Speak emo
最高に生きてる感があって、踊ってる私たちも「人間って最高!」みたいな人間賛歌的なものを感じて
「バンドに飲み込まれてないアイドルって珍しいんだよ」って言われたのがものすごくうれしかったんですよね(日向ハル)
――皆さんはワンマアイブの1曲目に新曲をやることが少なくないと思うんですけど、今回もそうだったじゃないですか。「イッツ・マイ・ターン」という新曲を。
奥津:そうだったんです~。
――お客さんの前で初めて披露するのが、バンドセットで!
日向:そうなんですよね。あの曲をやるって決まったのが本番の半月前ぐらいで…。本当は新曲は1曲の予定だったんですけど、急遽2曲やることになったんですよ。それによって振り入れのスケジュールとかいろいろ増えて、メンバーもそのぶん負担もあったと思うんですけど、でもいいワンマンライブにするためにこの曲が必要だと思って、全員で「忙しくなるけど、頑張ろう」って言って毎日のように練習したので…。その中で言いたいこともどんどんメンバー間で言えるようになって、意見も出し合ったり、責任感も生まれたり…。その結果があのリキッドワンマンだったなと思ってます。
――そういう意味では、音楽的な部分もそうですけど、グループの結束であったりとか、もっと言えば人間的にも成長したのかもしれないですよね?
日向:もっ~と言えば、人間的にもそう!(笑)
――(笑)。で、僕がすごい感じたことがあるんですが…。バンドセットでやる場合って、すごい豪華な臨場感溢れるサウンドになって、まあ言えば、普段のオケと変わってしまって、ある意味それは“豪華版”“実写版”なんですけど、時に演者がバンドに飲み込まれちゃったりとか、良くも悪くも普段とは違うものになったりとか、ってこともあると思うんですよね。でも、あの夜すごい感じたのが、紛れもなく「フィロソフィーのダンスだな~」って。そう思ったんですよ……はい。で、どうしてそう思ったでしょうか???(笑)
一同:(爆笑)
日向:まさかの!(笑)
十束:クイズ形式!(笑)
奥津、佐藤:(笑)。
十束:ピンポーン!
――はい!十束さん、どうぞ(笑)。
十束:バンドの方が、私たちのことをすごく理解してくださったのもあるし、私たち4人がみんなすごく追い込まれていて、すごく頑張ったんですよ。4人それぞれにすごく頑張って、みんなの気持ちがめちゃめちゃひとつになっていた時期だな、って自分でも感じていたので、「いいものにしよう」という4人の気持ちがぴったり合致して当日を迎えたので、その4人の放つパワーみたいなものが今までにないぐらい大きくなって…。なので、結果的に“フィロソフィーのダンス”っていうものがドーンって客席に放り投げられたんだと思います。
日向:正解は?
――ブーー!(笑)
一同:えぇええええ!(笑)
日向:まさかの(笑)。
奥津:おもしろいなぁ(笑)。答え知りたい!
佐藤:答え知りたい!
十束:間違えたぁ。正解が知りたい!
奥津:ヒントヒント!
――いやいや、違います違います。正解はないんですよ、正解は(笑)。
十束:アハハハ(笑)。
――それはもう、それぞれが思うとおりで(笑)。
十束:なんなんだ!(笑)
――いや、僕も分かんないっちゃ分かんないんです。もうそう感じただけですから。
十束:おぉ。
――ただ、その感じたのは、やっぱり先程十束さんもおっしゃったような“肯定性”なんですよ。
十束:うんうん。
――なんか、みなさんの音楽って、いにしえのサウンドを再解釈する部分があって、まあ言えば、昔のファンクをやっているわけで。そういう場合って、どこか幻影性みたいなものとか、あと昔のディスコとかの享楽的な感覚とか、儚さみたいなものを打ち出しているグループもあったりして、割とそんな表現になりがちな印象なんですよ。もちろん、それで素晴らしいサウンドを構築しているグループもあって、そういうのも僕は大好きなんですけど…。でも、皆さんの場合、なんか肯定的で、ハッピーで、現実感があって、生命感があって…。それが思い切り出てたのを感じたんですよね。それはもちろん、バンドさんがそういったものを肌で感じて、完璧に再現して、さらには臨場感を加えていたから、というのもあると思うんですけど、でも、そこから生まれてきたのは、いつもの「フィロソフィーのダンスの魅力」だと感じたんですよね。
一同:おぉ…。
――そういう意味でも、皆さん、パフォーマンスしやすかったんじゃないですか?
日向:そうですね。バンドセットでやるからには、絶対さっきおっしゃってたような形のライブはしたくないっていうのが自分の中にあって。
――飲み込まれちゃうみたいな。
日向:はい。今まで何回か周りのアイドルさんのバンドセットライブを見ていて、「こうなるんだ」というのを自分でシミュレーションしてたんです。その中で「自分はこうして行きたい」というのがある程度あったので…。例えばPAさんとかスタッフさんにそれを話してみたり、ライブ中にバンドメンバーと私たち4人が意思疎通できていたり、バンドさんが私たちのことを理解してくださってたり、っていうのもあったと思います。で、ライブ後の打ち上げでバンドの方に「バンドに飲み込まれてないアイドルって珍しいんだよ」って言われたのがものすごくうれしかったんですよね。制作の方ともお話ししたんですけど、「フィロソフィーのダンスは、バンドと同じ感覚でできると言うか、本当に音楽を楽しんでいる感じがするから、僕も楽しくこの仕事をやってる」って言われたり、周りの関わってくれた方々からうれしい言葉をライブ後にたくさん聞けたんですよ。そういうのもあって全員のパワーでいいライブになったのかなと思いました。
――正解です!(笑)
一同:おめでとう~!(笑)
日向:ありがとうございます(笑)。
――(笑)まあ、皆さん正解なんですけど…。そういう意味では、本当に「フィロソフィーのダンスだな」っていう感じがしたんですよね。あんなに豪華なバンドをバックにつけながらも、いい意味で普段と変わらないフィロソフィーのダンスだったな、と。みなさんの場合……例えば他のアイドルさんの場合って、結構いろんなギミックとかがあるじゃないですか。例えば試練が与えられて、「SNSのフォロワーを今月中に1万人にしないとうんぬん」みたいなのとか、「何人集めないと解散」みたいなのとか、そういったものをある種エンターテインメントとしてみんなで楽しんで行く、っていう“文化”がありますが、みなさんの場合も色んな“仕掛け”があると思うんですけど、どれも“音楽的”ですよね?
日向:そうですね。まあ、まっとうな仕掛け、って言うと他の方に失礼ですけど…。
――もちろん、そういったギミックをやられているアイドルさんを否定しているわけではなく、むしろそういうのを僕自身も楽しんでいるんですが…
日向:そうですよね。それはひとつの形だから、
――でも、どんな仕掛けも“音楽的”というのが皆さんの“色”であるのは確かだと思うんですよ。
日向:確かに私たちの場合は、ノルマを設けたりするよりも、「音楽的に最高のものを見せることによってステップアップして行く」という志向かなと思います。たぶん加茂さんも「いい音楽をやることが一番大事」という考え方があるから、その他のことじゃなくて音楽的に追及して行くってところに一番重きを置いてるんだと思うんですが…。加茂さん、どうですかっ?
加茂:その通りですね。そういう他のことをやるのも一つの工夫の仕方だと思いますけど、このグループの場合は、そういう時間とかエネルギーがあるんだったら、まずはいい曲といいライブができることに注ぐほうがいいだろう、という感じですね。
――“悲喜こもごも”や“危うさ”や“スリル”といったことをストーリーとして、ギミックとして付随させるのではなく、あくまで“音楽的”にそうしたものを打ち出すことが、先程言った「肯定的」「ハッピー」「現実感」「生命感」といったものに繋がっているのかな、と。それがバンドによって増幅されたので、より鮮やかに「フィロソフィーのダンス」というものが感じられたのかな、と思いました。
一同:うんうん。
フィロソフィーのダンス 商品情報
アイドル・フィロソフィー / ダンス・ファウンダー(日向ハルver.)(7インチシングルレコード)
発売日:2018年06月27日
¥1,700(税込)
夏のクオリア / 告白はサマー(十束おとはバージョン)(7インチシングルレコード)
発売日:2018年07月25日
¥1,700(税込)
「イッツ・マイ・ターン」&「ライブ・ライフ」
発売日:2018年08月31日
《通常盤》【CD only】¥1,100(税込)
《初回限定盤A》【CD+DVD】¥1,700(税込)
《初回限定盤B》【CD+DVD】¥1,700(税込)