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2025.06.18
Venus Parfait

Venus Parfait 1stワンマンライブ「初めてなのは罪ですか?」 可愛いだけじゃない、大人の余裕と本気のステージ。 全力のママレンジャーが魅せた最強ライブレポート!

2025年6月15日、渋谷DAIAにて開催された、Venus Parfait初のワンマンライブ「初めてなのは罪ですか?」。平均年齢36歳、子育てと仕事を両立しながら輝く、大人のアイドルグループ、Venus Parfait。キラキラとした可愛さに、大人の色気と包容力をプラスしたステージで、ファンを温かく、そしてちょっぴりセクシーに包み込んだライブをレポートする。

 緊張感に包まれた中、SEが鳴り響き、メンバーがステージに登場。一人一人が華麗に振り向き、ファンへ視線を送ると、いよいよファーストワンマンライブの幕が上がった。

 

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  1曲目は最新曲『TABOO TABOO』。「ダンスがかっこいい」「4人にすごく合っている」と、ファンからも評判の高い新曲。曲が始まると、キレのある、そしてどこかセクシーなダンスでファンを魅了していく。その姿に、会場のボルテージも一気に上がり、1曲目から熱いコールが飛び交った。その声を受けてもなお、ぶれることなく、力強く伸びやかな歌声を響かせる4人に、大人ならではの余裕と覚悟がにじむ。パラパラの要素も入ったダンスでどこか懐かしさも感じさせるこの曲は、Venus Parfaitの“新たな定番曲”になっていくことを予感させた。

「今のVenus Parfaitのすべてを見せるので、全力でついてきて!」。そんな力強い言葉と共に始まったのが『アラフォーHAPPY WEDDING』。タオルをくるくると回しながら、河合風花の大人っぽい歌声が響き渡る。「最強!最高!」の掛け声に合わせてこぶしを突き上げるファン。歌って踊る4人と、それに応えるように突き上げる拳で、会場はまるで祝福の渦。楽曲中の「おめでとう!」というセリフでは、ファンも声を揃えて「おめでとう!」と叫ぶ。結成2年目にして叶えた初ワンマンライブを祝福するように、アラフォーHAPPY WEDDINGで会場は特別な一体感に包まれた。

 

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続いて披露されたのは、『Battery Charge』。タイトルの通り、一人一人の“バッテリー”をチャージするかのようなパフォーマンスだ。メンバーカラーのハート型ペンライトを手に、軽やかに踊りながら跳ねるように歌う4人。会場中が明るい声と笑顔で満たされ、「おいおい!」の声も自然と沸き起こる。どんな辛さやストレスも、優しく包み込んでくれるようなVenus Parfaitの歌声と存在感。その大人の優しさ、包容力に、ファンの心も癒やされていく。掲げられたペンライトが、それぞれの心を照らしているようで、しっかりとエネルギーがチャージされていくのが感じられた。エネルギーをフルチャージされたファンたちの熱が冷めぬまま、企画コーナーへ突入。

 

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  スペシャルゲストとして、楽曲制作者でもある石谷光さん、サポートとしてKENJIさんが登場。2人 によるアコースティックギターの演奏に乗せて、宇沙木ゆき&初原千絵、河合風花&辺見レナの2組に分かれたユニットパフォーマンスが披露された。
 まずは、15年来の絆で結ばれた宇沙木ゆき&初原千絵が『罪ですか?』(アコースティックver.)をパフォーマンス。初原千絵が20歳の頃に出会ったという2人。赤いライトに照らされたステージに立つ姿からは、長年の信頼と、色気も溢れていた。甘い歌声で「I love you」「I need you」と囁くように歌う一方で、力強い歌声が響くたびに、会場の空気はどんどん大人の世界へと染まっていく。アコースティックギターの音色と溶け合う2人の声に、観客は静かにペンライトを揺らしながら、じわじわと引き込まれていく。真っすぐ前を見つめて歌う姿、響き渡るギターの音色、そのすべてに心臓をドキドキさせられた。
 ドキドキが残る会場に、河合風花と辺見レナが登場。初期メンバーである二人が歌ったのは、Dream Again(アコースティックversion)だ。王道アイドルソングの輝きはそのままに、アコースティックギターの音色が重なることで、どこか切なく、心を揺さぶるエモい時間が生まれていく。柔らかな微笑みと、しなやかな所作。ふたりの立ち姿からは、大人の余裕と、これまで歩んできた時間の深さがにじみ出ていた。「キミともう一度」そんな想いが歌声に込められ、ファンひとりひとりの胸へと届いていく。「今の私だから歌える歌がある」の言葉を体現するように、河合風花は胸に手を添えて、辺見レナは高く手を伸ばしながら丁寧に想いを届けていく。「レッツゴー」の掛け声では、ペンライトが一斉に振られ、落ちサビでは思わず胸が締めつけられるような感情に包まれた。
 アコースティックギターに乗せて披露されたパフォーマンスは、歌の力強さだけでなく、どこかセクシーな一面も際立たせるものであり、改めて“今のVenus Parfait”を見せつけられた。MCでは、ゲストである、石谷光さんとKENJIさんにまつわるトークも。メンバーから、「みんなゲスト誰か知ってる?」という問いかけに、会場から「光!」と反応するファンの声も飛び交い、あたたかな一体感に包まれた。また、Venus Parfaitの全楽曲を手がける石谷光さんからは、「Venus Parfaitは、“歌える人”という前提で曲を作っている。だから作り甲斐がある」の言葉も飛び出していた。それは、彼女たちの確かな実力を証明するもの。同時に、信頼でつながったチームの絆を、改めて感じさせる印象的な場面でもあった。

 

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  ライブ後半に差し掛かると、メンバーが新衣装をまとい登場。白を基調にしたふわふわのワンピースに、首元のリボンが上品さを添える。ファンからは「かわいい!」という声が飛び交い、会場の空気は一気に華やいだ。そして、「新衣装があるということは?新曲を披露したいと思います!」という合図とともに、新曲『変身!ママレンジャー』が始まった。メンバー全員が“ママ”であるVenusParfaitだからこそ歌える、唯一無二の楽曲だ。
  目覚まし時計の音で始まるイントロは、ママとしてのリアルな日常を思わせる。朝から晩まで走り回る生活の大変さを描きながらも、サビに入ると一変。「全部を両立して 変幻自在 変身ママレンジャー」も印象的。ママでありながら、アイドルとしてキラキラとステージ上で輝いている。家の中ではママ、家の外ではアイドル。どちらも本当の姿。そのギャップにこそ、彼女たちの“今”が詰まっていた。落ちサビでは衣装が一斉にチェンジ。それぞれのメンバーカラーのリボンがあしらわれた衣装へと変わり、会場は一層カラフルに、ドラマチックに染まっていく。Venus Parfaitにしかできない、ママとアイドルの垣根を軽やかに越えていくようなパフォーマンスはファンの胸に深く刻まれた。
 続く『Private Lesson』では、それまでのキラキラとしたアイドルらしさから一転。赤と青のライトが交差する中、ステージは一気に“大人の世界”へとシフトしていく。妖艶な視線としなやかな動きで、メンバーたちはファンを巻き込みながら、その世界へと引き込んでいった。「教えてあげる。その言葉に吸い寄せられるように、ファンは大きな声でメンバーの名前を叫ぶ。セクシーな大人のクラップに乗せて、ステージと客席が一体となっていく。曲が終わると、会場には思わず漏れたような「フーッ」という歓声。それは、大人の恋に踏み込んでしまったような、甘くてスリリングな余韻を残していた。

  後半の盛り上がりを加速させるように、4人で再び『Dream Again』へ。「みんな、もっと声出して!」という煽りに、会場からは熱いコールが響き渡る。力強くまっすぐな歌声に乗せて、一人ひとりが客席の目をしっかり見ながらパフォーマンス。アップテンポなこの曲には、会場にいるすべての人を肯定していくような力も感じられる。2番ではメンバー同士が目を合わせながら、それぞれのフレーズを歌い上げる。その姿は、まるで意志を確かめ合うよう。静かな絆と、確かな覚悟が感じられた。全力でアイドルを楽しむメンバーと、全力で応えるファン。互いの熱がぶつかり合い、会場がひとつになっていく。そこに感じられるのは、セカンドキャリアという言葉を超えて、自分の意思で人生を選ぶという強さ。「やりたいことをやり続ける」「届けたいものを届け続ける」そんな信念が、歌のすべてに込められていた。ファンもまた、その想いに背中を押されるように。心も体も軽く、夢を信じて飛び跳ねずにはいられなかった。
  ラストに披露されたのは、このワンマンライブのタイトルにもなっている楽曲、『罪ですか?』。「罪ですか?」そう、少し大人っぽくつぶやくように始まり、会場の空気をまたもや一瞬で変えていく。4人で歌う「罪ですか?」は、ただ艶やかなだけではない。力強さとしなやかさ、甘さと鋭さ、そのすべてを併せ持ち、ファンをじわじわと誘惑していく。Venus Parfaitだからこそ完成される、濃密で特別な一曲だ。宇沙木ゆきは指先までしなやかに踊りながら、ファンをうっとりとした目で見つめる。河合風花の落ちサビは、まるで甘く囁くように観客の胸を溶かしていく。そして辺見レナは、力強い声で空気を引き締める。曲のラスト、初原千絵が再び「罪ですか?」とつぶやくと、客席からは大きな歓声が上がり、曲が終わると割れんばかりの拍手が沸き起こった。

 

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  アンコールでは、ファン待望の撮影OKタイム。再び披露されたのは『変身!ママレンジャー』だ。登場するなり、「1回目、変身したのに“わー!”って声がなかったよ?」と、冗談交じりにファンをいじるメンバーたち。曲中に衣装ががらりと変わるこの楽曲。次こそは“変身”の瞬間を見逃すまいと、会場の視線が一点に集まっていた。2回目のパフォーマンスでは、メンバーたちの表情もどこかリラックス。Venus Parfaitらしい、肩の力を抜いた自然体のパフォーマンスで、会場を優しく包み込んでいく。輝くママレンジャーたちの姿をしっかりとカメラに収める人、ペンライトを振って応援し続ける人。会場は、笑顔と光であふれていた。曲中、秒針の音が響くとともに流れる、わずかな緊張と期待の時間。そしてその瞬間、衣装ががらりと変わり、ママからアイドルへ“変身”。場内には思わずこぼれるような笑顔と、「今度こそ!」と変身の瞬間を目に焼きつけようとするファンの熱い視線が送られた。ママとしての現実を可愛くキャッチーに歌いながら、アイドルとしての夢も手放さない。そんなVenus Parfaitだからこそ生まれるステージに、ファンは最後まで心を奪われていた。

  その後の写真撮影では、嬉しいサプライズが。ファンから、メンバーカラーの花束がプレゼントされたのだ。不意に届けられた幸せな贈り物に、メンバーたちは笑顔をこぼし、会場からもあたたかな拍手が送られた。そしてラストには、4人それぞれからの言葉が届けられた。

まずは宇沙木ゆき。「新曲(変身!ママレンジャー)をもらったとき、仮歌を聴いて号泣したというユキは、「歌詞がまさに私たちのことを歌っていて、ママをやりながら、仕事をしながら、アイドルをしていて……。“先駆け”だとか、“これからのアイドル像”だとか言われることもあるけど、平均年齢が36歳って言うと、すんってなる人もいる。でも、その波打つ心のまま、私たちはさらに進化していけたらと思うんです」と、少しずつ言葉を選びながら想いを語った。「何年か後には、私たちが“先駆け”になっていると思う。ここにいてくれるみんなには、私たちのファンであることを誇りに思って、応援してほしい。ついてきてくれますか? 大丈夫だよ、みんな。一緒に頑張ろうね。これからも見守っていってください」。そう語る姿には、笑顔と強さ、そして深い優しさがあった。
 
 続いてマイクを持ったのは、初原千絵。「独身のときに活動していて、ママになって、それでも“好きだよ”って言ってくれて、ついてきてくれた人たちが本当にありがたくて、嬉しくて……。新しく出会ってくれた人も、こんな私たちなのに応援してくれるのがすごく嬉しい。本当にありがとうございます」と、涙をこらえながら言葉をつなげた。「ママになって1年。忙しくなるって覚悟はしてたけど、思っていた5倍くらい、自分の時間がないんです。でも、Venus Parfaitが本当に大好きで。家族のために、ビーナスのために、とわーってなりながら、ワンマンに向けて頑張ってきました。奥まで人が埋まって、本当に幸せな1日でした。皆さんに、私たちの歌、届いてますか? パワー、届いてますか?」と問いかけると、ファンからは大きな「はーい!」の声が返る。「これからも全力でパワー届けていくので、ついてきてください」

  続いて辺見レナ。「本日は、初のワンマンライブにお越しいただき、ありがとうございました。2年続けて、ようやくこのワンマンができて、嬉しい気持ちでいっぱいです」。泣きながら語る言葉には、たくさんの想いがにじんでいた。「今のメンバーは、刺激的な3人で。戦士であり、仲間であり、大切な友達。今回も“この4人なら何ができるか”を考えて、歌が上手い子たちが多いから、歌を通じてVenus Parfaitを好きになってもらえたら、と思ってここに立ちました。アイドルとしては“歳はいってる”けど、アイドルとしてはまだ新米。まだまだいけるぞ、って思ってます。かっこよくて素敵なアイドルだぞって、グループを通して伝えていけるように。個々での活動も、グループに還元できるように頑張ります。みなさん、安心してついてきてください。ありがとうございました」

  最後に、河合風花。「ありがとうございます。2年前の6月、この会場から私たちはスタートしました。あのとき同じ場所にいてくれた方もいますよね」と、しみじみと当時を思い出しながら、語りはじめる。「2年でファンもメンバーも変わって、今こんなにたくさんの人が集まってくれた。大人アイドルグループをつくろうってなったとき、メンバーをどうしようってなって、最初に声をかけたのが辺見レナ。その後宇沙木ゆきを誘って、初原千絵が“入りたい”って長文のLINEをくれて、今この4人がここにいる。1年目でワンマンをやるって目標を掲げてたけど、36歳、子持ち、活動もなかなかできなくて、応援してくれる人も増えない。メンバーよりファンが少ない時期もありました。それでも、2年目でやっとワンマンができた。前回は対バンだったけど、今回はビーナスのファンだけでこの会場を埋めたい、って思ってやってきた。今日、みんなが見せてくれたこの景色が、本当に嬉しかったです。ありがとうございます」。
  そして最後に、3年目への決意も。 「これから、どこかのタイミングで平均年齢が37歳になります。インパクトある自己紹介ができるし、みんなも一緒に歳をとっていく。足が弱い、腰が痛い、病気の方でも安心して応援に来られるように、椅子席も用意していきます(笑)看護師もいます(笑)だから、いつまでも応援できる環境を整えて、みんなで一緒に歩いていけたらと思ってます。3年目も、皆さんついてきてください」。4人それぞれの人生を背負いながら、それでも“アイドル”という夢を形にしていく姿。
その一言一言が、会場にいたすべての人の心にまっすぐ届いていた。

初原千絵が、「次が最後の曲になります」と告げた。会場からは「えー!」という声が飛ぶ。それに対し、「やっぱりなんか、声が小さいんだよな〜」と、メンバーが冗談交じりにファンに呟く。そんな軽いやり取りにも、ステージと客席の間にある信頼や、フラットな関係性がにじんでいた。どちらか一方が与えるだけではなく、互いに支え合い、共に進んできたことが伝わってくる。アイドルとファンという枠を越えた、あたたかい絆が会場をやさしく包んでいた。
  ラストの楽曲は『TABOO TABOO』。この日、最初にも披露された一曲であり、まさに“始まりと終わりをつなぐ”このライブの象徴でもある。「みんなで、やり切ろうね!」という言葉とともに、辺見レナの力強い煽りが響く。「おいおい!」というファンの声も、どんどん熱を帯びていく。堂々とした歌声と、大人の余裕をまとったパフォーマンス。Venus Parfaitにしか作れない、芯のある華やかさがステージに満ちていた。名前のコールが飛び交い、前に手を伸ばすメンバーの姿に、思わずその手を掴みたくなる。ファンも一緒に“豚のポーズ”や“豚のしっぽ”をマネしながら、最後までライブを楽しみ尽くした。

ファンとメンバー、それぞれがそれぞれを支え合い、励まし合いながら歩んできた2年間。
その関係性が、確かなかたちとなって表れたワンマンライブは、優しい拍手に包まれて、静かに幕を閉じた。

 

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PHOTO:杉本晋一
TEXT::大田真子 

セットリスト
TABOO TABOO
アラフォーHAPPY WEDDING
Battery Charge
罪ですか?(アコースティックver.)
Dream Again(アコースティックver.) 
変身!ママレンジャー
Private Lesson
Dream Again
罪ですか?
《 アンコール 》
変身!ママレンジャー(撮影ver.)
TABOO TABOO

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公式→https://x.com/venus_parfait
河合風花→https://x.com/cyome_romantic
辺見レナ→https://x.com/emmaemma0722
宇沙木ゆき→https://x.com/yukkorock
初原千絵→https://x.com/uiharachie

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