Speak emo

2020.07.17
天野なつ

天野なつ|自分でやるのは大変なんですけど、それだけ結果がダイレクトに来るのが楽しいなって思います

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松尾さんからは「接客の声が良いね」って言われて…

 

――ソロ活動を始めるにあたって、事務所に自らプレゼンを行なったそうですが、どんな説明をされたんですか?

 

天野: プレゼンというか、松尾さんに行くように勧められたんですよ。実際LinQとしても松尾さんとお仕事をしたことがなかったので、まず松尾さんの説明から入り…。事務所からも「どれぐらい意志があるのか」とか「やりたいことを何でもOKできるわけじゃないよ」っていうようなことを言われてたんですよ。「ソロやりたいです」って言いながら「やっぱ辞めます」みたいになると事務所的にも「それは…」ってなるので「どれぐらい強い気持ちがあるのか」はすごい訊かれました。

 

――松尾さんのParks Records界隈ってあるじゃないですか。同じ福岡ながらも、ちょっとまた別の界隈のように思えるんですが…。

 

天野: 私もそんなに知らなかったです。運営さん同士は繋がってましたけど、でもParksはほとんどなかったかも。

 

――どんな人たちだって説明したんですか?

 

天野: でも、うちの事務所に深瀬智聖さんっているんですけど…。

 

――CHiSEMiKUの智聖さんですよね。もちろん知ってます。

 

天野: 智聖さんが、一度スパイシー丸山さんとのコラボ曲を松尾さん作曲でやったんです。それ結構前かなぁ。私が休業中の時ぐらい。智聖さんのマネージャーは私のマネージャーでもあるので、うちの事務所もあの界隈を知ってることは知ってました。

 

――繋がりはあったわけですね。「ソロをやらないか」っていうのは、松尾さんがやはり天野さんの素晴らしい歌声に惚れ込んで、という感じですか?

 

天野: LinQの時ってユニゾンだらけだったので、一人一人の声ってあまり分かんないんですよね。松尾さんからは「接客の声がいいね」って言われて…。「接客の声がえらい通るね」みたいな。そう言われて「歌ってみて欲しい」みたいな感じになって、Parksの怪しいところあるじゃないですか、狭い和室みたいな(笑)。

 

――実際に行ったことはないんですけど、たしか映像か何かで見たような気がします。

 

天野: そこでカイリー・ミノーグさんを歌ってって言われて、ちょっと練習して歌ったんですよ。

 

――カイリー・ミノーグの何を歌ったんですか?

 

天野: 「I Should Be So Lucky」を歌いました。絶対こういう曲を歌ったらいいよ、みたいな感じになって、そこから「Open My Eyes」が生まれましたね。

 

――おぉ、そうなんですね。ちなみにカイリー・ミノーグのその曲ってご存じだったんですか?

 

天野: はい、知ってました。

 

――カイリー・ミノーグ自体ご存じでした? 僕、レコード会社に勤めていた時代、カイリー・ミノーグの担当ディレクターをやっていたことがあるんですよ。もっと後の時代のカイリーですけど。彼女を連れて全国を周ったこともあります。

 

天野: えぇー!そうなんですね。「I Should Be So Lucky」しか分からなかったですけど、曲聴いたら、全然メロディーとか知ってたので、後は英語を覚えないとと思って英語覚えました。

 

――松尾さんの周辺とかって、ああいうの好きそうですもんね。

 

天野: そうなんですよ。しかも、私の母も結構そういうのが好きで。昔の60年代とか70年代とかの音楽、それこそモータウンとかあの辺の曲もよく聴いてて。だから私も詳しくは知らないですけど、聴かせられたらなんか知ってるみたいなのが多くて。実家にレコードがあるんですよ。母がまさに六本松蔦屋とかで漁ったりもしてて。

 

――お母様も音楽がお好きなんですね。例えばモータウンだとどんな曲をご存じですか?

 

天野: マーヴィン・ゲイさんは結構。「Secret703」がすごく似てるって…。

 

――まぁ、まさに。

 

天野: そう言われたので、お母さんが買ってきて、聴いてみたら「あ、似てる」って思いました。

 

――もう一つ余談を言いますと、僕、モータウンも担当してたんです。なので、その辺はめちゃくちゃ馴染みがあるんですが…。話を戻しますと、例えばどんなソロ歌手になろうとか、ご自分のビジョンってありましたか?

 

天野: 私は舞台もやっているんですが、舞台女優かシンガーどっちかに絞ろうっていう気持ちはなくて…。絞るというより、例えば大原櫻子さんとか、歌もお芝居もやってるじゃないですか。そういうオールマイティにできるシンガーになりたいっていう気持ちはありました。お芝居も音楽に役立つと思いますし…。そういう想いもありつつ、私のファンの人って少し年齢層が高めなんですよ。なので、そういう人たちが懐かしむような曲をやれるといいなと。

 

――LinQ時代から“大人”のファンが多かったんですか?

 

天野: そうですね。なんていうか、“娘”枠なのかな。

 

――大人のハートを掴むむわけですね。

 

天野: ハハ(笑)。でも、結構そういう人たちとお話するのが好きで。やはり私より人生経験の多い人たちなので。

 

――逆に言えば、天野さんならそういう方たちのお話をちゃんと聞いてくれそうな雰囲気がありますよね。

 

天野: 結構聞きますよ。そういう人たちに響く音楽というか…。今って。ちょっと昔のものを改めて聴いてみようっていう時代でもあるじゃないですか

 

――今回のアルバムを聴かせていただいて、まさにそういったヴィンテージサウンドといいますか、古き良きものを今の感覚で綴ったサウンドという印象を受けたんですが、最初のプレゼンの時から具体的にそういったサウンドをやりたいと言ったんですか?

 

天野: そうですね。まぁプレゼンというか、実際に曲を聴いてもらうっていうのが目的だったというか…。

 

――卒業前から録ってたものを聴かせて「こういうのをやっていく」みたいなことをおっしゃったわけですね。たしか卒業公演でもアルバムに収録されている「Restart」を歌ったんですよね?

 

天野: はい。この曲は、結構昔のロックバラードみたいな感じではあるんですけど、どっちかというと松尾さんが作りそうにない曲で…。「Open My Eyes」と「Secret703」はモータウンの雰囲気があるんですけど、「Restart」は松尾さんも作る予定のなかった曲で、私が依頼して急遽作ってもらったものなんですよ。卒業公演で1曲歌いたいなと思ったので…。「Restart」って卒業公演のタイトルでもあるんですよね。

 

――でしたよね。

 

天野: 卒業公演って、結構懐かしい曲をやって、みんなで思い出に浸るじゃないですけど、そういう流れはよくあるじゃないですか。でも、これから私はソロでやっていくから、それで終わるのは嫌だなっていう想いがあって。なので「解体・再開発プロジェクト」の後にできたグループ、トキヲイキルとか、研究生とかのコーナーも作って、その最後に私がこれからやっていくソロ曲を披露したんですよ。「Restart」の歌詞は私が書いたんですけど、今後のLinQと私に向けたものなんです。それをファンの皆さんに届けたいなと思って、急遽松尾さんに「お願いします」って言って作っていただきました。

 

――「Restart」の歌詞に出てくる「君」っていうのはLinQのことなんですね。まさにおっしゃったように、松尾さんぽくない曲という感じがするんですが、それは天野さんから「こういう感じで」っていうリクエストをされたんですか?

 

天野: しました。あんまり切なすぎないようにして欲しいとは言ったんです。バラードだけど、悲しいというより希望のあるバラードというか、明るさもある感じにしてください、とか色々と話しました。松尾さんもそういう曲が好きらしくて。長瀬五郎さんにギターを弾いていただいたんですが、五郎さんはこういう曲をやったことがなかったみたいですね。松尾さんも結果的に「Restart」は本当に好きって言ってました。ある意味“挑戦”だったみたいで。LinQって主にSHiNTAさんっていう方が曲を書いてくれてたんですが、松尾さんは「ちょっとSHiNTA君を意識した」って言ってました。卒業公演に来るファンの方ってほとんどLinQファンっていうのもあるし、私がLinQ出身っていうのもあるから、1曲目はちょっとLinQを意識した感じにしたみたいですね。

 

――そういう意味では、天野さんがParks周辺の人に“新しい血”を注ぎ込んだわけですね。新しい扉を開けさせたというか。

 

天野: どうなんですかね(笑)。

 

――結果的にはそうなったんじゃないですかね。天野さんの卒業公演も「何かが終わります」というよりも、「次の何かが始まります」というようなものになったと。

 

天野: みんな泣いちゃうっていうより、笑って終わるみたいな。私自身も、その日は悲しいとかあまりなかったですね。幸せだなって思いました。悲しいという感情は終わったというか、怪我をして1年間空白があったので、1年前の方がよほど悲しかったですし、1年間ずっと踊れなくて、今日やっと踊れる、やっとステージに立てるっていう想いの方が強かったので、寂しいとかじゃなくて「やっとだ!」っていう気持ちでしたね。

 

 

取材・文
石川真男

天野なつ イベント情報

〈リリースイベント〉
7/18(土)18:00 @HMVエソラ池袋 リリースイベント(特典会のみ)
7/26(日)①13:00 ②17:00   リリースイベント
7/30(木)19:00     リリースイベント
7/31(金)18:30     リリースイベント

8/16まで随時リリースイベント開催予定

〈ライブ情報〉
公演名:「 AMANO NATSU BIRTHDAY LIVE 」from TOKYO
東京会場:下北沢CLUB251
出 演: 天野なつ
8月20日(木) OPEN19:00 START19:30  
チケット:3000円+1D     
https://tiget.net/events/97303  

公演名:「 AMANO NATSU BIRTHDAY LIVE 」from FUKUOKA
福岡会場:   The Voodoo Lounge  
出 演:  天野なつ ゲスト:CHiSEMiKU
8月29日(土) OPEN14:30   START15:00
チケット:3000円+1D     
https://tiget.net/events/97309  

天野なつ 商品情報

 

「Across The Great Divide」 

 

天野なつ

通常盤 
IQP-302 ¥3,000(税込) 
 

 

 

天野なつ

「Across The Great Divide」 
初回限定スペシャルパッケージ 
IQP-303 ¥4,500(税込) 天野なつ監修 限定フォトブック24P付き 
 

【収録曲】 
1.midnight     
作詞:天野なつ 作・編曲:長瀬五郎

2.恋してbaby!    
作詞:スセンジーナ 作・編曲:松尾宗能 コーラス:CHiSEMiKU 

3.カレーライス  
作詞:天野なつ 作曲:関美彦 編曲:関美彦・松尾宗能 

4.うたかたの日々 
作詞:天野なつ・松尾宗能 作曲:関美彦 編曲:Spencer 

5.Positive life   
作詞:小川タカシ 作・編曲:小川タカシ 

6.気まぐれなcall      
作詞:スセンジーナ 作曲:松尾宗能 編曲:Spencer

7.Secret703                
作詞:スセンジーナ 作・編曲:松尾宗能 

8.true love                  
作詞:スセンジーナ 作曲:松尾宗能 編曲:Spencer コーラス:CHiSEMiKU

9.Open My Eyes          
作詞:天野なつ 作・編曲:松尾宗能

10.Restart                   
作詞:天野なつ 作・編曲:松尾宗能 

PROFILE

PROFILE
天野なつ

2018年6月に九州発アイドルグループ「LinQ」(2代目リーダー)卒業後、
ソロシンガーとしても活躍しつつ、舞台女優としても活動!新たな境地を切り開く!
楽曲は60'sモッド・R&B~70'sソウルの熱さと、ビンテージロックの香り漂うロマンチックな
ガールポップをイナたいバンドサウンドに乗せてお送りします。

その他関連サイト: ファンクラブ