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2023.10.22
Bitter & Sweet

「Bitter & Sweet わた雪TOUR 2023~凱旋するよ!~」横浜公演レポート

 Bitter & Sweetが9月より始めた全国ツアー「Bitter & Sweet わた雪TOUR 2023~凱旋するよ!~」。ガルポは10月13日(金)の新横浜 LiT公演に足を運び、その日の模様をレポート。ここからは、当日の内容をお伝えします。

 空港内に響く雑踏の音。流れだしたのが、飛行機の機内アナウンス。パーサーとなった2人が、この飛行機に搭乗した(この場に足を運んだ)人たちを、いろんな想いを巡る旅へと連れだす。”わた雪”と題したこの飛行機が案内するのは、どんな一夜の旅??

今宵の物語の冒頭を飾ったのが、最新シングルであり、田﨑あさひが故郷・長崎に住む家族へ思いを馳せて作詞を手がけた『私が飛行機を嫌いな理由』。田﨑あさひの歌声をメインに、彼女の思いへ寄り添うように、長谷川萌美が優しく歌声を重ねだす。とても温もりを覚えるハーモニーだ。2人の歌声が場内中へ響き渡るたび、この飛行機に乗り込んだ人たちの心も夢見心地でフライトしだす。2人の歌声を旅先への案内人に、このままさまざまな物語を示す一つ一つの空港に降り (楽曲を聴き)ながら、Bitter  Sweetと一緒にいろんな体験に触れていきたい。

 

あ
 

「綿あめ雲 夕焼け空 わたしが暮らす”まち”で~明日もほら ハレルヤ」、2人の歌う『ハレルヤ』にあわせ、フロア中から起きた熱い手拍子と掛け声。2人は駆ける楽曲へ心地よく気持ちを寄り添え、弾む思いのままに歌声を響かせる。軽やかにステップを踏みながらクラップをする2人に向けて飛び交う熱い声。早くもこの空間には、熱を帯びた空気が生まれだす。過ぎ去った夏を思い返すわけではないが、首筋をじんわりと濡らすこの熱気が、不思議と心地よい。心の翼を広げ、彼女たちと一緒にいろんな思いをつかみに、歌声の風に乗ってこのまま羽ばたき続けたい。

 長谷川萌美がアコギを手に歌いだしたのが、『スーパーガール』。週末の金曜日の夜、疲れた気持ちを吹き飛ばし、週末に向けてのパワーをチャージするこの日にぴったりの、気持ちを心地よくアゲてゆくポップチューンだ。長谷川萌美の歌声をリードに、田﨑あさひが明るい声を重ねあわせる。間奏では、アコギを演奏する長谷川萌美を見ながら、田﨑あさひが躍っていた。この場を華やかなパーティー空間へ染め上げるように、ポジティブパワーを発揮した2人のスーパーガールが歌声と演奏を元気いっぱい弾ませていた。

 田﨑あさひがエレピを弾きながら歌いだしたのが、バラードに姿を変えた『グッバイワールド』。淡く切々とした歌声が、蒼い照明の光に乗せてフロア中へ響き渡る。その歌声へ寄り添うように、田﨑あさひは鍵盤から音を導きだしていた。この曲では田﨑あさひが、続いて長谷川萌美が、歌声をリレーするように歌唱。ときに互いの歌声を重ねあわせ、切々とした感情へ優しく思いの熱を寄り添えていた。嬉しかったのが、それぞれの思いを込めた感情的な歌声に、田﨑あさひの奏でるエレピの音色が気持ちの背中を押すように寄り添い続けていたこと。だから2人の声が、より心を濡らす歌として響いてきたのだろう。

 力強くアコギをストロークする演奏に乗せて長谷川萌美が歌いだしたのが、こちらもバラードにアレンジをした『ずっと』。それぞれが魅力にしている、鍵盤とアコギを生かした楽曲を。しかも、互いの感情の揺れが微細に伝わるバラードナンバーとして立て続けに披露してくれたのが嬉しい。各々の歌声の色や、寄り添いあったときの透明感を持った美しいハーモニーに心洗われる気持ちも味わえた。たとえそれが、切ない想いや強い意志を示した歌だろうと。いや、どんな感情だろうと、2人の歌声の彩りをふくよかに味わえたことが素直に嬉しかった。

 長谷川萌美の奏でるアコギの音色へ導かれるように、田﨑あさひが『ないものねだり』を朗々と歌いだす。とても芯の強い歌声だ。長谷川萌美のコーラスと爪弾くアコギの音色が田﨑あさひの強い意志を持って歌う声へ寄り添い、さらに強い色を描き加えていく。アコギ1本のみの演奏だからこそ、曲へ感情という色を塗り重ねてゆく2人の様を、よりじっくりと味わえていた。

 

あ

 

 次は、メドレーコーナーへ。2人のキュートで甘い甘い歌声の魅力を味わえた『Bitter & Sweet』から始まったメドレーは、さらに華やかな空気をこの場へ導くように『誰にもナイショ』へ。初な女の子の胸の内を語るようなセリフも、キュンと胸を騒がせる。続く『恋愛WARS』では2人がタオルを振り回せば、場内中からも熱い声が響き渡る。この空間にBitter & Sweetは、熱い熱い空気を描きだす。恋がときめくのにあわせ、楽曲も、歌声も、気持ちも熱く盛り上がる。いいよね、曲が進むごとに感情も上がっていけるって。『バイバイメトロ』『オレンジライン』でも、フロア中から起きた熱いクラップをパワーに、2人は気持ちの熱を上げてゆく。最後に彼女たちは『泣いて泣いて恋してる』を歌いながら、ときめいて始まった恋心に切ない結末を用意。でも場内では、気持ちを前へ前へと向ける楽曲と2人の歌声へ押されるように、あちらこちらで身体を揺らし、高ぶる気持ちを発散してゆく人たちが多く登場。間奏では、2人の突き上げる拳にあわせ、場内中の人たちも拳と声を張り上げ、2人の高ぶる気持ちへさらに熱を加えていた。一体化し、熱情した景色を作りあげるメドレー、これ病み付きになりそうだ。

 次に披露したのが、最新シングル曲であり、長谷川萌美が新潟県は長岡市を舞台に、亡き祖母と祖父の思い出を綴った『雪と花火』。この曲では亡き祖母の、共に人生の道を寄り添い歩み続けた祖父への想いを代弁するように。いや、長谷川萌美自身が祖母の心模様へ気持ちを染め上げ、愛しい人へ想いの手紙を届けるように歌っていた。長谷川萌美の凛とした歌声へ優しく寄り添う田﨑あさひの温かな歌声も、物語に素敵な色を添えていた。

 ライブも後半へ。『HANABI』のイントロが流れだすのにあわせて2人か腕を突き上げれば、フロア中の人たちも高く腕を突き上げ、高らかに声を上げだした。力強く元気に駆ける楽曲へ一緒に乗り込み、この空間へこれまで以上に熱い風を吹かせようか。希望に満ちた2人の歌声に気持ちを煽られた人たちが、声を張り上げ、手が赤くなる勢いでクラップをする。さぁ、もっともっと情熱の風を巻き起こせ。共にこの空間を、未来へ駆けだす勇気の風で満たしてしまおうか。

続く『DREAM GIRL』が気持ちを騒がせる。いや、騒がせるなんて簡単な言葉では言い表せない。2人のスキップするように弾む歌声に乗せて、一緒に気持ちを大きく揺らし、心の翼を広げ、共に晴れた空へ向けて羽ばたきたい。ここは密閉されたライブハウス。でも、この曲に触れている間中、目の前には無限に広がる開放的な空間が広がっていた。さぁ、2人のパーサーへ導かれるまま、このまま自由に、大きく心の両翼を羽ばたかせて、理想郷を見つけに素敵な冒険を続けようか。

最後に歌った『インストール』では、2人も、観客たちも熱狂のアクセルを思いきり踏み込み、気持ちが高ぶるままに声を張り上げていた。高らかに歌いあげる2人が飛ばす音符の羽根を、観客たちが次々とつかもうと高く手を伸ばし、飛び跳ねる。2人と一緒に熱情した気持ちを重ねあわせ、声を張り上げてゆく。互いの感情がシンクロするたびに、沸き立つ気持ちがメラメラと燃え盛る。まさに熱狂という言葉が相応しい一体感を持った景色が、この場に生まれていた。

アンコールで、2人が歌ったのが『Rolling Days(B&S Edition)』。やはり最後も気持ちを解き放って楽しまなきゃ。イントロが流れた時点でフロア中から熱情した声が飛び交い、クラップが鳴り響けば、サビ歌では、2人が歌う「回れ 回れ」や「揺れて 揺れて」の声にあわせ、-大勢の人たちが一緒にタオルや腕を振り回し、この空間に熱狂の風を巻き起こしていた。気持ちを解き放ち、無邪気な少年少女に戻ってはしゃげる。この時間をもっともっと味わいたい。だから、もっともっと素敵な物語へ導く旅へ連れていってほしい。

ホント素敵なフライトだった。さぁ、次はと、どの便へ乗り込もうか、教えてパーサーさんたち。

TEXT:長澤智典

 

■10/22(日)17時からの最終公演を10/29(日)23:59までを配信中
https://www.mahocast.com/at/live/478/10333

■10/28(土)「Bitter & Sweet Autumn LIVE 2023 in OSAKA 」 会場BERONICA / 京橋ベロニカ 
詳細:http://bittersweet-official.com/event/detail/e5367f570f5a5ab62ca32ce2e905b526085bdb66 

■11/19(日)「Bitter & Sweet ASAHI TASAKI Birthday Live 2023~アサチャンホンポ~ 会場:LIVE STUDIO LODGE 
詳細:http://bittersweet-official.com/event/detail/8c8b941f14905011a183ab09f449a440b2e59a8c

■12/31(日) Bitter & Sweet 10th Anniversary LIVE2023 会場 原宿RUIDO


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セットリスト
『私が飛行機を嫌いな理由』
『ハレルヤ』
『スーパーガール』
『グッバイワールド』
『ずっと』
『ないものねだり』
メドレー
『Bitter & Sweet』『誰にもナイショ』『恋愛WARS』『バイバイメトロ』『オレンジライン』『泣いて泣いて恋してる』
『雪と花火』
『HANABI』
『DREAM GIRL』
『インストール』
-ENCORE-
『Rolling Days(B&S Edition)』

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