FEATURE

2022.04.05
Risky Melody

9年目のRisky Melodyが掲げたテーマ、それが「VOLCANO」。活火山化した周年公演の模様をレポート。

 2022年4月1日、Risky Melodyは赤羽ReNY alphaを舞台に「VOLCANO」と題した結成8周年公演を行った。この日は、入場が無料になる(ドリンク代は別途必要)。そのうえで設けた一つのルールが、「カンパ制」ということ。
 この日のライブにメンバーたちは並々ならぬ決意を持って臨んでいた。正確に言うなら、強い意欲と万全の体制で挑むはずだった。だが、何時だって悪魔は、彼女たちに余計な手を伸ばす。
 キーボードのAYAが2ヶ月ほどバンドに参加できない事情が発生。戻ってくるまでの間4人でRisky Melodyを守ろうとしたにも関わらず、メンバー自身がコロナに罹り活動が難しくなるなど、改めて今の5人編成へ戻るまでにRisky Melodyは2カ月以上の日々を要していた。そのうえで始めた8周年公演へ向けての準備。正直、時間の足りない状況だった。
  ボロボロの状態でなんとか漕ぎ着けた、8周年公演『Risky Melody 8th Anniversary ONE-MAN LIVE~君と僕となら越えていける2022「VOLCANO」』。フロアには,メンバーの心配を余所に、大勢の人たちが足を運んでいた。8周年公演を祝おうと集まったファンたちの期待を胸に、ライブは幕を開けた。

 舞台背景を覆った大きなスクリーンに映し出されたスペイシーな映像と音楽に乗せ、メンバーらが舞台に登場。これがRisky Melodyが8年間胸に抱き続けた意思と生き方だと示すように、新衣装を身につけたRisky Melodyは、バンドの始まりを告げた「Risky Melody」を力強く演奏。フロアでは観客たちが曲の展開にあわせ身体を大きく折り畳めば、高く拳を突き上げ、5人の生き様へ共鳴の意思を示していた。いつもの光景だ。でも、この熱い景色の中に触れていないと、Risky Melodyのライブじゃない!!!!!

  最初のMCでは、2年前のコロナ禍以降から今に至るまでの困難な日々を乗り越え、今、ここに立っていることをALICEが伝えてきた。

  彼女たちが未来へ突き進む意思は、けっして揺るがない。その勢いと気迫を音楽に乗せて伝えることがRisky Melodyの生き方。メンバーの雄叫びにあわせ、フロア中からも無数の拳が突き上がった「R.I.P.」。メンバーらは高ぶる気持ちを、力の籠もった演奏と突き上げる拳、喉を枯らす勢いの叫び声に変えていた。その気迫に押され、気持ちが熱く騒ぐのも納得だ。フロア中の人たちがヘドバンに興じる光景こそ、Risky Melodyのライブのスタンダードだ。

 跳ねた激烈な音が身体を熱く躍らせる。Risky Melodyは、轟音ダンスロック「Ready to LOVE」を通し、フロア中の人たちの身体を空へ、空へと解き放つ。荒ぶる跳ねた演奏に合わせ、拳を上げながら跳ね続ける。いや、跳ね続けていたくなる。最初は冷静?にライブを見ていた人たちも、曲が進むにつれ、飛び跳ね騒ぐ輪の中へ加わり出していた。 

 Risky Melodyの新機軸となったエレクトロな要素を大胆に取り入れた重厚なデジロックナンバー「It's OK」を通し、メンバーらは観客たちの感情を熱く高ぶらせてきた。サビでは、彼女たちの挑発する姿に刺激を受け、数多くの拳やタオルが舞っていた。いや、この曲では、終始拳が突き上がっていた。熱く挑発するメンバーらの勢いへ戦いを挑むように、数多くの拳やタオルがこの空間を支配してゆく。

  続く「OUT THE JOKER」でも、Risky Melodyは挑みかかる姿勢で、高ぶる想いをフロアに向かってぶつけていた。その気迫と熱情を受け止めた観客たちが、躍動するドラムビートに合わせ、大きく手を振り上げ、高く跳ね続けていた。Risky Melodyは、何時だって生きるか死ぬかの環境の中で戦い続けてきた。いや、死ぬなんて気持ちは微塵もなかった。つねに生きることしかメンバーらの意識にはなかった。だからこそ切り傷だらけになろうとも、どんな逆境や難関も彼女たちは超えてきた。その意思を、Risky Melodyは「OUT THE JOKER」を通して伝えてきた。

  「ワンマンくらいでしか歌えない曲なので」と、前置きしたうえで演奏。届けたのが、アコギの音色も交えたアーバンソウルな「My Story」。甘く優しい歌声や、囁くようなラップ声も交え、ALICEはメンバーと観客たちとの間で強く結ばれている想いを伝えていた。いつも激しい姿勢で想いをぶつけるライブを信条としているからこそ、ハートフルな歌を味わえるのもワンマン特有の嬉しさだ。

 MCでは、新衣装の話題に触れていた。新衣装は、今のRisky Melodyの音楽性を服として具現化したものと語っていた。

  次のブロックの始まりを告げたのが、Risky Melodyがエレクトロ/デジロックとい新しいスタイルへ進むきっかけになった「Jealous Heart」。ダンスロック要素の強い楽曲という理由もあり、観客たちも荒ぶる演奏に合わせ、拳を振り上げ、夢中で跳ね続けていた。

  踊り騒ぐ観客たちの沸き立つ熱情へ、さらに強烈にヒステリックな刺激を突き刺そうと、Risky Melodyは「CRAZY LOVE」をぶつけてきた。挑発する轟音が、フロア中を駆けめぐる。同時にメンバーらは、セクシーでエモーショナルな要素も激しさの中へ加え、観客たちを妖艶な熱狂の中へ溺れさせていった。妖しく、激しく挑発するその姿は、しなやかでしたたかな女豹たちのよう。

 熱情した観客たちを、Risky Melodyは轟音鳴らし突き進む巨大な船に乗せ、その先へ広がる理想郷へ向かい一緒に突き進もうと「Esperanza」を歌いだした。この歌が、Risky Melodyという音楽に乗り込んだ仲間たちの心を、同じように果てぬ夢を求め続ける勇者へと塗りかえる。先導するALICEの歌声を信じ、僕らは高ぶる気持ちのままに拳を突きあければいい。その先にはきっと、素敵な世界が広がっているはずだ。

  Risky Melodyは、進み続ける船の看板に仲間たちを集め、星空の下で想いを分かち合っていた。「YOZORA」の演奏が呼び込むように、何時しか舞台上には満天の星空が広がっていた。夜空の下で、メンバーと、ここに集った大勢の仲間たちが、拳を高く突き上げ「走り出せ まだ見ぬ世界へ」と心の声を上げていた。

  MCでは、自粛中に「メンバーだけで曲を作ろう」という話をしていたと語っていた。そこで生まれたのが、Asumiの作り上げた、次に披露する新曲の「フタシカ」だった。

 Risky Melodyの今後を感じさせる曲として初披露した「フタシカ」は、転調やトリッキーな面も組み込んだ、感情直撃系の轟音ロックナンバー。ライブで熱狂を導きだす楽曲のように、初見にも関わらず、メンバーらに煽られるまま、フロアのあちこちに拳を振り上げ騒ぐ人たちの姿があった。

  Risky Melodyが、8年目の活動を行ううえでのテーマとして打ち出した「再起動」。次に届けたのが、その想いを具現化した「REBOOT」だ。メンバーたちは心のままに歌い叫ぶ姿を通し、Risky Melodyとしての生きる姿勢を高らかに示していた。荒ぶる演奏に合わせ、観客たちも激しく身体を揺らせば、サビでは、高く掲げた手を大きく左右に振る姿も見せていた。「REBOOT」は、これからもRisky Melodyを未来へ推進してゆくうえでの大きなエンジンになっていく楽曲だ。

 次に披露した「BLOOM」も、とても熱いエナジーを携えた楽曲だ。沸き立つ凄まじい熱量を、Risky Melodyは重厚かつスケール大きなデジロック音に乗せ、届けてきた。ALICEが仲間たちへ「一緒に未来を作ろう」と呼びかけるたび、フロア中からもたくさんの拳が突き上がる。雄大な楽曲に身を預け、ALICEと同じようにたくさんの人たちが、心の中に抱え込んでいた闇のような想いを、この場へすべて解き放っていった。

 止まることなく演奏は「UNITE」へ。この曲でRisky Melodyはダンスロックという音楽性と、高陽したシンガロングなスタイルをミックス。気持ちを熱く解き放ち、沸き立つ熱にずっと包まれていたい。そんな熱情した衝動を覚える楽曲だ。彼女たちは「闘え」と叫んでいた。その姿に刺激を受け、フロアのあちこちから突き上がった拳は、ともに未来へ向け突き進むための団結を示していた。

  MCでは、昨年行なった全国ツアーで感じた想いを言葉にしていた。みんな騒ぎたいのに、どこかくすぶっている姿も見せていた。だからこそ彼女たちは、その溜まりに溜まった感情を爆発させたいと願っていた。Risky Melodyが9年目へ突き進むうえでのテーマとして掲げたのが、「VOLCANO」だった。みんなの感情を爆発させる火種(マグマ)にしようと、Risky Melodyは新曲の「VOLCANO」を叩きつけてきた。ALICEは言っていた、「きっとバンドのライブはアーティストが作っているようで、フロアが作ってきた。フロアが最高に熱いアーティストが、シーンを作ってきた。きっとそうなんだと思う。ライブは、間違いなくみんなが作ってる。」と。スケール大きな楽曲は、先に優しい姿を見せてゆく。でも、その表情は次第に熱情に燃やされるように雄大な姿へと変化。激しく噴火するばかりが熱情ではない。溜まったマグマが、少しずつ吹き出し、いつしか大きな熱情として噴火してゆく。その様を、Risky Melodyは「VOLCANO」の中に描きだしていた。背景を彩るマグマのような演出も、気持ちを奮い立てる嬉しい要素だ。

  最後にRisky Melodyは、これからも「みんなと一つであり続けよう」と、互いの心を一つに強く結びあう「ALL AS ONE」を演奏。フロア中の人たちが、開いた右掌を高く突き上げ、力強く飛び跳ねながら、メンバーらの伸ばした歌声や演奏の手とコネクトしあっていた。心と心を、熱情と熱情を一つに繋げあう、この光景こそがRisky Melodyのライブだ。「一つになれる」「一人じゃないよ」。そう、互いに音楽を通して結び合った関係は、Risky Melodの音楽がライブ空間で流れたとたん、ふたたびきつく結ばれる。それを知っているからこそ、たくさんの人たちが、Risky Melodyの歌の下へ集い続ける。

 アンコール前に、Risky Melodyが新たな情報を伝えてくれた。それが、8周年公演をもっと万全の体制を整え、ここでもう一度ライブをやろうと、7月17日に赤羽ReNY alphaでふたたびワンマン公演を行なうことだった。

  アンコールに届けたのが、今のRisky Melodyのスタイルに進化した「Risky Melody」の2022年バージョン。とても華やかでドラマチックなシンフォニックロックだ。しかも、今まで以上にテンポアップした姿で、見ている人たちの身体へ、この曲はグイグイとせまってきた。フロアでも、激しく身体を折り畳み、拳を振り上げ、飛び跳ねる人たちが続出。これからは、この進化したスタイルで届けてゆくのか、それとも、場によって2つの表情を使い分けてゆくのか、この先が楽しみだ。

  最後の最後にRisky Melodyは、9年目の活動のテーマとして掲げた「VOLCANO」をふたたび演奏。スリリングかつ雄大な楽曲のマグマを舞台の上から大きく振り注ぎ、観客たちの気持ちを熱く高ぶらせていった。重厚かつスケール大きなこの曲が、これからRisky Melodyのライブの中でどんな風に成長してゆくのか楽しみになってきた。

  Risky Melodyは、この日のライブをスタートに、「VOLCANO TOUR」をスタートさせた、ファイナルは、7月17日、この地だ。その間、君がどんな行動を示せば良いのか、すでにわかっているよな。

TEXT:長澤智典
 

ジャケット

 

<インフォメーション>

Risky Melody VOLCANO TOUR FINAL ONE-MAN LIVE
2022年7月17日(日)赤羽ReNY alpha
OPEN/START 17:00/18:00
開催決定!!

Risky Melody Web
https://risky-melody.com/

Risky Melody twitter
https://twitter.com/_Risky_Melody_

Risky Melody 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/RiskyMelody

OP映像
「Risky Melody」
◇MC-1
「R.I.P.」
「Ready to LOVE」
「It's OK」
「OUT THE JOKER」
「My Story」
「Jealous Heart」
「CRAZY LOVE」
「Esperanza」
「YOZORA」
「フタシカ」
「REBOOT」
「BLOOM」
「UNITE」
「VOLCANO」
「ALL AS ONE -2022ver.-」
-ENCORE-
「Risky Melody -2022ver.-」
「VOLCANO」

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