FEATURE

2021.09.04
長瀬夏帆/アンダービースティー

ポンコティーナ長瀬夏帆(アンダービースティー)の生誕祭。そこには、MC以外はしっかり者していたかほちーの姿があった。

 本当は、本人の誕生日当日に当たる8月12日に行なうはずだった。が、世の中を席巻するコロナの影響を受け、アンダービースティーのポンコティーナ長瀬夏帆の生誕祭も延期になってしまった。
 その振替公演として行なわれたのが、9月3日、渋谷PREASURE PLEASUREを舞台にした「長瀬夏帆 生誕祭」になる。当日の模様を、ここに紹介したい。


 流れだしたのが、「HAPPY BIRTHDAY」のメロディーを奏でるピアノの音色。だが、演奏が進むにつれ楽曲はどんどん歪みだす。その後、激烈なSEが流れるのは、アンダービースティーの生誕祭ライブではお馴染みの光景だ。激しい音に気持ちが嬉しく騒ぎだす。
  轟音へ導かれるように、メンバーが舞台へ姿を現した。今宵の彼女たちは、全員着物を着崩すようにアレンジした衣装姿だ。それぞれが手にした扇子を巧みに揺らしながら、ステージの上で華やかに舞い踊りだす。舞台の上へ作り上げた艶やかな雰囲気へ似合うようにアンダービースティーが最初に披露したのが、激しさの中へ艶やかな色を塗り重ねた妖艶な和装ロックナンバーの「deformoon」。一人一人が花魁になったような様を魅せてゆく理由もあるのか、メンバーたちの歌声には、いつも以上に妖しい色気が漂っている。舞台の上で艶やかに舞い躍る姿が、とてもきらびやかだ。その姿はまるで、色鮮やかな蝶たちが派手に翼を翻しながら、蜜を求め、戯れてゆくようもにも見えていた。

 

LIVE
 

  艶やかな空気を一気につんざくように「beast」が流れだした。春乃友夢の「アンビスいくぜ!!」の声を合図に、彼女たちは気持ちのモードを野獣へとシフト。今宵は着物姿という理由もあり、いつもの凛々しい姿へ危険な美しさも覚えていた。激しい楽曲の中へ、抑揚を持った艶やかな歌声の筆で甘いメロディーを描き加えてゆく彼女たち。その歌へ刺激を受けたフロア中の人たちが、拳を高く突きあげ騒ぎだす。熱狂に身を預け、本能のままに自分を開放する。それこそが、アンダービースティーのライブだ。

  ノンストップライブを信条とするアンダービースティーらしく、楽曲は激しさを増しながら進み続ける。続く「roll a DICE」では、バーストしたカオスな楽曲の上で、これまで以上に凛々しい。いや、雄々しき姿と歌声を突きつけ、胸を熱く掻き立てる歌と轟音が渦巻く中へ観客たちを巻き込んでいった。激しい楽曲に身を預け、ダイナミックなパフォーマンスを魅せる姿も目を惹く嬉しい要素。何より、激しくもドラマチックな曲展開に気持ちはずっと痺れ続けていた。
  
  激しい熱狂の中で、熱い接吻を求めるように歌ったのが「occult propose」。艶やかな着物姿でこの曲を歌うと、いつもとは違い、秘めた女の色気をちら見せしながらせまる魔性の女の姿にも見えていた。メンバーたちと観客たちが高ぶる想いをぶつけながら、熱く求めあう。沸き立つ想いが止めどなくあふれだす。このまま一緒にイッてしまいたい。

 

LIVE


  次のブロックには、メンバーのソロコーナーを用意。トップを切って登場した植竹優亜が、ダンサブルなロックナンバー「shadow」を歌唱。少し乙女な心模様も覗かせながら、胸に秘めた想いを告白するように歌っていた。今の年齢に相応しい、等身大な大人の女性としての姿を示しながらも、そこへ奥ゆかしさを覚えるのは、大人の女に見せて少女性を隠しきれない植竹優亜らしい姿がそこに映し出されていたからか…。

  次に歌のバトンを受け取ったのが、春乃友夢。彼女は、先月発売したばかりの最新配信シングル「Shine」を、彷徨う心の声を、叫ぶような声に変えて冒頭から熱唱。とても感情的で、情熱を抱いた楽曲だ。春乃友夢も、胸に秘めた想いを揺れる感情のまま吐き出すように歌っていた。とても攻めた歌声として響いていたのは、この日の春乃友夢の気持ちが歌の中へ投影していたからだ。沸き立つ気持ちをぶつけながら、彼女は、主役となる長瀬夏帆へ歌のバトンを渡していった。今宵の「Shine」、「僕ら走り出す 期待した未来」など、終始長瀬夏帆への愛を込めて歌っていたように聞こえたのは錯覚だろうか?!

  最後に登場したのが、白いファンシーな姿に着替えた長瀬夏帆。彼女は手にしたタオルを振りまわしながら「crazy fancy」を熱唱。狂おしさと美しさを重ねあわせた?彼女に似合う楽曲だ。愛らしさを振りまきながらも、彼女なりの気迫あふれる姿で歌い踊りながら、観客たちを笑顔で煽る。その姿はまるで、いじらしいお姫様のよう。頭の上には、誕生日の主役だけが付けられるティアラが光っていた。その姿で、終始タオルを振り回しながら煽るように歌う様は、女王様な雰囲気も身にまといながら無邪気にご乱心してゆく姿のよう。でも、全力でこの場を楽しんでいる姿には、見ている側も熱く胸を掻き立てられた。フロア中から数多くの腕が突き上がっていたのも素敵な光景だ。


  たどたどしいMCも、長瀬夏帆らしさ。いつも他のメンバーの生誕祭では、重いケーキを持つ役目を担う長瀬夏帆だが、今日はメンバーからプレゼントをもらう立場。今宵のケーキ担当は神谷美緒。良かったね、自分でケーキを運ぶことにならなくて。

 「こんなにダンス下手ぴっなのに、難しい曲ばかり選ぶんだよ」と、この日のセットリストにつっこんでいたのが春乃友夢。アンダービースティーの歴史の中へいろんなポンコツ伝説を作り続けてきた長瀬夏帆が、「これ以上伝説を作らないようにしようと思います」の言葉に続いて歌ったのが、「LEGEND PLEDGE」。こういう遊び心をさりげなくぶち込んでくるところが、感性(天然さ)で生きている長瀬夏帆らしさ。開放感あふれる楽曲に乗せ、空を自由に飛び交うように軽やかに歌い躍る姿も、とても華やかだ。長瀬夏帆を終始センターに起用していたのも、この日の主役を祝福してのこと?!

  ふたたび、アンダービースティーらしいロックなモードへシフトしようと、彼女たちは「ROCK ALIVE」を突きつけた。荒々しくもスケール大きな楽曲に乗せ、5人は激しく身体を揺らしながら観客たちを刺激し続けていった。胸を熱く騒がせる楽曲に触発され、フロア中の人たちも飛び跳ね続ける。自分たちの生きる姿勢を楽曲に投影。心を熱くさせるその姿こそ、彼女たちの持つロックな姿勢だ。

 

長瀬夏帆


  「今日は延期になってしまった中の中、こうやってみなさんが来てくれたことが嬉しかったです。普段は対バンが多いんですけど。単独公演が出来ることがすごく楽しくて。こういう単独公演のときにみなさんが来てくれることが本当に嬉しいからこそ、こういう場所を大切にし続けていきたいです」
(長瀬夏帆)


 「ここ最近で一番好きな曲です」の長瀬夏帆の言葉に続いて歌ったのが、「mu-these」。サウンド自体は激しく疾走するが、彼女たちの歌うメロディーが琴線を刺激する美メロナンバー。サビ歌で高陽した気持ちをどんどん高めてゆくパートは,聞いている人たちの気持ちも一緒に高陽した世界へと導いてゆく。かなりハイトーンを駆使した楽曲だ。しかも歌詞が,アンダービースティーらしい生きざまを示した内容。そこへ長瀬夏帆も強く共鳴してるということだろう。

 アンダービースティーが最後に歌ったのが、「happiness to you!」。そこへ至るまでどんなトラブルやハプニングがあろうともいいじゃないか。いろんなマイナスな部分さえ、その人自身が輝く気持ちがあれば、すべて未来へ向かう輝きに変えていける。まるで長瀬夏帆の人生のテーマ曲のような楽曲を最後に歌いながら、長瀬夏帆は、この生誕祭を通し、自分の生きざまや姿勢を、そして応援してくれる仲間たちへの想いを届けてくれた。そう、いつかきっと笑いあえるはず。今の姿勢のままに走り続けていれば、絶対に幸せになれると思うよ。

 

集合


無限大の未来 新しい今日にsay hello!
上手くいくよ いつでも味方だから to you!
顔上げて胸張れ 守るべき君の明日は
絶対 絶対 幸せになれるよ             
(「happiness to you!」の歌詞より)

 

TEXT:長澤智典

 

セットリスト
「deformoon」 
「beast」
「roll a DICE」
「occult propose」
「shadow」(植竹優亜ソロ)
「Shine」(春乃友夢ソロ)
「crazy fancy」(長瀬夏帆ソロ)
「LEGEND PLEDGE」
「ROCK ALIVE」
「mu-these」
「happiness to you!」

 

                                 
アンダービースティー
配信デジタルリリース『YNBK』発売中。
11月25日、【日本青年館】生バンドワンマンライブ開催!

 

アンダービースティー Web
https://underbeasty.jp/

アンダービースティー twitter
https://twitter.com/underbeasty

アンダービースティー  公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCk9jNHvb5DGlrDD8ZSjMApA

長瀬夏帆 twitter
https://twitter.com/ub_nagase

 

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