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1曲1曲が体感的なミュージカルのよう。その曲ごとの世界へ飛び込み、FEAMと一緒に"ときめき"続ければいい。それだけで気分はずーっとハッピーでいられる。 「FAZ vol.3」ライブレポート FEAM編
10月9日に東京キネマ倶楽部で行われた「FAZ vol.3」。当日のライブより、FEAMのレポートをお届けします。
FEAM
FEAMのライブに触れていると、良い意味で安心を覚える。ベテランだからとか、そんな意味じゃない。どんなときも、絶対に心を嬉しく騒がせるライブを見せてゆく。だから、素直に気持ちを預けたくなる。この日も『たまにゃ☆ハメはずしゃ☆いいんじゃない』に触れた瞬間から、ハメ外して楽しんじゃえという気持ちに心が染まっていた。メンバーたちが高く掲げた拳に合わせて一緒に拳と声を上げれば、この時間この瞬間だけは現実を忘れ、心を熱く打ち上げられる。彼女たちにすべてを預け、甘えてしまえばそれでいい。オールディーズなハードロックナンバーの香りをオマージュした楽曲も、耳に心地よい。
続く『時空のテーゼ“1万光年のkiss』でもFEAMは、激しくダンサブルな楽曲に乗せ、観客たちを甘く、でも熱く挑発してきた。4人が、エネルギッシュなライブパフォーマンスを通し、見ている人たちを、感情が熱く燃え滾る現実を遠ざけた空間へグイグイと連れてゆく。メンバー一人一人の歌声や躍動した動きが熱い。いや、その姿からは、炎にも似た熱いオーラが放たれていた。魂が騒ぎだす、もっともっと騒がせ、日々の現実を消し去ってくれ。
『Delightful』を、甘えた声で歌いだすメンバーたち。楽曲が一気に弾けたとたん、4人は、観客たちを楽しいパーティー空間へ連れ出した。FEAMのライブは、1曲1曲が体感的なミュージカルのよう。その曲ごとの世界へ飛び込み、彼女たちと一緒に"ときめき"続ければいい。それだけで気分はずーっとハッピーでいられる。
最後もFEAMは、『Dear Children』を通して信じる勇気を教えてくれた。信じるその力が、どんな困難さえも乗り越える力になれば、その先に広がる心を揺さぶる景色を見せてゆく。その景色が大きくても、小さくてもいい。FEAMは16年の歩みを重ねながら、信じた先でいろんな景色を、そのときごとに信じてくれた仲間たちと一緒に描き続けてきた。いいよね、気持ちを一つに重ね合わせ、こうやって熱くなれるって。だから、これからもFEAMのライブに足を運び、彼女たちと一緒に、心を熱くし続けていたい。
PHOTO: 永瀬一幸、大西基
TEXT:長澤智典