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「d-girls11周年記念単独公演」レポート!

d-girlsが、5月18日にWARP SHINJUKUで「d-girls11周年記念単独公演」を行った。ゲストDJにDJ ももハム/DJ KUROYA/DJ denchu、ゲストに葉月/鈴原優美/Tnaka、スペシャルゲストにBLACKSTARが出演。DJ ももハム + d-girlsとしてコラボライブも実施。ここでは、前半/後半と2回に分けて行ったd-girlsのライブと、DJ ももハム + d-girlsとして行ったコラボステージの模様をお伝えしたい。
-前半-
d-girlsのライブの前半ブロック。その幕開けを飾ったのが、杉本よしみと瀬戸千花がヴォーカルを担った『CHANGE THE WORLD』。CLUBという環境がとても似合う楽曲だ。低音のビートを全身で感じながら、2人が会場中へ挑戦的な歌声を高らかに響かせる。挑発するようなエレクトロ/プログレッシブな楽曲の上で、メンバーたちも気持ちを前のめりに、観客たちの沸きたい気持ちへスリリングな刺激を注いでいた。まさにクールなd-girlsの姿を示すに相応しい、最高の幕開けだ。
止まることなく、百瀬めいの歌から始まる『Monopolize』へ。マイナー調の、でもアタックの強いスリリングな楽曲のうえで、百瀬めいが切ない思いを忍ばせつつも、人肌の温もりを感じさせる温かい歌声を響かせてゆく。
次に歌のバトンを受け取ったのが、崎山サラ。彼女は曲のタイトル通り、胸に抱いた思いを祈るように願いを込めて『NEGAI』を歌っていた。振りを綺麗に揃えた、5人の流れるような美しいパフォーマンスも印象的だ。次第に華やかさを増す楽曲の上で、崎山サラも温もりを覚える歌声を届けていた。体感的な高揚を与える楽曲たちを並べた前半部だからこそ、あえてハートフルな歌声を魅力にしたメンバーたちをヴォーカリストに配置しているところも、このブロックを際立たせている要因だ。
再び、百瀬めいの歌始まりで届けたのが、『Radiance』。彼女のハートフルかつプチエモな歌声を合図に、楽曲はどんどん激しさと華やかさを増してゆく。BPMがどんどん早くなるような錯覚を覚えつつも、百瀬めいの歌声も、エモさを抱きながらも挑発する様を強めてゆく。その歌声と楽曲とのアンサンブルが、興奮を呼び起こし鼓動を高める。終盤には、フロアから野太い声も上がっていた。
崎山サラも『まりも』を歌い、熱情する観客たちへ、甘く優しい歌声を降り注ぎ、観客たちの身体を揺らしていた。この曲で見せたメンバーたちの大胆な動きを通した挑発するようなパフォーマンスが、楽曲に同じく挑発するような色を加えてゆく。そして…。
前半部の最後を飾ったのが、百瀬めいと喜屋武里奈がヴォーカルを担った『これまでのミチ、今、これからのミチ~540.8km~』。まさに11周年ライブという場に相応しい、これまでの歩みと、これからの歩み、その道筋を一つに繋ぐ楽曲だ。百瀬めいと喜屋武里奈がマイクのリレーを重ねるたびに、互いの歌声が熱を帯び、エモさを増してゆく。最後に輝きを放つ楽曲を歌い、後半のブロックへ期待を繋いでいった。
DJ ももハム + d-girls
DJ ももハムとd-girlsとのコラボステージでは、DJ ももハムのPLAYする楽曲に乗せて、d-girlsのメンバーたちが歌う形でパフォーマンス。『CHANGE THEWORLD(AuraQualic)』では、スケールを増した壮麗かつシンフォニックな楽曲に乗せ、杉本よしみと瀬戸千花が右手を高く掲げて観客たちを煽りながら、フロアにいる人々を高く飛び跳ねさせる。その流れを受けて、DJももハムが『distination』を歌唱。その姿を、d-girlsのメンバーたちが側で踊りながら支えていた。
d-girlsのライブもノンストップだが、DJ PLAYで届けるコーナーらしく、楽曲が次々と綺麗に繋がれながら進んでゆく。『meteor』では、瀬戸千花が甘く、エモーショナルな声を綺麗に響かせて歌声の花を咲かせれば、歌のバトンを受け取った崎山サラが、『STAR☆JET』を通して、この会場を華やぐパーティーの場に染め上げる。さらに華やかさを増すように飛び出した『Destiny』では、杉本よしみが情熱的な歌声を魅力に、観客たちのハートをエモい衝動で揺さぶり、フロア中の人たちを熱く騒がせた。
ここからはカバーブロックへ。百瀬めいが敬愛するグループSTARMARIEの『さよならお弁当』を、STARMARIEの木下望の姿を自身と重ねあわせ、愛情をたっぷり込めつつも楽しんで歌う姿が印象的だった。喜屋武里奈は、以前に所属していたJelly Kissの『Prizm Bomber』を歌唱。当時を知ってる人たちは、あの頃の姿と想い出を重ね合わせ熱狂していた。
杉本よしみは、ふたたびd-girlsの『blue regret』を歌唱。d-girls=トランスという印象も強いが、ユーロビート系の楽曲も彼女たちに似合う表情だ。ここからDJ ももハムは、d-girlsのユーロビート曲を次々と繰り出してゆく。さらにBPMを上げて畳みかけるように、瀬戸千花が『solo flight』を歌いだした。彼女をサポートする形で、メンバーたちがパラパラダンスを披露。フロアでも、同じ動きを真似て踊る人たちがあちこちに誕生。さらにBPMを上げるように、杉本よしみが『into you』を妖艶さも漂わせつつ、力強く熱唱。ここは90年代?と錯覚してしまいそうだ。百瀬めいが『Snipe』を歌いながら、観客たちをもっともっと踊れと煽れば、ふふたびDJももハムがマイクを手に『midnight blue』を、声を張り上げて歌唱。最後は、d-girlsのユーロビート曲といえば…の言葉を象徴する『Addictive』を百瀬めいが歌い、この空間を90年代の湾岸エリアの、夜のCLUBの景色に染め上げていった。
-後半-
新衣装姿になったd-girlsが後半ブロックに並べたのは、これぞd-girlsという王道曲たち。最初に飛び出したのが、杉本よしみが歌う『Smile again』。d-girlsのライブ空間に、ずっと眩しい笑顔を作り続けてきた、とても華やかでゴージャスな歌系トランスチューンだ。d-girlsが多く発表してきた『again』がタイトルに付く曲の中でも、ひと際胸に輝きを降り注ぐ楽曲だ。
止まることなく、さらにハートへ情熱を注ぐように、瀬戸千花が『Bright』を歌唱。躍動したダンスビートに乗せ、抑揚する表情豊かな声で、歌詞に込めた思いを彩り豊かに描きだす。フロアからは、彼女の歌へかけあうように熱いエールが飛び交う。まさに、煌めくエモメロな瀬戸千花の歌声に心奪われる楽曲だ。
続く『with smile』を喜屋武里奈が歌唱。冒頭から続いたd-girlsらしさを遺憾なく発揮した、華やかでダンサブル/胸をくすぐるポップでキャッチーな歌系楽曲の連続に、フロア中の人たちも声を張り上げ騒いでいた。歌詞の一節ではないが、とびっきりの笑顔になるパフォーマンスがノンストップで続いてゆく。ほんと、笑顔になれるパワーをチャージしてゆくライブだ。
この場をさらに煌めいたカラフルな空間に染め上げ、無邪気な少年と少女に戻ってみんなではしゃごうと、百瀬めいがキラキラでハッピーなパーティーチューン『Platinum party』を歌いだした。何時だって観客たちへ元気をチャージしてゆく彼女らしく、途中に組み込んだラップ風のセリフパートでは、言葉でエールを送っていた。この曲をパフォーマンスしている5人の姿は、まるでお立ち台の上で華麗に踊るディスコクイーンたちのようだった。
後半の流れに入るきっかけを与えたのが、百瀬めいが歌った『again』。この曲に、何十回心を励まされただろう。何度でもトライしようと励ますこの曲を、百瀬めいがカラッとした爽やかな声と天真爛漫な笑顔で歌うことで、華やかなビートに合わせて気持ちも一緒に晴れ上がる。流行の変遷が激しいダンスミュージック界の中、後半のブロックに触れながら、d-girlsは時代の流れに左右されないエバーグリーンな歌系ダンスミュージックを確立してきたことを、次々と流れる曲たちを聴きながら実感していた。
そこへ届けたのが、d-girlsといえば…の言葉を象徴する、杉本よしみと瀬戸千花の歌う『brave heart』だ。フロア中の人たちが5人と同じ動きを真似、ここぞとばかりに感情のストッパーを壊し、エナジー全開ではしゃぎだす。高鳴る胸の鼓動が、楽曲のリズムとシンクロする。限界など忘れ、振り上げた両手を羽ばたく翼にしながら、彼女たちと一緒にくしゃくしゃの笑顔で踊り続けていた。
この勢いをさらに華やかに加速するように、d-girls曲の中でも『brave heart』と双璧を成す、圧倒的な支持を誇る『moment』が飛び出した。杉本よしみと瀬戸千花の2人が、思いをリレーするように歌う姿に触れるたび、胸が高鳴る。この日は、杉本よしみが「小指の赤い糸」と歌う場面で、観客の一人が小指に結んでいた太い赤い糸と指を絡める様も見せていた。観客たちも楽曲を熟知しているようで、彼女たちと思いの波長を重ね合わせ、笑顔を浮かべ、全力で飛び跳ねていた。
でも、ピークはまだここじゃないと言わんばかりに、瀬戸千花が『START!!』を通して、「君が教えてくれた まだ僕に出来ることを」と、エモーショナルさとハートフルさを兼ね備えた歌声の光を、フロア中に降り注ぐ。何時になっても、いくつになっても、彼女たちはけっしてあきらめることなく、止まることなく歩み続けてきた。何時だって、その日がスタートラインと示す姿を彼女たちが見せるたびに、一緒に駆けだす勇気を何度もチャージしていける。
ライブも終盤へ、飛び出したのが、超ハイパーでアッパーなユーロスタイルにアレンジしたカバー曲の『WOW WOR TONIGHT』。この曲を、杉本よしみと瀬戸千花が気持ちを馳せるように歌えば、メンバーたちが華麗にパラパラダンスを披露。サビ歌では,2人の歌声と、メンバーらが高く掲げた手を左右に大きく振る動きに合わせて、フロアでも同じ動きを真似る景色が広がっていた。この曲の中、理性のスイッチを切り、激しく頭を振りながらはっちゃける杉本よしみの姿もあった。歌に魂が憑依したときの杉本よしみの豹変ぶりは、ほんとイカしてる。
ノンストップで続いたライブの最後を飾ったのが、ライブでもよく終盤に歌っている『Happy Go Go』だ。瀬戸千花の歌声をリードに、5人がステージの上でサークルを描くようにくるくる回れば、フロアにも大きなサークルが誕生。右手を空に翳し、そのままくるくる回すだけで、僕らはHAPPYになれる。シンプルだけど、これぞ最高に幸せになれる魔法。横一列に並んだメンバーが名前を呼ばれ、その場で飛び跳ねるたびに、フロアでも同じ動きが生まれる。その様は、まるでウェーブのよう。ほんと、この場にいるみんなで作りあげたHAPPYなライブ空間が、そこには生まれていた。
ここで初めてであり、最後のMCというのも、ノンストップライブを信条としているd-girlsらしい。最後に届けたのが、最近シングル発売になった、d-girlsの最新ナンバー『Harmony』この日は特別にメンバー全員で歌った。d-girlsらしい華やかでトランシーなダンスビートに乗せ、5人が「Yeah×5」と声を高らかに歌いあげる。とても希望に満ちた、これからの未来にワクワクした期待を与える楽曲だ。心が動いたら、彼女たちと一緒に「Yeah×5」と歌いながら、HAPPYになれる魔法のハーモニーを作りあげればいい。メンバーらと一緒に歌声と振りを重ね合わせて一つに解け合う、まさに楽しいに満ちた景色を作り上げ、d-girlsは結成月から7ヶ月遅れの11周年公演の幕を閉じていった。
次は、10月に行う12周年単独公演だ。詳細が出るのを、心待ちにしていたい。
TEXT:長澤智典
セットリスト
-前半-
『CHANGE THE WORLD』
『Monopolize』
『NEGAI』
『Radiance』
『まりも』
『これまでの道今これからの道』
DJ ももハム + d-girls
『CHANGE THEWORLD(AuraQualic)』
『distination』
『meteor』
『STAR☆JET』
『Destiny』
『さよならお弁当』
『Prizm Bomber』
『blue regret』
『solo flight』
『into you』
『Snipe』
『midnight blue』
『Addictive』
-後半-
『Smile again』
『Bright』
『with smile』
『Platinum party』
『again』
『brave heart』
『moment』
『START!!』
『WOW WOR TONIGHT』
『Happy Go Go』
MC
『Harmony』
d-girls
『Harmony』
<価格>¥1,200-(税込)
発売元:株式会社ロックフィールド
販売元:コロムビア・マーケティング株式会社
1. Harmony
2. Hello again
3. Radiance
4. brave heart
SNS
https://d-girls.info/
https://x.com/d_girls_FD
メンバー
■杉本よしみ
https://x.com/yoshimi_1106
■瀬戸千花
https://x.com/saito_yuna
■百瀬めい
https://x.com/_momose33
■崎山サラ
https://x.com/Sarahsakiyama
■喜屋武里奈
https://x.com/rina_kyan