パソコン音楽クラブ)
12. 黄昏のダイアリー (作詞:清浦夏実/作編曲:北川勝利・沖井礼二 )
五十嵐 夢羽(いからし むう)
誕生日:1月5日
イメージカラー:グリーン
新潟の好きなところ:かわいいゆるキャラさんがたくさんいるところ
新潟の好きな食べ物:佐渡天然ブリカツ丼、新潟タレカツ丼、鯛茶漬け