FEATURE
彼女たちは、これまでのSUMMER ROCKETを更新し、新しいSUMMER ROCKETの姿を、確かにここへ示していたーー。 SUMMER ROCKET ライブレポート
ついに、この日が訪れた。SUMMER ROCKETが、さらに大きく飛躍してゆくための場にと掲げたのが、5月12日に新宿ロフトで行った、無料ワンマン公演「SUMMER ROCKET one-man live SUMMER TIME KILL at shinjuku LOFT」。この日より、最新シングル『サイクロン・ガール/エネルギー』の発売もスタート。当日の模様を、ここにお届けしたい。
彼女たちが昨年のワンマンライブから何度も夢見てきた、新宿ロフトをSUMMER ROCKETのファンで埋めつくす景色。この日、フロアに広がった光景を目にしたとき、きっとステージの上の4人の目には、瞼を濡らす光景が広がっていたのではないだろうか……。
ライブハウスの重い扉を開けた先に広がっていたのは、終わらない夏に支配された空間…確かに、観客たちの期待という熱気は上がりだしていた。でも、まだこの場に夏はやってこない。終わらない夏を連れてくるのは、もちろん彼女たちだ。
幕が上がると、そこには4人の姿があった。SUMMER ROCKETのライブの冒頭を飾ったのが、今回のライブのタイトルにも記した『サマタイム・キル』。しなるようなベースの音も印象深い。クールでスリリングな楽曲だ。「地獄の始まりはいつだって夏だった」という言葉が示すように、4人は、この日の夏の幕開けを、秘めた熱を持ってせまる楽曲で攻めてきた。メンバーたちも凛々しい視線と歌声を持って攻めていた。でも、その目は確かに微笑んでいた。それは、目の前に広がった光景を見て、嬉しさを隠せなかったから?! 曲が進むにつれ、次第に歌声が熱を帯びてゆく。4人の感情が上がるのに合わせ、楽曲のパワーもどんどん上がりだす。さぁ、ここから本格的にエンドレスな夏を始めようか。
アコギの音色に乗せて4人の美しいハーモニーが五線譜の上で軽やかに踊りだす。次第に躍動するダンスビートに身を任せるように、一人一人が歌を繋ぎながらテンションも上げだした。サビ歌で4人は大きく手を振り、軽やかにステップを踏みながら歌い踊っていた。曲の間に間から響く4人の美しくエモいハーモニーも胸に爽やか風を呼び起こす。そのハーモニーに乗せ、心地好く跳ねながら歌う彼女たちの姿は、眩しい夏の景色の中、沸き立つ気持ちを抑えられずにはしゃぐ夏の少女たちそのものだった。『スタートラッカー』を通して、この場に広がった終わらない夏の景色。そして…。
メンバーたちが、気持ちを弾ませながら「ラーララー」と歌いだす。『八月のミーティア』だ。一人一人が歌うたびに、フロア中から熱いメンバーコールが飛びかう。4人の熱情した甘い声を受け、客席中でたくさんの腕が揺れている。4人の視線は、八月の眩しい季節の中、愛しい君を見つめる女性の姿を追いかけていた。いや、彼女たち自身が、夏に流れる流れ星に願うように、歌のヒロインに気持ちを染め上げ、彼女の思いを代弁するように、フロアにいる君たちへ流星のように思いを投げかけていた。終盤に起きた、観客たちと一緒に大きく手を振りながら「ラーララー」と歌を交わす姿も印象的だった。
ロマンチックなピアノの音色が、軽快に弾みだす。その音色を耳にしたとたん、気持ちを沸き立てた観客たちが、4人に向けて熱いMIXをぶつけだす。その熱い思いを身に受けながらも、4人は、胸の内に強い意思を抱いた女の子に気持ちを染め上げ、心の声をぶつけるように「闇も光すらも切り裂いていけ」と『きりさいて』を歌っていた。ときに胸に手を寄り添え。軽やかに飛び跳ねる姿も印象的だ。みずからの心と対峙するように、強い意思を持った幼き少女の気持ちに4人は心を染めあげ、「きりさいていけ」と、みずからの心へ言い聞かせるように歌っていた。
MCでは、思っていた以上の景色が目の前に広がり、早くも涙ぐむメンバーも。この日より、黒木信乃がデザインをした新衣装姿。4人は、「わたしたちは、ここから新しいSUMMER ROCKETを始める」と、ここから新しい物語を描きだすと語っていた。ここで、着ていた長袖の上着を脱いで半袖姿に。
胸をわちゃわちゃと騒がせるカラフルな音符たちが、夏色の五線譜の上ではしゃぎだした。SUMMER ROCKETが歌ったのが、グループ名を冠した『Summer Rocket』だ。目の前に広がっていたのは、無邪気に、無敵な気持ちで夢や未来を追いかける少女たちの姿。4人は、眩しい10代の自分に心を塗りかえ、夢描く気持ちを真っ直ぐに歌っていた。それは、今も変わらずに4人の中にある、夢を追いかける真っ直ぐな気持ちと何も変わらない。人は、年齢や経験を重ねるごとに大人になるという。でも彼女たちは、経験を重ねるごとに、真っ直ぐな少女としての気持ちをそのまま重ね続けている。この頃の夢に夢を重ねた気持ちも新鮮だが、今のSUMMER ROCKETも、汚れなき姿として目に映っていた。
眩しい夏の海岸線の景色が目の前に広がる。4人はハイトーンの声を綺麗に重ねながら、ハミングするように『さくらハレーション』歌いだした。「はやく脱いで」と歌う4人に向け、フロアから「脱いで」の声が飛び交うのも、嬉しいお約束。夏が、彼女たちをどんどん大胆にしてゆく。舞台の上でパワフルに踊る姿や、美しいハーモニーを描く様に触れ、見ているこちら側も気持ちか大胆になる。眩しい海辺の夏景色は、少女たちを大胆にする?!4人は物語の中へ飛び込み、甘く、大胆にせまっていた。夏が、彼女たちが、見ている人たちの心も解き放ち、大胆な姿に塗りかえてゆく。
1曲ごとに、いろんな景色の中へ彼女たちは連れてゆく。「フレーフレーこの思い届け 高鳴る胸飛び出して」と、彼女たちは、学生時代の自分たちにふたたび心の色を染め上げながら、愛らしい声で『エネルギー』を歌っていた。この曲に触れていると、まだ恋に恋していた頃の、憧れに憧れを抱いていた頃の、淡い青春時代の自分に戻れる。4人の歌声が、夏の学校の教室や校庭で過ごしていた在りし日の自分に意識を飛ばし、憧れている君を眩しい視線で見つめ一人心をときめかす少年や少女に戻していた。『エネルギー』、触れるたびに淡い恋心に身体中が染まってゆく。
夏を彩る物語は、次々と色を変えて、目の前にいろんな舞台を映し出す。ウキウキと躍動する跳ねたダンスビートに乗せ、4人は、胸をバクバクときめかせていた。「ゆらゆらら」や「いやいやだ」とフロア中の人たちも一緒に『夏色花火』を歌えば、間奏では熱情した観客たちが熱い口上も述べていた。少しスリリングな刺激も覚えながら、弾むディスコビートに乗せ、4人は夏の夜空を彩るカラフルな花火のように、大胆な乙女に気持ちをどんどん染め上げ、フロア中の人たちにアプローチしていた。舞台の上で秘めた思いを爆発させるように華やかに歌い踊る姿が、夜空で花咲く花火のようにも思えていた。4人の思いに触れて胸がギュッとなった人たちが、熱いコールを飛ばし続けていたのも納得だ。
大きな嵐が巻き起こる。4人は凛々しい表情と攻めた姿勢で、最新ナンバーの『サイクロン・ガール』を歌唱。「暴風域が接近」と歌うたびに、気持ちが嬉しく暴れ出す。4人は、クールで凛々しい表情や歌声と、爆裂するような開放的な歌声を巧みに絡ませながら、この空間に熱狂と夢中というサイクロンを作りあげていった。彼女たちが「暴風域が接近」と歌うたびに、フロア中の人たちも伸ばした手やペンライトをくるくる回しながら、この空間に大きな風を巻き起こしていた。4人が心を一つにして歌う「サイクロンガール」の声が、超胸熱だ!!!!
MCで「もう2/3を過ぎてる」といったとたん、フロアから「いやいやだ」と声が飛びだした。ここで小島あんずが「幕を開けたらいつも通りの人数だったら帰っちゃおうかと思っていたけど、こんなにも人がいる景色、わたし初めてかも知れない」と、嬉しい興奮の声を上げていた。伊吹咲希は、「ここからもう一つ上に上がらないといけないと思って、ここから新しい夏を始めるぞと意気込んでいました」とも述べていた。「夢みたいだなぁ」と、ふっと漏らした小島あんずの言葉こそが、今のSUMMER ROCKETの素直な気持ちだ。
「わたしたちが次に進むためのわたしたちの新しい歌」として、次に披露したのが、新曲の『Endless Summer』。イントロが流れた瞬間、魔法にかかったように、夢をたくさん詰め込んだミュージカルの舞台の中へ4人と一緒に飛び込んでいた。セリフを語るように歌う4人。目の前に広がるのは、眩しくて美しい世界。彼女たちは、夢や愛に満ちた輝く未来へ向かって大きく手を伸ばすように歌っていた。とてもドリーミーでファンタジックな楽曲だ。4人は、舞台劇を演じるような振りや仕種を見せながら、夢あふれる物語を歌っていた。落ちサビ前の「覚えてる」のセリフや、落ちサビで見せたクライマックス前の胸を踊らせるシチュエーション。そこから最後に向かってきらめく姿は、3時間の舞台をギュッと数分の曲に凝縮したようだった。
最後にSUMMER ROCKETが歌ったのが、『フォーマルハウト』。やはり、SUMMER ROCKETのライブに来たら、この曲に触れなきゃ終われない。一人一人が歌うたびに、フロア中から「お前が一番 お前が一番」と熱いメンバーコールが飛びかう。「フォーマルハウト」と4人が力強く歌うたびに、フロア中からも数多くのエールや手が4人に向かって伸びてゆく。一緒に「走れ 走れ~」と歌う景色も胸に熱い。彼女たちは、何度でも立ち上がると力強く宣言していた。ここに集まってた人たちはその言葉を信じているからこそ、4人に思いの丈を込めた声をぶつけていた。彼女たちは、ここに到るまでに何度も打ちのめされては、そのたびに立ち上がり、夢をつかもうと走り続けてきた。繰り返したその日々が、ようやく理想とする一つの景色を描きだした。何度だって立ち上がり続けてきた自分たちだからこそ、最後に『フォーマルハウト』を歌いながら、わたしたちはこれからも戦い続けると宣言していた。
アンコールでSUMMER ROCKETが届けたのが、なんとバンドスタイルでの演奏。しかも届けたのが、この日の始まりを告げた『サマタイム・キル』なのも嬉しいじゃない。ドラムカウントを合図に、クールにビートを刻むベースとタイトなドラムのビートが折り重なり、唸りを上げて駆けだした。スリリングな演奏に乗せ、凛々しい表情で歌うメンバーたち。そこへ熱い夏の風を巻き起こすようにギターの音が加わる。躍動した演奏に乗せ、4人は改めて輝きだした夏をの手でつかもうと、力いっぱい、元気いっぱいに声を上げていた。クールでスリリング/明るくてエネルギッシュな姿、2つの表情を巧みにクロスオーバーしながら、SUMMER ROCKETはこの空間に、バンド演奏だからこその熱くエモい熱情した景色を描きだしていった。終盤には、熱い夏の風が上空へ巻きあがっていくような感覚さえ覚えていた。彼女たちは、これまでのSUMMER ROCKETを更新し、新しいSUMMER ROCKETとしての姿を、確かにここへ示していた。
次に披露したのが、『乙女座流星群』。胸を騒がせるキラキラと輝くポップでメロディアスな楽曲を、バンド演奏で届けてくれたのが嬉しい。4人は真っ直ぐに手を伸ばしながら、力いっぱい「手を繫いで駆け抜けよう」と歌っていた。その手をつかもうと、フロア中からも数多くの手が4人に向かって伸びていた。心地好く疾走するバンドの演奏に背中を押された4人は、力強く、高らかに歌声を響かせ、「行けるところまで行こう」と、ここから突き進む強い意思を、改めて示していた。「手を繫いでさ駆け抜けよう」の歌声が熱い歌の風となって吹き抜ける。4人に歌声の接吻を受け、心は嬉しく奮い立っていた。「せぇ~の」で、みんなで飛び跳ねてエンディングを迎えるところも、バンド演奏らしいしゃない。
ここで、メンバー一人一人が思いを語りだした。
「こんなにいっぱいの人たちがSUMMER ROCKETのために来てくれて、夢みてる感じで、すごく嬉しいなぁ。曲のオルゴールバージョンをわたしが作って、この衣装のデザインもわたしが担当しました。この衣装でライブをいっぱいできるのがすごく楽しみです。今日集まってくれたみんなが、これから先もSUMMER ROCKETを観に来てくれると、とても嬉しいなぁと思いながら今日ライブをしました。これからもたくさんの人たちがライブに来てくれるようになれたら嬉しいです」(黒木信乃)
「みんな来てくれて嬉しい、大好きー!!.わたし、ワンマンの最後のおしゃべりのときに泣いてしまうことが多かったんです。それは、みんなに「ありがとう」の気持ちと、ちょっとの悔しい気持ちが混じっちゃって泣いちゃうことが多かったんですけど。今日はなんと「嬉しい」だけなので、泣かずにすみましたー!!ぜひみなさん、私たちのことを好きになってください。私たちはみなさんに、もっともっとたくさんの夏や、青春の思い出を甦らせられるようにパフォーマンスを頑張りますので、今のSUMMER ROCKETを好きになってくれたら心から嬉しいです」(小島あんず)
「ほんとにいろんなことを決めるのとか、ギリギリまでどうなるかわかんないワンマン過ぎて…でも嬉しいです。今日、たくさんの人と出会えて嬉しいなと思いましたし、この縁をここで終わりにはしたくないなってわたしは思います。何時だって私たちは、ここで夏を作り続けていくので、夏休みしたいなと思ったときに、何時だって駆けつけてくれたら嬉しいです」(伊吹咲希)
「わたしがSUMMER ROCKETに入って5年。こんなにたくさんの人を見たのは初めてかも知れないってくらい、長くやっているのに成果を出せないという悔しさを抱えながらやってきましたが、こうして今日、いっぱい見てもらえて嬉しい気持ちと、たぶん前を向きすぎているからか、まだまだやれる気持ちがわたしの中にすごくあります。なので、これからもみんなにはいてほしいし、みんなが「いたい」と思える空間や夏を作っていきたいなと、わたしは心から前向きに思っております。ずっとわたしたちの手を握ってください」(茉莉はな)
最後の最後に歌ったのは、やはりこの歌だ。SUMMER ROCKETはふたたび、でも、これまでの中でも一番元気な声を響かせ、『フォーマルハウト』を歌いだした。フロアからも熱情したエールや「お前が一番」コールが起きていた。4人は強い自信を胸に、みずからが夏の日射し以上に眩しい輝きを放ちながら、この場を、希望だけが支配する空間に染めあげていった。フロア中の人たちが、4人と一緒に「走れ走れ」と歌いながら。サビ歌では、観客たちが思いきり拳やペンライトを振り上げ、不屈の闘志と笑顔をエンブレムに走り続ける4人に輝きのエールを送っていた。「さぁみなさんご一緒に もう一度 張り切っていきまっしょ」の声も嬉しい。「今ここでうちあげるぞ 発射オーライ」と叫びながら、4人は、フロアを埋めた仲間たちと一緒にしっかりと祭りあがっていった。
歌い終わった4人の元へ、SUMMER ROCKETの楽曲を数多く手がけている永原真夏さんがサプライズで登場し、4人に花束をプレゼント。嬉しすぎて涙ぐむ4人の姿も眩しく見えていた。
SUMMER ROCKETはあちこちに夏を探しにいくため、7月末より「entenka Tour」をスタートする。ファイナルは、2024年1月28日渋谷WWWでのワンマン公演。真冬のこの日が、きっと猛暑の夏に染まるはずだ。
PHOTO:吉本隆彦
TEXT:長澤智典
セットリスト
『サマタイム・キル』
『スタートラッカー』
『八月のミーティア』
『きりさいて』
『Summer Rocket』
『さくらハレーション』
『エネルギー』
『夏色花火』
『サイクロン・ガール』
『Endless Summer』
『フォーマルハウト』
-ENCORE-
『サマタイム・キル』(バンドセット)
『乙女座流星群』(バンドセット)
『フォーマルハウト』
<インフォメーション>
SUMMER ROCKET entenka tour開催決定
2023.07 福岡
2023.10 京都•大阪
tour final
2024.01.28(sun)東京
@渋谷WWW one-man LIVE
物販、通販にてチケット発売中
https://rocket.base.ec/items/74577230
MV
【MV】「エネルギー」SUMMER ROCKET
https://www.youtube.com/watch?v=SrtZKLmYcA0
【MV】「夏色花火」SUMMER ROCKET
https://youtu.be/LmwrOAPo_hg
【Live Video】「フォーマルハウト」SUMMER ROCKET【4K】
https://www.youtube.com/watch?v=i1noBD_Y3Sc
CD
アルバム「Endless Summer 彩」
アルバム「Endless Summer 光」
発売中→https://rocket.base.ec/?
SNS
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茉莉はな
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小島あんず
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黒木信乃
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