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以前の自分は、気持ちがどこか不安定だったから、明るい歌詞を書く心境にはなれていなかった。だけど今は未来のことを考えながら書くようになった。そこも変化なのかも知れないです。 BLACKNAZARENE インタビュー・1
新体制となって以降発売し続けてきた、2枚のシングル『URGE』『lord of the fate』。その2枚に刻んだ物語は、3月15日に発売になるアルバム『Decision』へと繋がった。BLACKNAZARENEが描き出した「歩み」を綴ったストーリー。そして、未来へ向かううえでの「決断」。その思いを6人に伺った。
その人らしい言葉や、言われたら耳に痛い言葉などを歌詞にすることで、より気持ちが曲に入り込めば、BLACKNAZARENEへ向き合う気持ちがより深まると思ったから、『lord of the fate』の歌詞はそうしました。
――まずは、アルバム『Decision』を生み出すまでの経緯から教えてください。
南向いずみ もともと、BLACKNAZARENEの活動を辿る連作に挑戦してみようとと決めたうえで制作を始めました。それが、『URGE』『lord of the fate』2枚のシングル、そして今回のアルバム『Decision』と続いています。
――シングルの表題曲『lord of the fate』とアルバムの表題曲『Decision』にはとくに、その当時の心境を色濃く投影していますよね。
南向いずみ そうですね。『URGE』が過去の話。『lord of the fate』はもあ、ひみこ、山田、楓の気持ちをfeat.した6人が集まった頃の話。『Decision』は、「これからも、この6人でずっとやっていこう」という今現在の姿や思いと、未来に向けてのBLACKNAZARENEの話になっています。
白坂もあ 『URGE』では、実果子ちゃんといずみちゃんが過去を振り返っての心境を歌っていました。その次の作品『lord of the fate』の歌詞には、自分たちの過去のことも反映されていたから、曲を聴いたときに、「あっ、これは自分たちのことだ」とすぐに感じました。とくに自分が歌う冒頭の「明日のことも見えなくて 自分に興味なくなって 怖いと感じることすら できなくなる 壊れてく」は自分の心情そのもの。最初に曲を聴いたとき、「えっ、ここの歌詞、自分そのものだ」と思って泣いてしまったくらい。それをいずみちゃんに言ったら「そうだよ、(白坂もあのことを)考えて書いたから」と言われ、二度泣かされました。どの曲にも気持ちが入りますが、『lord of the fate』はとくに感情移入しやすかったです。
――メンバーそれぞれの気持ちを把握し、それを歌詞に投影したわけだ。
南向いずみ そうです。『lord of the fate』の歌詞を書いたのは、このメンバーになって半年以上経ってから。同じ時間を過ごすようになり、だんだんメンバーの人となりもわかってきたところで、メンバーのことも曲の歌詞に投影しようと思いました。理由は、それぞれのメンバーに、BLACKNAZARENEの楽曲を、より自分の歌として受け止め、気持ちの入るライブをほしかったから。その人らしい言葉や、言われたら耳に痛い言葉などを歌詞にすることでより気持ちが曲に入り込めば、BLACKNAZARENEへ向き合う気持ちがさらに深まると思ったから、『lord of the fate』の歌詞はそうしました。
――けっして綺麗事ではなく、耳に痛い言葉を持ってくるところがらしいというか。自分の中の黒い感情とどう向き合うかも、BLACKNAZARENEとして表現していくうえで大事なことですよね。
南向いずみ そうですね。わたし自身、論破系の人ですが、『lord of the fate』は、自分で歌っていて恥ずかしいと思えるようなことも歌詞にしているから、ライブで歌っていて自分で恥ずかしくなることもあります。
――楓さんは、この3作の流れをどう受け止めています?
乃上楓 『URGE』は、実果子ちゃんといずみちゃん2人のこと。『lord of the fate』は、私たち4人について。『Decision』は、ここから6人で未来へ向かうぞという決意の曲だから、今の6人のことを歌にしている印象です。とくに『Decision』は、「こんなこともあったなぁ」など、6人で活動してきた今までのことも思い返しながら歌っています。いずみちゃんの書くどの歌詞にも、そのときのメンバーやグループの心情が書かれているから、自分もそれを感じながらいつも表現しているし、その気持ちを持ってライブでも歌っています。
――さとりさんはいかがですか?
山田さとり わたしも『lord of the fate』を聴いたときは、自分の胸に歌詞が刺さってきました。『URGE』に関しても、わたし自身加入前からBLACKNAZARENEが好きでよく聴いていたし、外部からここに至るまでの過程も見ていたから、『URGE』に書かれた心情もすごく伝わりました。2人の気持ちを書いた『URGE』があり、そこへ私たち4人が加わってからの心境が『lord of the fate』に書かれてある。だから、ひときわ歌詞が胸に刺さったんだと思います。6人で活動を始め、さらに固まった決意が『Decision』には書かれています。
東出ひみこ みんなも言っているように、『URGE』は、BLACKNAZARENEが2人体制になっちゃうところや、そこからの気持ちを歌った曲。そこから私たちと出会い、『lord of the fate』になり、6人の決意が固まり、決断を下してゆくうえでの心境を『Decision』に記したと捉えています。『lord of the fate』と『Decision』の両方の歌詞に「運命」や「決断」と同じワードが出てくるように、『lord of the fate』の頃から、『Decision』へ至るまでのことを見据えていたのかなとも感じました。『lord of the fate』で使っていた振り付けを『Decision』でも一部使っているので、そこにも未来へ進む意志が受け継がれている。そういう流れも美しいですよね。
――もしや、『lord of the fate』の歌詞を書いた頃から、『Decision』に記した心境を見据えていたわけですか?
南向いずみ そうです。
――話を聞いていると、『lord of the fate』の存在はメンバーの中でも大きなものがあるんですね。
白坂もあ 『lord of the fate』では自分とひみこ、山田、楓を大きくfeat.してくれた楽曲。しかも、4人の心境を歌詞にも書いてくれたからこそ、とくにこの4人は、思い出も思い入れも大きい曲になっています。
――そこも、意識していたわけですよね。
南向いずみ 実果子と自分は抑えようと最初から決めていました。これまでの楽曲は、わたしと実果子が中心になっていたけど、何より4人の歌声が大好きだから、それをみんなにもっと聴いて欲しいと思ったし、4人自身のことを歌いたかった。だから『lord of the fate』では、4人のことを歌詞にしました。でも、どうしてもわたしと実果子で歌いたかった歌詞もあったので、そういう部分は2人が歌っています。
――そこ、気になります。
南向いずみ 『URGE』などを作ってくださったニンドリさんは、『URGE』をリリースする前に亡くなってしまいました。もう二度と、ニンドリさんの新曲を歌うことが出来なくなってしまったのですが、『lord of the fate』の作曲を手がけてくださった福島(貴夫)さんが、『lord of the fate』の曲の中に、ニンドリさんの書いた『The beginning』という曲のギターソロをオマージュして入れてくれたんですよ。だから歌詞もDメロの部分は『The beginning』へのアンサーソングにしようと思って書きました。そして、そこは実果子とといずみが歌っています。
「負けてもいいし、駄目でもいいし、死にたくなってもいいけど。そんなあなたのことを、わたしはずっと愛してるよ」という心情を書きたくなって書いたのが、『Twilight zone』でした。
――実果子さんは、ずっといずみさんと行動を共にしています。身近にいるからこそ、歌詞に記した、その時々の心境の変化も強く感じてきました?
村田実果子 いつも、私たちの心情も取り入れながら書いてくれているから、それは感じています。自分たちのことをよく理解してくれる身近なメンバーが歌詞を書いているからこそ、歌うときの気持ちの籠もり方がぜんぜん違う。そこがいいですよね。
――いずみさんの心情面においても、『URGE』から『Decision』へと至るまでの流れの中、変わらぬ部分もあれば、変わった面もありませんか?
南向いずみ ありますね。今までのBLACKNAZARENEは、「強いこと」や「折れないこと」が正義だったし、「負けないこと」や「あきらめないこと」を大事にしてきました。そんな中で、私が一番視点を変えて書いた歌詞が、『Twilight zone』。「負けてもいいし、駄目でもいいし、死にたくなってもいいけど、そんなあなたのことをわたしはずっと愛してるよ」という心情を書きたくなって書いたのが、『Twilight zone』でした。それまで、「負けるな・あきらめるな・逃げるな・向き合え」みたいな曲ばかりを書いていたんですが、『Twilight zone』のような歌詞を書いてみたいと思い、実際に書いたことで、自分でも「大人になったな」と思いました。
――『Decision』はとくにそうですけど、自分を鼓舞するというか、前向きな思いも最近は強く出していますよね。
南向いずみ 以前の自分は、気持ちがどこ不安定だったというか。メンバーが脱退し、実果子と2人だけになった気持ちをずっと引きずっていたから、明るいだけの歌詞を書く心境にはなれていなかったんだと思います。今は希望にあふれてるというか、未来のことを考えながら書くようになった。そこも変化なのかも知れないですね。
TEXT:長澤智典
<インフォメーション>
BLACKNAZARENE「Decision」Official Music Video
https://www.youtube.com/watch?v=pHfrHgQt69E
2023/3/15発売 NEW ALBUM 「Decision」
【初回限定盤】
▽CD
ASOBE!
lord of the fate
faith
PARADOX
Twilight zone
URGE
new story
アンチオルトイズム
Decision
Throne
鼓動
call me by your name
▽ダウンロードカード
「Decision」MUSIC VIDEO
「奇祭Ⅳ」Oneman LIVE 2022.10.30@EX THEATER ROPPONGI【Type-B】通常盤
【通常盤】
CD / AMPL-1013 / 3,500円(税込)▽CD
ASOBE!
lord of the fate
faith
PARADOX
Twilight zone
URGE
new story
アンチオルトイズム
Decision
Throne
鼓動
call me by your name
発売元:ampoule label
販売元:HAPPINET CORPORATION
■BLACKNAZARENE 配信URL :
『lord of the fate』 https://nex-tone.link/A00096707
『URGE』 https://nex-tone.link/A00096708
■LIVE INFO ※詳細はオフィシャルSNSへ
【BLACKNAZARENE 2023 TOUR】
1月21日(土) 札幌・cube garden
1月28日(土) 福岡・INSA Fukuoka
2月11日(土) 名古屋・ElectricLadyLand
2月24日(金) 大阪・OSAKA MUSE
3月18日(土) 大阪・ROCKTOWN
【BLACKNAZARENE 2023 TOUR FINAL & 5TH ANNIVERSARY LIVE】
3月23日(木) 東京・Shinjuku BLAZE
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