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ここには、眩しい笑顔の花がたくさん咲き誇っていた。「expiece3都市One Man Tour2023!!〜We are expiece!!!」水戸公演の模様をレポート 。
expieceは今、水戸・高崎・東京を舞台にした「expiece3都市One Man Tour2023!!〜We are expiece!!!」を行っている。水戸と高崎のチケットはSold Out!!を記録。ツアーファイナルとなる東京公演のチケットはまだSold Out!!には達していない。彼女たちは、3都市すべての公演のSold Out!!を願っている。果たして、その夢を叶えることが出来るのか…。
ここでは、同ツアーの初日となった6月18日の水戸公演の模様をお届けしたい。
ライブは、メンバーの誘いに合わせ、観客たちが拳を振り上げ、大きなエールを送る形でスタート。冒頭を飾ったのが、expieceのテーマ曲『We are expiece!!』。終始、手拍子が続けば、メンバーらの振り上げる手の動きに合わせ声を張り上げる景色が誕生。でも、一番心を動かされたのが、3人と満員の観客たちが「ララーラーラーララーラーラー」と共に声を上げ、思いを一つにした大合唱を描きだしていたことだ。ライブではお馴染みの光景とはいえ、改めてワンマン公演という場を通し、身近な距離で互いに気持ちを高めあい、歌声を重ねあう景色に触れていると、自然と胸が熱くなる。
続く『DEAR MY HERO!!』でも、ひなたこころ、伊藤ゆいの順でマイクを取るたびに、熱いエールやメンバーコールが飛び交う。DJ HINAが歌っている間、フロントを担うひなたこころと伊藤ゆいがふざけあう姿など、3人姉妹だからこその仲良しぶりを実感。「その手を離さないから」とメンバーらが手を伸ばして歌う姿に胸がキュッと鳴ったのは、彼女たちが胸に抱いていた気持ちと重なり合ったからだ。
DJ HINAの振り付け講座に続いて歌った『LOVE』では、歌のリードを取る甘く優しいひなたこころの歌声に包まれていたところ、機材トラブルで音が出なくなるハプニングが。それでも、ひなたこころと伊藤ゆいがアカペラで歌唱。その後、音が直ったとはいえ、突然のトラブルを、思いの籠もった歌で乗り越えた2人に刺激を受けたファンたちが、今まで以上に大きな声でメンバーらにエールを送っていた。ハプニングやトラブルさえも観客たちと一体化するパワーにしてゆくところが、今のexpieceの強み。 最後の「君が好き」の声に、フロア中から「俺もー」の声が飛びかったところにも、ファンたちの愛を感じさせられた。
MCのメンバー紹介では、姉妹だからこその愛あるいじりトークが繰り広げられるのもexpieceのライブの見どころの一つ。
『ありったけのLOVE SONG』では、曲が始まったとたん、DJ HINAが舞台から姿を消す。その姿を不思議そうに見ながらも、思い込めて歌う伊藤ゆいとひなたこころ。サビ歌では、メンバーとフロア中のひと達が同じハートマークを作り、思いを交わしあう。途中からDJ HINAが復帰。彼女が手にしていたのは水戸納豆(のうまい棒)。その納豆をペンライト変わりに振っていた姿に、ついにやけてしまった。『Happiness』でも、伊藤ゆいとひなたこころがリレーして歌えば、サビではDJ HINAも加わり、温かいハーモニーを作りあげる。気持ちの通じ合った3人だからこそのハートウォームな歌声は、心を温かくしてくれた。
続く『涙』を、DJ HINAがソロで歌唱。彼女は、DJブースからフロントへ移動。大きく右手を振りながら、気持ち良さげに歌っていた。終盤には、会場中の人たちと「ラーララーラーラーラララ~」と大きな合唱を作りあげていた。DJ HINA自身が心を開いているからこそ、自然と合唱に参加したくなる。そんな、温かい雰囲気を作りあげてくれるのが嬉しい。
着替えを終えた伊藤ゆいとひなたこころが、ふたたび舞台へ。MCでは、DJ HINAがメンタリストHINAに扮してのエンターテイメントなトークショーも披露。観客たちを巻き込み、スクッと笑わせる手腕はさすがだ。
甘くロマンチックな空気を作りあげた『お願い!恋予報』では、ひなたこころと伊藤ゆいが恋する乙女に気持ちを染め上げ、恋に恋する思いを歌唱。ひなたこころは等身大の気持ちのままに、伊藤ゆいは気持ちを乙女に染めながら少し照れた仕種で歌っていた。終盤には、DJ HINAも加わり、3世代で恋する乙女心を届けていた。同じく、恋する女心を歌った『Happy Girl』でも、この会場にいた人たちみんなが恋に恋する少年少女に戻り、ときに声を張り上げ、淡い恋心を分かち合っていた。続く、ミディテムメロウなや『君=幸せ』では、ひなたこころと伊藤ゆいが愛しい人へ思いを届けるよう、目の前の一人一人に問いかけるように歌っていた姿も印象的だった。
ふたたび、ひなたこころと伊藤ゆいが着替えて舞台へ。ここからは、アコースティックギターの演奏に乗せ、『何度も言ったんだ、好きって』をしっとりと歌唱。シンプルな演奏だからこそ、歌詞へ記した感情に合わせて声の表情を変えてゆく伊藤ゆいとひなたこころの歌をじっくり味わえたのが嬉しかった。改めて2人が心の揺れを表現してゆく情緒系シンガーであることを実感。「大切な人の力になってあげたいのにちっぽけな僕は何もできない。だけど、あなたの幸せを誰よりも願っている」思いを歌にした『kazunoko』で、伊藤ゆいはマイクをギュッと強く握り、胸の内から思いを振り絞るように歌っていた。この曲も、アコギのみを背景にしていたからこそ、繊細な感情の動きまで伝わってきたのが嬉しかった。
『LAST GIFT』は、2年前に他界した3人の母親へ向けて作った楽曲。以前までは伊藤ゆいとDJ HINAで歌っていたが、ひなたこころが加入してからのexpieceとしては、この日が初披露になった。少し涙ぐみながら歌う彼女たちの姿に触れながら、思わずもらい泣きしそうになる場面も。この歌に込めた思いは、ぜひ、生で感じてもらいたい。
ファンたちを筆頭に、expieceを支えてくれる人たちに向けての感謝の思いを届けるよう、言葉のひと言ひと言を噛みしめるように歌った『Dear…』。3人それぞれ思いの込め方は異なれ、どの歌声からも涙誘う温かさがあふれていた。キラキラと輝くサウンドを背に、この場にいるみんなと一緒に輝く笑顔をつかもうと元気いっぱいに歌った『もっとずっときっと君と…』。本編最後を飾った『Catch the dream』でも、フロア中の人たちが声を張り上げて3人にエールを送れば、彼女たちも眩しい笑顔を浮かべ、この場にいる人たちと温かい一体感を作りあげ、今この瞬間瞬間を、いとおしさを覚えるように味わっていた。ここには、眩しい笑顔の花がたくさん咲き誇っていた。
アンコールの最初に披露したのが、初披露となった新曲の『陽だまりを君に』。"君"は、応援してくれるファンたちのこと。この日はアコースティックギターの演奏を背景に披露。この曲も、他の歌もそうだが、届けたい相手があって歌うときの3人の声は、陽だまりのような温かさに満ちている。その歌声へ触れるたび、観ている側の心も温かさに包まれてゆく。
最後にexpieceは、『君がいるから』を晴れた歌声で、元気いっぱいに歌っていた。フロア中から突き上がる拳と熱いエールの声。DJ HINAもステージ前へ出て、3人で歌唱。「雨上がりの空に七色の虹がかかる」の歌詞のように、いろんなどしゃぶりの中を走り続けてきたexpieceだからこそ、今、ふたたび雨上がりのようなキラキラとした景色を目に出来ることが嬉しい。終盤は、観客たちがサビ歌を大合唱。舞台の上も、客席も、みんなが最高に輝いた笑顔で楽しんでいる。この温かい場所が、とても愛おしい。
続く、7/1(土) 高崎Club JAMMER'S公演はチケットがSold Out。7/23(日) 新宿ジールシアター公演はまだ余裕がある。この楽しさを、次は東京公演で味わおうか。
TEXT:長澤智典
6/18(日) 水戸VIBES【SOLD OUT!!】
7/1(土) 高崎Club JAMMER'S【SOLD OUT!!】
7/23(日) 新宿ジールシアター
オンラインチケットはこちらから!
https://www.expiece.jp/oneman-tour2023
SNS
https://twitter.com/exp_iece
セットリスト
『We are expiece!!』
『DEAR MY HERO!!』
『LOVE』
『ありったけのLOVE SONG』
『Happiness』
『涙』
『お願い!恋予報』
『Happy Girl』
『君=幸せ』
『何度も言ったんだ、好きって』(アコースティック)
『kazunoko』(アコースティック)
『LAST GIFT』
『Dear…』
『もっとずっときっと君と…』
『Catch the dream』
-Encore-
『陽だまりを君に』(アコースティック)
『君がいるから』