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熱情するのもライブだが、心を強く揺さぶるのも、気持ちを動かす水花らしいライブ姿だ。 「Galpo! Live Show Vol.14」水花 ライブレポート
9月29日(木)、原宿RUIDOを舞台に「Galpo! Live Show Vol.14」が行われた。出演したのが、FLAP STER・SUMMER ROCKET・HALO PALLETE・amuLse:藍色アステリズム・つばさプリエール、水花。
この日の模様は、「ニコニコ動画」でも生配信。ニコニコチャンネルの番組「Galpo! Live Show」に月額会員登録した方は、「Galpo! Live Show」で配信したライブ動画。さらに、スピンオフ配信のプログラム映像を見れる内容になっている。
ここでは、水花のライブの模様をお届けします。
水花
この日はメンバーが一人欠席のため、ユニット編成でのライブになった。彼女たちがステージの上へ姿を現したとたん、この空間が舞台劇の場のように染まりだす。2人は躍動したデジタルナンバー『心の地下室』を通し、見ている人たちを現実から遠ざけてゆく。水花は異空間の中に広げた大きな白いノートの上で、2人の歌声の絵筆を用い、心揺さぶる物語を綴りだす。その物語へ、2人の絡み合うパフォーマンスに気持ちが動かされ、視線が釘付けになる。熱情するのもライブだが、心を強く揺さぶるのもライブだ。
続いて歌ったのが、『世界はまだ私たちに適応してくれない』。タイトルや歌詞の通り、今の水花に、このシーンはなかなか適応してくれない。それはネガティブな意味ではなく、他と重ならない物語を彼女たちが描きだすからこそ、その濃い色に綺麗に染まるか、飲み込まれてしまうかになるからだ。この日のライブでも、フロアにいる人たちが、2人の動きと美しい歌声、彼女たちが歌う言葉の一つ一つを漏らさぬように追いかけていた。いや、視線は2人を追いかけつつ。ダンサブルな楽曲へ心地好く身を預け、小刻みに身体を揺らしていた。
これまでの胸の内に響かせる表情から色を塗り替えるように、水花は『Precious Days』を通し、華やかな音が舞い踊る空間の中へ見ている人たちを連れ出した。とても希望を覚える歌だ。その中にも、リアルな日常を感じさせる表現を組み込んでいるからだろう。ただ気持ちを未来に向けて解き放つだけではなく、明日を向く気持ちにも深みを覚えていた。感情を晴れたモードに切り換え歌うメンバーたちの声も、キラキラ輝いて胸に響いていた。
PHOTO:菊島明梨
TEXT:長澤智典