Speak emo

2019.12.26
kolme

4枚の中でも最もポップでキャッチーな、そして一番明るいアルバムだなって思います

5/5ページ
自分の人生って働くことだけが全てなの?っていう問い掛けをこの歌詞に込めましたね(KOUMI)

 

――続いて「Remind me…」です。これはまたグッと来ますね。

 

RUUNA:ちょっとまあ、悲しい要素が強い曲なんですけど…。昨年愛犬が亡くなって、初めて“死”というものを経験して…。当たり前にあったものがこんなにも急に簡単になくなる。でも明日は来るっていう…。自分の記憶の中にはすごく鮮明に残っているのに、時の流れの中で感覚や匂いっていうのは知らない間になくなっていく…。もう思い出せなくなってるっていう…。そうした痛みのようなものは、きっと誰しもが体験することで…。「それが愛しさに変わる日は来るのかな」という、私なりの疑問をこの曲に詰め込みました。歌詞を書く時は、“美化”じゃないですけど「こう書いた方が綺麗かな」っていう言葉を選んだりすることも多かったんですが、今回は本当に自分の頭の芯にあるものをそのまま言葉にしたっていう感じですね。

 

――ちょっとこれだけで1時間くらいお話したいところですが…。でも何か、決して悲しい歌じゃないですよね。

 

RUUNA:そうですよね。

 

――愛情をかけたぶん……まぁ、見返りを求めているわけではないんですが、今後の気持ちの中に返ってくるものっていっぱいあると思うんですよね。

 

RUUNA:本当にそうです。なので、今回初めて自分が書いた曲が表題曲になったんですが、ミュージックビデオも作りました。「本当にこれでいいのかな、歌詞」って不安も出てきてて、それも新しい悩みでしたね。自分が書いた歌詞を改めてもう一度見つめ直しました。でも本当にこれが“ありのままの気持ち”ですね。

 

――「I live in hope」ですが、これはDECO*27さんとの共作です。MIMORIさんがDTMを始めるキッカケとなった方ですよね。

 

MIMORI:大好きなDECO*27さんといつか共作できたらいいなと思っていたんですが、今回それが実現しました。Bメロが、“私が本当に大好きでずっと聴いていたDECO*27さん”っていう感じのメロディーなんですよ。それがkolmeの曲となって、RUUNAの声で聴くことができたことに、ちょっと感動しました。自分たちの曲でこういう要素のものを作れたんだというのがすごく嬉しかったです。

 

――結構ギターを使う方ですよね。

 

MIMORI:はい。基本はギターで、ロック調が多いですね。そういう面でも新しいkolmeを打ち出すことができたと思います。従来のkolmeの要素とDECO*27さんのロック系の要素を組み合わせたらどうなるか?と思って挑戦した曲だったので、コライトさせていただいてすごく楽しかったです。わたしがピアノで弾いたメロディーやリフをギターで弾いてくださったんですが、やはりピアノとギターで大きく違って…。ピアノだと柔らかい感じになるんですが、ギターだと結構尖った感じになったり、あと逆に切なくなったりして…。いつもはピアノでデモを作ってアレンジャーさんに渡すんですが、今回全部ギターでデモを作っていただいてアレンジャーさんに出したので、そこもちょっと違いが出てるのかなって思います。

 

――そうですよね。ギターのカッティングが配された曲はこれまでにも沢山ありましたが、こうしたロック系のリフはkolmeとしては珍しいですよね。

 

MIMORI:はい。とても面白かったです。

 

――今作にはKOUMIさんの作詞曲も沢山あるじゃないですか。例えば「Deep breath」。これなんてちょっとTLCみたいな感じですよね。

 

KOUMI:本当ですか! わあー!

 

――ゆったりとしたグルーヴがとても心地好いです。新生活が少し落ち着く5月をイメージしたとのことですが…。でも、皆さんはもう“新生活”とかそんな感じじゃないですよね?

 

KOUMI:そうですね。でも、同い年の子たちが今年から新社会人っていうのもあって「Deep breath」を書いたんですよ。仕事に慣れてきてちょっと落ち着いた時に、わかってくることもあるじゃないですか。人間関係とか、ここに合ってるのか合ってないか、とか…。そんな中で、自分の頑張りを周りに見せるのも大事ですけど、自分をそんなに追い詰めないで、たまにはちゃんと自分の頑張りを褒めて、休んでもいいんだよ、そんな働きすぎなくてもいいんだよ、と。自分の人生って働くことだけが全てなの?っていう問い掛けをこの歌詞に込めましたね。

 

――働き方改革ですね(笑)。

 

KOUMI:まさにそれです。裏テーマです(笑)。

 

――「Same mistakes」ですが、これは前作の「Tie me down」で試みたスイングジャズを、もっとさり気なく、さらに滑らかに溶け込ませたみたいな印象です。

 

MIMORI:”爆弾ソング”ってイメージです(笑)。

 

KOUMI:メロディーが本当に複雑ですね。

 

――ですよね。そして、一度リズムが落ちてからの中間部も何かスゴいことになってます。

 

MIMORI:転調、転調からのさらにもう1回転調したり。あと変則ビートを存分に使っていて。

 

――あの部分、ビートの頭を取るのが難しいです(笑)。

 

MIMORI:アレンジャーのRumbさんの曲が元になってるんですが、私その曲が大好きで。変則のハチロクで、サビで転調があって、その感じが「kolmeの曲にあったらいいな」と思って、Rumbさんに相談して一緒に作りました。こういう曲をぜひお願いしますって言ったら、Rumbさんもノリノリでピアノ弾いてくれて(笑)。

 

KOUMI:得意分野でしたね(笑)。

 

MIMORI:そこからできあがった曲でした。

 

――アルバム全般ポップで聴きやすいんですが、あそこはちょっとぶっ飛んでます。

 

RUUNA:全然ポップじゃない(笑)。

 

――ここまでやってるのか、って感じ。

 

KOUMI:あそこで発散しちゃったみたいな(笑)。

 

MIMORI:あれは“kolmeの軸としてある爆弾”だと思ってますね。やはり軸はこっちだなと。

 

――では最後に。「Wherever I go」ですが、まさにラストに相応しい曲だなと感じたんですが、例えば、2ndアルバムのラストを飾った「Cosmic walk」とか、3rdアルバムのラスト「My everything」とはまた全然違った印象で、なんというか悠然とした大きなグルーヴを感じます。アルバムはこの曲で締めたかった?

 

MIMORI:デモが出来上がった段階で「これを最後にしよう」ということで全員一致してましたね。「これが最後に来たらこのアルバムは良いアルバムに仕上がるね」って。歌詞もそういう気持ちで書きました。

 

――この歌詞がなかなか難解ですね。

 

MIMORI:私たちは今年23歳で、新社会人になる歳なんです。友だちにも上京してくる子が多かったり。そんな中「地元があるっていいな」と改めて思ったんですよね。私たちは上京してもう5年経ってるので、ちょっと余裕をもって振り返ることができるんですが、実際上京しようとしていた時期って「まだここにいたいな」とか「明日からは自分の生活が一変してしまう」とか「明日からはもう知らない町、知らない場所に行って自分の足で踏み出さなきゃいけない」って不安を抱いていたんですよね。そういった気持ちに何か寄り添える曲があったらいいなと思ってこの曲を書きました。私たちはそういう気持ちの中でも曲作りに没頭できたんですが、実際に友だちが上京してきた時に何か聴いて安心できる曲があったらいいなと思って。自分たちの経験も活かして、そういう寄り添える曲を作ることができれば、と。

 

――「Gotta look」は「未知の世界へ一歩踏み出そう」といったメッセージがあって、「Up all night」などは“フェス・デビュー”になぞらえて「新たな領域に足を踏み入れる」ことを描いています。「Brand new days」などはまさに「新生活」について。でも、逆にこの曲では「何も変わらないままいたい」と歌われます。「変わるもの」に対する「変わらないもの」といった感じで。

 

MIMORI:ちょっとだけ寄り添えるというか、「ちょっとしんみりしてもいいんだよ」っていう風に自分自身に言ってあげられる曲があったらいいなと思って、その当時を振り返って書いたんです。それほどホームシックにはならなかったんですが、やはり実家に帰るとすごく安心しますし、また東京に戻る時は「頑張ってくるね」ってすごい思うんですよね。東京は「頑張る場所」「仕事をする場所」だと思っていて…。東京に戻る時には「自分たちは頑張ってくるから大丈夫だよ」っていう風に両親にも安心させてあげたいな、というか…。そういう気持ちを伝えたらいいかなと思って歌詞を作りました。

 

――それすごくよくわかります。僕も地元が兵庫県なので。

 

RUUNA:そうなんですね。

 

――富士山あたりを越えるとちょっと「よーし、また気合入れよう」みたいな感じになりますね。

 

KOUMI:あぁ。

 

MIMORI:この詞には地元仙台の風景をイメージした言葉も織り交ぜられていますね。

 

 

 

取材・文
石川真男

kolme 商品情報

4th Album

『Do you know kolme? 』

【Type-A 2CD+DVD】

kolme

AVCD-96365〜6/B ¥6,300 (税込)

[CD①]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude 1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath 12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude 2 15. Wherever I go

[DVD]
01. Remind me... -Music Video- 02. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X [CD②] MIMORI SE Collection 01. Ultra kolme Merry X'mas 2018 02. kolme Happy New Year Live 2019 03. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ 04. REIWA 2019 05. Super Ultra kolme tour 2019

 

【Type-B CD+Blu-ray】

kolme

AVCD-96367/B ¥6,800 (税込)

[CD]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude 1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude 2 15. Wherever I go

[Blu-ray]
01. Remind me... -Music Video- 02. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X

 

【Type-C CD】

kolme

AVCD-96368 ¥3,000 (税込)

[CD]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath 12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude2 15. Wherever I go

 

 

kolme ライブ情報

5周年ツアー「kolme Live Museum - Do you know kolme? -」

2019年
12⽉30⽇(⽉) 神奈川CLUB CITTAʼ
2020年
1⽉18⽇(⼟) 埼⽟⻄川⼝Live House Hearts
2⽉2⽇(⽇) 宮城SENDAI MA.CA.NA
2⽉8⽇(⼟) 神奈川横浜Baysis
2⽉23⽇(⽇) ⼤阪OSAKA MUSE
2⽉24⽇(⽉/祝) 名古屋ell.FITS ALL

〈開場/開演時間〉
12月30日 CLUB CITTA’公演 16:00/17:00
上記公演以外 1部13:00/13:30  2部17:00/17:30

 

 

PROFILE

PROFILE
kolme
kolme

(左から) RUUNA(秋元瑠海) 1996年9⽉9⽇O 型(リーダー)
MIMORI (富永美杜) 1996年6⽉14⽇O 型
KOUMI(早坂⾹美) 1996年5⽉31⽇O 型

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3⼈組ガールズ・ユニット。作詞作曲、ダンス振付、英語など、それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフ・プロデュースするクリエイティヴ・ユニットとして活躍。リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3⼈が⼀体となったクオリティーの⾼いダンスと、⻤才トラックメーカーRumb(残響レコードからアルバムをリリース)とコラボレーションする楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅⼒。海外からの注⽬も⾼く、2018年7⽉にはフランスで⾏われた『Japan Expo』に出演を果たした。

- 2015年-
3⽉シングル「To shine」でメジャー・デビュー、オリコン初登場10位。
7⽉配信限定「callme -EP Vol.1」iTunesディリートップ10⼊り、OTOTOYディリーチャート1位を 記録。⾳霊、サマソニ、a-nationと数々のフェスに出演。
10⽉には1stフルアルバム『Who is callme?(全16曲収録)』をリリース、 CDショップ⼤賞にもノミネートされた。

- 2016年-
4⽉2ndシングル『Can not change nothing』は初のドラマエンディングに起⽤。
6⽉3rdシングル『Confession』はピアノを主体としたダンスナンバーが話題に。
9⽉には2ndフルアルバム『This is callme(全16曲収録)』をリリース。

- 2017年-
3⽉4thシングル『Bring you happiness』は物流業界初の応援ソングとして制作。
8⽉5thシングル『One time』リリース。ジャズフェスやナイトクラブに出演。

- 2018年-
3⽉6thシングル『Hello No Buddy』Spotifyプレイリスト⼊りやJ-WAVEでのO.A、⾳楽好きな著名⼈からの発信で注⽬ を集めている。
7⽉プレイリストアルバム「Please callme! -20152018-」リリース

- 2019年-
1⽉3rd Album『Hello kolme』リリース
3⽉全国ツアー「kolme Live Tour 2019」決定(東京、⼤阪、名古屋、仙台、岡⼭・福岡)
4⽉〜11⽉毎⽉新曲配信リリース
11⽉4th アルバムリリース
12⽉〜全国5都市6公演ライブツアー開催決定

公式サイト: https://avex.jp/kolme/