Speak emo
天野なつ|自分でやるのは大変なんですけど、それだけ結果がダイレクトに来るのが楽しいなって思います
大恋愛をしたいなって思ってます
――では、”一番難しかった曲”っていうとどれですか? まぁ「true love」もそうかもしれませんが…。
天野: 意外って言われるかもしれないんですが、今ライブやっても一番難しいなって思う曲が「気まぐれなcall」です。これは単純に音程がすごく取りにくい…。たぶんそんなに難しいようには聴こえないかもしれないですけど、私もそうだとは思わずにレコーディングに臨んだら「何これ?難しい!」ってなって。この曲はライブで歌うのが難しいですね。
――とてもスムーズな耳馴染みやすい曲ですが、結構メロディやコードに起伏がありますよね。
天野: こういう感情を出すのも難しかったですね。
――それこそ、アルバムの半分は天野さんが作詞をされていて、残りの半分は他の方が、特にスセンジーナさんが詞を書かれてます。特にこの「気まぐれなcall」なんて、微妙な心の機微が描かれていますよね。
天野: この歌詞、好きですね。
――どうですか? 自作の詞を歌うのと、スセンジーナさんを含め他の方が書く詞を歌うのって違いますか?
天野: もちろん感情を込めやすいのは自分で書く詞なんですが、スセンジーナさんが書く詞も、同い年っていうのがあるのか、歌いやすいですね。同い年っていうのもあると思うし、しかも地元も近くて、共通の友達とかも多くて。
――あの方も、ある意味Parks Recordsで“大人の趣味に付き合わされる純粋無垢なアイドル”っていうようなことをやられてた、似たような境遇にいた方で、共通点も多いですよね。では、“音楽好きのお母様が一番お好きな曲”は…。
天野: 「Secret703」ですね。あと「恋してbaby!」も好きらしいです。
――まず「Secret703」なんですが、「703」って何ですか?
天野: これはスセンジーナさんが詞を書いたんですけど、たぶん言っていいと思うんですけど、スセンジーナさんの過去にあった恋愛の話で、703号室に呼ばれてたみたいです。
――えーっと、詳しくはお聞きしません…(笑)。でも、すごいこれもいい詞ですよね。例えば、スセンジーナさんの詞を歌うと時って、ご本人から説明があったりするんですか? それとも天野さんご自身で解釈するんですか?
天野: 結構訊きますね。スセンジーナさんに会った時は「Secret703」のことも訊きました。結構松尾さんにも「これはどういう時に書いたんですかね?」とか訊きます。
――例えばこの詞だと、もちろん解釈は人それぞれですが、お互い忙しい中で逢瀬に興じるって感じなんですかね?
天野: そうですね。秘密の関係ですね。不倫とかじゃないんですけど。でも、スセンジーナさんの歌詞は入り込みやすいんですけど、たぶん性格は両極端だなっていうのは思います。
――違う性格だと。
天野: 恋愛に関してとかでもそうですけど…。そもそも自分が浅いっていうのもありますし。
――あちらは深いんですか?
天野: 私よりは全然深いと思いますね。向こうのほうが大恋愛をした経験は多いと思います。数っていうより…まぁ、数もだとは思いますが…(笑)。私は中学校の頃の恋とかだから。
――まだ恋愛経験が少ないとおっしゃる天野さんが、ご自分の実感を「Restart」や「カレーライス」や「うたかたの日々」に綴られていますが、まだ経験の浅い恋愛に関してはスセンジーナさんがそこを補ってる、という感じですかね?
天野: そうですね。「恋愛系は任せた」みたいな感じですかね。私も自分はまだ書けないことをあちらは実感してるので…。でも、私もこれからいろんな経験をしていくぞっていう気持ちはあるし、大恋愛をしたいなって思ってます。一人のシンガーとして、LinQの天野なつから抜け出すためにはそういうとこも大事だなって。
――次のアルバムが出て、そこに「作詞:天野なつ」っていうのが増えて、恋愛の詞が出てきたら、経験豊富になってきたんだということですね?
天野: ヤバい! ファンの人病むかなぁ~(笑)。病むかもしれん~(笑)。
――逆に、恋愛の詞が全くなくなってしまったらどうなんですかね?
天野: もう諦めたということで(笑)。
――もしくは、めちゃくちゃ恋愛してて、もう書けないぐらいのことになってるかもしれないですよ。
天野: 逆に!
――(笑)。だいぶ時間を過ぎてしまいましたので、あと一曲。「恋してbaby!」なんですが、これなんか本当に天野さんにぴったりな曲だと思っていて、声が曲に本当に合ってると感じるんですよ。ご自身ではどうですか?
天野: さっき“一番自分に合ってる曲”は「midnight」って言ったんですけど、「恋してbaby!」とすごく迷いました。「恋してbaby!」も周りから「ぴったりだね」って言われますね。すごく爽やかな曲で、PVもめちゃくちゃポップに爽やかに撮っていただいて、ライブでも人気曲なので、毎回やってるんですよ。でも、あれもスセンジーナさんの作詞で、すごいレコーディングが難しかったですね。松尾さんに「こんな爽やかな曲なのに、これ、本当はエロいんだよ」って言われて。「実はエロい曲で、ちょっと大人なんだよ」みたいな…。
――パンケーキとかプリンとかに喩えていますけど、官能的な意味が隠されているわけですね。
天野: そういう感じの説明を受けて、「?」が浮かび過ぎて。レコーディング当日は結構苦戦したというか、どう表現しようかっていうのは迷いましたね。
――「大人たちが趣味で良い曲を作って可愛い女の子に歌わせる」っていう、いわゆる“楽曲派アイドル”の一つのパターンだと思うんですが、そこに興味深い化学反応が起こるのが面白いところで。でも、天野さんの場合、“大人の思惑”にその歌声で存分に応えている、というか、そんな大人の思惑を凌駕するぐらいの歌いっぷりだって、この曲を聴くと特に思います。
天野: めっちゃ褒めてくれるじゃないですか。うれしい!
――大人が「こういうふうにやろう」みたいなのが見えるんですけど、そこを越えたところで歌っているような印象なんですよね。逆に言えば、エロいとか何とかっていう入れ知恵を理解し過ぎないで、自分でパンと歌ってるからこそ良いんじゃないかなという気がしますね。
天野: うれしい。
――天野さんの歌声は、結構強い声でもあるし、かといって重たい声ではなくて軽やかに弾ける感じですよね。
天野: よく、太過ぎず細過ぎすちょうどいいねって言われることが多いんです。そんな感じなんですかね。
――ですね。それがすごく生きた曲だなっていう感じがしました。なので恋愛もほどほどに、あまり耳年増にもならず、自分の感性を生かして、自分なりに解釈して歌っていただければ、と。
天野: いろいろ知り過ぎた歌声にならないようにしないと(笑)。
――でも、良い恋愛をしていただければいいんじゃないかなと思います。最後にアルバムの聴きどころをおっしゃっていただけますか?
天野: 今回アルバムは、60年代、70年代、モータウンとかノーザン・ソウルとか、色んなジャンルの曲が入っていて、全曲違うんですよ。全曲違う魅力があって、何回聴いても楽しめると思うので、自信を持ってお届けできる一枚になっています。ぜひ、皆さんたくさん聴いてください!
天野なつ イベント情報
〈リリースイベント〉
7/18(土)18:00 @HMVエソラ池袋 リリースイベント(特典会のみ)
7/26(日)①13:00 ②17:00 リリースイベント
7/30(木)19:00 リリースイベント
7/31(金)18:30 リリースイベント
8/16まで随時リリースイベント開催予定
〈ライブ情報〉
公演名:「 AMANO NATSU BIRTHDAY LIVE 」from TOKYO
東京会場:下北沢CLUB251
出 演: 天野なつ
8月20日(木) OPEN19:00 START19:30
チケット:3000円+1D
https://tiget.net/events/97303
公演名:「 AMANO NATSU BIRTHDAY LIVE 」from FUKUOKA
福岡会場: The Voodoo Lounge
出 演: 天野なつ ゲスト:CHiSEMiKU
8月29日(土) OPEN14:30 START15:00
チケット:3000円+1D
https://tiget.net/events/97309
天野なつ 商品情報
「Across The Great Divide」
通常盤
IQP-302 ¥3,000(税込)
「Across The Great Divide」
初回限定スペシャルパッケージ
IQP-303 ¥4,500(税込) 天野なつ監修 限定フォトブック24P付き
【収録曲】
1.midnight
作詞:天野なつ 作・編曲:長瀬五郎
2.恋してbaby!
作詞:スセンジーナ 作・編曲:松尾宗能 コーラス:CHiSEMiKU
3.カレーライス
作詞:天野なつ 作曲:関美彦 編曲:関美彦・松尾宗能
4.うたかたの日々
作詞:天野なつ・松尾宗能 作曲:関美彦 編曲:Spencer
5.Positive life
作詞:小川タカシ 作・編曲:小川タカシ
6.気まぐれなcall
作詞:スセンジーナ 作曲:松尾宗能 編曲:Spencer
7.Secret703
作詞:スセンジーナ 作・編曲:松尾宗能
8.true love
作詞:スセンジーナ 作曲:松尾宗能 編曲:Spencer コーラス:CHiSEMiKU
9.Open My Eyes
作詞:天野なつ 作・編曲:松尾宗能
10.Restart
作詞:天野なつ 作・編曲:松尾宗能