Speak emo
Star☆T|「Woman」は、歌詞に描かれている女性のように自由に聴いてもらいたい曲です。
「誇りを持つ」ということなんじゃないかなって私は思います(嶋﨑)
――そろそろ新曲についてお伺いしなければいけないんですが、「Woman」です。まずは皆さんに言っていただきましょう。どういう曲ですか?
嶋﨑:「Woman」は、「女性とはこういうものである」とか「女性とは」っていう曲ではなくて、「女性にもいろんな人がいていいじゃないか」っていう曲です。例えば、可愛らしいだけじゃなくてカッコいい女性とか。振り付けもしなやかで、ジャズというか…。
和久田:クラシックバレエとか。
嶋﨑:そういう系の、すごくしなやかな振り付けになっています。
和久田:しなやかさを揃えるのが難しくて、結構苦戦しました。
――牧野さんはいかがですか?
牧野:はい。「Woman」は女性についての歌で、でも聴いてくださる方って男性の方が多いじゃないですか。なので、女性だけじゃなくて、女性のことを愛するファンの皆さんにも共感していただけるというか…。女性に対してだけ歌っているわけではなくて、女性を愛するみんなにも歌ってるよ、みたいな感じです。
――なるほど。男性もこれ聞いて勉強しろ、と。
一同:アハハ
牧野:男性にもぜひ聞いて欲しいです(笑)。
――和久田さん、何かありますか?
和久田:この曲は清水さんが作詞してくださったんですけど、「人は女に生まれない 女になるの」とか歌詞一つ一つにすごく共感できる部分があって、落ちサビの「泣いてもいい 笑っていい 弱音吐いてもいい」っていう歌詞なんて、自分に言い聞かせながら歌っています。それだけ感情を込めて皆様に届けていますので、「私たちがいるよ」っていう安心感を届けられたらいいかなって思います。
――なるほど。これ、音楽的にはどういう所が聴きどころですか?
牧野:今までのStar☆Tにはない感じですね。沸き曲ではないんですけど、静と動みたいな。やはり今もライブハウスでは沸き曲をやるアイドルが多いじゃないですか。だからライブハウスでやったら周りと差が付けられると思います。
嶋﨑:異質な感じだよね。
牧野:「あ、Star☆Tってこんなグループなんだ」って思われる曲だと思います。
――ちょっと今すごくいいポイントをおっしゃっているような気がしたんですが、僕が思うStar☆Tの良さというのは、ホントに楽曲の良さで、何というか、お約束の展開で沸かせるような曲が多い中、“沸き曲”であってもちゃんと楽曲として聴かせることのできるグループだなと思うんですよ。なので、今のアイドルソングの中では異質なものなのかもしれないですけど、まさに音楽の良さが伝わる曲ですし、そういう意味では“Star☆Tらしい”曲かもしれないですよね。
嶋﨑:あぁ。
牧野:うれしいです。
――で、この曲、特にサビはサンバがモチーフになっていますよね?
一同:あぁ
――ブラジル音楽を取り入れた曲は巷に沢山ありますけど、結構いい加減に取り入れる場合が多いんですが、この曲ではちゃんと取り入れてますよね? リズムはもちろんなんですが、スキャットの部分のちょっとガヤっぽいコーラスとか、コード感とかとても雰囲気が出ています。メッチャかっこいいですよ。
一同:うれしい。
――で、歌詞には、平塚らいてうの「元始女性は太陽であった」、ボーボワールの「人は女に生まれない、女になるのだ」という有名な言葉が引用されていますが、いずれも「男性社会の中で“女”という役割を負わされていた女性を解放する」といった趣旨があると思います。そうした言葉を用いながら、今の世の中で“女性”というものをアピールするっていうのは、どういう意義があると思いますか? やはり今も必要なことですか? つまりは、まだまだ女性の地位が低いと思いますか?
嶋﨑:どうなんだろう? でもそんなに。
和久田:あんまり思わなくなっていると私は思います。
嶋﨑:アイドルのライブのファンの人はやはり男性の方が多かったりしますけど、最近は女性の方も増えて、ライブとかでも女性専用エリアができたりとか、女性割引があったりとか、それこそ電車とかでも女性専用車両とかあるじゃないですか。そういうのが最近増えてきたと思います。それに、私たちのいるアイドルの世界って女性が輝ける場所で、そういう場所がすごい増えてきてると思うので、そんなに不満は感じないです。
――皆さんが活動されているアイドル界っていうのは、むしろ女性社会って感じですもんね。まぁ、そうでもない部分もあるかもしれないですが…。
和久田:アハハ。
牧野:あぁ。
和久田:プロデューサーさんとかも以前は男の人が多かったイメージですが、私自身も清水さんが別件で来れない時とか、プロデューサー側になって運転とかしたりするんですよ。
――運転するんですね。すごい。
和久田:そうなんです。人数多いのでたまにしてるんですけど、スタッフさんとかアイドルのプロデューサーさんとかでも元々男の人が多いイメージだったんですが、元アイドルの女性がプロデュースしました、みたいなグループも多くて、そういうところとかもうれしいなと思います。割と平等に対応してもらえている印象ですね。
――なるほど。
嶋﨑:写真家の方とかもそうだよね? 最近私たちの写真を取ってくれたのも女性だったので。
――女性の写真家の方、多いですよね。
嶋﨑:だから、そんなに窮屈だなって感じることが今はそんなにないです。
清水P:でも「人は女に生まれない 女になるの」っていう言葉は実は批判的な言葉なんだよね。
嶋﨑:ああ。
和久田:そうみたいですね。
――そうですよね。
清水P:元々は「女性は男性に女性たらしめられている」という趣旨なんですよね。でも、それを読み替えて「いいね」ってしてしまうような、今の女の子たちの自然さみたいのがしっかり出せればいいかな、というのはありました。
――なるほど。
清水P:今も完全に男女平等だとは言い難いですし、「女の子はみんな気分屋だ」とかステレオタイプな言説はどうしてもありますけど、それらも含めて自然に女性というものをもっと考えていこうよ、っていうような趣旨はあるんですよね。
――今、清水さんがおっしゃったように「人は女に生まれない、女になるのだ」というのはむしろ当時の社会批判として言った言葉なんですよね。「“女”をやらされている」「“女”という役割を負わされてる」みたいな意味合いで使ってるんですが、逆にそれを、お洒落を楽しんだり、お化粧したり、といった“女性の楽しみ”を謳歌するといった意味で捉えている人もいるみたいですよね。
和久田:私たちも最初はそう思ってたよね。
牧野:うん。そう思ってた。
嶋﨑:最初は。
――ちょっと敢えてお訊きしますが、今の世の中って、そういった性差よりも、ジェンダーフリーっていう言葉があるように、もう男も女も関係ないというか、さらには、LGBTという言葉も広まってきて、多様性が重視されてきていますよね。「男」「女」ではなく、それぞれ一人一人を「個」として捉えるべきだ、といったような…。そんな中で「Woman」って歌うのはどうなんでしょうか?
一同:えーっ?
――難しいですか? 皆さんがどう答えるのか、ちょっと興味があって。
和久田:う~ん。意識してなかったから…。
牧野:…。
嶋﨑:「誇りを持つ」ということなんじゃないかなって私は思います。私たちは女性なので、それこそ今は差別とか区別とかなくて、みんな平等みたいな感じもあって、それもいいんですけど、でもやっぱり女性というものに誇りを持って、「こういう歌を歌える」とか「女性らしさがある」とか、そういうのもすごく素敵なことなんじゃないかな、と思います。
――なるほど。2番で「I am a Human」って歌ってるじゃないですか。
嶋﨑:うんうんうん。
――つまりは「女性」っていうだけでなくて、その前に「人間」であると。「性差は関係ない」というメッセージがちゃんとここにあると思うんですが、その上で、でも女性の楽しみであったり女性らしい魅力を打ち出す良さみたいなのもある、と。そういうことですか?
嶋﨑:はい。
――お二人はいかがですか?
牧野:難しい…。
――難しいですか?
牧野:やはり「自分らしく生きる」っていう所が肝だと思います。
――「自分らしく歩いていく」っていう歌詞もありますよね。
牧野:はい。ゆりあが言ったように、世の中にはいろんな人がいるけど、自分は女性として生まれたので…なんだろう…。この曲は「強い女性」っていうか「自分がある女性」っていうか…。歌詞にも芯が一本通っていて、強い気持ちのある曲なので、この曲を歌っている時だけは、自分もそんな「強い女性」「自分がある女性」になっているつもりです。
嶋﨑:すごい誇らしくなるよね?
牧野:うん。そうだよね。
――和久田さんはどうですか?
和久田:う~ん…。この曲歌ってる時は、寛大な気持ちになれますね。「みんな違ってそれでいいんだよ」っていうか…。それこそライブハウスで最初披露した時に、ホント客席の反応がなさ過ぎて…。
――えっ、そうだったんですか?
和久田:静かだったんでヒヤヒヤしたんですが…。でも、後で物販とかで聞いたら「いや、もう聴き入っちゃった」とか「手拍子するの忘れて聴き惚れてた」と言っていただいたんです。そういう聴き方でも全然いいと思うし、自分の聴きたいように聴いててくださいっていつも思います。
――なるほど。
和久田:コールとかミックスとかはこの曲ではなくて、アイドルファンからしたら「これノレないじゃん」ってなるかもしれないですけど、一般の方の中にも「豊田市駅前のライブで知って、初めてライブハウスに来ました」っていう人もいるので。
牧野:沸き曲をやってる中で、私たちがこういう曲ができるのも誇らしいよね。
――おぉ。
牧野:女性が解放されてない時代の言葉が入ってますけど、今はそこからだいぶ解放されてきました。この曲は自由に楽しんでもらいたい曲で、ミックスやコールといったアイドル現場の縛りから解放されて楽しんでいただきたいので、「女性の解放」と「お客さん側の楽しむ気持ちの解放」がシンクロしている曲ですね。
――おぉ!
Star☆T リリース情報
2020年4月1日発売
9thシングル
「Woman」
type-A[通常盤]THPL-0026 500円(税込)
※シングルCDのみ スリムケースタイプ
type-B[ボーナスDVD付き]THPL-0027/28 1,000円(税込)
※「Woman」「Star☆TSOLO10」全11曲ミュージッククリップ、メイキング映像「Woman」「Star☆TSOLO10」収録DVD付き
(メンバー&プロデュ―サ―によるオーディオコメンタリーあり)
※CDはtypeA,typeBとも同内容です。
Star☆T ライブ情報
Toyota Citizen Music Park~豊田市民音楽広場~毎月第一第三金曜日19:00~
豊田市駅前GAZAビル南広場
※日程変更の場合あります、他の出演ライブについても詳しくはStar☆Tサイトでご確認ください。