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2025.10.15
ハルニシオン

これからも互いを信じて、忘れたくない花を一緒に咲かせましょう。ハルニシオン、1st ONEMAN LIVE「ただ、君に咲く。」公演の模様をレポート!

 ハルニシオンが人前に姿を現したのが、2025年2月15日にVeats Shibuyaで行った単独ライブ「ハルジオンが咲く頃に」だった。馬場彩華、芹沢心色、来海とい、長浜瑠花、村瀬ゆうな、福間彩音の6人は、あの日から、この世界に新種の花を咲かせ、その種を全国各地に振りまきながら、ハルニシオンという花を愛でる人たちを急速に増やしてきた。
  あれから7ヶ月余になる9月21日(日)、ハルニシオンは1st ONEMAN LIVE「ただ、君に咲く。」をSpotify O-WESTで行った。チケットは、早い時期にSOLD OUTを記録。場内には、勢いよく成長し続ける6輪の花に思い焦がれる人たちが2階にまで大勢詰めかけていた。


 大きなスクリーンに映し出された、『アオバ』のMVの映像を切り取ったメンバーたちの姿。流れる曲に合わせてフロアに生まれた大きなクラップ。一人一人の紹介映像が流れるたびに起きた歓声。その声へ導かれるように、メンバーらがステージへ姿を現した。

 冒頭を飾ったのが、ハルニシオンの始まりを告げた楽曲の『ハルニシオン』。場内には白を中心に、色とりどりのカラフルなペンライトの花が咲いていた。彼女たちは、楽曲が放つ眩しい輝きと観客たちの熱い思いを養分に、胸の内に抱いた思いの種を育てていく。サビに入ったとたん、透明な6つの歌声の花びらが重なり、6人が思いを一つにステージの上で美しく可憐に、しかも力強く大輪の花を咲かせた。曲が進むたびに、一人一人の歌声に力がみなぎりだす。彼女たちはハルニシオンを見つけてくれた仲間たちへ向け、胸を弾ませ、澄み渡るその声で「この場所でも輝かなきゃ」や「力貸してくれますか?」と歌っていた。メンバーも観客たちも、眩しい輝きを放つ大きな花をこの場所へ一緒に咲かせたいと本気で思っていた。フロア中から上がった「それはハルニシオン」の歌声が、胸に熱く響いていた。
 「目を覚ませ!~音速を超えていく少女~"ここにいるよ"」と、彼女たちはここから一気に駆けだそうと、力強く『音速少女』を歌いだした。一人一人が胸に抱いた闘志を燃やし、一緒に時代を変えようと誘いかける。夢や未来をつかもうとする6人の強い意志に共鳴した大勢の人たちが、彼女たちの思いへ応えるように熱い口上を唱えていた。6人の「もっともっと」と求める思いに向け、場内の人たちがシンガロングしてゆく。鼓膜を震わせるほど一体化した観客たちの歌声が、気持ちを奮い立てる。早くもこの場所には、夢を叶えようと強く生きる人たちが生み出す熱情した景色が作られていた。


 MCでは、この日が完全SOLD OUT公演になった喜びを語っていた。自己紹介のMCでも、「私たちの生きざまを全力で届けます」や「この場でしか伝えられない気持ちを全力で届けます」など、それぞれが熱い思いを口にしていた。「ハルニシオンとして初めての夏を駆け抜けて、私たちは数倍もパワーアップしています」の声からも、彼女たちの自信や成長ぶりが伝わった。


 明るく弾けた楽曲が流れだした。次のブロックは『Luv it!』から。躍動したダンスビートに身体も気持ちも委ねたメンバーたちが、手にしたタオルを力強く振りまわす。彼女たちの気持ちと同調するように、観客たちも手にしたタオルやペンライト、手をくるくると振りまわし、一緒になって眩い青春の景色を描きだす。ともに心を晴れた景色に染めあげ、最高の想い出になる物語のひとこまひとこまをみんなで作りあげる。観客たちが彼女たちの動きを真似てはしゃぐたびに、場内の熱気がどんどん上がり続ける。
 「みんなでジャンプして、もっともっとぶちあげていくよ!!」の声を合図に彼女たちは『Jumpin'』を歌い、この場を、観客たちが無邪気に飛び跳ねる景色に染めあげた。6人の歌声にも、弾けた明るさと凛とした強さがあふれている。彼女たちが「Jumpin Jumpin」と声を上げて跳ねるたびに、場内中の人たちもジャンプをしながら6人に向かって熱した声を上げ続ける。6人の凛々しい歌声に触れるたび、気持ちが熱く騒ぎだす。だから、彼女たちの上げる「Jumpin Jumpin」の声に合わせてジャンプを続けていた。歌詞の一節のように、"新しい時代"へ向けて一緒に飛び跳ね続けていたい。 
 新しい青春の花を咲かせるように、彼女たちは『白春』を歌いだした。胸の奥に閉まっていた勇気を少しずつ振り絞るように歌う一人一人の姿が、とても愛らしい。ハルニシオンの歌は、いつだって未来を向いている。その未来を手にしたくて、支えてくれる仲間たちと一緒に挫けそうな弱い心を奮い立て、そこへ光を照らしてゆく。自分を信じた彼女たちの歌声は、希望という眩しい輝きを放っていた。その輝きをつかみたくて、観客たちもメンバーらへ向けて熱い声を張り上げていた。どんなに季節が巡ろうと、この気持ちを一緒に感じあいながら、ともに駆け続けたい。彼女たちが切り開く未来への道を一緒に駆け抜けたい。

 躍動したダンスビートに乗せ、スモークの立ち込めるステージの上で、メンバーたちが軽やかに踊りだす。『微かなルクス』だ。華やかなリズムを鳴らす楽曲に気持ちを刺激されたメンバーたちが、凛々しい歌声を響かせ、ときにスカートをなびかせて踊りながら、モノクロな心を少しずつ鮮やかに彩りだす。6人は、胸の内で蠢くもどかしい思いを吐き出すように歌っていた。彼女たちがスカートをひるがえし、迷い惑う気持ちを振りきるように歌う姿に向けて、場内中から熱い声やクラップが響き渡る。内に秘めた情熱を解き放ち、思いの花を咲かせるように歌う、その姿が愛おしい。
 跳ねた甘い楽曲の上で、6人は心の翼を羽ばたかせるように軽やかに歌い踊りだした。『夜明けを合図にして』でも彼女たちは、ときにセリフのように言葉を繰り出し、弱い自分と対峙し、みずからを奮い立てるように沸き立つ思いを声にして伝えてきた。いらだちさえ、己を鼓舞する力にしてゆく彼女たち。ときに感情的な様も見せながら。一人一人が心の色を塗り替えようとしていく。揺れ動く6人の気持ちが、そのまま歌声になって場内に響き渡る。ネガティブな自分を認めたうえで変わろうとする姿へ触れるたびに、心が奮い立つ。
 彼女たちは『仮初花火』を通しても、後悔を積み重ねてゆく弱い自分の気持ちを少しでも奮い立てるように歌っていた。切なさや悲しみに染まった曲なのに、一人一人の歌声に強い意志を感じるのは、重ねた後悔が、何時か甘酸っぱい青春という想い出になることを知っているから。だから、揺れ動く感情のままに歌う声に心がずっと引き寄せられていた。もどかしい思いをすべて花火のように打ち上げてゆく、その力強い歌声に気持ちを奮わせていた。


  大きなスクリーンに映しだされたのは、MVが公開になったばかりの『アオバ』のメイキング映像。一人一人が曲への思いや撮影中の気持ちなどをカメラに向かって答えていた。『アオバ』でメンバーたちは、2着のモノトーンの衣装を身につけていた。これまでとは違う、クールで格好いい姿が映像を通して見えてきたのも嬉しい。そのうえで…。

  MVの中で身につけていた衣装に着替えたメンバーたちがステージへ。届けたのが、ライブ初披露になる『アオバ』。影と光のように、相反するようで寄り添いあう2つの感情が交錯することで生まれる思いを、ハルニシオンはスケールの大きな楽曲に乗せて伝えてきた。彼女たちは影を持った言葉の一つ一つに輝きを与えるように歌っていた。背景には、MVの映像を投影。その姿とシンクロするように6人の姿を見つめる観客たち。次第に躍動していく楽曲と、次第に光を帯びてゆく彼女たちの歌声。6人は大切なものをつかもうとする強い意志を持って、楽曲以上にスケールの大きな声を響かせていた。彼女たちがこの曲を通して見せた笑顔は、とても凛々しかった。
 『FlowerBird』のイントロに合わせて場内から起きた熱いコール。スケールの大きなこの曲でも、彼女たちは胸の奥から沸き立つ思いに光をまぶし、輝きを放つように歌っていた。雄大な景観を描く楽曲の上で、彼女たちは親しみを覚える歌声や仕種で「生まれたての青い鳥」と歌いながら寄り添ってきた。ステージの上で可憐に舞い踊るメンバーたちの姿をずっと見つめていたい。生まれたたての青い鳥のような彼女たちの羽ばたく姿が、見ている人たちの気持ちの背中を押してゆく。とても可憐なのに、一人一人が強い存在感を放っている。だから、自信を胸に歌うその姿に心がずっと惹かれていた。

 「後悔がないように、全力で楽しんでいきましょう」と響いた声。6人は力強く躍動する楽曲の上で、気持ちを奮い立て「あの空へ!あの空へ!」と、声を高らかに『アノソラへ』を歌っていた。自信に満ちた??いや、心が何度負けそうになろうとも、挫けそうな気持ちを奮い立て、彼女たちは未来で手招く成りたい自分に向かって、「あの空へ!あの空へ!」と力強く歌声の翼を羽ばたかせていた。羽ばたくたびに6人が振りまく眩しい輝きをつかみたくて、大勢の人たちが彼女たちに向かって両手を伸ばしていた。
 最後に彼女たちは、今を卒業し、ここからさらに新たなステージへ向けて一緒に駆け出そうと、[咲き誇れ~やがて光になれ」と『gradation』を力強い声で歌い、この場へ輝く勇気の花を咲かせていった。背景にはMVも投影。走り始めた頃は、か弱さも匂わせていた彼女たちが、今では、仲間たちを引っ張る姿を見せていた。その声が示す先の景色に向けて一緒に駆けだしたい。だから、輝きに向かって走る6人に手を伸ばしながら飛び跳ねずにいれなかった。奮い立つ感情が身体をずっと揺さぶり続ける。興奮を覚えた気持ちが、ずっと熱く沸き続けてゆく。

 「この夏、ハルニシオンはいろんな貴重な経験をしてきました。ハルニシオンは、この6人でこそ意味があると、改めて確認できた日々でした。ライブという場を通して、一人一人と目を合わせるこの時間が大好きです。ハルニシオンを好きでいてくれるあなたと作るライブが好きだと改めて感じました。この夏を私たちと一緒に過ごしてくれてありがとうございました」(馬場彩華)


 アンコール前にハルニシオンは、未来に向けた嬉しい発表を伝えてくれた。それが、『アオバ』の配信リリースを皮切りにした6ヶ月連続配信リリースのお知らせ。そして、「ハルノカエリミチ」と題し、メンバー全員の地元を含めた全国&凱旋ツアー。そのファイナルとして、2026年2月15日に恵比寿The Garden Hallでワンマン公演を行うことだった。

  「ハルニシオンという花が君の心に咲くように」の声を合図に、アンコールは、新曲の『ただ、君に咲く。』を初披露。とても爽やかな、もどかしい思いを胸の内に抱えながらも、きっと花咲くからと歌う、ハルニシオンらしい眩しい青春の輝きを覚える楽曲だ。彼女たちは知っている、涙したぶんだけ笑顔になれることを。その涙を養分に、どんな環境の中でも花を咲かせようとする彼女たちにとても似合う楽曲だ。『ただ、君に咲く。』に触れた一人一人の心の中に希望という種を蒔き、芽吹かせてくれたのが嬉しい。終盤には、大きく手を振りながら「La La La~」と歌う彼女たちと一緒に、大勢の人たちが手を左右に振りながら歌声を重ねていた。ハルニシオンとして歩むうえでの生きざまを記したこの曲の歌詞には、ぜひ注目してほしい。『ただ、君に咲く。』、より一層大きな花を咲かせた、今のハルニシオンにとても似合う楽曲だ。

 「『ただ、君に咲く。』は、ここまでの7ヶ月半の軌跡を私たちらしく表現した楽曲です。今日、この景色も、いつかは想い出になるときが来ます。そのときに、あなたは何を思い出したいですか?!わたしは、あなたを思い出したいです」(福間彩音)

 「わたしたちとあなたとの始まりの曲です」の言葉を合図に、ハルニシオンは最後に、ふたたび『ハルニシオン』を届けてくれた。フロアには数多くの白を軸にしたカラフルなペンライトの輝きが花咲いていた。一人一人が思いを強く込めて歌う姿に向けて、場内中にたくさんの声の花が咲き誇る。熱気に満ちたこの空間に、6人はひと際眩しく輝く思いの大輪を咲かせていった。観客たちは心にハレーションを感じながらも、その眩しさの中へずっと一緒に包まれていたくて、力の限り思いをぶつけていた。彼女たちに触れて心に花を咲かせた大勢の人たちが、この景色をもっともっと輝かせたくて、気持ちを一つにしていた。

 「春、夏と、季節が変わっていくのを一緒に過ごしてきました。まだ見たことのない景色を一緒に過ごしてきた中で、大きな思いをみなさんにもらったなと思っています。季節が変わっていく中で、失くしたり忘れてしまう感情もあったんですけど。忘れてしまいそうな感情を何度も思い出し、大切な想い出に。忘れられない花に変えていけたらいいなと私たちは思っています。今日も、みなさんの応援のおかげで、私たちは活動が出来ています。だからこそ私たちは、ただ、君に咲くあなたのためのステージで、改めて一人一人の目を見て伝えたいと思います。本当にいつもありがとうございます。これからも私たちの未来を信じて、期待してもらって、一緒に歩んでいけたらいいなと思います。あなたが信じてくれたら、私たちはどこでも咲いていけます。これからもお互いを信じて、忘れたくない花を一緒に咲かせましょう」(村瀬ゆうな)


LIVE

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PHOTO: さいちょー
TEXT:長澤智典


セットリスト
『ハルニシオン』
『音速少女』
『Luv it!』
『Jumpin'』
『白春』
『微かなルクス』
『夜明けを合図にして』
『仮初花火』
『アオバ』
『FlowerBird』
『アノソラへ』
『gradation』

-ENCORE-
『ただ、君に咲く。』
『ハルニシオン』  

 

<インフォメーション>


ハルニシオン「アオバ」Official MusicVideo



ハルニシオン「アオバ」-Performance Video-

音源: http://linkco.re/ruxd8F9H
歌詞:https://harunision-official.boosty.app/contents/655
 

INFORMATION

全国ツアー「ハルノカエリミチ」

✿11/8(土) 千葉@ 柏PALOOZA
✿11/9(日) 茨城 @ つくばPARKDINER
✿11/22(土) 佐賀@ 佐賀GEILS
✿12/13(土) 島根@ 出雲APOLLO
✿12/25(木) 東京@ Veats SHIBUYA
✿1/17(土) 宮城@ MACANA
✿1/24(土) 大阪 @ OSAKA MUSE
✿1/25(日) 愛知 @ ell.FITS ALL

2026.2.15 1周年LIVE @恵比寿 The Garden hall                           

SNS
https://lit.link/harunision

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