Speak emo

2018.10.01
九州女子翼

「これが女子翼だ」って感じの一枚で、女子翼を知らない方に手に取ってもらっても女子翼がわかる作品になっています

1/5ページ

ものすごい勢いで上昇している印象だ。さながら大きな翼を持つジェット機が、滑走路を走行しながらエンジン推力を最大にして離陸し、大空へとぐんぐんと上昇しているかのよう…。福岡を拠点とする五人組ガールズグループ、九州女子翼。シーンでは現在も数多のアイドルが次々と産声を上げているが、デビュー1年未満の新人の中では最も勢いのあるグループの一つだと言っても過言ではないだろう。

これまでの道のりをざっと述べておこう。2017年10月に実玖、山本愛理、新谷香苗、詩絵里の4人でデビュー。GALETTe「じゃじゃ馬と呼ばないで」や西恵利香「MUSICを止めないで」などの名曲の作曲者として知られる筑田浩志をサウンドプロデューサーに迎え、定期公演と映像作品を軸に活動することで注目を集めてきた。今年3月に鈴川瑠菜が加入して現在の5人体制となり、翌4月には「TIF2018全国選抜LIVE」に出場。九州・沖縄ブロックで見事1位通過し、TIF出場権を獲得。そして5月には、指原莉乃がMCを務める『この指と~まれ!』に出演。実玖が指原から「今年会ったアイドルで一番可愛い!」と絶賛され、さらには他の多くの媒体で「指原莉乃が推す美少女」として取り上げられることによって、九州女子翼の名が一気に広まることとなった。そして8月にはTIFに出場し、計4ステージで全力のパフォーマンスを展開。中でもSKY STAGEでは彼女たちのコンセプトや魅力が最大限に発揮され、さらにその勢いを加速させることとなった。

こうした数々の“幸運”が現在の飛躍の大きな要因となっていることは間違いないが、そればかりではない。それ以上に、女子翼の各メンバーが定期公演や対バンライブ、リリースイベントなどで研鑽を積み、優れた楽曲をより魅力的にオーディエンスへと伝えるパフォーマンスを繰り広げていることも、この躍進の大きな要因であろう。彼女たちがステージ上での激しい動きで風を巻き起こしているのと同じように、様々な“幸運”を引き寄せていることも含め、彼女たち自身がこの上昇気流を巻き起こしているのだ。

そして、ここへきて各メンバーがキャラを確立してきており、自身の役割を自覚しながらそれぞれの個性を発揮している印象だ。

例えば実玖は、指原莉乃のお墨付きを得たルックスを武器に女子翼のセンターとして君臨するが、しばしばその美貌を大胆に崩しながら多彩な表情を作り、楽曲を多角的に表現している。山本愛理は、その歌唱力の高さと巧みな煽り、そして今や大きな見所の一つとも言うべき“顔芸”で、女子翼のステージの大きな推進力となっている。新谷香苗は、その“アイドル偏差値”の高さで女子翼のステージに花を咲かせ、また、“飛び道具”系メンバーの多い中、その経験値の高さで大きな安定感をもたらしている。詩絵里は、その人柄と包容力で女子翼の精神的支柱となっており、また、そのアーティスティックな感性で今後女子翼の音楽性に大きく貢献することとなるだろう。そして、新メンバーの鈴川瑠菜は、パフォーマンス面でようやく4人に追いつき、これからいよいよ個性を発揮するところだが、これがまたすごい逸材のようだ。まずは定期公演の1幕で行われた「大喜利」や「エチュード」などでその“バラエティ対応力”を発揮しており、また、当記事でもわかるとおり、淀みなく言葉が出てくる喋り手としても大きな可能性を秘めている。

そして、各楽曲の歌割りにもメンバーの声色やキャラを生かした工夫が施されており、各人もそれぞれの“見せ場”で大いにその力量を発揮している。例えば「TAKE WING」落ちサビの最初のラインでの実玖の惚れ惚れするような表現力。例えば「私だけのArmor」サビの印象的なフレーズ「超えろ!」における、香苗の甘い声と愛理のパンチのある歌声とが織り成すコントラスト。例えば「絶対零度」の歌い出しにおける、詩絵里の抑制の中からじんわりと滲み出る情感。そして「Maybe Darling」歌い出しにおける瑠菜の素朴な語り口。他にもまだまだあるが、ステージでは各メンバーがこうした各々の見せ場で“主役の座”を奪い合っており、それにより彼女たちのステージは、躍動感や熱量のみならずシアトリカルな情動の起伏をも獲得しているのだ。

ともかくも、激しい上昇気流に乗りながら、果てしない大空へと羽ばたいている彼女たち。そしてその伸び代は無限大。まさに英語で言うところの“The sky is the limit(可能性は天井知らず、成功するチャンスは限りない)”である。

そんな彼女たちにSpeak emo2度目のインタビューを敢行。フルメンバー5人が揃う中、TIF出場、指原莉乃との邂逅、そして待望の1stアルバム『TAKE WING』などについて、お話を伺った。

九州女子翼__member
左から詩絵里、新谷香苗、実玖、山本愛理、鈴川瑠菜

武道館に行くまで泣きませんよ!(笑)(愛理)

――皆さん、今絶好調ですよね! この状況をどう捉えていますか?

鈴川瑠菜(以下:瑠菜):今回東京に来て、「あ、TIFで爪痕残せていたのかな」ってようやく感じました。リリースイベントなどでホントに毎回、“溢れんばかりの人”って言うんですか? いっぱいいっぱいお客さんが来てくださって、ステージに出るたびにびっくりするんですよ。人の多さに。そういう光景を見ると、前回の東京遠征でちょっと爪痕残せていたんだなって実感できて、良かったなと思います。

山本愛理(以下:愛理):対バンでも女子翼のファンの方がたくさん来てくださって…。昨日のライブでは前の方が椅子席で後ろが立ち見だったんですが、立ち見のところでめっちゃ盛り上がってくれたんですよ、女子翼のファンの方が。そのおかげで私たちもすごい熱量を出せたんじゃないかなと思っていて。エゴサしたら「女子翼はトップバッターだけどトリみたいな感じで盛り上がってた」みたいなことが書いてあって、うれししかったです。

新谷香苗(以下:香苗):ツイッターなどを見ていると、対バンで女子翼を楽しみに来てくださってる方がいて、しかも初めて見に来てくださるのに女子翼が目当てだという方もたくさんいて、うれしかったですね。

詩絵里:コールがすごいそろってて、それがバーッと聞こえて、こちらもすごいパワーが出ました。

実玖:今回のリリイベでは初めましての方がとても多くて、いつも来てくださる方ももちろんたくさんいましたが、半分ぐらいは初めての方だったんですよ。TIFだったり、指原莉乃さんの『この指と~まれ!』だったりを見て「女子翼の名前を知ったよ」って方がとても多かったので、その反響が今返ってきてるのを感じて驚いてます。リリイベの時、始まる前に社長がお客さんに「前にお詰めください」みたいなことを言っていて、それが聞こえた時に「そんなに人が多いの!?」と思って、「気のせいだよ!」とか言いながらステージに出たら、すごい多くて…。後ろの方とかホントに顔がチラッと見えるか見えないかぐらいだったので…。そんなに後ろの方まで見に来てくださるのは、本当にありがたいことだなと思いました。

――僕も昨日リリイベにお邪魔したんですが、時間ギリギリに来たら一番後ろだったのでほとんど見えませんでした!(笑) で、前回は4人体制でのインタビューで、後から瑠菜さん単独のインタビューを追加して、という形だったんですが、今回取材するにあたって読み直してみたんですけど、あの時は面白かったですよね!?

愛理:面白かったですよね!面白かったですよね! 私「ああいいこと言ってた」って思って…

一同:(爆笑)

――いや、ホント面白いことおっしゃってました。みなさんそれぞれに面白かったですし…。瑠菜さんは初めてのインタビューでしたが、あの時は落ち着いた大人っぽい感じかなと思っていたら…

瑠菜:猫かぶってました。

――猫かぶってましたよね! 今は立て板に水のごとく淀みなく言葉が出てきます。

瑠菜:喋ります。口を開けば止まらないんですよ(笑)。

――こんなに喋る方だとは思っていませんでした。

瑠菜:そうなんです。喋りすぎてよく怒られます。「うるさい!」って(笑)。

――で、その時のインタビュー内容を見ると、まだある意味“素朴”というか“純朴”というか…。ライブの後に取材させていただいたんですが、あの時のライブで実玖さんや愛理さんは号泣されたんですよね。

愛理:そうでしたね~。

――正直言いますよ。あの時のライブって“超満員”ってわけじゃなかったじゃないですか。まあ、そこそこ入って、それなりに盛り上がって…。その時「これまでで一番コールが大きかった」「お客さんとの一体感がすごかった」って感激して泣いたとおっしゃっていましたが、その時から比べると今はもの凄い勢いで進化していて、知名度も上がってきていて、隔世の感があります。あれから半年ちょっとですが、状況が全然違いますよね。

愛理:ホントですね。

――あんなことでもう泣かないでしょ!? 「あんなこと」って言ったらいけないですが…。お客さんの“数”が全てではないですし、素直にあの時の盛り上がりに感激したのは素晴らしいことですけど、でも今や、あれでいちいち泣いている暇はない、ぐらいになってるんじゃないですか?

愛理:そうですね。これから先は、武道館に行くまで泣きませんよ!(笑)

一同:おおっ!

――書いていいですか(笑)。

愛理:書いていいですよ! どんどん書いてください!

――でも、ホントにあの頃と比べると状況が大きく変わりましたよね。実感します? ご自身でも。

実玖:実玖はたぶん一番実感してないと思います。

瑠菜:実玖ちゃんはいつも「何かの間違いだよ」って言ってるんですよ。

香苗:私もあんまり感じてはいないかもしれないです。

――実感はないですか。

香苗:でも今回のリリースイベントでお客さんがたくさん来てくださったのを見て「おーっ」てなりましたけど、それまでは全然感じなかったです。

詩絵里:自分たちではそこまで気づいてなかったですけど、リリイベなどで「オーッ」ていう大きなコールを聞いたりして、そこでようやく実感するっていうか…。「ああ、やっぱり前より変わったんだなぁ」って。

――じゃあ、僕が一番感じてるかもしれないですね。前回取材させていただいた時、ほんの数ヶ月前ですが、「九州女子翼? まあ筑田さんの楽曲を歌ってるからとりあえず取材しとこうか」ぐらいだったのが…(笑)

一同:アハハ

――今やもう「ぜひお時間ください!」みたいな(笑)。社長に必死に頼み込んで(笑)。覚えてますか、僕のこと???

一同:もちろんですよ!

――忘れないでくださいね…。

実玖:いやいやいやいや!

愛理:忘れないですよ!

――お会いできる機会もだんだん少なくなってくると思うんで…(笑)。

一同:いえいえいえ(笑)。

取材・文
石川真男

九州女子翼 商品情報

九州女子翼/TAKE WING
2018年10月2日発売

タイプA

タイプA(CD Only)
¥2,000(税込)

タイプB(CD+DVD)

タイプB(CD+DVD)
¥3,000(税込)


<CD収録曲>
1. fly high!
2. TAKE WING 
3. 私だけのArmor 
4. Maybe Darling 
5. 絶対零度
6. fair wind



<DVD収録内容>
1、TAKE WING Music Video
2、絶対零度 Music Video
3、実玖Introduction Movie「セッカチ」
4、新谷香苗Introduction Movie「オレンジ」
5、山本愛理Introduction Movie「ポジティブシンキング」
6、詩絵里Introduction Movie「エビ」
7、鈴川瑠菜Introduction Movie「欲張り」
8、九州女子翼Introduction Movie「ロボドル」

PROFILE

PROFILE
九州女子翼

攻撃的なダンスパフォーマンスとエモーショナルで洗練されたサウンドとオール生歌のボーカルワーク で九州の女性の「綺麗さ」「可愛さ」「力強さ」を表現するガールズグループ。 グループカラーはこれらのイメージを重ね合わせた情熱の「赤」。 TIF2018全国選抜ライブ九州・沖縄ブロックの覇者として結成半年でTIFへの出演を果たし、メンバーの実玖が指原莉乃さんに絶賛されるなど、 現在福岡にとどまらず全国で人気・知名度が急上昇している今最も勢いがあるグループの一つ。

実玖
実玖

山口県下関市出身。 16歳から芸能活動を始め、これまでに10 社近くのCMのイメージキャラクターを 務める。山口が生んだ天使と呼称される 程の美少女。フジテレビ「この指と~ま れ」に出演の際、指原莉乃さんに「最近 会ったアイドルの中で一番可愛い」と大 絶賛され注目を浴びる。 

Twitter:@itr_miku

新谷香苗
新谷香苗

福岡県出身。 2014年までダンス&ボーカルグループ 「Rev.from DVL」にて活動。 メンバー選考のLive.me審査では唯一の スカウト枠にて通過するなど個性あふれ る魅力を持っている。 持って生まれたアイドル性の持ち主。 

Twitter:@itr_kanae

山本愛理
山本愛理

山口下関市出身。小学生時代から芸能活動を子役として開始。天真爛漫な性格で演技・歌・ダンスとマルチな才能の持ち主。ずば抜けた身体能力の高さから生まれるダンス力でポテンシャルの高さで有名。

Twitter:@itr_airi

詩絵里
詩絵里

長崎県川棚町出身。 これまでダンススタジオでダンスを学 び、また高校ではコーラス部に在籍。 歌って、踊ることを兼ねてから願い今 回のグループ結成オーディションに参 加。 安定した歌唱力で女子翼の歌を支える 大切な役割を担う。 

Twitter:@itr_shieri

鈴川瑠菜
鈴川瑠菜

福岡県在住17歳。 とびっきりのフレッシュさ、初々しさ 溢れる新メンバー。 5人目のメンバーとして加入し、その 明るく前向きな人物像で人気急上昇中。 2019年3月の定期公演で「発達障がい」を公表し、同じ境遇の方から応援 と賛同を得て活動。 

Twitter:@itr_luna

公式サイト: http://itr-kgw.com/