Speak emo

2019.12.26
kolme

4枚の中でも最もポップでキャッチーな、そして一番明るいアルバムだなって思います

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kolmeがまたまたスゴい作品を届けてくれた。

『Do you know kolme?』と題されたその作品は、前作『Hello kolme』より約10ヶ月という短いインターバルでリリースされ、今年(2019年)kolmeが発表した2枚目のアルバムとなった。”年にアルバム2枚”とは少々意表を突かれた感があり、一見唐突なリリースのようにも思えるが、4月より配信シングルを毎月のようにリリースしてきた彼女たちからすれば、ごく自然な流れなのかもしれない。溢れる創造性を次々と作品にしていき、出来上がればすぐさま配信。そして、それでも捌き切れなくなると、アルバムという形で一気に吐き出す。まるで“息を吐く”かのごとく作品を発表していく姿には、アーティストとしての凄みのようなものが感じられる。

 

もちろんその内容も、特筆すべきクオリティだ。前作『Hello kolme』では様々な新機軸が示されたが、対して今作『Do you know kolme?』では、前作で示した新たな試みが完全に彼女たちの表現となり、kolme流ポップミュージックへと鮮やかに落とし込まれている印象だ。自ら「これまでで最もポップでキャッチーなアルバム」と称するように、音楽的な“企み”があちこちに配されつつも、幅広い層へとアピールする“普遍性”を帯びたものとなっている。

 

また今作では、Da-iCEの工藤大輝、DECO*27とコライト(共作)した楽曲が収録されているが、こうしたコラボレーションは、クリエイターたちの力を借りたというよりも、自らの創造性を掻き立てるための触媒を求めたものであるかのよう。彼らの個性は存分に生かしつつも、最終的にはkolme印のサウンドを結実させており、それもまた彼女たちの驚嘆すべきクリエイティヴィティを示していると言えよう。傑作『Hello kolme』とはまた毛色の違う作品だが、『Do you know kolme?』もまた負けず劣らず極めて高品質な作品である。

 

まもなく結成5周年を迎える彼女たちは、優れた最新アルバムを引っさげ、結成記念日となる12月30日より全国5都市を回るライブツアーを敢行する。

 

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人にお話を伺った。

 

 

 

今聴いてくれてる人が多いのなら今出したほうがいいな、って(RUUNA)

 

――ニューアルバム『Do you know kolme?』ですが、前作から10か月しか経っていません。早いですよね。

 

RUUNA:早いですね。まぁ、今年は「制作の年にしよう」と決めていたので…。配信を強化したくて毎月新曲を配信していたので、本当にもうずっと制作していました。で、そろそろフィジカル作品を出そうっていうことになった時に、作品として形に残すとなるとやはりアルバムがいいとなったので、今年もう1枚アルバムを出しました。

 

――前々作『This is callme』から前作『Hello kolme』までのインターバルが約2年4ヶ月。そして前作『Hello kolme』から今作までが約10ヶ月。今作はかなりのスピード感をもってリリースされました。この2作の間に考え方やスタンスなど変わりましたか?

 

RUUNA:「ライブよりも制作」って思いながらずっと曲を作っていましたね。

 

KOUMI:曲調は前作よりもポップ寄りにしようとはしました。歌詞は本当に自分が今書きたいものをそれぞれ出しあって、って感じです。

 

MIMORI:作品一つ一つを丁寧に作りたいという気持ちが大きくなりました。それまではライブと並行して制作するケースが多かったんですが、それだとやはり自分たちの負担も多くなり…。今年はもう制作に絞ろうということになったんです。イベント関連はちょこちょこ出てはいたんですが、自分たちで主催するようなワンマンライブはちょっと減らして、バランスを取ってました。

 

――アルバムを出すことは計画通りだったんですか?

 

KOUMI:2018年の終わり頃には決まってました。

 

RUUNA:今年2枚出せたらいいなって感じで話してましたね。

 

――「今年2枚」という計画だったんですね。

 

MIMORI:ぼやっとですけどね。まずは1月にリリースしたアルバム『Hello kolme』があって、それをメインに作ってはいたんですが、「今年もう1枚できたらいいよね」という風にはその頃から話してました。「秋ぐらいには出したいね」って。大まかなプランだったんですけど。

 

――制作をメインにしようと思い立ったのは、曲がドンドン溢れてるからって感じですか?

 

RUUNA:そうですね。あとは配信で聴いてくださる方がどんどん増えていることもあって、やはりそこを強化しようと思ったのもあります。SpotifyやApple musicなどでも再生回数が格段に増えていて…。ちょうどプレイリスト・アルバムをリリースしたタイミングでそうなったんですよ。ならば、聴いてもらえるものを増やしたほうがいいなということになって、「じゃあ制作をしよう」と。曲を沢山リリースして、それで興味を持ってくれてライブに来てくれればいいなということで、今年をその“準備の一年”にできたらいいなと思ったんです。

 

――こういう言い方はできるでしょうか。皆さん海外でも3度ほどライブをやられていますが、例えば世界市場を見据えるならば、東京で限られた人に向けてライブをやって集客を増やしていくより、音源で全世界に聴いてもら方がいいんじゃないか、と。今はそちらに軸足を置こうというような…。

 

RUUNA:あぁ…そうですね。まぁ、そこまで振り切った考え方はしてないですが、でもやはり配信って、皆さんが手軽に聴けるアイテムだなと思っていて。きっと日常で聴いてくれることが多いと思います。今聴いてくれてる人が多いのなら今出したほうがいいな、って感覚ですね。

 

――世界云々までは言わずとも、必ずしもライブを観に来る人だけを対象にしているわけではなく、そうじゃない人にも沢山いるということを、ある意味Spotifyなどの再生回数を見て分かってきた、と。

 

RUUNA ;そうですね。

 

――制作のペースも、ライブやって制作やって締め切りに追われて、みたいなのではなく、もう少し落ち着いでできたわけですか?

 

MIMORI:そうですね。落ち着いたことは落ち着いたんですが…。1曲仕上げるのも前よりペースが上がったので慌ただしいです。例えば歌詞なんかも「1週間で2曲ね」とか、あ、2週間だっけ???

 

RUUNA:1週間。

 

MIMORI:「1週間で2曲ね」っていうふうに割り振って、「もうこの日までには絶対出す」って自分たちで意識を変えました。それまでは、だいたい締め切りを過ぎちゃってたんですけど(笑)、今年からは、意識を変えてちゃんと締め切りは守っていって、「ここまでに1曲、ここまでに1曲」っていうふうにちゃんと計画を立てることが大事だなと思いました。その分今回の作品は一つ一つ丁寧に作れたと思っています。

 

KOUMI:「Brand new days」を作った時、ちょうどフランスに行ってたんですが、私が提出期限を守らなかったんですよ…。たぶんそれでそうなったんたと思います(笑)。

 

一同:アハハ(爆笑)

 

MIMORI:確かに、それもありますね(笑)。

 

KOUMI:アルバムリリースの結構前だったので、まあそれは許さたのかなとは思ったんですけど(笑)。そこからドンドンと後ろにずれ込んできちゃったので、ちょっと反省しています。

 

――創作って、まあ言えば終わりのない作業なので、締め切りを設けた方がかえって良いものができるかも知れないですよね。

 

RUUNA:「Brand new days」の時はスタジオを押さえていただいていたので、周りの方に迷惑をかけたくなかった、というのが大きかったです。レコーディングスタッフや制作チームも待ってるのにそれに応えることができないっていうのは、やはり「実力がない」ということだと思うんですよね。信頼を失うじゃないですけど、みんな同じ気持ちで制作に取り組めなくなってしまうというか、お互いの気持ちが寄り添わないと良いものができない…。やはりそういうコミュニケーションっていうものも大事だな、と今年はすごく思いました。今までは、スタジオ入りするまでに歌詞を提出していたんですが、それでレコーディングに行って歌うと歌詞のハマり具合があまり良くないことも多くて、その場で直したりしてたんですよ。でも、今回のアルバムでは、1週間前ぐらいに歌詞を一度出して仮歌録りをして、言葉のハマり方や意味も確認して、全部仕上がってから本番レコーディングに臨む、という形で全てやれたので、歌詞もより研ぎ澄まされたたというか、前作よりも細部までこだわることができたと思います。

 

――いわばプリプロダクションというか、それをしっかりやって、皆さんの意思確認をして、と。

 

RUUNA:そうですね。

 

――そうしたプリプロダクションといいますか、それを作る時もスタジオに入るんですか?

 

MIMORI:アレンジャーさんのハウススタジオでやります。

 

――皆さんが住んでいるところで歌ったりはしないんですか?

 

KOUMI:仮歌はやりますね。

 

――それだといろいろ融通が利きますね。徹夜でやったりとか?

 

MIMORI:それこそ夜にちょっとリビングでレコーディングをしたりとか。それをアレンジャーさんに送って、「こうしたほうがいいんじゃない?」とアドバイスをいただいたり…。それを受けて「じゃあもうちょっと歌詞を練ってみようか」っていうこともできたので、それは本当に良かったです。

 

RUUNA:自分たちの家でできることはやろう、という感じですが、本番レコーディングは必ずスタジオに入るっていうのは決めていて、それで自分たちの中のスイッチが入るというか…。アレンジャーさんもスタジオにはこだわってくださっていて、本当に音が良いところで録らせていただいてるんですよね。なので、レコーディングに今までよりも高い水準で歌詞を持ってこられたのはすごく大きかったです。もちろんその場で直したりもしましたが…。歌に関してもそれぞれのプランを持ち寄ってレコーディングに臨めましたね。「どういう風に歌いたいか」をそれぞれが明確にして…。

 

MIMORI:それに今回は、スケジュールに余裕があったので、レコーディングしたものを聴いて直したりもしましたね。今回のリード曲「Remind me...」は、一度レコーディングを済ませたんですが、実際に聴いてみて「これちょっとキーを変えたほうが良い曲になりそうだね」となって、キーを半音下げて新たにレコーディングし直したんですよ。ちゃんと1曲1曲に向き合えたっていう感覚がありますね。

 

――アルバムに先駆けて5曲配信リリースしています。もう”録って出し”みたいな感じでしたか?

 

RUUNA:に近いですね。

 

MIMORI:「今できたからもう配信しちゃおう」って言う感じです。それまでは、配信するまでに結構時間を空けてしまって、「今出せたらよかったのにもったいない」と思うことが結構ありました。でも、今回それはもうやめよう、と。「その月に録ったものはその月に出す」という形は、今の自分たちを感じてもらえる、ということだと思うんですよね。今回は何よりも“今”ということに命を賭けて制作しました。

 

――そういった制作の仕方って本当に”今っぽい”ですよね。今はすぐに出せちゃいますもんね。

 

MIMORI:すぐに出せちゃうのはすごいなと思いましたね。

 

RUUNA:今はやはりスピード感がすごいですよね。

 

KOUMI:良い時代だなと思います。

 

 

取材・文
石川真男

kolme 商品情報

4th Album

『Do you know kolme? 』

【Type-A 2CD+DVD】

kolme

AVCD-96365〜6/B ¥6,300 (税込)

[CD①]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude 1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath 12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude 2 15. Wherever I go

[DVD]
01. Remind me... -Music Video- 02. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X [CD②] MIMORI SE Collection 01. Ultra kolme Merry X'mas 2018 02. kolme Happy New Year Live 2019 03. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ 04. REIWA 2019 05. Super Ultra kolme tour 2019

 

【Type-B CD+Blu-ray】

kolme

AVCD-96367/B ¥6,800 (税込)

[CD]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude 1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude 2 15. Wherever I go

[Blu-ray]
01. Remind me... -Music Video- 02. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X

 

【Type-C CD】

kolme

AVCD-96368 ¥3,000 (税込)

[CD]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath 12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude2 15. Wherever I go

 

 

kolme ライブ情報

5周年ツアー「kolme Live Museum - Do you know kolme? -」

2019年
12⽉30⽇(⽉) 神奈川CLUB CITTAʼ
2020年
1⽉18⽇(⼟) 埼⽟⻄川⼝Live House Hearts
2⽉2⽇(⽇) 宮城SENDAI MA.CA.NA
2⽉8⽇(⼟) 神奈川横浜Baysis
2⽉23⽇(⽇) ⼤阪OSAKA MUSE
2⽉24⽇(⽉/祝) 名古屋ell.FITS ALL

〈開場/開演時間〉
12月30日 CLUB CITTA’公演 16:00/17:00
上記公演以外 1部13:00/13:30  2部17:00/17:30

 

 

PROFILE

PROFILE
kolme
kolme

(左から) RUUNA(秋元瑠海) 1996年9⽉9⽇O 型(リーダー)
MIMORI (富永美杜) 1996年6⽉14⽇O 型
KOUMI(早坂⾹美) 1996年5⽉31⽇O 型

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3⼈組ガールズ・ユニット。作詞作曲、ダンス振付、英語など、それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフ・プロデュースするクリエイティヴ・ユニットとして活躍。リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3⼈が⼀体となったクオリティーの⾼いダンスと、⻤才トラックメーカーRumb(残響レコードからアルバムをリリース)とコラボレーションする楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅⼒。海外からの注⽬も⾼く、2018年7⽉にはフランスで⾏われた『Japan Expo』に出演を果たした。

- 2015年-
3⽉シングル「To shine」でメジャー・デビュー、オリコン初登場10位。
7⽉配信限定「callme -EP Vol.1」iTunesディリートップ10⼊り、OTOTOYディリーチャート1位を 記録。⾳霊、サマソニ、a-nationと数々のフェスに出演。
10⽉には1stフルアルバム『Who is callme?(全16曲収録)』をリリース、 CDショップ⼤賞にもノミネートされた。

- 2016年-
4⽉2ndシングル『Can not change nothing』は初のドラマエンディングに起⽤。
6⽉3rdシングル『Confession』はピアノを主体としたダンスナンバーが話題に。
9⽉には2ndフルアルバム『This is callme(全16曲収録)』をリリース。

- 2017年-
3⽉4thシングル『Bring you happiness』は物流業界初の応援ソングとして制作。
8⽉5thシングル『One time』リリース。ジャズフェスやナイトクラブに出演。

- 2018年-
3⽉6thシングル『Hello No Buddy』Spotifyプレイリスト⼊りやJ-WAVEでのO.A、⾳楽好きな著名⼈からの発信で注⽬ を集めている。
7⽉プレイリストアルバム「Please callme! -20152018-」リリース

- 2019年-
1⽉3rd Album『Hello kolme』リリース
3⽉全国ツアー「kolme Live Tour 2019」決定(東京、⼤阪、名古屋、仙台、岡⼭・福岡)
4⽉〜11⽉毎⽉新曲配信リリース
11⽉4th アルバムリリース
12⽉〜全国5都市6公演ライブツアー開催決定

公式サイト: https://avex.jp/kolme/