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2023.03.28
BLACKNAZARENE

その姿は、不条理なこの世界に抗い、みずからの道を開拓し進み続けることが、自分たちの生き方や生きざまだと示すようにも見えていた。 「BLACKNAZARENE 2023 TOUR FINAL & 5TH ANNIVERSARY LIVE」レポート!

 最新アルバム『Decision』を手に、5大都市をまわるツアーを続けてきたBLACKNAZARENE。そのファイナル公演が、3月23日に新宿BLAZEで行われた。「BLACKNAZARENE 2023 TOUR FINAL & 5TH ANNIVERSARY LIVE」と題したように、この日はBLACKNAZARENEの結成5周年を記念した思いを含めての公演。当日の模様を、ここにお伝えしよう。

 


 『アンチオルトイズム』の楽曲に乗せて幕が開いた瞬間、中から、気持ちを一つに歌う6人の姿が現れた。幕開けと同時にいきなり始まった展開にも驚いたが、6人が曲に描いた主人公の心情に気持ちを重ね、奥底に眠っていた本能を呼び起こすように凛々しく歌う姿が強いインパクトを放っていた。彼女たちは、闇の中から光を求めていた。この地から、新しい自分に生まれ変わろうとしていた。その姿に視線が釘付けになる。静かなる衝動、心をざわめかす胎動…。

 

  『URGE』が流れたとたん、フロア中から張り上げた声と熱いクラップが飛びかう。奪われた光をふたたびこの手でつかみ取り、ここから大きく羽ばたく意志を示すように、メンバーらは気迫あふれる様で感情をぶつけていた。曲が進むにつれ、舞台の上には緊張感が生まれていた。それは,彼女たち自身が、混沌とした闇の世界から飛び立とうと気持ちを強くぶつけていたからか?「誰かが奪った光 今も止まない衝動」の言葉が、痛く、激しく胸を揺さぶる。


    
 「暴れたい衝動をぶつけてこい、全部受け止めてやるから」と、彼女たちは『Faith』を通し、胸の内に縛っていた気持ちをすべて解き放てと声を荒らげていた。信じた思いを胸に突き進む姿を、誰も止められない。その強さを持った姿が、新たな輝く道を作りだすことを6人は体験してきた。だから「走り出した僕たちには誰も追いつけない」と、声を奮わせるように歌っていた。落ちサビで、メンバーへ向けて数多くの白いペランライトの光が揺れ動く景色も、見ていて鮮やかだ。激しく攻める楽曲に乗せ、6人は終始凛々しい表情で、もっともっと感情をぶつけろと観客たちを煽り続けていた。

 

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 MCでは、BLACKNAZARENEが5周年を迎えた喜びを伝えていた。それまでの凛々しい表情が緩み、6人とも笑顔でガールズトークをしていた。そのギャップには、何時もながら嬉しい驚きを覚える。

 


 「もっとデカい声を出せんだろ!全員暴れろ!!」の煽りを受けて、ぶち噛ましたのが『未完成』。メンバーらは冒頭から拳を高く突き上げ、声を上げ続ける。高揚へと導く楽曲に乗せ、6人は一体感を持ったダンスパフォーマンスと共に、みずからの気持ちにも熱を加えてゆく。サビ歌に触れたときに覚えた、共に沸きたい感情。重厚な音に乗せ、火照った声でエモい歌をぶつけるメンバーたちに触れ、心の中で気持ちが沸き立つ。そのたびに、観客たちが拳や手にしたペンライトを掲げ、6人に向かって降り続けていた。

 

  地を這うような重厚な音が唸りを上げて駆けだした、疾走する楽曲に乗せ、フロア中から熱いクラップが飛びかう。メンバーたちは、ときに荒ぶる声を上げ、身体を激しく揺さぶりながら、次々と沸きだす心の衝動を『WILL』に乗せて叩きつけていた。彼女たち自身が、この空間に広がる無色透明な五線譜の上に、表情豊かな歌声の音譜を敷きつめる。間奏では、互いにヘドバンしながらコール&レスポンスを交わす様も提示。重豪な楽曲にドラマを描き足すメンバーらの高揚した歌声の絵筆が、とにかくエモい。爆走する音の上で、彼女たちは荒ぶる踊り子と化していた。

 

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重厚かつ荘厳でシンフォニックな音がフロア中に鳴り響く。奈落に落ちた主人公の悲哀の物語を描くように、6人は切々とした声で、祈るように『Last hymn』を歌っていた。この曲では、メンバーが入れ代わる形で、両端にいた2人のメンバーが、互いの顔を見合いながら歌う場面も登場。それは、主人公の心の中に棲む光と闇を示した姿だろうか…。いろんな想像が心の中を巡る。ドラマチックな楽曲だ。落ちサビを切々と歌う南向いずみに向け、ケチャした白い光がフロア中で大きく揺れていた。メンバーみんなが胸に手を寄り添え、自分の心を奮い立てるように。いや、壊れないようにと必死に闇の衝動を押さえていた姿も印象的だった。

 

 白く目映い光に包まれながら、フロア中に響き渡った歌声。そこへ歪みを上げた音が重なるのに合わせ、場内中から熱狂した声が飛びかう。『ニューワールド』を通して彼女たちは、色褪せたこの世界を鮮やかに塗り変えようと。いや、新しい色に染まることを願うように声を響かせていた。みずからの心へ問いかけるように歌うメンバーらとは裏腹に、フロア中からは、野太い絶叫が終始飛びかい続けていた。 一人一人が、絶望の地から光を求め、この世界を君と一緒に塗り変えたいと願う主人公へ憑依するように歌っていた。フロア中から沸き立つ絶叫の声が、その姿に激しい彩りを加えていた。

 

  ヒリヒリとしたギターの旋律が高く舞い上がる。荒ぶる感情を突きあげるように『officialfake』が流れだす。彼女たちは、乱れ、惑う感情を吹き飛ばすように力強く身体を揺さぶり、声を張り上げ、強く願うように歌っていた。「夢をみた いつも夢をみてた あの頃の僕のままで」と歌う声が、6人はもちろん、観客たち一人一人の心も掻きむしる。彼女たち自身が答えの見えない中、信じた思いこそが唯一の真実なんだと言いたげに、気持ちを激しく掻き立てるように歌っていた。

 

 心地好い旋律を携え、変わりたくても変われない気持ちを嘆くように、彼女たちは『Hearts』を歌唱。メロディアスでキャッチーな、つかみを持った楽曲という魅力も生かしつつ、6人は、葛藤し続ける心模様を赤裸々に、自分自身へ問いかけるように歌っていた。その声に向けてエールを送るように、荒ぶる声がフロア中から轟き渡る。感情を剥きだすだけが前を向く強さじゃない。揺れ惑う気持ちを抱きしめながら優しく歌う声も、前を向くための生きた力になる。

 

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  MCのたびに、わちゃわちゃとしたトークを繰り広げるのも、BLACKNAZARENEらしさ?


  最後のブロックの冒頭に持ってきたのが、今の、そして、これからのBLACKNAZARENEの生きざまを示した『Decision』だ。体感的な衝動ではなく、気持ちの内側から沸き立つ熱情を、6人は高らかに歌いあげていた。その声に向けて、フロア中の人たちが熱い視線を向ける。彼女たちは、舞台の上で軽やかに舞い踊りながら。でも、胸に抱いた確かな意志を、力強い歌声を持って、この空間に響き渡らせていた。その意思を持った歌声は、黒い二つの翼をはばたかせ、空へ飛び立つようにも見えていた。

 

 南向いずみの新たな始まりを告げる凛々しい歌声が響きわたる。メンバー一人一人が歌声を繋ぎながら、『The beginning』に乗せ「信じて手を伸ばせ 僕がつれて行くよ」と、ここから次代を騒がせる物語をこの6人で描くことを示すように。その意志を持って突き進むことを観客たちに誓うように歌っていた。メンバーらが大きく手を振り上げる姿に合わせ、フロア中の人たちも白いペンライトを一緒に振り上げ、ともに輝きを作り出す。その様が胸を熱く騒がせた。6人と共に掲げた数多くの拳や白い輝きがフロア中で波打つ景色かたまらない。

 

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 これまでの熱情したスリリングな空間の色をガラッと塗りかえるように、わちゃわちゃと弾けたナンバー『ASOBE!』に乗せ、6人が舞台の上でぴょんぴょん飛び跳ね,はしゃぎだす。ファンキーなパーティーロックチューンに乗せ、彼女たち自身が自由奔放で無邪気な乙女に気持ちを染めあげ、心をギラギラにしながらわちゃわちゃと騒いでいた。とても遊び心を持った楽曲だ。『ASOBE!』が、BLACKNAZARENEのライブの中にも遊びを持った嬉しい表情になって映しだされていた。

 

 「まだまだ遊びたりねぇよな!」「まだまだ暴れたりないよな!」「頭振れ!!」「声を聞かせてくれるよな!!」など、メンバー一人一人が、煽りだす。その煽りを受け、フロア中から荒ぶる野太い叫び声が轟きだした。南向いずみが「悲しい歌はもういらない 燦々と晴れ渡って」と歌いだす。高ぶる感情をすべてバーストしないと沸き立つ気持ちを抑えきれない。『new story』を通し、フロア中に熱情一体化した景色が広がる。メンバーらは声を荒らげ、「嗚呼 叫べ 叫べ 心のままに  届け 届け 声枯れるまで 歌え 歌え」と歌っていた。間奏でメンバーたちが観客たちをさらに煽ろうとしたところ、フロア中の人たちが「嗚呼 叫べ 叫べ 心のままに  届け 届け 声枯れるまで 歌え 歌え」と大声で歌いだす。その様を見て、最初は「えっ?!」と驚きながらも、6人は嬉し涙の表情で。ときには一緒に口ずさみながら、その様を温かい眼差しを向けながら見つめていた。一瞬のブレイクを挟み、ふたたび声を荒らげた南向いずみの歌を合図に、この場は、さらに熱気と熱狂に包まれてゆく。これまでをぶち壊し、ここから一緒に新しい世界を作りだそうとメンバーたちが声を張り上げ、熱い誘いをかけていた。

 

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 観客たちの爆裂したMIXの声を受け、『BLACK SUPERNOVA』が飛びだした。メンバーらへ向けて沸き上がる熱情した叫び声。6人は、観客たちの声を力にしながら、サビ歌では無邪気に騒いでいた。その姿にあわせ、フロア中の人たちも笑顔で飛び跳ねる。お互いに理性の螺子を次々と外しながら、すべての気持ちを解き放つように騒いでいた。拳を突き上げ、絶叫した声で「諦めを知るために生まれてきたわけじゃない」と共に歌っていた。メンバーも観客たちも、思いきり手を振り上げ、大きく飛び跳ねる。最後に6人が手を繫いで一緒に飛び跳ねる姿が、瞼に眩しく焼きついた。

 

  最後にBLACKNAZARENEは、エモい感情を爆裂させた『鼓動』をぶつけ、フロア中の人たちを熱狂と高揚と恍惚した世界へ導いてゆく。「回る回る世界は回る」の部分では、メンバーらが手にしたタオルを振り回せば、フロアでも、タオルや拳、ペンライトの輝きが空中で回っていた。メンバーらは笑顔を浮かべながらも、ずっと挑発し、戦いを挑む姿勢を崩すことはなかった。その姿は、不条理なこの世界に抗い、みずからの道を開拓し進み続けることが、自分たちの生き方や生きざまだと示すようにも見えていた。

 

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 純白の衣装に着替えた6人は、アンコール曲として『call me by your name』を切々と歌いだした。互いに身を絡めながら、闇に包まれた絶望の中から救いを求めるように「名前を呼んで」と歌っているようにも見えていた。BLACKNAZARENEらしい表情だ。その先に見える光に強く手を伸ばし始めた最近のBLACKNAZARENEの姿でありながらも、根底には、自分自身の気持ちと対峙し、心の葛藤をぶつけ、苦しみや絶望に身を浸してゆく姿を。痛みを立ち上がる力に変えてゆく姿勢はこれからも変わらないことを示しているようにも見えていた。痛みさえも愛しいと感じるその歌を、心は求めてしまう。刹那な感情を飲み込みながら、痛い闇の中へ身を浸すことも、やはり心地よい。

 

3


 止まない観客たちの声を受け、ふたたびメンバーらが登場。最後の最後に『叛逆starmine』を歌いながら、彼女たちはみずからの気持ちを鼓舞し、この場で咲き誇るように凛々しい声で歌い叫んでいた。 それが今の、これからのBLACKNAZARENEの姿勢だと伝えるように。そして、ここから夢の続きを共に描こうと約束を交わすように、6人は力強く歌っていた。フロア中から飛びかう熱いオーイングや、一斉に腕を振り上げるときに生まれた波打つ景色も、強く印象に残っていた。

 

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TEXT:長澤智典


セットリスト
『アンチオルトイズム』
『URGE』
『faith』
MC
『未完成』
『WILL』
『Last hymn』
『ニューワールド』
『officialfake』
『Hearts』
MC
『Decision』
『The beginning』
『ASOBE!』
『new story』
『BLACK SUPERNOVA』
『鼓動』
-ENCORE-
『call me by your name』
-W ENCORE-
『叛逆starmine』


SNS
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